どうしても、どうしても許せない。
養護学校の中で、あんなことが起こるなんて。
私は初めて聞いた時、びっくりした。
びっくりしたなんてものではない。
怒りに震えた。
それを聞いて、周りの教員は、どうして普通でいられるのか。
言葉を話せない子には、心はないと思っているのか。
その場が何事もなく過ぎれば、それでいいのか。
あんな言葉をかけることを何とも思わないまま、彼は、ここを卒業してしまっていいのか。
私は、我慢した。
私は、待った。
最後まで待った。
でも、彼が教室を去った後も、誰も(どの教員も)彼を引き止めることはなかった。
私は、どうしても、どうしても、黙っていることはできなかった。
(以下、私がその場にいた教員に言った言葉の要旨です)
「なぜ何も言わなかった‼️」
「この子には心はないというのか。」
「この子は、好きで車いすで過ごしているわけではないのに。」
「なんで、邪魔だ、といって足蹴にされなくてはならないのか。」
車いすの彼が蹴られたのは、車いすの車輪。
だから、痛みは感じなかった。
彼は、泣きも怒りもしない。
でも、本当に何も感じていないのだろうか。
話せない子、何も言い返せない子には、何を言ってもいい。(まだ社会に出る前の生徒が)そんな誤学習をしてしまわないのだろうか。
その時、(邪魔だと言って車いすを蹴った生徒に)教員は何も言わなかった。
ただ黙って、「邪魔」にならない位置まで、彼の車いすを後ろに引くだけだった。
それから、ひと月くらい経った頃だろうか。
その教員は言った。
「あの時、注意すればよかった」と。
その時、私は少し安心してしまった。
その教員を、許してしまった。
だけどね。それは違う。
注意すればよかった
のではなく
注意しなければいけなかった
のです。
あれは、(生徒にその場で注意しなかったのは)完全に大人側の過失です。
過失なのですよ。
それから心配になり、私はなるべく学校に足を運んだ。
「暴言」を吐いたように思われた彼(生徒)は、実はとても優しい子だった。
やっぱりね。
ならばなおさら。
もったいないじゃない。
きちんとした言葉を使うことを教えてあげなくちゃ。
それが、先生。
あなたがたの役割なのですよ。
追記
ちょっと分かりにくい文章になってしまっていたようです。
「邪魔だ」と言って、車いすを足蹴にしたのは、養護学校の生徒です。
それが、どんなにいけないことであるかを教えるのが教員の仕事である、と。
それを黙って見過ごすことは、黙認しているのも同じだ、と言いたいわけです。
それを私は、教員の「過失」であると表現しました。
教員が、車いすの子のことを、直接邪魔者扱いしたわけではないので、そこは誤解のないよう🙇♀️
内容が分かりやすいように、本文中にも( )の部分を追記しました。