魚と イルカの例をとって考えてみますと。

 

このふたつは魚類と 哺乳類で、発生学上は全然べつの生き物です。

だけど、どちらも水という抵抗の大きな環境に適応した結果、

どちらも似たような流線形とヒレを獲得した。

 

わたしには、脳もこれと同じに映るのです。

脳はからだを統率するとてもだいじな器官です。

これが急に活動を停止してしまったら、体にとっては一大事。

 

ですから、体は脳の性能だけでなく、その信頼性も高めているはず。

 

それがつまり、使われてないかに見える脳の領域の、正体ではないのでしょうか。

これは赤ちゃんのうちはランダム・アクセスメモリー状態。

つまり書き込み可能状態にある。

しかしその状態がいつまでも続いてしまったら、学習も早いが 

そのかわりに、いつでも上書きが可能な困ったことになる。

だから大人はリード・オンリーメモリーに近しくなるのです。

 

しかし脳卒中のようなアクシデントに脳がみまわれてしまったときに

性能が解放されて、脳が再び学習可能な状態にいっときなる。

これが、回復期の正体ではないか。

だから、「正しいフォームに気を付けて」とリハの先生も言われるのではないか。

単に神経を通じさせるだけなら、正しいフォームも動作イメージも、関係ないはずでしょう?

 

神経のふとい接続は正しくふとく、そして、ほそい接続は正しくほそく

なるように、まっさらな別の領域でもういちど学習を再開しているのではないか。

もちろん停止していない他の領域とも連携をとって。

 

と妄想した。

 

からだが 生まれた時からもうすでに今日の準備をはじめてくれていて

あとは反復促通法のようなコツをつかって、機能を解放してあげればいいのだ。

と妄想することは わたしには楽しいプラシーボ効果でした。

 

ちがいます!

 

(本当はひそかに信じてるけどね。しっかり つっこんでおかないと。笑)

 

 

つづく。