つづき | 日本のお姉さん

つづき


< 環境省の言う年間20mSv はヨーロッパなら80mSv! >

 ウクライナなら外部被曝線量が3あれば内部被曝線量を2、ベラルーシなら1:1、オーストリアなら1:6と見積もり、内部被曝線量を含めて年間1mSv 以上で住民に避難の補償をする(ウクライナでは4年8ヵ月でこのチェルノブイリ法が施行)。
 しかも、日本の環境省は、一日の内の16時間を屋内にいるとして、その線量から遮蔽効果として6割も数字を削る。
 しかも、あちらでは地上1cmでの測定。
 環境省のイカサマは常軌を逸している。
 そして、年間1mSv =0.114 μSv/h。今、屋外・屋内の数値に違いはない。環境省はインチキをやめよ!

<< 規制庁はイカサマが仕事のようだ >>

 原子力規制庁では実に都合よく「異常値」を使う。通常20 μSv/h レベルの大熊町で瞬間的に数μSv/h 上昇しても問題としない。足元の高線量の土壌の舞い上がりでそれぐらいになるから、と言う(普段の舞い上がりが数値を上げる原因だと認めている)。
 平時0.1μSv/h レベルの地域で0.5 μSv/h にぐらいに上がっても「問題ない」とする。今度は絶対値が低いから。特に雨や雪があると、大気中の放射性のダストを吸収してポストを包むので、それぐらいにはなる、と言う。こちらは福島県外でそういう状況で数値が数倍になったのを見たことがない。
 そして、その数値が更に大きくなって無視できないと考えると、規制庁はやっと問題視する。
 ところが、それ以下の上昇率であっても、地域の活動や経済に影響するとなると言い訳をこしらえる。2倍程度でも「機器の不具合」のためとする。
 また、例えば、2014/ 9/10 いわき市の常磐病院内保育所で通常0.1 μSv/h 程度なのが急に0.9 μSv/h まで9倍も上がったが、監視情報課は「緊急搬送されるような作業員に核種が付着していたのではないか」と全くの想像話を並べて、保育所には「機器の不具合によるもの」と伝えている。この頃は1μSv/h ぐらいは問題なしにしていたのが、影響を考えて“相場”を変えた。第一、密閉されたポストの数値を1μSv/h 近くまで上げる放射性のダストの様態を想像してみれば、そんな衣服の作業員が病院や保育所に普段 出入りしていること自体が極めて問題だ。

 そして、最近では、数値が急上昇し始めると、WEBサイトへのデータの出力を遮断する、という信じがたい工作をやる。数値が下がると公表を再開する。数値が下がるまでの間、公表データがない(= 欠測)。この常磐病院内保育所では、2015/ 1/19 に0.22 μSv/h、4/15 には1.8 μSv/h まで急に上がったところでブツンとデータが消えていて、実際、どこまで数値が上がったか不明。勿論、彼らは送信されて来たデータを持っている。
 データの出力を遮断すること、監視情報課では故意にやっていることを当初は認めた。福島県の放射線監視室でも 2015/ 4 県北などで異常値が多発した際に同様のことをやっていることを認めた。何のためらいもなく、常習的に、組織的にデータを隠す。
 そして、2015 年になると、少し急上昇したところでデータが消えることが目立つようになった。
 更に、こちらが新聞・テレビ各社や関係行政に監視情報課のやりようを伝えて彼らに問い合わせが行くようになると、4月半ばからは、大きな急上昇が消えてデータの欠測が目立つようになった。
 監視情報課ではメーカー側のサーバーからデータが届いて自身のWEBサイトに出力されるまでの間に“検閲”をやっていないか? 出力までにかなりタイム ラグがある時がある。あるいは、監視情報課では異常値が出ると「モニタリング ポストの校正を指示している」と言っているが、事業者が行政の意を体して機器を操作するようなことは公共事業の世界では普通にあり得る。
 実際にモニタリング ポストを管理・補修する事業者の作業の内容が確認されることはなく、第三者による調査が強く望まれる。

