令和6年度4月も後半になってきましたね。
本日某所で「本ブログは更新されていますか?」とお尋ねがあり、急遽、更新。
何かのお役に立てれば幸いです。
以下、2023年8月に読んだものからです。
【漆】
栗山伸司1989「弥生時代の漆製品」『生産と流通の考古学』
→前期は装身具が多い
【絵画】
佐原真 1998「模写・写生・イメージの絵」『文藝春秋』76-7
→ツルは地上に暮らす
【瓦】
谷豊信 1992「仏教伝来と蓮華文瓦当」『新版日本の古代』2アジアからみた古代日本
栗原和彦1989「福岡平野における中世瓦塼の需要について」『生産と流通の考古学』
→中世瓦を概観
【官衙】
村田泰輔2021「藤原宮下層運河SD1901Aの層序」『奈文研論叢』2
【顔料】
柳成煜 2020「古代韓国三国時代の顔料について」『奈文研論叢』1
→新羅と伽耶では漆喰に貝殻由来の炭酸カルシウム
【経塚】
三輪嘉六1985「積上式経筒試論」『日本史の黎明』
齋部麻矢・山口裕平・岡寺良2023「九州国立博物館蔵「豊前國京南郷入覺」銘銅製経筒と入覚妙見社」『東風西声』18
【漁撈具】
種石悠 2014「中央高地の古代網漁と内陸漁撈の独自性」『古代食料獲得の考古学』同成社
佐原真 1975「海の幸と山の幸」『日本生活文化史』1
米田耕之助1978「所謂軽石性浮子について」『古代』64
→弥生・古墳時代の軽石にも注目必要
【研究史】
戸沢充則1984「藤森栄一論」『縄文文化の研究』10縄文時代史研究
塚本敏夫2023「神領10号墳の埋蔵施設および副葬鉄鏃束の3次元デジタル計測」『大隅大崎神領10号墳』Ⅲ 鹿児島大学総合研究博物館研究報告19
種定淳介1989「加古川と由良川」『生産と流通の考古学』
【古代史】
上野誠 2003「万葉びとの生活」『万葉古代学』
田中史生2022「文献からみた古代の武器・武具生産組織と渡来系技術・文化」『第18回古代武器研究会発表資料集』
→8世紀以降も7世紀の技術的系譜を継承する側面強い
佐藤祐花2022「旅する大宰府長官」『万葉考古学』
→山上憶良は旅人との出会いで後世に残る歌を増やした
【古墳】
北條芳隆2017「前方部とはなにか」『古墳の方位と太陽』同成社
玉井功 2023「橿原市所在植山古墳の墳丘と石室」『大阪府立近つ飛鳥博物館館報』26
川畑純 2022「大型古墳の築造と諸勢力関係の整序」『古代学研究』231
小嶋篤 2021「火国の領域設定と鞠智城」『鞠智城と古代社会』9
草原孝典2023「首長墓の築成変化が示す国造制の成立時期」『岡山市埋蔵文化財センター研究紀要』15
→古墳の変遷から国造制の成立を探る
和田晴吾2017「墳墓からみた集団・地域」『畿内の首長墳』
→地域区分論の重要性を指摘
【金銅】
土屋隆史2023「神領10号墳出土胡籙金具の意義」『大隅大崎神領10号墳』Ⅲ 鹿児島大学総合研究博物館研究報告19
→新羅の胡籙金具の系譜上
【集落】
橋本輝彦2021「纏向遺跡研究の今」『季刊考古学』154
市村慎太郎2023「古市古墳群周辺の集落動態と古墳築造集団」『大阪府立近つ飛鳥博物館館報』26
上田龍児2016「奴国の東」『季刊邪馬台国』128
→不時発見に伴う箱式石棺から内行花文鏡出土
白木守 1998「筑紫平野における集落の動向」『弥生時代の集落』第45回埋蔵文化財研究集会
→中期後半に集落が一時途絶える
玉永光洋1995「山の生活」『風土記の考古学』4豊後国風土記の巻
→畑作を意識
松本洋明1995「大和の前期集落とその社会」『みずほ』17
→環濠集落の出現は階層性社会に発展する過渡的な時代
寺沢薫 1984「纒向遺跡と初期ヤマト政権」『橿原考古学研究所論集』6
→纒向論の基礎を提示
近藤広 1993「住居内土坑についての検討」『滋賀考古』9
【縄文】
