ロヲタァルヴォガ(VOGAに改名)
15周年記念公演「Ato-Saki」

きょうはこれ観てきた。

ヴォガは私のなかでは相当偉大。
一言でいうならメジャークオリティーなんだよ。
美しい光景、心地よいリズム、技巧を凝らしながら無駄のない映像、照明、舞台装置。生身の役者の大音声、凛々しく張り詰めた緊張感。
一つ一つにスタッフの高い意識とこの劇団の品格を感じる。
(練習場所の風景が見てみたいものだが、実際秘訣なんかなくて
単に役者やスタッフの持ち前の能力が高いだけなんだろうなぁ。)

ホールを出るときには気持ちがきりっと引き締まり、上等のものを見た余韻で少し上機嫌になるのは私だけじゃないはず。

今回の物語の内容は、戦時中ニューギニアのジャングルで歩兵として過酷で凄惨な体験をした草壁正造が、終戦後日本に帰還してからの、戦争のあとさきのはなし。

お得意の演出で、人の汚さ、卑劣さ、押し潰されて消えていく者の無念さ、どうにもならない哀しさを生々しくショッキングにどこまでも突き付ける。(それはもうキュウベエさながらに。)しかもそこに描かれているのは今の私たちと何ら変わらない日本人そのものだ。

うつむいて泣くしかない。
ティッシュなくなった。

最後にはきちんと、脚本演出近藤氏なりの答え(救い)もあるので、それを知るために観るもよし。泣いてうなずくしかない。

すごく単純でありきたりな真実だよ。ここで書いても陳腐になるから内緒。

これから東京公演もあるので、ぜひチェックされたし。


ストロベリーソングオーケストラもそうだけど、あれは寺山修司の雰囲気なのかな。つぎはそこんとこの系譜を辿ってみたいな。