 数値が急上昇すると、原子力規制庁の監視情報課ではWEB上へのデータの出力を遮断する。どこまで数値が上昇したか不明。

 そもそも、規制庁の出す数値にはカラクリがある。富士電機だと、全国のポストから刻々データを受け取って、30秒または1分平均の μSv/h に換算した数値をサーバーから規制庁に送信し、規制庁ではこれを10分平均の数値にデータ処理して公開、ということをやっている。
 つまり、公開されているデータに空間線量率10 μSv/h とあっても、瞬間的には1mSv/h 以上を記録している可能性もある。相応のα線・β線核種を含んでおり、吸い込んだらそれこそ後日の憂い。
 だから、もっと低い瞬間的な上昇・下降は10分平均にする過程でスパイクが消されている。ところが、このレベルはごく日常 起きている。福島は如何に危険か!
 規制庁[規制委員会]のサイトは、どこを見ても、今現在 全国のどこで異常値が起きているかが分からない。1週間分の空間線量の折れ線グラフがあるが、1メモリを6時間の平均値にしているという情報隠しで、あとで見ても異常値の有無さえ分からない(広野町役場の例)。

 また、ポストは、最も多い富士電機のリアルタイム線量測定システムだとセンサー部分が密閉された筐体内部の地上1mに配置されており、筐体の外表面とは10~25cm(最近の仕様では中心部に配置)の距離がある。線源が放射性のダスト群のように四方・上部をそれなりの厚さで囲むように存在するのではなくて、固形の高濃度のガレキのように一方向にある場合、数値は実際のガレキの表面線量よりも大きく下がったものになる(点線源のガンマ線の強さは距離の二乗に反比例)。3つの原子炉が爆発をして炉内のものを含めて大量のガレキが飛散したが、ポストは汚染ガレキが付着するケースを想定した作りにはなっていない。
 その上、センサー部分の周辺には金属のパーツがあり、上部には太陽光パネルや液晶パネルがあってガンマ線を遮蔽しているが、数値補正をするわけではない。
 更に、固定型や可搬型モニタリング ポストの場合は金属の筐体や電源の機材のほか周囲を囲む鉄柵も大きく遮蔽効果になっている。
 0.01 μSv/h を云々するにはまことにお粗末。

<< モニタリング ポストのメーカーを取材する >>

 原子力規制庁が福島県内で管理するモニタリング ポストのメーカーは富士電機・日立アロカメディカル・NEC。福島県が管理するポストは富士電機・日立アロカメディカル・東芝(系)。
 各工場を取材すると、そう難しい機器ではないので、測定の精度に関してはおおよそやれる対策は以前からやって来ている。
 設置台数が最も多い富士電機では、最も影響しやすい電磁波の影響については、ガンマ線検出に支障が出るレベルまで、金属板のキャップでセンサーをシールドしている。
 もとよりポストは近隣に送配電線・変電所がある場所には設置しないことになっており、また、ガンマ線を含む電磁波は距離をおくだけ大きく減衰するので、線源なしにポストの数値が大きく上下することは納品先での実例からも滅多にあることではない、と言う。
 電気ノイズの影響が考えられるのはGM計数管・電離箱検出器の場合だが、もし落雷や上空からの放電現象の影響があるのであれば、県外でも相応に起きる筈であり、規制庁でも考慮に入れていない。地殻ガンマ線による影響についても同様。
 比較的小さい影響では、シンチレーション式は放射光を受光するレンズが結露で膨張すると数値が上がる傾向があるので、2014 年の夏に防水パッキンを強化。但し、結露で数値が上がるのは数割程度とのこと。
 規制庁が言い出した温度の影響について執拗に質すと、ないとは言えないだろう、のレベル。富士電機のリアルタイム線量測定システムは筐体が強化プラスチックで、金属のように内部が高温にはならない。
 また、半導体機器なのでデータ エラーが起こる可能性もあるが、確認の取れないNECを除けば、これらの異常値のことでそれと確認できたことはない、と言う。
 メーカーの技術部署と話し込むと、こうまで頻発する異常値の原因は機器の不具合ではない、放射線を拾っているとしか考えられない、と言う。
 規制庁も原子力安全・保安院時代にメーカーごとに導入の度に性能検査を繰り返しやっている。ポストの発注時には、最低99 μSv/h までの性能を各社に保証させている。
 そして、監視情報課は、異常値を示すポストは県内の8割以上を占める富士電機のリアルタイム線量測定システムに限ったことではなく、特定のメーカー・機種でこの現象が起きているのではないことを当初から認めている。こちらが問う前に調べ上げており、彼らも以前からこの異常値に強い関心を払っている。