谷口康浩2008「親族組織・出自集団」『縄文時代の考古学』10
→縄文社会の社会統合レベルや複雑性を測りうる指標
矢野健一2008「押型文手法」『縄文時代の考古学』7土器を読み取る
→彫刻円棒に気づくのは縄文原体のあと
【須恵器】
森川実 2020「麦かんと索餅」『奈文研論叢』1
【青銅器】
岩本崇 2023「鏡からみた沖ノ島祭祀の展開」『沖ノ島研究』9
中井歩 2018「古墳時代前期における小型鏡の系譜と変遷」『紀要』11 埼玉県立史跡の博物館
→古墳前期銅鏡生産成立過程解明に役立つ
中村大介2021「細形銅剣出現後の日韓青銅器流通と鉛同位体比」『埼玉大学紀要(教養学部)』57-1
→遼東鉛の視点が面白い
中村大介2022「青銅短剣をもつ人々:弥生文化の武器の源流」『第18回古代武器研究会発表資料集』
→粘土帯土器文化の首長墓では近接武器は短剣からはじまる
鈴木基親・渡辺正気1958 「福岡県筑紫郡大野町原門所在箱式石棺群出土の内行花文鏡」『九州考古学』5・6
→土壙墓から内行花文鏡出土
岡内三真1980「朝鮮初期金属器の製作技術」『古代探叢』
→土製鋳型の存在を想定
高浜秀 1995「西周・東周時代における中国北辺の文化」『文明学原論』
→鹿石もポイント
杉山洋 1989「唐式鏡の生産と流通」『生産と流通の考古学』
→日向がポイントとなる地域
近藤喬一1973「三角縁神獣鏡の仿製について」『考古学雑誌』59-2
【石製品】
西谷真治1983「古墳時代の盒」『帝塚山考古学』3
【石器】
山内清男1932「磨製片刃石斧の意義」『人類学雑誌』47-7
【銭】
鈴木公雄1999「出土銭貨研究の地平」『出土銭貨の研究』東京大学出版会
徳富孔一2021「中国墓における銭文を配す墓葬用品の様相」『七隈史学』23
【装身具】
廣瀬時習2023「一須賀古墳群出土耳環の考古学的検討」『大阪府立近つ飛鳥博物館館報』26
佐原真 2002「総論ーお面の考古学ー」『仮面』
大谷育恵2023「北魏期の針形垂飾付き耳飾」『東風西声』18
【その他】
藤澤典彦2023「擬宝珠と結界」『論集空間と境界」大阪大谷大学歴史文化学科調査研究報告書3
【玉】
寺村光晴1985「硬玉の出現と産出地」『日本史の黎明』
→硬玉は島田貞彦が最初に紹介
【中国】
釣田正哉1983「中国先史時代」『帝塚山考古学』3
松浦宥一郎1985 「凹字形金属製農具について」『日本史の黎明』
→青銅製鋤先への影響を想定
【中世】
浅香年木1971「中世の技術と手工業者の組織」『講座日本歴史』6中世2
鈴木国弘1983「中世前期親族論序説」『日本史研究』247
中井淳史2005「文献からみたモノ資料」『中世の城館と集散地』高志書院
→土師器の清浄性は中世では認められない
【朝鮮】
安井良三1983「考古学上からみた日韓関係の諸問題」『帝塚山考古学』3
今津啓子1989「朝鮮系軟質土器流通の背景」『生産と流通の考古学』
→朝鮮半島の軟質土器の様相に迫る
後藤直 1971「西朝鮮の「無文土器」について」『考古学研究』17-4
→紡錘車の様相を把握
【鉄器】
魚津知克2023「五世紀末における鉄製工具の画期と新原・奴山古墳群」『沖ノ島研究』9
三好裕太郎2023「神領10号墳出土の鉄鏃の位置付けについて」『大隅大崎神領10号墳』Ⅲ 鹿児島大学総合研究博物館研究報告19
→在地産品を含まず中期様式の鉄鏃主体
橋本達也2023「神領1号墳出土甲冑の評価」『大隅大崎神領10号墳』Ⅲ 鹿児島大学総合研究博物館研究報告19
→革綴技法の鉄板を鋲留技法で修理
杉山秀宏2023「群馬県における古墳時代鉄鏃の棘状関の出現について」『研究紀要』41群馬県埋蔵文化財調査事業団
→金井東裏遺跡で時間的使用点を抑える
初村武寛2019「陵山古墳出土甲冑について」『陵山古墳』橋本市教育委員会
→鉄地金銅装小札鋲留眉庇付冑
