中国人爆買いの突然死 | 日本のお姉さん

中国人爆買いの突然死

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宮崎正弘のホームページ http://miyazaki.xii.jp/
「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成28年(2016)1月6日(水曜日)
通算第4771号

「これほどの落ち込みは2003年のSARS騒ぎ以来じゃ」
香港の小売り、12ヶ月連続の減少、観光客も激減している
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2003年に香港から中国全土、韓国、台湾にかけてSARS騒ぎがあった。
あのとき、香港でも小売りは通年で2・3%下落した。
「あのSARS騒動より、こんどは最悪ではないか。通年で香港の小売業は前年比3%のマイナスだ」と香港小売業界幹部はいう(『サウスチャイナ・モーニングポスト』、16年1月5日)。

とくに何が悪いか? 宝飾品、高級時計、豪華な贈り物などがさっぱり売れない。前年比20・6%ものマイナス。
百貨店の売り上げも服飾品の不振が8・6%のマイナスだという。

香港へのツーリズム産業は大陸からやってくる「お上りさん」たちの「爆買い」に支えされてきたが、中国人のインバウンドは5・45%も落ち込み、ほかの海外からのツーリストは僅か1・28%でしかない。
ところが「外国客もヨットなどレジャーと食事を愉しむが、さっぱり買い物をしなくなった」という。

稼ぎ時とされたクリスマス、新年セールでの巻き返しを狙ったが、観光客そのものが143万人も減っていた。
わずかに売り上げ増はスーパーマーケットでの食料、タバコ、アルコールだけという惨憺たる結果となった。

おりしも中国の「ブラックマンディ」と言われる株価大暴落は1月4日に起きた。7%暴落した時点でサーキットブレーカーが掛かり、取引停止となった。
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▼●■▼■● 訃報 ▼●■▼■●
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佐伯彰一先生
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以下は時事通信配信記事です
(引用)「日米の文化を国際的な視野から見詰めた文芸評論家で日本芸術院会員の佐伯彰一(さえき・しょういち)さんが1日午後1時48分、肺炎のため東京都目黒区の病院で死去した。93歳だった。富山県出身。葬儀は近親者で済ませた。喪主は長男泰樹(やすき)さん。
東京帝大英文科卒。ヘミングウェーら米国文学の研究・翻訳を手掛け、東京大、中央大教授を歴任した。同時代の文芸についても批評活動を展開。1960年代には米ミシガン大ほかで日本文学を講義するなど、日米双方の文学・文化への幅広い知見で知られた。
80年「物語芸術論」で読売文学賞、86年「自伝の世紀」で芸術選奨文部大臣賞を受賞。99年、山梨県に開館した三島由紀夫文学館の初代館長を務めるなど、三島研究の第一人者としても知られた」(引用止め)。

▼●■▼■● 佐伯彰一先生回想 ▼●■▼■●
(宮崎正弘)

はじめてお目にかかったのは村松剛氏の紹介だった。場面は忘れたが、人当たりの優しい紳士で英語通なのに折り目正しい日本語(当たり前ですが)。最初にお願いしたのは村松さんが、当時出された『歴史とエロス』の書評だった。
サイデンスティッカー氏から原稿がとどくと、電話で原文を読み上げ、拙訳を伝える。すると、「そこはこう訳した方が良いですね」と電話ですらすらと翻訳された。
氏は夥しい読書遍歴とヘミングウェイ、ソールベロー、フォークナー、ジェイムスジョイスなど、挙げれば際限がない翻訳でも優れた仕事をされたが、古典にも該博な知識を示され、晩年は神道の研究もされていた。
三島事件直後はすぐに追悼会の発起人を引き受けていただき、昭和46年2月25日の『三島由紀夫研究会』発会式に記念講演をお願いしたが、果たせず、翌月の第一回『公開講座』でトップバッターをつとめていただいた。それほど氏は三島に近かった。
小生が編集長だった『日本学生新聞』では林房雄、黛敏郎、村松郷の各氏と対談をお願いした。
定年退官後、世田谷文学館館長を務められ、会いに行くと広い館長室で、いろいろな文学者展覧会の企画の話を熱心にされた。このとき同道したのは三浦重周氏だった。
山中湖に三島文学館が開設され、発会式にも駆けつけたが、豪雨となって、そこに初代館長となられた佐伯さんも居た。
「憂国忌」では代表発起人に就任していただき、二十年祭だったと記憶するが、神道儀式の慰霊祭祭主をお願いした。
いつもいやな顔一つされず、気軽に引き受けて頂き、ときおり、拙著に触れて「読んでますよ」と暖かい眼差しがあった。
佐伯さんには多くの翻訳、文学論があるが、もちろん三島由紀夫論を書かれた。静謐な文章は伸びやかだが、燃えるような愛国心が行間に埋まっていた。
個人的には佐伯さんの日本人の伝記を読みといた精神史の『自伝の世紀』というエッセイ集、氏の家系は富山県の神主である。ここで展開されているのは日本の精神、そして日本人論である。
ここ数年ほど、お目にかかる機会がなく、電話すると奥さんがでて病状を説明して頂きながら保守論壇の最長老でもあり先だっては阿川弘之氏も旅立たれたので、ご高齢を案じていた。年が明けて訃報に接した。合掌。
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読者の声 どくしゃのこえ READERS‘ OPINIONS 読者之声
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(読者の声1)貴誌前号の「イラン vs サウジの断交は第三次世界大戦へ繋がるか?」、興味深く読みました。
具体的な5つのシナリオは貴重な分析です。こうしたタイムリーな記事を瞬時に発信してくれるのがありがたいです。
(WN生、中央区)




