おしまいは始まり | 大神Blog

おしまいは始まり

いまだに届くクリア報告のお便りに、毎日心を躍らせている神谷です。
「エンディングで泣いた!」という声を良く耳にしますが、物語を作った者としては、
これほどうれしい言葉はありません。「大神」をプレーして涙を流すことが出来る、
そんな優しい心をもった人がたくさんいるんだと思うと、僕も嬉しくなってきます!

さて、ついに今回で僕の順番はおしまいですね。
前回、終わりが近づくブログへ駆け込むように、慌てて大量の文章を
書いてしまったので、今回の最終回用の回想コメントがなくなってしまいました(笑)。
まぁ、そのお陰で今日はゆっくり落ち着いて最後のブログを書くことが出来そうです。

最後ということで、改めてこれまでこのブログを書きながら、
仕事をしてきた日々の事を思い返してみたのですが…。ブログを書いている間、
僕はトラックバックしてくれた方のブログを巡回したり(…トラックバックしていなくても、
「大神」について感想を書いているブログを探し回ったり)、毎日順位の上がり下がりに
一喜一憂したりしながら、実は一方的にこの「大神ブログ」を楽しんでいたような気が
します。誰かから「ブログ、読んでますよ!」なんて声を掛けられる事も特になかった
ですし、ユーザーの方から熱烈な感想が寄せられたりということもなかったので、
僕もあまり他人の目を気にせず、自由気ままに思いつく事を書いてきました
(もちろん、書くからには「ユーザーを第一に考えよう」と心に決め、毎回メッセージを
発信していましたが)。スタッフに対して何か物申したい時には、
良くブログで熱い思いを打ち明けたりしていたんですけどね…でもスタッフも、
実はそんなにこのブログを読んでいなかったようです(笑)。

まぁそんなわけで、みなさん暇つぶしに読んでくれているんだろうな…
そして特に盛り上がりもないまま、最後はひっそりと終わっていくのかな…
程度に考え、気楽に構えていたのですが…。

ところが、先週から皆さんからのコメントを受け付け始めた途端、
ビックリするほどたくさんの方からコメントを頂き、反響の大きさを思い知らされました。
公式ホームページの花のメッセージでも「ブログが終わってしまうのが寂しい」なんて
メッセージが届き始めて、まさかそこまで僕たちのブログを楽しみにしてくれていたとは…
と、今になって驚いています。
終わりを惜しむ皆さんの声には、つい目頭が熱くなってしまいました。

ここまで楽しみにしてくれている人がいたとなると、
僕ももうちょっと続けたくなっちゃいますよね(笑)。…それにいざ終わるとなると、
まだまだお話してないことがたくさんある事に気付いてきました。
ダイエット成功報告もしてないですし、「メタルギア」クリア報告もまだですし、
何より次に取り掛かる新しい作品の特ダネ情報の報告が出来てないじゃないですか!

「デビル」や「ジョー」の時は、いつも最終回のコラムで、次の作品の開発画面を
ちょっとだけお見せしてきたのですが、覚えているでしょうか?
丁度コラムが終わる頃には、既に次の作品の制作が始まっていて、
何かしら実験などが進んでいましたからね…。

でも今回は、本当に何も出来てないので、
お見せすることが出来ないんです。
う~ん…(勝手に)恒例行事にしてたのに、残念!

あ、でもご心配なく! 次の作品、まったく何もないわけではないですよ。
頭の中ではちゃんと考えているんです。
例のごとく、モヤモヤとしたものがボンヤリ頭に浮かんでいる程度ですけど。
「大神」の制作が終わって大分経ちますから、早いとこ形にしたいですね。
そして今度こそは、テキパキと作り上げて、早いうちに皆さんにお披露目したいです。
今までの作品すべて完成が遅れて、「あいつはスケジュールを遅らせる常習」なんて
イヤなレッテル(事実ですが…)を貼られていますし、小島さんにも怒られましたし…。
そして何より、僕自身ゲームデザイナーとして、これからどれだけ、いつまでゲームを
作り続けられるのか分かりませんから、限られた時間の中で、少しでもたくさんの
作品を皆さんにお届けするために、無駄な足踏みをすることなく、
ゴールに向かって走りたいのです。

慣れない決意表明はこの辺にしておきましょう…守れなかったらカッコ悪いので…。

そんなところで、一応みなさんに次回作のお話をお伝えすることも出来たことですし、
そろそろ僕のブログを終わりにしましょうか。ブログを書くのも楽しいですけど、
僕はやっぱりゲームを作る仕事をしている時が一番楽しいです。
お別れするのは寂しいですが、これも次の作品への第一歩。
僕が裏舞台に戻って静かにしている間は、黙々と作品づくりをしていると思って、
みなさんゆっくり待っていて下さいね(出たがりなので、また何か物申したくなって
ひょっこり表舞台に顔を出すかも知れませんが…)。

というわけで、みなさん長い間、本当にありがとうございました。
次の作品も、「大神」に負けないくらい面白いものになるように頑張りますので、
みなさんもどうか、末永くゲームを愛し、楽しんでくださいね。

それではまた!!


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画像①:これは「ジョー」のコラムの最終回、
      丁度「ビューティフルジョー リバイバル」が発売になる頃にご紹介した
      カットです。この時にはもう「大神」の開発は大分進んでおり、タッチも
      和風で行くことも決まっていました。中々個性的なタッチが作れたので、
      早く世の中のみんなに見せてあげたい! と強く思う反面、このカットに
      映っているような小さい画像でも、もしもバレて他で真似されたらどう
      しよう…なんて事も考えたりしたもんです(笑)。
      そしてこの時は、その先に長く暗いトンネルが待ち受けているなどとは、
      みな知る由もなかったのです…。


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画像②:…というワケで、今回はこれでカンベンして下さい!