<< 空間線量の異常値の正体 >>

 放射性のダストは均等に存在するのではない。これが問題。
 2014/ 3 頃、富岡町 夜ノ森地区の国道6号線の検問のところでは、地上1m測定で2μSv/h 程だが、その路肩の地表に線量計を下ろすと50 μSv/h を超える。この土ぼこりや葉っぱを箒でかき集めれば更に桁が上がるわけで、これが風で舞い上がってポストに付着などしたら・・・原子力規制庁はこれを異常値の原因の一つと認めるのだ。
 うちの広野町の国道6号線の路肩でも場所によって20 μSv/h ある。こちらが慌ただしく避難場所を転々としている頃には、広野町の沿道で線量計が 100 μSv/h を振り切った、という町民の話を聞いた。
 放射性のダストは至るところに吹き溜まりなっており、3機などの爆発で超高線量のガレキも飛散しており、これらの舞い上がりが異常値の主因であることは不思議でも何でもない。季節を問わず、スギ花粉と同じように飛んでいる。

 モニタリング ポストの空間線量の異常値は10 μSv/h のレベルはしょっちゅうあり、50 μSv/h を超えることもしばしばあり、更に頻度は下がるが 100 μSv/h を超えることもあるし、500 μSv/h や1mSv を超えたケースもある。この数値のレベルと頻度はキレイに反比例して、相関関係が成立する。直線を描く。つまり、小さいスパイクの原因がAなら大きいスパイクの原因も原則Aとしないのはおかしい。
 同時に、これから何かしら自然現象が介在していることが分かるが、南東北~関東の一帯にダストやガレキとして核種がまき散らされた環境下では、一番には風の作用だろう。
 いわき市なら日々0.05 μSv/h ぐらいの幅で空間線量率が上がり下がりしていており、いわき市の南に隣接する北茨城市では変わらないが(下のグラフ)、更に南の日立市辺りまで行くと0.01 μSv/h の幅に落ち着く。この振幅の主因は放射性のダストの浮遊。
 ところが、彼らは小さいスパイクは日常の変動の範囲内で問題ないとするのに、大きいスパイクが出ると“これは何かの間違いだ”とする。これのどこが科学的なのか? 何があっても問題がないことにしようとする。

 茨城県各地の一日の空間線量率。
 北茨城市の県境に位置する関本町の野外設置のポストだけ数値が上下に大きく振れている。時々 大陸からの放射性のダストを被っている他の道府県と違って、24時間 放射性のダストが浮遊している。この振幅は、いわき市、広野町、と福一原発に近づくほど大きい。

 また、セシウムなどの核種は藻やコケを媒体にして大きく濃縮が進む。これが湿地に目立つ“黒い物質”。原発事故の翌年、うちの広野町(福一原発から南に20km強)で最初の除染後の公共施設や道ばたで目に付いたものからそそくさと8サンプルを採取して明星大学で十分に自然乾燥をやった後にゲルマニウム半導体検出器で測ると、最高84.1 万 Bq/kg。地表 約1cm採取なので、原子力安全・保安院の換算では 1,000 万 Bq/m² 超になる。SFの世界だ。他方、もの陰のサンプルは数万 Bq/kg 程度。この問題に広く関心が集まった南相馬市では小高区で 1,000 万 Bq/kg(1億 3,000 万 Bq/m² )以上のものも見付かっている。感覚マヒになる。
 これはベクレル数の割には表面線量のシーベルトではそれほど高い数値にならないように思われるだけに、シーベルトでは語れない。
 “黒い物質”も乾燥すると、あるいは、胞子として、浮遊して拡散し、湿地などでまた濃縮し、これを繰り返している。

