古典映画の名作で、見たい見たいと思いつつ、その古さが故に、いつも話題映画や新作映画に負けてしまい、後回しになっていた「ティファニーで朝食を」がNHK-BSで放送されていたので、ちょっと見てみた。オードリー・ヘプバーンの美しさ、NYCの街や人々が着こなす服のスタイリッシュさ、に目を奪われていると、突然謎の日本人YUNIOSHIが現れ、一気に醒めた。世界中で美しい女性の代表のように扱われてきたオードリー・ヘプバーン、彼女に対比される形で登場させられる醜いYUNIOSHI。確かに、オードリー・ヘプバーンは細くて、背が高くて、鼻が高くて、目が大きくて、金髪で美しいと思ったし、YUNIOSHIは背が低く、出っ歯で、丸眼鏡で醜いと思った。でも俺の中にある美醜の基準は、実はアメリカが作り上げてきたものを自分が鵜呑みにしてきたからではないかと思った。そして、この映画の主旨は「人生で最も重要なのは金じゃなくて愛」のようだが、この金を外見(=美醜)に、愛を内面(=心)に置き換えてしまうと、その主旨が矛盾するのではないかと思った。この2つに気づいたから、背が低くて眼鏡な俺は映画の途中で醒めたんだな。