日本人VSアメリカ人はどっちが器用? | 裸のニューヨーク

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ユー・ドント・ノウ・ニューヨーク・ザ・ウェイ・アイ・ドゥ...これは私のアンビバレントでパーソナルなニューヨーク・ストーリー。

アメリカ人は日本人ほど器用ではないと聞き、実際にニューヨークで4年ほど暮らしてみると様々なシーンで(なるほど)と納得する場合が多かった。例を挙げると…

シーンその1 銀行の窓口
  幾つかのアメリカの銀行を利用してみて、まず驚くのは彼らのお金の数えるスピードの遅さ。日本では新入社員はお札を素早く正確に数える訓練をさせられると いう。私の姉なども銀行に入社したおかげで今でも100万円ぐらいはさっと短時間に数えられる。おそらく私が要する時間の10分の1以下だろう。ところが アメリカの窓口(テラー)は、左手でお札をつかみ、1枚ずつ右手にザッザッとしごいて持ち替えながら数えるので非常に遅い。これが窓口に列が出来る大きな 理由のひとつだろう。そして、まさか今ではそんな事はないだろうと思うけれど、窓口は支払いの金額をよく間違うと日本人の間で噂されていた。日本の銀行で は考えられない事だ。

シーンその2 スーパーのレジ

 レジの打ち込みが遅い上に同僚とお喋りしながら行うアメリカ人従業 員が多いせいもあり、やはり作業が遅く、間違いが多い。最近は大きい所はバーコードをピッとスキャンするだけなのでいいが、小さな所ではまだ手入力。幸い というか、私がニューヨークで利用するスーパーには韓国系や中国系の所が多いので、彼 /女らにイライラさせられる事はほとんどない。インド系の人も早いようだ。

 これら2つの例からでもいかに日本人の手仕事が早くて正確か を実感する。見聞きするところによると、アメリカ人の多くは時給以上の仕事はしない、マルチタスクが苦手、客を待たせてはいけないという認識がないなど他 にも理由があるのだが、総じて日本人は手先が器用であるという事に気付く。

 その理由は、日本人が箸を使う点、そしてかつてはそろばん、裁縫など、手先をよく使う国民であるという事に起因するのではないかと思う。

  ここでアメリカ人女性の名誉の為に言えば、ミシンが発明される前の彼女らが非常に器用だったという証拠が1つある。ニューヨークでヴィンテージの洋服を扱 う店を経営していた私はよくシルクのスリップを扱ったが、それらは複雑なカットワークも縫製もすべて手縫いで、(アメリカ人も器用だったんだ)と目からう ろこが落ちる思いだった。ご存知のキルトも最近はミシンで縫う場合もあるが基本は手縫いである。

 ミシン、バーコードのキャッシュレジスターと便利な物が発明される度に人間の器用さが失われて行くようで大変残念である。