 “黒い物質”。2012/ 5/11、福一原発から約50 km 離れた いわき市中央台の新興住宅街の路肩で。
色の割には表面線量は1μSv/h 未満。その後 一帯は除染されたが、市内の至るところに見られた。

 福一原発から北西方向の山野にはとてつもない量の核種が降り積もっており、冬場から春先には北風・西風の強いおろしが浜通りに吹き下ろす。この時期、原子力規制庁の監視情報課が管理する大熊町 大野のダスト サンプリングでは、2014年は冬場には1ヵ月でセシウムだけで万 Bq/m²、2015 年も2月に 8,700 Bq/m² という凄まじい数字(都心は5 Bq/m² 前後)。戦後、癌死が1/10人から1/3人になった大きな原因とされる大気圏核実験での降下量(セシウム 137)は50年間の合計で約 7,600 Bq/m²(1ヵ月の最大は 1963/ 6 の約 550 Bq/m²)。
 除染をしても数値が戻る通り、風下の広野町・川内村などの帰還住民は危険な二次被曝に曝されている。止まらない・量が多いの鼻血問題など当たり前ではないか。こちらも 2011/ 9 に土壌汚染濃度の低い中通りの石川町からいわき市中央台(屋外 0.18 μSv/h)に移ると、明らかにノドの調子がおかしくなり、経験がないような軟便が続いた。線量計を持っていわき市内を回ると、たまに瞬間的に数値が跳ね上がった。NNSA[米・国家核安全保障局]による大気中のダスト分析データ。

 数値の大・小についてはこういう理屈になるだろう。一般に、放射性のダスト群がポストを覆って通り過ぎれば、数値は大きく上がる。もっと高濃度のダスト群なら、更に上がる。これがポストに振れずにそばを通り過ぎたのであれば数値はそれほどでもないが、濃度的・量的に大きければ、数値は違ってくる。そして、ポストを覆って通り過ぎる場合にはダストがポストに付着するので数値は直ぐには元のレベルにならないだろうし、ポストに振れずにガンマ線だけの作用であれば数値はすぐに戻って折れ線グラフはスパイクを描くだろう。スポットからの放射性のダスト群の舞い上がりとたまたまその辺りにポストがある確率、そして、ガンマ線の飛程が60mや 100 mに達することからすれば、ダスト群はポストに接触するよりもそばを通り過ぎるケースの方が遥かに多くなり、グラフは短い時間のスパイクを描く場合が多くなる。

 空間線量率が異常値を示した際、その原因の多くは至るところに吹き溜まりとなっている高線量のダストや飛散したガレキの舞い上がり・浮遊であることは疑いない。
 勿論、福一原発に繋がる国道6号線の路肩の汚染具合を見れば、たくさんの車両が運び屋になっている現実もあるだろうし、ポストの台数が多いだけ機器の故障のケースもあるだろう。イタズラのケースもあるかも知れない。X線による非破壊検査のノイズの影響だったとする例は県内ではこれまで1件しか確認できない。

 以上のようなやり取りを重ねて、監視情報課は3ヵ月してやっと高線量のダストなどの舞い上がりが空間線量の異常値の主たる原因であることを認めた。しかし、公には認めようとしない。
 そして、町なかに10m間隔でダスト サンプリング モニターを敷き詰めて、10秒平均で数値を出したら、毎日そこら中で異常値が確認できる筈で、それを話すと、監視情報課も否定をしない。しかし、とにかく何もしようとしない。
 以上は誰でも想像がつくことなのに、我々は安全対策もないまま4年も無為に過ごしてしまった。

