チームアジアUSで中共 を包囲するしかない。 | 日本のお姉さん

チームアジアUSで中共 を包囲するしかない。

米中角逐、南シナ海波高し
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平井 修一

近藤大介氏の論考「米中両軍、南シナ海で激しく攻防中!? オバマ・習近 平会談も完全な物別れに…大揺れの東アジア安保体制」(現代ビジネス 4/4)から。

<ワシントン時間3月31日午後2時24分、核安全サミットが開かれていた国 際会議場で、この2年で6回目となるオバマ大統領と習近平主席の米中首脳 会談が開かれた。

5回目の米中首脳会談は、昨年9月、今度は習近平主席が国賓としてワシン トンを訪問して行われた。だがこの時は、南シナ海の埋め立て問題とサイ バーテロ問題で、両首脳が真っ向から対立。習
近平主席としては、「屈辱 の訪米」となった。

それから半年あまりを経て、6回目の米中首脳会談となった。着席したオ バマ大統領と習近平主席は、まるで土俵上の力士のように、テーブルを挟 んで睨み合った。そこには緊張とプライドがぶつか
り合う、大国外交独特 の雰囲気が漂っていた。(中略)

(結局は)南シナ海問題も、THAAD配備問題も、何一つ進展はなかったと いうことだ。


*南シナ海を巡る米中両軍の攻防

南シナ海の問題に関しては、習近平主席に代わって、別の人物が中国の立 場を明らかにしている。この米中首脳会談と同日の15時から16時15分ま で、北京の中国国防部国際軍事提携弁公室で、楊宇軍
国防部スポークスマ ンによる定例記者会見が開かれたのだ。

国防部は5年前から、毎月1回をめどに記者会見を行っている。この時の1 時間15分に及んだ会見の中で、南シナ海に関する部分をピックアップして みよう。

記者:「3月28日に、日本国防衛省が与那国島に沿岸関心部隊を設置し、 29日には新たな安保法を施行した。これら日本の行為をどう受けとめてい るか?」

楊宇軍:「それは非常によい質問だ。われわれは最近の日本が、軍事領域 において活発な行動が目立つと感じている。日本は大声をあげて、中国が 南シナ海の岩礁を軍事化していると非難する。だ
が、中国の領土である台 湾からわずか100!)あまりしか離れていない与那国島で何をやっているのか?

あるメディアは、島には2名の警官と10発の弾しかないと報じていたが、 それが一気に150名の自衛隊員の増派だ。続いて歩兵部隊を配置するとい うことも言われている。日本は他国を非難していなが
ら、自国の行動はど う考えるのか?

このほか、日本はずっと『航行の自由』を喜々として掲げ、中国が自国の 島嶼で必要な防衛設備に対しては、『航行の自由を破壊するものだ』と非 難する。ならば日本こそ狭い与西水道で、東シナ
海と西太平洋を結ぶ国際 水道周辺で軍事を増強させているその行為は、何と呼ぶのか?

さらに言うなら、新たな安保法は、日本国内外で一貫して疑義と反対を受 けていたものだ。歴史上、日本軍国主義は国際社会、特にアジアの国家と 国民に多大な災難を与えてきた。最近、再び平和
憲法を無視して軍拡に向 かい、歴史の徹を踏むつもりなのか? 各国が注視していく必要がある」

記者:「ウォーク米国防副長官が3月30日、談話を発表し、中国に警告し た。もし中国が南シナ海に防空識別圏を設置するならば、アメリカはその 防空識別圏を承認しないと。この発言をどう受けと
めているか?」

楊宇軍:「南シナ海の防空識別圏設置の問題は、これまで何度も中国の立 場を表明してきた。もう一度言えというなら言うが、防空識別圏の設置 は、主権国家に与えられた権利だ。そのことで他国
に指図はさせない」

記者:「最近フィリピンは、アメリカと協定を結んだ。すなわちアメリカ 軍は今後、フィリピンの5ヵ所の軍事基地を使用するというものだ。その うち1ヵ所は空軍基地で、南沙諸島のバラワン島に
近い。これをどう見て いるか?」

楊宇軍:「前世紀90年代の初め、アメリカはフィリピンの軍事基地から撤 退した。その原因(反米感情の高まり)は周知の通りで、フィリピン人が 一番よく分かっている。いまやそのアメリカ軍が
帰ってきて、フィリピン の軍事化を進め、南シナ海の軍事化を進める。

軍事同盟の強化は冷戦的思考であり、今日の平和、発展、提携、ダブルウ インという時代の潮流に反したものだ。われわれは、このような冷戦的思 考を放棄するよう要求する。かつ両国の軍事提携
が、第三国を向かず、第 三国の利益を損なわず、地域の平和と安定に悪影響を及ぼさないことを要 求するものだ」

