モルディブにおりますが、当国では中国からの影響が強くなっております。
「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成28年(2016)6月3日(木曜日)
通算第4917号~
中国の国連平和維持軍派遣兵、マリで殺害さる
アルカィーダのテロリズムと断定。
*********************
アフリカのマリへ派遣されている国連平和維持軍の中国人部隊がアルカィーダ系のテロリストに襲撃され、一人が死亡、四名が負傷した。
中国外務省は「マリの北部に盤踞するアルカィーダ支部のテロリストによるものであり、耐えられない事態だ」と会見した。
観測筋は今後もテロの発生が確実視されているという。
マリ北部は政府の統治が及ばない地域でアルカィーダの影響が強いイスラム教徒が政府に反旗を翻しており、中国は国連平和維持軍の部隊として三年前から駐屯してきた。
「テロリストが用いた武器のなかにはロケット砲が含まれ、戦闘能力が高い」と言われる(サウスチャイナ・モーニングポスト、6月1日)
中国の国連平和維持軍への派遣は2014年に開始され、現在は世界各地10ケ所に合計3000名、このうち2400名がアフリカに派遣されているが、大半が工作班と医療班で道路整備などインフラ建設を担っていると中国外交部は説明している。
習近平は、近年中に合計8000名の部隊を派遣し「世界平和に貢献したい」と表明している。中国軍幹部は「危険な地帯に中国軍が駐屯することは、犠牲が避けられない。とはいえ、これは世界平和を維持する国連の指名に基づいており、犠牲を恐れての派遣中止はあり得ない」とした。
しかし中国の郡内には相当な衝撃が走っているという。
~~~~~~~~~
♪
(読者の声1)いつも貴誌を拝読しております。海外に出る仕事が多いのですが、おかげさまで国際情勢からの切り口で相手国との関係性を考えることが多くなりました。大いに勉強させていただいております。
さて、現在モルディブにおりますが、当国では中国からの影響が強くなっております。昨年、貴誌で指摘されたとおり、現政権が離島の埋め立て・使用権を外国人に認めたことは、明らかに中国寄りの政策であると国内でも多くの批判を呼びました。
現在、首都の島と隣の空港島を結ぶ橋の建設が中国の援助で進められています。
私の宿泊しているホテルとすぐ近くの職場の目の前が資材置き場となり、せっかくの景観が台無しです。
モルディブはますます中国への傾斜を強めているようです。
ただしこれまで中国人と言えば観光客しか知らなかった現地の人々は、建設現場からあふれ出す中国人労働者の雰囲気が、この国にとって異様であることに徐々に気づきはじめています。
工事現場の事務所棟には堂々と「一帯一路」の標語が・・・まさに海のシルクロード構想のど真ん中にいるのだなあと実感しております。
現地からの情報提供まで。ご参考となれば幸いです。
(ME生、モルディブから)
(宮崎正弘のコメント)貴重な情報を有り難う御座いました。小生はインドへは7回ほど、そして「インド経済圏」のうち、バングラ、ネパールへは各二回。ブータン、スリランカ、(ついでにパキスタンも)へも行っておりますが、モルディブだけは未踏でした。
最近の動きが分かり、有益です。有り難う御座いました。
平成28年(2016)6月3日(木曜日)
通算第4917号~
中国の国連平和維持軍派遣兵、マリで殺害さる
アルカィーダのテロリズムと断定。
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アフリカのマリへ派遣されている国連平和維持軍の中国人部隊がアルカィーダ系のテロリストに襲撃され、一人が死亡、四名が負傷した。
中国外務省は「マリの北部に盤踞するアルカィーダ支部のテロリストによるものであり、耐えられない事態だ」と会見した。
観測筋は今後もテロの発生が確実視されているという。
マリ北部は政府の統治が及ばない地域でアルカィーダの影響が強いイスラム教徒が政府に反旗を翻しており、中国は国連平和維持軍の部隊として三年前から駐屯してきた。
「テロリストが用いた武器のなかにはロケット砲が含まれ、戦闘能力が高い」と言われる(サウスチャイナ・モーニングポスト、6月1日)
中国の国連平和維持軍への派遣は2014年に開始され、現在は世界各地10ケ所に合計3000名、このうち2400名がアフリカに派遣されているが、大半が工作班と医療班で道路整備などインフラ建設を担っていると中国外交部は説明している。
習近平は、近年中に合計8000名の部隊を派遣し「世界平和に貢献したい」と表明している。中国軍幹部は「危険な地帯に中国軍が駐屯することは、犠牲が避けられない。とはいえ、これは世界平和を維持する国連の指名に基づいており、犠牲を恐れての派遣中止はあり得ない」とした。
しかし中国の郡内には相当な衝撃が走っているという。
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(読者の声1)いつも貴誌を拝読しております。海外に出る仕事が多いのですが、おかげさまで国際情勢からの切り口で相手国との関係性を考えることが多くなりました。大いに勉強させていただいております。
さて、現在モルディブにおりますが、当国では中国からの影響が強くなっております。昨年、貴誌で指摘されたとおり、現政権が離島の埋め立て・使用権を外国人に認めたことは、明らかに中国寄りの政策であると国内でも多くの批判を呼びました。
現在、首都の島と隣の空港島を結ぶ橋の建設が中国の援助で進められています。
私の宿泊しているホテルとすぐ近くの職場の目の前が資材置き場となり、せっかくの景観が台無しです。
モルディブはますます中国への傾斜を強めているようです。
ただしこれまで中国人と言えば観光客しか知らなかった現地の人々は、建設現場からあふれ出す中国人労働者の雰囲気が、この国にとって異様であることに徐々に気づきはじめています。
工事現場の事務所棟には堂々と「一帯一路」の標語が・・・まさに海のシルクロード構想のど真ん中にいるのだなあと実感しております。
現地からの情報提供まで。ご参考となれば幸いです。
(ME生、モルディブから)
(宮崎正弘のコメント)貴重な情報を有り難う御座いました。小生はインドへは7回ほど、そして「インド経済圏」のうち、バングラ、ネパールへは各二回。ブータン、スリランカ、(ついでにパキスタンも)へも行っておりますが、モルディブだけは未踏でした。
最近の動きが分かり、有益です。有り難う御座いました。