人生がなんであるか、なんて、そんなことはどうでもいいのだ。

まさか、入りながら沸かしたお風呂の湯加減が、思った以上に熱くなりすぎて足し水がもったいないからぬるくなるのを待つはめにならなければ、ここに書くようなことでもないんだけれど、



結局、生きている間に、生き続けるのに必要な食糧や場所や衣服を今より完全なものに近づけて次世代に遺伝する、これの繰り返しが人生。

これが生きるなら知っておかなきゃいけない最大の理由なんだが、

まあ知らない人もいる。

その人たちが、なんだかよくわからない勉強をして、なんだかよさそうな服を着て、時間がきたら組織に加入して、なんだか普通に仕事してる限り、
さっきの真理は、不可解だけど気持ち良さそうな何かでこの先どんどん薄められていく。

まあ中には、意図的に薄めさせてる人がいる。

意図的に薄められていく人もいるんだろうけど。

大木の年輪のように、これからもどっしりと居座らせてもらう。

人類の目的をまだ満たせず、今も追い求めている人たちがいる。

そう考えると、超人類。

超越してからかれこれどれくらい経つのだろう。

6時になり若い課長が帰ろうとしていると、社長がシュレッダーの前で一枚の紙を持って立っていた。

「なあ、君。これは重要なんだが、秘書が帰ってしまってね。君は、これ動かせるかね?」

若い課長は答えた。

「出来ます」

そして彼は機械のスイッチを入れ、紙を挿入するとスタートボタンを押した。

「良かった良かった!」

と社長は紙が機械に飲み込まれていくのを見ながら言った。

「コピーは1部でいいぞ」