如是我聞でございます。宜しくお願い致します。
自分が子どもの頃にとても印象に残っている
物語の中に芥川龍之介の「蜘蛛の糸」があります。
多分…絵本のようなもので見聞きしたのか?
定かではないのですが、今でも時々思い出します。
知らない方も見えるでしょう。簡単にあらすじを。
ある日、極楽におられたお釈迦さまが
地獄の底で苦しむカンダタと言う男を見つけます。
当然、悪人ゆえ地獄に堕ちたわけですが…
極悪非道を繰り返して来た男ですが
生前に一度だけ蜘蛛の命を助けたことがあります。
それを思い出したお釈迦さまはカンダタを
救ってやりたいと思い、蜘蛛の糸を地獄の底に。
それに気づいた彼は糸をよじ登り…
と言ったお話ですね!
お釈迦さまが降ろした糸は仏教で言う「慈悲」の
象徴と捉えています。
慈悲の意味…「あわれみ、慈しみ」
つまりお釈迦さまはカンダタを苦しみから
救ってやりたいと「慈悲」をかけたのです。
結局彼は糸が切れてしまうからと自分の後から来る
罪人たちに向かって手を離せと怒鳴り
自分だけが助かろうとするのですが…。
結末は見えています。
糸はカンダタの手元からぶつりと切れ真っ逆さまに。
再び地獄の責め苦を受け続けるというわけですね!
自分の愚かさに気付けなかった人間の末路。
「情けは人の為ならず」と言いますが、
正しくそれが仏教で言う「慈悲」だと思うのです。
日常の一助にして頂ければ幸いです。
合掌