ようこそ鎌倉へ。東日本大震災での大きな恩は永遠に忘れません。あり がとう、台湾! | 日本のお姉さん

ようこそ鎌倉へ。東日本大震災での大きな恩は永遠に忘れません。あり がとう、台湾!

政府は中国軍艦が尖閣諸島の領海に侵入した場合に自衛艦に海上警備行動 を発令する方針を明らかにしたが当然である。

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台湾親日政権は極東安保に大きなプラス
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杉浦 正章

第一列島線の防備強化につながる

「ようこそ鎌倉へ。東日本大震災での大きな恩は永遠に忘れません。あり がとう、台湾!」。江ノ島電鉄鎌倉駅に掲げられた貼り紙を台湾からの観 光客が見つけ、フェイスブックに投稿。

台湾のネットユーザーが「泣きそうになった」と感激の反応。次々に感動 の輪が広がっている。台湾からの義援金は何と200億円に上ったが、あ まり知られていない。中国と韓国は戦後反日教育を徹底して重視してきた が、台湾では行われていない。

外交関係にとって率直に隣国との関係を大切にする教育の重要性を、改め て痛感する事例ではなかろうか。その親日的な台湾の総統選挙で16日、中 国からの独立志向が強い民進党主席の蔡英文候補が独走のまま、圧勝する ことが確定的となった。

反日的と指摘された国民党の馬英九総統に代わって、初の女性総統が5月 に就任する流れだ。台湾の政権交代は単に日台関係の緊密化にとどまら ず、膨張政策をとる中国の海洋進出を抑止する安全保障上の意味合いが大 きい。

日米による沖縄・台湾・フィリピンを結ぶ太平洋の防波堤・第一列島線で の中国封じ込め戦略に大きなプラス効果を及ぼすことになろう。

台湾ケーブルテレビ大手のTVBS の調査によると民進党の蔡英文支持が 42%で、対立候補の国民党主席・朱立倫の25%を振り切った。

民進党は立法院(定数113)でも議席数を現在の40から大幅に伸ばし単独過 半数を狙う勢いとなっている。より独立色の強い若者の政党「時代力量」 とも連携しており、同党は比例も含め最大7議席を獲得し議会進出を果た すという見方も有力だ。議会がこの流れとなれば台湾議会の勢力地図は一 転して独立色の濃厚なものになろう。

ただし蔡英文が就任後直ちにドラスティックな政策変更をする可能性は少 ない。選挙中も「現状維持」をキャッチフレーズに掲げており、独立志向 を前面に打ち出すという見方は少ない。

馬英九政権は1つの中国の原則を認めたとされる中国との「1992年合意」 を対中関係の基礎としてきた。昨年11月の習近平と馬英九会談でも「92年 合意」を確認している。民進党はこの合意を承認しておらず、就任後の蔡 英文の出方が注目されるが、合意の認否はしないまま、中国との交流の糸 口を模索するものとみられる。

しかし蔡英文の外交・経済・安全保障路線が対日、対米重視に比重を移す ことは避けられないだろう。例えば環太平洋経済連携協定(TPP)につ いても合意の直後から台湾政府は加盟の意向を表明しており、蔡英文の最 初の仕事の一つが加盟になる可能性も強い。

TPPメンバー国への昨年の輸出額の合計は1030億米ドル規模で、輸出額 全体の3分の1を占める。日本にとっても台湾との貿易額は大きく、日本 は台湾にとって第3の貿易パートナー、台湾は日本にとって第4の貿易 パートナーとなっている。

ここは首相・安倍晋三が率先して加盟に向けて尽力すべきであろう。

TPPは戦略的にも中国を意識した側面があり、台湾の加盟は安全保障上 の意義も大きい。安倍と蔡英文は昨年10月に訪日した際に秘密裏に会談し ており、この場で日台関係の将来が語り合われたことは間違いあるまい。

安全保障上の見地から言えば、まず米国は台湾を国家として承認してい ないが、台湾関係法によって安全保障上の関係は堅持しており、沖縄の基 地を中心に台湾海峡ににらみを利かせているのも事実だ。

日米安保条約もその効力が及ぶ極東の範囲をフィリピン以北と解釈されて おり、台湾有事の際は効力が及ぶこともありうるという見方が強い。とり わけ3月に施行される安保関連法が大きな力となって作用して、台湾問題 への中国の出方を抑制する効果を持つことになろう。

中国の海洋戦略へのふたとなる第一列島線突破にむけて、今後中国は様々 な対応をする可能性がある。軍艦のペンキを塗り替え海警局の公船と称し て尖閣諸島に侵入するなどという姑息(こそく)な手段は序の口であり、 南シナ海での滑走路、東シナ海でのミサイル基地となり得る海底油田建設 などあの手この手で隙あらば突破しようとするだろう。

政府は中国軍艦が尖閣諸島の領海に侵入した場合に自衛艦に海上警備行動 を発令する方針を明らかにしたが当然である。

こうした中で台湾の新政権が親日、親米であることは中国の膨張路線を食 い止める上で心理的にも戦略的にも大きな役割りを果たすことになること は期待できるところであろう。

一方中国側からみればただでさえチベットやウイグルにおける独立運動の 過激化に悩まされているところであり、台湾の政権交代がこれらの動きを 加速させないかといくら警戒してもしたりない思いであろう。