ポルトガルにおける中国の闇社会の全容が明らかになることはないだろう。 | 日本のお姉さん

ポルトガルにおける中国の闇社会の全容が明らかになることはないだろう。

「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成28年(2016)4月8日(金曜日)
通算第4865号

ポルトガル警察が国際手配の中国人、陳小敏とは何者
1000人の中国人を不法入国、78もの偽名、偽パスポート
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偽造書類、偽の雇用書類などをでっちあげ、過去十年間におよそ千名の中国人をポルトガルへ入国させ、働かせてきた不法組織の中心人物は陳小敏(1972年浙江省生まれ)。
ポルトガル警察が国際手配した。

ポルトガルには現在、登録されている合法の中国人移民は21402名(サウスチャイナモーニングポスト、4月7日)。
不法移民はおそらくこの二倍はいると推定されている。

ポルトガルの裁判所は460件の犯罪で陳小敏を起訴し、欠席裁判では懲役十年の判決がでている。しかし、裁判で保釈中の2013年に突如、ポルトガルから陳は消えた。彼が最後に確認されたのはインドネシアのジャカルタだった

ポルトガルのマトシンホスという都市に陣取り、陳は手広いビジネスを展開した。
この街はいまや身元不明とも見られる数千人の中国人が住み、完全にチャイナタウンと化しているという。

ポルトガルのメディアは「チャイナタウンの悪の帝王」として、陳が「浙江省コネクション」という闇の不法移民斡旋オペレーションセンターを築き挙げ、雇用した中国人が中国に地下銀行を通じて送金する際にも、コミンションを取るなどあくどい商売を展開していたと報じている。

陳はマトシンホスで店舗、レストラン、貸しマンションなども営み、そのうえで200近いペーパー企業を登録し、偽造書類の証明役として利用していた。
捜査当局は陳の自宅を家宅捜索したおりに、93の偽名で178の銀行口座を持っていたことを突き止めていた。ほかに23の偽名による中国人パスポート、ポルトガルのIDカードばかりか、フランスの永住権、そして35もの携帯電話と拳銃一丁を押収している。
とはいえ、ポルトガルにおける中国の闇社会の全容が明らかになることはないだろう。

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(読者の声1)相場のサンバ。今日4月7日まだ東京証券市場は閉場していませんが、久し振りに日経平均がわずかながら上昇しています。そしてなんとドル/円レートが108円台を着けました。
今迄、円高が株安を誘導していましたが、株価が下がり過ぎて底を打ったのか、今までいままで円高を口実に株安で儲けてきた禿鷹ファンドの作戦変更かどちらかでしょう。
少なくとも今朝の寄付での海外投資家は大きな買い越しです。
あまり精確ではありませんが、以下の指標で最近になく多きく買い越しているのがわかります。
http://goo.gl/2FZ1Hz
この円高は、これまで、FRBの利上げ期待と日銀の大規模金融緩和を期待して過剰に円安に行っていたのが戻しただけだと考えます。
おそらく1ドル105円が順当な相場で、FRBの利上げか日銀の大規模金融緩和がないかぎり、それよりすこし下がってから反転するのではと思います。
ただし、日銀の金融緩和もFRBの利上げもおそらくあると思います。一つよい兆しだと思うのは、ドル/円レートが即日本の株価に連動しなくなりつつあることです。
(ST生、千葉)

(読者の声2)「パナマ文書」が世界を揺らしていますが、アメリカ人富豪がリストにないのは腑に落ちません。貴誌が指摘されていたように、なにか背後に巨大な力が動いているのではと邪推します。
(KY生、足立区)

(宮崎正弘のコメント)ロシアではプラウダが、「背後にジョージソロスがいる」とかなり素っ頓狂な反駁もでています。中国では一切報じられていませんが、香港のメディアは「アメリカのタックスヘブンは問題ではないのか。デラウエア州、ネバダ州など税法がことなり、事実上のタックスヘブンではないか」と矛先を米国に集中させています。