人民元、国際化は遠くなりにけり | 日本のお姉さん

人民元、国際化は遠くなりにけり

「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成28年(2016)6月17日(金曜日)
通算第4940号 <前日発行>

人民元、国際化は遠くなりにけり
MSCI(モルガン新興国株指数),三たび中国A株の参入を拒否
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6月15日、MSCIは三度目になるが、中国A株の指数参入を見送ると発表、中国為替市場はぐらり人民元下落に傾き、当局は人民元買い支え、ドル売り介入に入った。中国市場はこれを「MSCIショック」と名付けた。

MSCIは中国語で「魔根指数」もしくは「大魔指数」と呼び、権威付けと国際化の象徴として中国がどうしても参入を欲していたが、2014年以来、三回連続で冷たく見送られた。(モルガンスタンレーは中国語で「魔根士丹利」と書く)。

「市場に透明性が稀薄」、「市場の整備が遅れている」、「投資家の利益を条件的保証されていない」、「利益の外国送金が規制されている」「証券市場への規制が前近代的」などと理由を挙げて、見送りの理由とした。
つまり中国の金融制度改革は見せかけと示唆しているわけである。

中国のA株とは、上海で取引されている中国企業の株式を指し、MSCIは、アジア等の主要株式を含めてひろく構成する「新興国株指数」とされる。

中国にとっては10月の人民元のIMF、SDR入りを控え、この指数に算入されなかったという事実は、国際化のさらなる遅れを意味し、金融改革がまだまだ国際的基準からはほど遠い現状をサラされたかたちとなった。
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草食系男子も、保守のオジサマも、耳を澄ませ、よく聞いて欲しい
歴史を裏で歪めて動かすのは古今東西、「オンナですよ」


河添恵子、杉田水脈『歴史戦はオンナの闘い』(PHP研究所)
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世界史を裏で操るのは常に女性だ。その原則を忘れたのが現代政治学者や歴史家、知っているのは腕のいい小説家。そして国際的な舞台で、世界のインチキ集団相手に戦い続ける大和撫子グループだろうか。
クアラスワミ、宋美齢、アイリスチャン、そしてミセス・シェンノートという「世紀のマタハリ」。
アメリカをみごとに騙したオンナは蒋介石の四番目の妻に潜り込んだ宋美齢である。彼女は「詐欺的なあげまん」だったと河添さんが言う。
「007ジェイムズボンドみたいにオンナ好きなイギリスの秘密情報部の工作員なんて、映画だから不死身だけど、実生活ならオンナに毒を盛られて、すぐにあの世行きですよ」
ところが「日本の保守のオジサマたちは、戦争や権力構造を兵力や戦術や派閥や実績や、いわゆる『見える力』だけで語り尽くそうとしますが、そんなもんでしょうかね? 密室で繋がって力こそが世界を歪めたり国家を動かしたりするんじゃないでしょうか?」

これをうけて杉田さんは、
「嘘や隠し事を是としない日本の文化が、逆に真実を見誤らせていると思います。密使の力を疑わないというか、その存在すら信じない」
そう、オジサマに限らず草食系の男子諸君はすべからくそうでは? いやマズゾエに投票した多くの東京愚民も。

国連に乗り込んで左翼陰謀団の「反日」キャンペーンの嘘を暴き続ける杉田さん、応援する河添さん、絶妙の二人の女性ファイターは、様々な反日策動の裏をえぐり出しながら、政府、外務省など日本の無作為を叱責するわけだが、どうして中国人って、そんなの反日に熱心なのか。
米国でもチャイナタウンを取材した河添さんが言う。
「そもそも中国系アメリカ人の多数は祖国の劣悪な生活環境や中国共産党を忌み嫌い逃げた本人とその子孫ですが、とりわけ歴史問題では民族意識を全面に打ち出し、日本を徹底的に攻撃したがります。反日は祖国愛や同胞愛などの言葉を借りた資金調達や組織拡大の手段になっており、自身の立場を有利にするためまた政治家なら選挙に勝つための道具にもなっている」
そうですね。かれらも異国での生活をかけているわけだ。
杉田女史が続ける
「中国や韓国、そして日本の左翼は、国連やユネスコを政治的に利用して跳梁跋扈しています。日本の左翼系弁護士が、国連など国際組織の周辺で暗躍している」
その具体的例証をケースと実名を挙げて、あますところなく実態を並べる。杉田氏は現場に何回もでかけて、また国連で反対演説もして、身を以て体験してきたから言い分も強い、爆発的な訴えとなっている。

ふたりの話題は世界中に飛ぶので追いつくのも難儀なのだが、ニュージーランド、豪、ベトナム、ポーランド。。。
ニュージーランドでは中国人のマフィアまがいが、繁華街のど真ん中に売春宿を建てようとしていること。豪の労働党は中国のカネでずぶずぶの関係になっているばかりか現首相ターンブルの息子は中国共産党幹部の娘と結婚していること。
ベトナムのライダハンの問題を取り上げようとしたら杉田議員に保守党からストップがかかったこと。ベトナムでライダハンのことを言い出すと在越日本大使館がいやな顔をしたことなど、問題視すべき事柄が次から次へと出てきて、ページをめくることに無作為政治に怒りを覚える。
まったく「中国からの輸出はプロパガンダとパンダしかない」のかね。マズゾエとかいう矮小な問題どころではない。

(本書は22日発売です。予約はアマゾンで受け付け中)