(読者の声2)昨日、帰路について駅のスタンドで、「中国錬金術破綻」と宣伝のあった『夕刊フジ』(1月6日付け、東京版)を買ってびっくりです。
一面全部が宮崎先生の寄稿であり、これまでの中国経済の失速予測を短い中に、じつに適格にまとめておられたと思いました。
とくに「2007年のベアスターンズの経営危機から08年のリーマンショックまで一年の時間が経過したように、7月の上海株暴落から一年ほどで、次のもっと巨大な、未曾有の危機がやってくる」と宮崎さんはほかの著作にもかかれていました。
またAIIBは失敗すると早くから予測されていましたが、夕刊フジの見出しも「AIBも失敗の可能性大」とありました。
問題は、この中国経済の失速が日本経済にもたらすであろう悪影響です。どのようにお考えでしょうか?
(IN生、横浜)


(宮崎正弘のコメント)すでに拙著に書いてきたことなのですが、予測通りの展開になってきましたね。AIIBはすでに昨夏に『AIIBの凄惨なる末路』(PHP研究所)に詳述しました。
日本経済がどういう悪影響をうけるかは、2月末ごろ予定の鼎談本(小生、田村秀男、渡邊哲也の鼎談)にご期待下さい。

(読者の声3)貴誌4770号「UY生、北海道」様のおっしゃっているのは多分目の前に見える数のことだと思います(中国人爆買いの突然死)。
すでに銀座の百貨店の10月の売り上げは2桁減です、政府のヴィザ緩和でこれからは金がない層がイナゴのように押し寄せるけど、金は落とさないのでは。
安倍さんの目標は3000万人(数だけ)。来てもらっても迷惑なだけ。
(SM生 目黒)


(宮?正弘のコメント)銀座の免税店、ツアー客が素通りし、吉野屋かマックに入っていきました。込んでいるのはマツモトキヨシ、ドンキホーテくらいでは?
▽□○み□◎▽や□○△ざ□◇◎き▽□◇

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宮崎正弘のロングセラー
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『「中国の終わり」にいよいよ備え始めた世界』(徳間書店、1080円)
『アジアインフラ投資銀行の凄惨な末路』(PHP研究所、999円)
『日本が在日米軍を買収し、第七艦隊を吸収・合併する日』(ビジネス社)
『中国、韓国は自滅し、アジアの時代がやってくる!』(海竜社、1080円)
『中国大破綻 ついに失われる20年に突入する』(PHP研究所、1404円)
『日本と世界を動かす悪の「孫子」』(ビジネス社。1188円)
『吉田松陰が復活する』(並木書房、定価1620円)
『中国・韓国を“本気で”見捨て始めた世界』(徳間書店 1080円)
『台湾烈々 世界一の親日国家がヤバイ』(ビジネス社、1188円)
『「中国の時代」は終わった』(海竜社、定価1080円)
『中国共産党、三年以内に崩壊する!?』(海竜社、1080円)
『中国バブル崩壊が始まった』(海竜社、1080円)
『中国 大嘘つき国家の犯罪』(文芸社文庫、713円)


<宮崎正弘の対談シリーズ>
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宮崎正弘 v 宮脇淳子 『中国壊死』(ビジネス社、1188円)
宮崎正弘 v 石平 『私たちの予測した通りいよいよ自壊する中国』(ワック、972円)
宮崎正弘 v 渡邊哲也 『激動する世界経済!』(ワック、994円)
宮崎正弘 v 室谷克実 『日本に惨敗し ついに終わる中国と韓国』(徳間書店)
宮崎正弘 v 小川榮太郎 『保守の原点』(海竜社。1620円)
宮崎正弘 v 室谷克実 『仲良く自滅する中国と韓国』(徳間書店)
宮崎正弘 v 川口マーン惠美 『なぜ中国人とドイツ人は馬が合うのか?』(ワック)
宮崎正弘 v 石平 『2015年 中国の真実』(ワック、シリーズ第五弾)
宮崎正弘 v 大竹慎一 『中国崩壊で日本はこうなる』(1512円。徳間書店)
宮崎正弘 v 西部遭 『日米安保五十年』(海竜社)
宮崎正弘 v 黄文雄 『世界が知らない中国人の野蛮』(徳間書店)
宮崎正弘 v 佐藤優 『猛毒国家に囲まれた日本』(海竜社)
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