短い短い小説

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「ごめんなさい、あなたの本質が苦手なの」

食が細いからジャンルを問わず油物を避け、
量もあまり多くない内装の可愛いお店を選択。

意外なことに体力があるから、
自分が休憩したいというと不服な顔をされる。
前日から体調管理をしていかなければ。

付き合う前は自分に合わせてくれていたから、
付き合ってからは君に合わせようと好みを探り
分かってきたかなと思えた5回目のデート


その締めくくりは別れの言葉だった


特に反論もできず帰宅した。
スマートフォンをスピーカーにして
酒をつくりながら友人に事を報告する。

「どう思う?本質なんて2ヶ月じゃ
 わかんないだろ」

「分かる気が無かったってことだろ。
 興味がわかなかったんだよ。」

随分とツボに入ったらしく
笑いをこらえて友人は言う。

他愛のない雑談を続けていると電話の奥で
女性の声が聞こえた。

「ああ、帰ってきたから切るよ。
 ほんと俺のこと分かってるわ。
 コンビニの新作で気になってたやつ
 買ってきてくれた。」

プツリと静かになったスマートフォン
を横目に酒の入ったグラスに手を伸ばす。

あいつは現在単身赴任中。
本質を見せる相手が正式なパートナーとは
限らない。
俺はそれを寂しいと感じるから
これはこれで良かったのかもしれない。

負け惜しみもあるけれど、
そう自分に言い聞かせ酒を流し込んだ。