トルコの戦闘機が、ロシアの戦闘爆撃機を撃墜しました。なぜ???
ロシア政治経済ジャーナル No.1305
2015/11/25
トルコの戦闘機が、ロシアの戦闘爆撃機を撃墜しました。
なぜ???
詳細は、【本文】で!↓
★トルコがロシア軍機を撃墜した理由
全世界のRPE読者の皆さま、こんにちは!
北野です。
皆さんご存知のことと思いますが24日、トルコの戦闘機が、ロシアの戦闘爆撃機を撃墜しました。
トルコ側は、「ロシア機が、トルコの領空にいたので撃墜した」としています。
一方ロシアは、「ロシア機は、シリアにいた」としています。
どっちが本当なのか、わかりません。
トルコの主張が事実なら、事は単純です。
では、当事国でないアメリカはなんといっているのでしょうか?
CNN.co.jp 11月25日には、こうあります。
↓
<米当局者がCNNに語ったところによると、ロシア軍機がトルコ領空に入っていた時間は30秒以下だった。
トルコ側は5分間で10回に及ぶ警告を発したと主張するが、ロシア軍機がこの間ずっとトルコ領空内を飛んでいたとは言明していない。>
これが本当だとすると、「撃墜」するのは、いかにも過激です。
昨日の今日ですので、わからないことも多い。
しかし、今回はこの事件について考えてみましょう。
毎回「考えてみましょう」と書きますが、今回は、まさに「考えてみましょう」ですね。
▼シリア情勢のこれまで
現在の状況を考えるためには、必ず過去にさかのぼる必要があります。
事件は、「トルコ」で起こったのか、「シリア」で起こったのかわかりません。
しかし、ロシア機がシリアの「イスラム国」(IS)、あるいは「反アサド派」を攻撃するために飛んでいたことは間違いありません。
だから、「シリア情勢」を復習しておく必要があります。
細かく話すと長くなりますので、簡単に。
2010年、中東、北アフリカで、「アラブの春」と呼ばれる革命運動が起こりました。
いくつかの国で革命が起こり、独裁者たちが次々と失脚した。
2011年、独裁者アサドが支配するシリアでも革命運動が活発になります。
そして、内戦が勃発した。
アサドを支援したのは、主にロシアとイランでした。
ロシアは、シリアに「海軍基地」がある。
イランはシーア派の国。
シリアは、60%ぐらいはスンニ派。
しかし、アサド大統領は、シーア派の一派アラウィー派に属している。
一方、アサドは、「反欧米」。
それで、欧米は、「反アサド派」を支援しました。(今もしている。)
具体的には、アメリカ、イギリス、ドイツ、フランス、イタリア。
さらに、シーア派と対立する、スンニ派諸国も、「反アサド派」を支援しました。(今もしている。)
具体的には、今回、ロシア機を撃墜した
トルコ。
~~~~~~~
そして、サウジアラビア、ヨルダン、エジプト、アラブ首長国連邦、カタール。
さて、「イスラム国」。
以前にも触れましたが、もともと「アルカイダ系」。
2004~06年時点で、「イラクのアルカイダ」と名のっていました。
シリアで内戦が起こった頃は、「イラクのイスラム国」と名のっていた。
それが2013年4月には、「イラクとシャームのイスラム国」になった。
さらに、2014年6月には、「イスラム国」(IS)になった。
ISは、シリア内戦がはじまると、ちゃっかり「反アサド派」に入りました。
なぜ「ちゃっかり」かというと、ISは、「9.11」を起こし「アメリカ最大の敵」とされる「アルカイダ系」です。
それが、アメリカのいう、「『独裁者アサド』と戦う『善の民主主義勢力』」の中に入っていた。
まさに「ちゃっかり」ですね。
こうして、欧米 対 ロシア、スンニ派 対 シーア派 の代理
戦争と化したシリア内戦。
2013年8月~9月に大きな転機が訪れます。
オバマは2013年8月、「アサド軍が化学兵器を使ったので、攻撃する!」と宣言した。
ところが翌9月、オバマは、「やっぱ攻撃するのやめた!」と戦争を「ドタキャン」。
世界を仰天させました。
さらに、アメリカは、イランに接近しはじめた。
(そして2015年7月、「核開発問題」で歴史的合意に至る。)
激怒したのは、共に「反アサド」を支援していた「スンニ派諸国」です。
アメリカとサウジアラビアの関係は、非常に悪化しました。
そして、トルコもまた、アメリカの変節に激怒したのです。
ここまでを、まとめてみましょう。
1、ロシア軍機を撃墜したトルコは、「反アサド派」を支援していた(いる)
2、当然、アサドを支援するロシアを快く思っていない
3、トルコは、アサド攻撃をドタキャンしたアメリカに憤っていた
