今日は海外ではセラピーをどう受け止められているのかを書きます。
日本では、アロマセラピーがセラピーの代表格ですが、海外では事情が異なります。
私は毎日、オンライン英会話を受講しているのですが、外国人にアロマセラピーマッサージと言っても、まず通じません。
「何それ?スウェーディッシュみたいなもの?」と聞かれるので、「まあ、そんな感じ」と答えています。
イギリスでは以前はNHS(国民健康保険)で医療費が無料だった時期があり、自然医療が保険でカバーされていたこともありました。
私が留学していた時期は、半年以上滞在している留学生まで医療費無料という「ゆりかごから墓場まで」の福祉国家でした。
オーストラリアやドイツでは、個人で加入する保険会社のグレードによって、自然医療が保険でカバーされています。
CIBTACやITECで勉強していると、「GP」という言葉に遭遇します。
「セラピストの手に負えない場合はGPに相談すること」など、禁忌事項の章で出てくることが多い言葉です。
GPとはGeneral Practitionerの略で、総合診療医にかかってからはじめて専門医にかかるという国が海外には多いです。
オーストラリアではGPの診断を受けるのに時間がかかり、さらに専門医にかかるのに時間がかかり、数ヶ月を要するというのが当たり前になっています。
そうならないためにも、オーガニック大国であるオーストラリアでは、みんなが予防のために自然医療で自分の身を守るわけです。
日本ではセラピーとエステの区別がついていなかったり、セラピーはアロマ一択だったり、セラピーを受けるのが贅沢や趣味ととらえられがちですが、海外ではセラピーの受容のされ方が根本的に異なるわけです。
海外では、オステオパシーで博士号が取れたり、セラピストにスーパービジョンが義務づけられていたり、資格の教育フレームワークや職業フレームワークが定義されています。
また、フランスではメディカルアロマセラピーとして精油を処方する医師もいます。
日本でもセラピーが単なる趣味やご褒美、本気ではない人達が少しかじった程度のものではなく、生活の一部として受容されて欲しいと願います。
セラピストという生き方がどのようなものなのか正しく理解される日が来ればよいなと私は思います。
そのためには、セラピストもクライアントも、自然医療に対する深い理解が求められるでしょう。
(写真は、ほぼ歴史上の人物と化しているロバート・ティスランドの来日講演の様子です。今まで常識とされていたアロマセラピーの理論が根底から覆りましたが、セラピストも論理的に考え、深い理解が必要だと思います)