記者:「台湾では馬英九指導者と担当部門が、南沙諸島の太平島(台湾が 実効支配)への外国記者訪問を認めた。中国は実効支配している南沙諸島 もしくは西沙諸島への外国記者訪問を認めないの
か?」

楊宇軍:「もし外国記者が訪問を望むなら、外交部に申請すればよい。も しくは、西沙諸島も南沙諸島も、中国海南省三沙市の一部なので、三沙市 役所に申請すればよい」

記者:「アメリカの国防副長官の発言だが、国際法廷は数週間後に、フィ リピンが提出した南シナ海の主権に関する裁決を出すという。この裁決が 出たら、中国は2013年に東シナ海に設置したよう
な防空識別圏を、南シナ 海にも設置するつもりなのか?」

楊宇軍:「防空識別圏に関しては、また同じことの繰り返しになるが、国 家の主権の範囲内のことだ。領空の安全が脅かされているか、またその程 度によって総合的に判断して決める」

記者:「30日付のニューヨークタイムズが、アメリカ軍の巡洋艦が南シナ 海を巡航中、中国の軍艦の追尾と監視を受けたことを、『危険な挨拶』と 報じていた。これをどう見るか?」

楊宇軍:「その報道を見ていないのではっきりしたことは言えないが、 はっきり言えるのは、中国海軍の自国の海域での行動は一貫して合法的 で、専門的だということだ。遠くからわざわざやっ
て来たアメリカ海軍の 軍艦には、『よく考えて行動したまえ』というアドバイスしか思いつかない」

この中国国防部の答弁を聞いても分かるように、南シナ海を巡って米中両 軍の間で、すでに水面下で相当激しい攻防が起こっていることが推測でき るのである。

かくして、結論を言えば、南シナ海問題とTHAAD配備問題が、どちらも非 常に深刻な問題であることが、より一層浮き彫りになった核安全サミット だった。

2010年に核安全サミットを提唱したオバマ大統領は、イランの核問題を一 時的にせよ解決に導き、長年敵対していたキューバとの国交を樹立した。 だが東アジアに関しては、何事も解決していな
い。それどころか、アメリ カの不作為のせいで、どんどん不安定化していくばかりだ。


その意味でも、次期アメリカ大統領には、責任感ある指導者に就いてもら いたいものである>(以上)

最後の言葉は意味不明だ。「責任感ある指導者」にふさわしい候補者はい ないのだから。世界を見渡しても奇人変人凡人ばかりではないのか。無い 物ねだりはやめましょう。

この件については高橋洋一嘉悦大学教授の論考が参考になる。「“米軍撤 退”“核保有容認”トランプ発言によって、安保反対論者は致命的なまでに 追い詰められた」(現代ビジネス4/4)から。

<歴代の米大統領は、同盟国の核開発を容認するより米国の「核の傘」で 守るほうが米国の国益になっているという方針を堅持してきた。トランプ 氏はその米国安全保障を一変させるかもしれな
い。

それは、「米国が日本を必ず守ってくれる」という、日本の平和ボケ的発 想を考え直すいい機会にはなるだろう。

トランプ氏は、北大西洋条約機構(NATO)や国連などの国際機関への(米 国の)資金分担は不相応に多いとし、日本や韓国、サウジアラビアといっ た同盟諸国との関係についても各国は相応の負担
をしていない、と批判し ている。

そして日本に対して、在日米軍(へ)の負担増額を要求し、できなければ 撤退、最終的には日本の核兵器保有を容認するとしている。

野党をはじめとする集団的自衛権の否定論者は、トランプ氏の提案にどう 答えるのだろうか。日米安保を破棄していいというお花畑論なのか、自主 防衛を選び、核武装まで突っ走る気なのだろう
か>(以上)

米国民なら「そうだ、その通りだ、日韓は米国の負担を軽減しろ」と思う はずだ。候補者の中では一番マシ、用意周到である。高橋氏曰く――

<トランプ氏の発言は、人を驚かすものが多い。例えば、「メキシコとの 国境に壁を作る」というものもそうだ。ただし、その発言をまともに受け る必要もない。というのは、「壁建設のコストは メキシコに持たせる」と いっているからだ。

つまり、メキシコが壁建設を無視すれば、壁は実現しない、ということ だ。このように、トランプ氏の発言は一見荒唐無稽のようだが、実はきち んと計算されているものも多い>(以上)

南シナ海の角逐は偶発的な衝突になるかもしれない。
中共はものすごい数 の艦船で米海軍艦船を包囲するだろう。
大統領選も目が離せないが、トラ ンプも孤立主義的であり、チームアジアUSで中共 を包囲するしかない。 (2016/4/6)