マッツ・ミケルセンはどうしても007「カジノロワイヤル」での、テロリストのお金をギャンブルで溶かして慌てる間抜けな悪役の印象が強かったんですが、、
その後の「ドクター・ストレンジ」でも主人公の修業が終わるまで悪事は待ってくれている親切な悪役として、シリアスとコミカルが絶妙なバランスの映画の世界観に見事に溶け込んだ演技を披露したり、、
さらにその後の「ローグ・ワン」での帝国軍の科学者でありながらデス・スターの開発に抵抗する、娘を想う優しい父親という役を演じてたりと、演技の幅と奥行きはすごいなぁと思いつつも、
主役をやるにはちょっと地味なんじゃないのかなと思っていたのですが・・・。
今回の役柄は引退を間近に控えた殺し屋ダンカンで、現役生活もあと数か月を残したところで早々に隠居しているところに、退職者年金(?)を払いたくない所属元の組織から狙われるという話。
「年金を払いたくない」というのが狙われる理由というのはなかなか斬新なアイディアだと思いましたが、ストーリーや設定はよくある感じのものでした。
現役の暗殺者チームががワラワラやってきて、主人公を狙に来る感じは「スモーキン・エース/暗殺者がいっぱい」っぽくて結構わくわくしたんですが、意外とあっさり返り討ちに遭ってしまったのには
少しがっかりしました。ダンカンがものすごい凄腕だったとかいう描写なり説明があればまた別なんですが。
ただ、思い返してみれば、冒頭の暗殺者チームの登場場面での殺し方も、スナイパーのくせに一発で仕留めないし、その後突入したほかの人間が寄ってたかって撃ち込んでやっと仕留めた感じでしたし・・・
かと思えば他の場面でヘッドショット一発で仕留めてたりと、散らかり気味の印象。
殺し屋チームの描写に関しても、ひとりひとりはそれなりにキャラが濃そうな雰囲気は醸しているのですが、特にそれぞれに触れることもなくで、これも消化不良の印象。
また、ラストの「隣のペンションに住んでいた女といい感じになるも、実は昔殺した一家の生き残りでした」の展開についても、もうちょっと伏線張るとかなんとかならなかったんでしょうか、
あのフラッシュバックの映像だけで何かを察しろというのは相当無理がある気がします・・・。
全体的にあんまり細かく考えて作ってないんだろうなぁという印象でした。
ただ、殺しや拷問の描写に関してはなかなかリアルに「痛そう」な演出で、特にニッパーでチクチク切られるのなんかはもう悶絶しそうな程痛そうでした。
なんとなく続編が作れそうな雰囲気で終わっていたので、二人で復讐の旅に出る話でもう一本作ってもいいんじゃないでしょうか。
途中でダンカンを助けて、武器までくれたあの黒人女性についても深堀りすれば面白い話はできそうですし。