<< 吸引被曝への対策を急げ! >>

 異常値の原因を証明するのは難しい。多くは、線源がポストを離れており、肉眼で分かるガレキなどでない限りは回収することは困難。また、それなりの頻度で回収できない限りは異常値との因果関係を言えないだろう。つまり、状況から蓋然性で判断すること。線源の特定に拘って神学論争では小児甲状腺癌の二の舞。

 東京理科大学の中井 泉 教授らが原発事故直後に 130 km 離れたつくば市の気象研究所で採取された大気の粉塵を大型の放射光施設 SPring-8 で分析すると、燃料のウランの他、燃料被覆管の素材のジルコニウム+錫などの合金や圧力容器の鉄が混ざってホット パーティクル(セシウム ボールなどという言い方も)として確認されている。当時、朝日新聞・読売新聞などが報じた通り、3/14・15 に福島第一原発の正門付近で中性子線が確認されており、3号機の大爆発は使用済み燃料プール内部で低濃度ウランによる臨界爆発を伴ったものであることは明らか(東電は中性子線量の経時変化のデータの公表をかたくなに拒否)。大量のキセノン 133 の放出もそれを裏付ける。
 あのプール内部には発癌性向の高いMOXを含む 186 t(純質量)もの核燃料があり、その半分が吹き飛んだとしても、これだけで原子力安全・保安院のIAEA報告(2011/ 6/ 6 付)の 100 kg 弱(最初の 150 時間に1~3号機の炉内のみから大気中へ、ウラン・トリチウムを含めない31核種で 1134.7 京 Bq、レベル7)とは質量が千倍も違う。放出量は 1000 垓 Bq に達する。風下だった南方向では、近距離であれば尚更、これらがそう拡散せずに方々に吹き溜まりになっている可能性が高い。広野町に住民を戻すなど人体実験以外の何なのか?
 そして、異常値を土壌での核種の偏りから推定するなら、県内の何ヵ所かで 100 m四方を50cmメッシュで核種をサンプリングして成分分析するような調査になる。規制庁にやる意思は窺えない。

 3/21 放出のホット パーティクルはほぼ水溶性であることが分かっており、体内に入ると何割かは排便で体外へ出るが、3/15 昼・夜の放出で南に流れたホット パーティクルはほぼ非水溶性で、強酸に漬けたまま加熱しても殆ど溶けず、肺に入れば、0.1μ以下の微少なものでない限りはそのままになる。
 市民と科学者の内部被曝問題研究会によれば、県内の大気中のホット パーティクルは直径10~20μあり、プルトニウムが0.1%も含まれていれば、一粒でも吸い込んだら、やがて発癌は必至。

 原発事故の当時、日本側から対処を求められて連日 電話会談を重ねていたNRC[米・原子力規制委員会]は3・4号機の間に非常に高線量の物質が堆積しており、敷地の外1マイルまでに燃料棒が多数 飛散していると報告している(2011/ 3/26、NRCからのダウンロード データ)。NRCはA4で10万頁になる情報を公開した。
 福一原発から南1kmの通称ヒラメ養殖場の辺りでは、その調査に駆り出された東電の作業グルーブが 300 mSv/h を記録して退散している。その際、線源は未確認。
 そもそも、3号機のあの真っ黒い噴煙を噴き上げた大爆発とそれが南寄りに流れる福島中央テレビの映像を観ていながら、風が真南になったその夜や翌日には更に大きな放出量があったのを知りながら、なぜ、誰も、最も怖いプルトニウム・ウラン・ネプツニウム・アメリシウムなどのスポットやガレキの存在を真剣に考えようとしないのか?!
< α線調査 >