宮本一夫2022「朝鮮半島における初期鉄器時代の始まり」『史淵』159
→時期的変遷を明らかにする
【陶磁器】
伊藤嘉章2000「日本出土の東南アジア陶磁」『日本出土の舶載陶磁』
【動物】
菊地大樹2022「初期東部絲綢之路の駱駝」『金沢大学考古学紀要』43
→漢王朝が北方における駱駝の飼育を強く認識
苅米一志2009「山野河海における生類と信仰」『動物と中世史研究』6 動物と中世
→人間との互換性あり
【農業】
庄田慎矢他2021「甘樫丘東麓遺跡出土コムギ炭化種子のユーラシア考古植物学的位置づけ」『奈文研論叢』2
【馬具】
桃崎祐輔2014「山王山古墳出土馬具の検討」『山王山古墳』飯塚市文化財調査報告書45
→石棚導入に紀氏の関与
【博物館】
中尾智行2021「博物館の北極星」『MuseumDate』82
青木加苗2021「ミュージアムが新たな公共性のモデルを生み出すとき」『MuseumDate』82
山本哲也2021「社会的包摂の視点で博物館とは何かを考える」『MuseumDate』82
持田誠 2021「「博物館」と「学芸員」の問題は別々だと痛感した20年」『MuseumDate』82
→この視点は大切
佐久間大輔2021「博物館とはなにか:役割の拡大と硬直化している財源の矛盾」『MuseumDate』82
【土師器】
橋本輝彦2021「纒向遺跡巻野内家ツラ地区における土器様相」 『纒向学研究』9
島崎久恵2023「ミニチュア土器の副葬について」『大阪府立近つ飛鳥博物館館報』26
→土師質の装飾器台あり
森川実 2021「土片埦から土片坏へ」『奈文研論叢』2
【半島系】
板橋正幸2001「栃木県内出土の新羅土器について」『研究紀要』9
白井克也2023「加耶の広口壺」『東風西声』18
→壺の置き方、見え方で装飾が異なる
【棺】
甲斐康大2023「神領10号墳石棺の系譜」『大隅大崎神領10号墳』Ⅲ 鹿児島大学総合研究博物館研究報告19
→延岡の工人の関与
橋本達也2023「神領10号墳の埋葬施設の構造と副葬品配置」『大隅大崎神領10号墳』Ⅲ 鹿児島大学総合研究博物館研究報告19
→ 器物埋納施設の分類案提示
森浩一 1984「横口系石槨の木棺資料」『橿原考古学研究所論集』6
→2日間のみの調査の所見を論文に活かす
【船】
森田克行2023「瀬戸内航路の神々と倭王権」『沖ノ島研究』9
中村弘 2008「播磨・長越遺跡出土の準構造船竪板について」『研究紀要』1兵庫県立考古博物館
【墳墓】
古川登 1993「北陸地方西部における弥生時代墓制の変容」『滋賀考古』9
【掘立柱】
佐原真 2001「人はなぜ塔を建てるか」『高さを求めた昔の日本人』
【模造品】
清喜裕二2023「宗像大社辺津宮境内「高宮出土として伝世する品」が提起する問題について」『沖ノ島研究』9
【木器】
浦蓉子 2020「古墳時代前期における木工技術の変容」『奈文研論叢』1
中村弘 2005「兵庫県出土の木製発火具について」『研究紀要』4兵庫県教育委員会埋蔵文化財調査事務所
大熊久貴2023「古代横櫛の製作技術」『考古学集刊』19
→男女の役割分担が興味深い
【弥生土器】
齋藤瑞穂2023「早期弥生土器再編」『利根川』45
豆谷和之1998「唐古・鍵遺跡とその周辺」『みずほ』27
田畑直彦2023「山口県熊毛郡上関町祝島山惣津遺跡出土の須玖式土器」『山口大学構内遺跡調査研究年報』ⅩⅤ
→弥生中期末に祝島ー国東半島ルートの掌握
伊藤淳史2014「唐古遺跡出土の縄文ある弥生土器」『史林』97-1
→伊勢湾沿岸地域からの影響
宮崎貴夫2022「在地壺と搬入された甕棺・大甕・大壺の検討」『西海考古』12
→糸島型大壺の設定
【ロシア】
加藤晋平1985「沿海州の初期農耕について」『日本史の黎明』
→紀元前二千年期後半にアワ・キビの雑穀栽培