ロシアは、NATOへの関与削減を唱えるトランプを朋友のように支持し | 日本のお姉さん

ロシアは、NATOへの関与削減を唱えるトランプを朋友のように支持し

NATOへの米軍関与は強まっている
「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成28年(2016)4月18 日(月曜日)弐
通算第4880号


NATOへの米軍関与はむしろ強まっている
ルーマニア、ブルガリアに戦車旅団を配置へ
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トランプは米軍のNATO関与を減らすべきで経費を75%も米国が負担し ているのは間違いと述べているが、実際には25
%程度である。

これをロシアから見ると、かつてのワルシャワ条約機構の加盟国で、チェ コもハンガリーも、ブルガリアもルーマニアもソ連軍が駐屯していた。東 ドイツにも大量のソ連軍が配置されていた。

撤退費用を西ドイツが支払い、引き上げ後のソ連に於ける兵舎まで設営 し、やっとソ連軍は去った。ワルシャワ条約機構は雲散霧消した。

ソ連が引き揚げたあと、東欧諸国はつぎつぎとNATOに加盟し、米軍の 駐在を認め、ウクライナと目と鼻のルーマニアに、そしてブルガリアにミ サイル基地も設営してきた。

これをロシアから見ると、嘗ての衛星圏が崩落し、敵側に寝返ったことに なる。

ペンタゴンは2017年2月を目標に戦車250両、ブラドレィ装甲車に自走砲 などからなる戦車旅団4000名を配置すると発表した。

合計34億ドルにもおよぶこれらの計画は議会の承認をまって、実行に移さ れるが、さて東欧諸国はこれをすんなり受け入れるか、どうかが焦点と なっている。

すでにポーランドとバルト3国(リトアニア、ラトビア、エストニア)に は米軍が駐屯しており、この列にルーマニア、ブルガリアが加わる。

モスクワの反論は「近隣諸国の安全と言っても、ならばロシアはキュー バ、ベネズエラ、メキシコにロシア軍は駐屯していない」と拡大した比喩 を用いているが、「これは換言すれば『米軍の東欧
軍事占領』であり、 ローマ帝国のパターンを真似た行為である」とする。

ロシアは、NATOへの関与削減を唱えるトランプを朋友のように支持しているのである。