 α線については、南相馬市の大山 弘一 市議について、2012 年の夏、この浜通り地方を北から南までα線専用測定機で測ると、原発事故当時から野外にある鉄板などの表面は3分や5分計測で数十 cpm あって、85 cpm のポイントもある。これは規制庁も「警戒区域のレベルですね」と認める通りで、この問題だけでも浜通りに生活できる筈がない。鉄板を裏返すと、大気に触れていないその裏面は全く反応しないので、線源が原発事故由来であることは明らか。当初、規制庁は大気中の微量なウランやラドンによる反応だと主張して押さえ込みに来たが、案の定、裏付けもない口舌だった。
 この件は当時 原子力災害対策支援本部に連絡しており、電話口の向こうは色めき立って、測定ポイントや機材など聞かれるままに答えたが、放置された。その後、問い合わせをしても動いていない。

うちの広野町の上北迫地区で。α線核種は金属や鉄サビへ付着する。

最低でも20~30 cpm。機種は日立アロカ TCS-232。

 福島県内のプルトニウムの土壌汚染調査は、(1)原子力災害現地対策本部・福島県災害対策本部(2011/11/29 付)、(2)文部科学省による第1次調査(2011/ 9/30 付)、(3)同第2次調査(検査のみ、2012/ 8/21 付)、(4)日本分析センターによる調査(2013/ 9 以降)がある。
 (1)ではプルトニウム 239+240 が、●会津若松市の南隣の下郷町で63.8 Bq/m²、●白河市の西の外れで63.3 Bq/m²、同市の中央部で47.8 Bq/m²、●県の南西の端の檜枝岐村で58.5 Bq/m²、●会津若松市で57.3 Bq/m²、●檜枝岐村の東隣の南会津町の北の外れで49.9 Bq/m²、●北に飛んで、伊達市と東の相馬市との境で45.9 Bq/m²、●喜多方市の中央部で40.2 Bq/m²、●郡山市でも31.2 Bq/m²・・・とんでもなく高い数値。
 栃木県との県境辺りで数値が高く、空間線量率の極めて高いエリアと重なる点あり。
 プルトニウム 239 が 24,100 年に1回、240 が 6,500 年に1回 放射線を出すだけなのにこれだけベクレル数がある。同じベクレル数ならプルトニウム 239 はセシウム 137(半減期 30.17 年)の 798.8 倍の原子が落ちていることになり、上の下郷町ならセシウム 137 にすると、50,963 Bq/m² ある感覚。
 原子力規制庁の監視情報課は、この過去最大値は 220 Bq/m² で、その内に収まっているから問題ないと言うが、これは特別な外れ値ではないのか? 場所は九州地方とのことだが、詳細不明。
 他方、(2)・(3)の分析の結果は(1)とはまるで別の土地のようだ。飯舘村の初期の土壌検査でも数値があまりに低いことで有名になったこの分析元は、元文科省 所管の(公財)日本分析センターで、原発利権共同体が設立。「第三者機関」ではない。そして、降下物は様々な環境下での偏りが問題だが、「撹乱のない土地」を選んで、1ヵ所あたり5つ試料を採取、最高値と最低値を棄てて、中3つで平均値を出すということをやっている。
 こんな県内の二百数十ヵ所を調べただけで終いにし、しかも、数値にこんなに開きがあって、文科省・日本分析センターの調査には信憑性がない。文科省から事業を移管された原子力規制庁は「分析の仕方で数値は違ってくる」と言うだけで、どう分析の仕方が違うのかを確認もしていない。

<< 異常事態ぞくぞく >>
 2013 年の夏、楢葉町の井出川の河口(福一原発から南に15km)で最大表面線量でβ線が 35,600 μSv/h、γ線が 400 μSv/h の長さ数cmの破片が4つ見つかった。
しかし、これでも、1m離れればγ線の数値はバック グラウンドの中に埋もれてしまう。こんな高線量のガレキがあっても、周辺の空間線量には影響しない。
 JAEA[旧動燃]での成分分析から、東電はこれを福一原発のものだと認めた。
しかし、飛んで来たとも海から流れ着いたとも不明。
3機が爆発したのだから飛来は何もおかしいことではないし、海経由なら、相当 減衰してその数値ということになる。東京電力の会見。