▼「IS」を支援するトルコ
さて、アメリカの変節で、「反アサド派」に属していたISは独自の動きを強めていきます。
シリアとイラクにまたがる広大な土地を、「アッと」いう間に支配することに成功した。
そのスタート資金と武器をどこから得たかについて、著名なアラブ人ジャーナリスト・アトワーン氏の著書
●「イスラーム国」
(詳細は→ http://tinyurl.com/ocukr5r )
には、こんな記述があります。
<サウディアラビアとカタールが革命勢力に資金、武器支援を行った。
『ニューヨーク・タイムス』は、二○一二年一月、カタールが武器を貨物機に載せてトルコに運び、革命勢力に供与していたと報じた。
サウディアラビアも軍用機でミサイルや迫撃砲、機関銃、自動小銃をヨルダン、トルコに運び、シリア国内に送り込んでいた。
非公式の情報に基づけば、サウディアラビアは五○億USドル(約六一五○億円)を、武器支援などのシリア反体制派支援に費やしたという。>(203~204p)
この記述によると、金と武器を出したのはサウジアラビアとカタール。
しかし、今回ロシア軍機を撃墜した「トルコ経由」で「反アサド派」に渡されていた。
「反アサド派」に属していた「IS」は、この一部をゲットし、独立の「初期資金」にしたのでしょう。
ISは14年6月10日、イラク第2の都市モスルを陥落させます。
ここには大油田があり、ISは重要な「資金源」を得ることに成功しました。
同年6月29日、ISのリーダー、アブー・バクル・アル=バグダーディーは「カリフ宣言」を行いました。
つまり彼は「全イスラム教徒の最高指導者である」と宣言したのです。
では、ISの現在の資金や武器は、どうなっているのでしょうか?
前述の本「イスラーム国」によると、資金源は以下の通り。
・イラク中央銀行から、5億ドルを強奪した。
・石油販売で、1日200万ドルの収入を得ている。
・支配地域の住民約1000万人から税金を徴収している。
この「石油販売で、1日200万ドルの収入を得ている」。
「誰が買ってるの??????」
という疑問が出ますね。
「買い手」がいなければ、商売はなりたちません。
今回ロシア軍機を撃墜した「トルコ」がISの石油を買っている。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
プーチンはいいます。
朝日新聞デジタル11月25日。
↓
<さらにプーチン氏は、ISの資金源とされる石油の密売を念頭に「我々は(シリアの)占領されている地域から、膨大な石油と石油製品がトルコ領に運ばれている事実を長期間つかんでいる」と指摘。
トルコのISに対する甘い姿勢が、欧州などでのテロを許す一因となっているとの見方を示した。>
プーチンは、「トルコがISから石油を買っていることでISは潤っている。
結局その金が、パリ同時多発テロに使われたのだ」といっている。
トルコが、IS産石油を買っている。
これは、そのとおりでしょう。
イスラム国の支配領域は、めまぐるしく変化しています。
が、西には、アサドがいる。
東には、アサドを支援するイラン。
南には、イラク政府。
しかし、北はトルコの国境に接しています。
つまり、ISが石油を輸出(密売)しようと思えば、トルコから出していると考えられる。
「なぜ買うのか?」といえば、経済的利益よりも「政治的」動機でしょう。
要するに、「IS」が「アサドと戦っている」ので支援する意味で石油を買っている。
▼IS支援で追いつめられていたトルコ
そういえば、最近トルコ・アンタルヤで行われたG20で、プーチンはこんな爆弾発言をしています。
<ISに資金提供「G20含め40カ国」 プーチン大統領
アンタルヤ=駒木明義
朝日新聞デジタル2015年11月17日12時51分
ロシアのプーチン大統領は16日、テロ問題が中心議題となった主要20カ国・地域(G20)首脳会議後の記者会見で、過激派組織「イスラム国」(IS)に資金提供している国がG20の加盟国を含めて40カ国に上るという見方を示した。>
記事は、こう続きます。
<プーチン氏は、ISによる原油の販売について、ロシアの偵察衛星が撮影した画像をG20の会議の場で示した上で、どのような規模で行われているかを説明したという。>(同上)
「偵察衛星が撮影した画像」とは、ISが支配していう油田からトルコにむかってタンクローリー群が移動している画像でしょうか。
「IS石油購入」は、今回の「ロシア軍機撃墜」と結びつくのでしょうか?
