私の中には広い部屋がある
今は誰もいない
そこには一つの籠がある
私の両親が丁寧に編んだ籠だ

籠の中には果実がある
色とりどりの大きさも様々な果実だ
すでに歯型がついたものや、少し腐りかけているもの、ツヤツヤ生き生きとしているものもある

時々誰かがやってくる
私の周囲にいる人だ
乱暴に扉を開けてはズカズカと土足で入ってくるのだ
そして籠の中の果実を鷲掴みにして乱暴に齧る
辞めて食べないで 食べないで
そう思っていても届かないのだ 思っているだけだから

そしてまた一つ果実が減った

また誰かがやってきた
今度は軽くドアにノックをして入って来た
そして籠の中の果実を見つけるとジッと見つめた 少し睨みつけるように
果実のツヤツヤ生き生きとした様が妬ましいというようにジッとみつめた
そうして見つめて何分たっただろうか
その人はキョロキョロと周囲を確認するとそっと果実を手に取り、静かに齧った
滴る雫を指でそっと拭って口元触れると満足気に微笑んだ
さらにもう一口、今度は少し控えめに齧った
ますます微笑み、満足気に部屋を出て行った
そして少し齧られた果実はツヤを失い、その後、齧られたところから腐って行った

食べないで食べないで
私の生まれ持った才能、努力、そしてそれらに対する自信
食べないで 私を食べないで
返して
私は誰かの部屋へと走って行った

ここは女の子の国

あなたは今日からここで暮らすのです

この国の女の子たちはみな砂糖やスパイス、それと素敵な何かでできているようにみえますが、そうではありません。野菜や低脂質のお肉、魚、卵、それと少しのお米などからできているのです。

女の子の甘さは人それぞれです。

野菜をたくさん食べたからといって甘くなるとは限りません。

女の子の甘さは生まれた時に体内に秘めてきたお砂糖の量で決まるのです。

体内にたくさんのお砂糖を秘めて生まれてきた女の子は口からお砂糖を摂る必要がありません。だからその分野菜や低脂質のお肉を摂るようになり、ますます甘さを増すのです。