(読者の声1)尖閣諸島はじめ東シナ海・南シナ海をめぐる問題は中国の強気が目立ちます。6月15日には日本の領海を中国海軍の情報収集艦が日本の領海に侵入するなど日本の出方を探っているようでもあります。
京劇研究家の加藤徹氏の『貝と羊の中国人』(新潮新書)という本には興味深い話が満載。殷人的な気質を「貝の文化」、周人的な気質を「羊の文化」と呼び、中国人の性格を分析しています。
「貝の文化」とは貨幣の代わりに子安貝が使われたことを指しますが、殷人の農耕民族的、東方・南方の多神教的な性格や有形の物材を重んじる老荘的・道教的な性質をあらわし、実利優先の思想です。
「羊の文化」は周人の遊牧民的、西方・西北の一神教的な性格をあらわすものだとします。無形の「主義」を重んじる孔孟的・儒教的なイデオロギー重視の思想です。
ところが儒教思想の元たる孔子が殷人の子孫であったというところなど、中国人の多神教的性格を考えると納得です。
同書でいちばん興味をひかれたのが「支那」の呼称についての記述。
『1912年、中華民国誕生、日本政府は「中華」という呼称を嫌い、わざわざ「大支那共和国」という独自の呼称を案出し、それを公文書のなかで使った』とあります。しかも1930年まで使い続けたという。
その後の「支那」の変遷について、『中国人が「支那」という日本語に違和感を感ずるのは、同じ漢字文化圏の国だからである。互いの自称を漢字で書けば、そのまま意味が通じるのに、日本人はわざわざ「支那共和国」という国名を作った。中国人はそこに悪意を感じたのだ。国どうしでも個人どうしでも、対等の関係なら、相手の自称を認めるのがマナーであろう』(中国に対等の関係はありませんが)その後、汪兆銘政権の要請を受け、「支那」という呼称をやめていくことを約束したとあります。
たしかに韓国が「天皇」をわざわざ「日王」と書き換えることには悪意を感じます。
だからといって「中華」や「中国」の呼称をそのまま認めたらどうなるのか。
「貝と羊の中国人」では中国大陸を指す地域呼称がないことにも触れています。
ロシア語でキタイ、欧米ではシナ・チーナ・チャイナなど。南シナ海や東シナ海の中国をめぐる領土問題で日本が「南中国海」「東中国海」という呼称をしていたなら、南シナ海や東シナ海の島嶼は日本も中国のものだと認めていると強弁されていたことでしょう。
地域名称として東シナ海・南シナ海をいまだに使い続けているのは正解でした。
(PB生、千葉)

(読者の声2)ノンフィクション作家、門田隆将氏の講演会とサイン会が行われます。このたび『リーダーの本義』刊行を記念して講演会、「そのとき、リーダーはどう決断したのか」が演題です。
全参加者にサイン入りの同書が進呈されます。

とき 6月27日(月)午後1900
ところ 新宿南口「紀伊国屋サザンシアター」(タカシマヤ・タイムズスクエア七階)
(渋谷区千駄ヶ谷5-24。新宿南口から代々木駅方面へ徒歩8分)
入場料 2000円(税込み)
『リーダーの本義』(サイン入り)を一冊進呈
前売り キオンチケオンライン(24時間受付)
https://www.kinokuniya.co.jp


宮崎正弘の最新刊『トランプ熱狂、アメリカの反知性主義』

最新刊、重版出来!!
宮崎正弘の新刊『トランプ熱狂、アメリカの反知性主義』(海竜社、1404円)
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宮崎正弘の新刊案内 http://miyazaki.xii.jp/saisinkan/index.html

宮崎正弘のロングセラー
『中国大恐慌以後の世界と日本』(徳間書店、1080円)
『中国大失速、日本大激動』(文藝社、1620円)
『「中国の終わり」にいよいよ備え始めた世界』(徳間書店、1080円)
『アジアインフラ投資銀行の凄惨な末路』(PHP研究所、999円)
『日本が在日米軍を買収し、第七艦隊を吸収・合併する日』(ビジネス社)
『日本と世界を動かす悪の「孫子」』(ビジネス社。1188円)
『吉田松陰が復活する』(並木書房、定価1620円)
『中国・韓国を“本気で”見捨て始めた世界』(徳間書店 1080円)
『台湾烈々 世界一の親日国家がヤバイ』(ビジネス社、1188円)
『中国 大嘘つき国家の犯罪』(文芸社文庫、713円)


<宮崎正弘の対談シリーズ>
宮崎正弘 v 田村秀男、渡邊哲也『中国経済はどこまで死んだか』(産経新聞出版)
宮崎正弘 v 馬渕睦夫『世界戦争をしかける市場の正体』(ビジネス社、1188円)
宮崎正弘 v 室谷克実『悪あがきを繰り返し突然死の危機に陥る中国と韓国』(徳間書店)
宮崎正弘 v 宮脇淳子 『中国壊死』(ビジネス社、1188円)
宮崎正弘 v 石 平『私たちの予測した通りいよいよ自壊する中国』(ワック)
宮崎正弘 v 渡邊哲也『激動する世界経済!』(ワック、994円)
宮崎正弘 v 室谷克実『日本に惨敗しついに終わる中国と韓国』(徳間書店)
宮崎正弘 v 小川榮太郎『保守の原点』(海竜社。1620円)
宮崎正弘 v 室谷克実『仲良く自滅する中国と韓国』(徳間書店、1080円)
宮崎正弘 v 川口マーン惠美『なぜ中国人とドイツ人は馬が合うのか?』(ワック)
宮崎正弘 v 西部 遭『日米安保五十年』(海竜社)
宮崎正弘 v 佐藤 優『猛毒国家に囲まれた日本』(海竜社)
宮崎正弘のホームページ http://miyazaki.xii.jp/
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