考えられる可能性は二つです。
1、トルコは、石油密輸入ルートを失いつつある
11月13日の「パリ同時テロ」後、ロシアは、ISの油田と、輸送車の爆撃をはじめました。
また、1年間IS油田を放置していたアメリカも爆撃を開始しました。
つまり、ISは最大の資金源を失いつつあるのです。
トルコから見ると、「安い石油」が買えなくなってきた。
しかし、「1日200万ドル分の安い石油が買えなくなること」でロシアとケンカするとは考えにくいです。
2、トルコは、「ISの資金源」であることが全世界に知られることを恐れる?
ISは、「公開処刑」の映像動画を配信するなど、その「残虐性」で嫌悪されています。
そして、「パリ同時多発テロ」によって、まさに「全世界の敵」になりました。
しかし、常識のある人なら、考えます。
「いったいISの活動資金は、どこから出ているのだ???」と。
プーチンは、G20で、「俺は知ってるんだぜ!」と証拠をあげて示した。
もし、
1、トルコがISから石油を買っている
2、ISはその金を活動資金にし、全世界でテロをしている
3、フランスで「同時多発テロ」が起こったのは
「トルコのせいだ!!!!!!!!!」
このことが全世界に知れわたれば、トルコは「全人類の敵」になってしまいます。
▼トルコは、「欧米支配層」の「スケープゴート」にされることを恐れた??
「トルコがISの石油を買っている」
このことは、おそらく欧米の支配層も知っていることでしょう。
というのは、人工衛星からみれば、IS油田からタンクローリーがどこにむかっていくのか一目瞭然だからです。
しかし、「黙認」「容認」していた。
なぜ?
これも、トルコが石油を買う理由と同じですね。
ISが「アサドと戦っている」からです。
アメリカと有志連合は、2014年8月から、IS空爆を実施しています。
ところが、1年やってISは弱まるどころか、ますます支配領域を拡大していった。
9月末、ロシアがIS空爆をはじめました。
すると、1か月半やっただけで、ISは弱体化。
アサド軍は、突如元気になり失地をバンバン奪回しています。
全世界は、ロシアのせいで、「アメリカマジメに空爆してんの?」と疑念をもつようになった。
そして、11月13日「パリ同時多発テロ」が起こった。
これで、欧米も、IS空爆をもっとマジメにやる必要がでてきた。
その証拠がこれ。
↓
<米軍、シリアでISの石油輸送車238台以上を空爆と
BBCニュース 11月24日
米国防総省は23日、シリア北東部で過激派勢力「イスラム国」(IS)が持つ石油輸送車238台以上を空爆で破壊したと発表した。
発表によると、米軍機のパイロットたちは、アルハサカとダイル・アッザウルの近くの精製拠点で石油を積み込もうと待機して駐車していたタンクローリーを発見した。
民間人の運転手たちを追い払うために警告の砲撃を繰り返した後、輸送車の破壊を開始したという。>
アメリカは、空爆開始後1年以上放置していた「石油インフラ」への攻撃をついに開始した。
これは、欧米が、「ロシア軍の空爆」と「パリ同時多発テロ」によって、
「本気でIS退治に乗り出した」ことを示しています。
これは、ISから石油を買って支援しているトルコにとって極めてまずい事態です。
ロシアが、「ISの資金源はトルコだ!」と宣伝しはじれば、いままで「黙認」「容認」だった欧米が、
「ええ???そうだったの?
知らなかった!
トルコ許すまじ!!!」
と、トルコをスケープゴートにする可能性が出てくる。
▼「欧米ロ」同盟構想をぶち壊したトルコの「ロシア軍機撃墜」
さらに、事件当日起こったことに注目する必要があります。
ロシア軍機が撃墜された11月24日、フランスのオランド大統領はアメリカにいました。
訪米、当初の目的はなんだったのか?
オランド大統領は、「同時多発テロ」を受けて、「ロシアと協力してISを叩きつぶす」という路線に変わっています。
↓
<仏米ロ、シリア北部のIS空爆軍事的連携を強化へ
フランス、米国の空軍は17日、過激派組織「イスラム国」(IS)が首都と称するシリア北部ラッカを空爆した。
パリの同時多発テロ後、仏空軍による空爆は2度目。
これとは別に、ロシア空軍もラッカを空爆した。
仏ロ関係はウクライナ紛争で冷え込んだが、オランド仏大統領は16日の演説で、対ISで従来の米国に加えて
ロシアとの軍事的連携も強化すると述べた。>
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
(朝日新聞デジタル11月18日(水)2時0分配信)
オランドが訪米した理由は、「フランス、アメリカ、ロシア」で「反IS大同盟」をつくり「共闘しよう!」という話をするためだっ
た。
ところが、「ロシア軍機撃墜事件」が起こり、実際の会談はどうなったか?
