女性に多いといわれる「便秘」、誰でも経験したことがあるのではないでしょうか?
たかが「便秘」と侮ってはいけません。「お腹が張る」「お腹がポッコリする」「カラダが重い」など、「便秘」はカラダの不調にもつながるものですから、少しでも早く解消したいものです。
「便秘」は、特に女性に限ったことではなく、男性でも経験するのですが、やはり圧倒的に女性に多い理由があるようです。
そこで今回は、女性に多い便秘の原因と対策方法についてまとめました。
「便秘」とは一般的に、「3日以上排便がない、または毎日排便があっても残便感がある状態」だとされています。つまり、毎日排便がないから「便秘」だというわけではありませんし、逆に毎日排便があっても残便感や不快感が残っていれば「便秘」といえるのです。
このように人によって症状が異なるので、2、3日に一度の排便でも定期的でスッキリしていれば問題がないといえるでしょう。
日本人に最も多いといわれているのが「弛緩性便秘」です。筋力が低下して腸の蠕動(ぜんどう)運動が低下するタイプの便秘なので、筋力が衰えやすい高齢者やもともと筋力が弱い女性に多く見られます。腸のはたらきが低下することで腸内に便が停滞するため、ガスが溜まったりお腹が張ったりする特徴があります。
弛緩性便秘の主な原因は「筋力の低下」でしたが、しっかりと水分補給をしていないと便が硬くなって、便がスムーズに流れなくなります。一度便秘になると、溜まった便の水分がどんどん吸収されて排便が困難になり便秘が慢性化して悪循環になります。
日頃からの水分補給が欠かせません。さらに、「この時代に栄養不足?」と思われるかもしれませんが、若い女性に多い「○○だけダイエット」とか、「××抜きダイエット」など、偏ったダイエットや無理な食事制限は栄養不足のもとです。
食物繊維の不足など食生活の乱れは便秘の原因になります。
弛緩性便秘の原因である「筋力の低下」は運動不足から生じます。女性のほうが男性よりも便秘に悩む人が多いのは、女性のほうが筋力が低いから。
そこに加齢や運動不足が加わると、どんどん筋力が衰えて腸内で便を押し出す筋力が低下していきます。
さらに運動不足になると代謝が悪くなり、体内の循環機能のはたらきまで鈍くなってしまうのです。
ですから、排便するためのチカラを身に付けるためには適度な運動が欠かせません。「痙攣(けいれん)性便秘」は、腸の蠕動(ぜんどう)運動が過剰になり、「便秘と下痢が交互に発生する」という特徴があります。
「排便してもスッキリしない」、「ウサギのような硬くてコロコロした便が出る」、「お腹が張って下腹部が痛い」などの症状が現れます。毎日の生活はストレスでいっぱいです。
通勤電車、会社での人間関係、不規則な生活環境、近所付き合いなど、知らず知らずのうちに精神的ストレスが蓄積されていきます。
こうして過度なストレスを感じると、「交感神経」と「副交感神経」のバランスが乱れ、大腸の蠕動(ぜんどう)運動をうまくコントロールできなくなるのです。こうして、腸の運動が活発になりすぎて痙攣状態が起こり、便を上手く排出することができなくなってしまいます。
ストレス以外にも「睡眠不足」は自律神経に強い影響を及ぼします。
忙しい毎日や習慣的な夜更かしによる慢性的な睡眠不足、小さいお子さんがいるママなどやむを得ない事情による不規則な睡眠は、自律神経のバランスが乱れ過剰な蠕動(ぜんどう)運動が生じて、腸の痙攣を引き起こすようになるのです。
「直腸性便秘」は、便意を我慢しがちな女性に多いものです。
朝は、いつもバタバタと支度をしてトイレをさっさと済ませてしまうことがありませんか?
そうして便意を我慢していると、次第に便意を感じなくなっていきます。
また女性なら、外出先でなかなかお手洗いに行けない、会社ではトイレを我慢してしまう、など便意を感じていながら我慢を続けることによって腸の働きが低下し、便秘が慢性化してしまいます。
「弛緩性便秘」の場合
「弛緩性便秘」を解消するには、しっかりと「水分を取ること」食物繊維や乳酸菌などを含む「バランスの取れた食生活」を心がけること、「適度な運動」を取り入れることが大切です。
食物繊維
「食物繊維」というと芋や豆、根菜などのイメージがあるかもしれませんが、それ以外にもフルーツや海藻などに含まれる「水溶性食物繊維」があります。どちらも欠かせないものですからバランスよく摂りたいですね。
乳酸菌
ヨーグルトなどの乳酸菌やオリゴ糖は、相乗効果で腸内の善玉菌を増やし便の排出を助けてくれます。積極的に取り入れましょう。また、和食を食べることが多い人は味噌や納豆、お漬物などの発酵食品でもいいですよ。
朝起きたらコップ一杯の水を!
毎朝、起きたらまずコップ一杯の水を飲むことを習慣づけましょう。そうすることで腸に刺激を与え排便が促されます。水の代わりに牛乳を飲むのもおすすめです。
運動習慣
運動といっても激しい運動ではなく軽めの運動がおすすめ。
例えばウォーキングや軽いジョギング、室内でもできるストレッチやヨガなど長く継続できるものがいいでしょう。このように定期的に運動を続けることで、筋力がアップして腸の蠕動(ぜんどう)運動を促し、便をスムーズに排出できるようになります。
「痙攣(けいれん)性便秘」の場合
ストレスが原因の場合、なるべくストレスを溜めない・解消することが大切です。
ストレスの原因になる状況を変えることはできないかもしれませんが、日々のストレスを上手く発散できるように心がけてみましょう。
例えば、お気に入りの入浴剤を入れてゆったりと入浴する時間を取ったり、アロマオイルやハーブティーなど好きな香りでリラックスしたり。またはスポーツなど積極的にカラダを動かす時間を取る、没頭できる趣味を持つなど少しでもストレスを発散できるといいですね。
また、睡眠時間が不足することもストレスになりますから、できるだけ夜更かしせず毎日しっかりと睡眠時間を確保するようにしましょう。
「直腸性便秘」の場合
「直腸性便秘」の大きな原因は、できるだけ「便意を我慢しないこと」です。
女性にとって、外出先でトイレに行くのはなかなか難しいものです。そこで、便意があってもなくても毎日決まった時間にトイレに入る習慣を身に付けましょう。
できれば少し早起きして朝食後にトイレに行く習慣をつけると、少しずつカラダは便意が起こる時間を覚えていくことでしょう。そのためにも、朝ご飯を食べることも大切です。
便秘の原因とタイプに合わせた対策を
いかがでしたか? 自分の便秘の原因に心当たりはありましたか?
このようにさまざまな原因をみると、女性のほうが圧倒的に便秘になりやすいのも納得できるのではないでしょうか。それぞれ原因に合わせた対策をしないと症状がかえって悪化することがあるので注意が必要です。
また、生活習慣など自分の努力だけではなかなか改善しない場合には「便秘薬」を利用することもひとつの方法でしょう。
ただし、便秘薬には副作用の危険性もあります。薬に頼りたくないという人は、乳酸菌サプリなどを利用するのもおすすめですよ。