 また、空間線量の異常値は、時期的な傾向で言うと、2014 年は、例えば、前半に広野町で目立って続いたが、後半になると、場所を移したように南のいわき市で多くなった。福島市など、あるモニタリング ポストで異常値があると、近いポストで続く傾向がある。

 2013/ 8/12・8/19 頃、福島第一原発でダスト サンプリング モニターのアラームが鳴り、3号機のオペレーション フロアのガレキ撤去作業で粉塵が北北西20km以上に到達。後で南相馬市小高地区の水田で 100 Bq/kg 超えの稲穂が多数 見つかったとメディアのレベルでも問題になった。

 東電は、現場作業員などの衣服の汚染で異常に気付きながら、地元には何も知らせず、翌年7月になってガンマ線核種で兆 Bq 単位が飛散したと発表した。
 原子力規制庁の監視情報課も福島県の放射線監視室(浜通りに独自にモニタリング ポストを設置)もそれぞれ環境放射線のモニタリングをやっていながら、原子炉建屋から北1kmのポスト(全て地上に設置していて意味がない)で0.1μSv/h 上昇しただけだったので、何の対応も執らなかった、としている。3.11 の際と同様、ダストは主に上空を飛んで落ちたと思われるが、この時、浪江町の川添葉山会館と川俣町の山木屋 田代集会所の2つのポストで異常が確認でき、この理由もWEB上には「機器の不具合」となっている。

 2014/ 3/12 ~3/22 頃には、浜通りから更に広域で空間線量が大きく上がって騒動になった。

楢葉町の知人が調べに出ると、先にも書いた富岡町 夜ノ森の国道6号線の検問のところで地上1mで通常2μSv/h なのが、車内で4.5μSv/h ほど。検問の内部に入った人が人がいて、7μSv/h を記録。

こちらが 3/11 に富岡町内を車で回った時、1.5μSv/h 前後だったが、3μSv/h はあった、とのこと。

 福一原発から6・7kmの距離でこの数字で、これは前年の3号機ガレキ撤去による飛散量どころではない。

 ところが、この件は遅れて気付いて調べると、この間、原子力規制庁の監視情報課はモニタリング ポストには特に異常な数字はないと言い(3/22 広野町の海沿いの高野病院で通常値の約4倍に急上昇)、福一原発周辺にポストを設置している福島県の放射線監視室では、この間、1週間以上もデータの更新中やらでデータがないと言う。

極めて怪しい。

 福島県が運営する環境放射線モニタリング ポストのデータを扱っていた「防災Nネット」(2015/ 3 末で廃止)、全てのポストがストップ (2014/ 3/16)。

 毎回、放射性のダストが飛散しても、異常値が発生しても、
(1)国も県も東電も数字を隠す、問題なしの結論を続ける、
(2)地元には知らせない、必要な対応を執らない。

 福一原発から南に20km少々のうちの広野町には住民が 2,300 人余り、内、子供も 500 人以上が戻っているが、町行政は何の被曝対策も執ろうとしない。
町長の遠藤 智(もと東電工業 社員)が先頭に立って住民の帰還促進の旗振りをやっており、教育委員会は児童・園児らにマスクをさせようとしない。

 環境丸ごとの複合汚染の状況にあっては外部被曝や食物被曝は被曝の一部に過ぎない。
大勢がウクライナ・ベラルーシの状況になることが分かっていながら何をマゴマゴやっているのか!

政府と福島県は、小児甲状腺癌と原発事故との因果関係の白黒には10年を見込むというような愚をやめて、福島県の東半分の住民は一刻も早く遠方に疎開させるべく取り掛かること!
差し当たり、外出時にはマスク必携を呼び掛けること!
メールはこちら阿部までお願いします(★を@へ直してください)
http://leibniz.tv/hironomachi.html