「しょ……く、」
寝起きでガサガサな声が俺を呼ぶ。智くんから解放されたニノは、財布片手に楽屋を出ていった。あまりにも自然すぎて、それが彼の気遣いって事に度々気づけなくなる。
「しょお、くん」
「なぁに。智くん」
ぼーっとしていて、甘えたな感じで俺を見る。ふにゃあ、と嬉しそうに笑うからこちらも顔が綻ぶのを抑えられない。
数m離れた先に、智くんがいる。彼は俺の方向に腕を伸ばした。
来て?みたいな。
いいよ、みたいな。
甘すぎるそれが愛しくて、泣きそうになって、やっぱり好きで。
あなたしかいない、と再確認させられた。
「しょおくんの声、すき」
「うん。俺も」
抱き締めた。つよく、つよく。
それであなたも抱き締め返してくれた。離れていくのを惜しむように、耐え難い悲しみを昇華していくみたいに。
ああ、すきだよ、愛してる。
そんな思いは胸にしまって、深いキスをした。これが俺の気持ちだよ。ねぇ、届いてるかな?
「っん、ぁう…」
「俺んち、来ない?」
「でも今日、用事は…?」
「大丈夫。ちょっと時間あるから」
そう言えば、優しい顔でそっか、と言った。嬉しいのかな?それなら、俺も嬉しい。よし、今日はパッと行ってパッと帰ってこよう。友人には本当に申し訳ないけど、うん、しょうがない。
だって、こんな姿見たら…色々持たない。
「俺ちょっと出るけど、待ってて。帰ってくるから」
「ん、まってる」
またキスをして、抱きしめ合った。
あなただけ。
あなただけが好きだよ。大好き。