↓
<ロシア軍機撃墜>米仏、対立回避を求める
毎日新聞 11月25日(水)11時57分配信
【ワシントン和田浩明】オバマ米大統領とフランスのオランド大統領は24日、ホワイトハウスで会談した。
その後、共同記者会見し、トルコ軍機がシリアとの国境付近でロシア軍機を撃墜したことについて、ロシアとトルコが対立を回避すべきだとの認識を示した。
また両首脳は、撃墜はシリア内戦を早期終結させる必要性を改めて示したと指摘。
さらに、ロシアが支援するアサド政権から、国民各派を代表する挙国一致政府への移行を目指す国際的取り組みの加速を訴えた。>
↑
「ロシア軍機撃墜」が起こったので、その話ばかりになった。
「フランス、アメリカ、ロシアで共にISと戦いましょう!」という話は、消えてしまったのです。
↓
<ロシア軍機撃墜>フランス、仲介外交に痛手
毎日新聞 11月25日(水)1時41分配信
【パリ賀有勇】トルコ軍機によるロシア軍機撃墜は、フランスのオランド大統領にとって頭の痛い材料となりそうだ。
パリ同時多発テロを受けてIS包囲網を作ろうと首脳外交を本格化させたばかりだからだ。
オランド氏は24日にワシントンでオバマ米大統領と会談し、26日にはモスクワでプーチン露大統領と会談。
シリアのアサド政権の処遇で対立する米露を対IS攻撃で連携させようとしていたが、実現は難しくなりそうだ。>
▼計算された事件
さて、11月24日、トルコは、ロシア軍機を撃墜しました。
次に何をしたかというと、「NATOでこの問題を協議しましょう!」となった。
なぜ「NATO」なのでしょうか?
そう、トルコは「NATO加盟国」なのです。
NATOの規定では、「加盟国一国が攻撃を受けたら、集団的自衛権を行使し、全加盟国が攻撃を受けた国を守る」のです。
つまり、ロシアがトルコを攻撃すれば、
「全NATO」を敵にまわすことになる。
だから、「ロシア軍機を撃墜しても、ロシア側は反撃できないだろう」と計算したのではないでしょうか?
「でも、ロシアはトルコを攻撃してませんよね?
トルコがロシア軍機を撃墜したのですよね?
攻撃したのは、トルコ側であること、トルコも認めているのでは?」
そうなんですが、トルコ側は、「ロシア軍機が領空侵犯したのだ!」という論理。
トルコとロシア、どっちがホントのことをいってるかわかりませんが。
しかし、NATOとしては、「同盟国のトルコがウソをいっている」とはいえないでしょう。
そして、NATOは、「ロシアが悪い」と声明を出しています。
↓
<ロシア軍機撃墜>NATO、露に警告…緊張緩和を要請
毎日新聞 11月25日(水)11時55分配信
【ブリュッセル斎藤義彦】トルコの戦闘機がロシアの戦闘爆撃機を撃墜したことを受け、北大西洋条約機構(NATO)は24日、加盟国トルコの要請で緊急理事会を開き、ロシア軍機がトルコの領空を侵犯したことを確認し「トルコが領土(領空)を保持することを支持する」と、ロシアに警告した。>
▼「ロシア軍機撃墜」の結果は?
これは、事件が起こる前と後の状況を比較すればわかりますね。
・事件前
「パリ同時テロ」が起こったフランスは、アメリカとロシアを和解させ、「反IS大同盟」をつくろうとしていた。
まさに「欧米ロ同盟」がつくられようとしていた。
そうなると、「IS」を支援するトルコは、「世界的悪者」にされる可能性があった。
(もちろん、トルコの敵アサド政権が延命してしまうという理由もあるでしょう。)
・事件後
オランドさんは「欧米ロ同盟」構築のために訪米しましたが、「ロシア軍機撃墜事件」で盛り上がってしまい、目的を果たせませんでした。
NATOは、トルコを守り、ロシアの「領空侵犯」を非難しました。
「欧米ロ同盟」構想は、頓挫し、トルコは国際的孤立を逃れました。
トルコは、「俺はNATO加盟国だぞ!
トルコを攻撃すれば、アメリカも含み全NATOを敵にまわすことになるのだ。
何もできまい!」
と考えたのでしょう。
しかし、報復は「軍事的手段」だけではありません。
昨日のプーチンは、こんな顔をしていました。
↓
http://www.shuraba.com/?p=diary/20061204
トルコは、プーチンの怖さを思い知ることになるでしょう。
●PS1
もう一つ、「ロシアがシリア北部のトルコ系民族を空爆したので報復した」という説があります。
<ロイター通信が米当局者の話として伝えた内容によると、露軍機は撃墜される前、シリアの反体制派でトルコ系のトルクメン人の部隊を爆撃した。
トルコが反体制派のトルクメン人を支援する一方、ロシアはシリアのアサド政権を支持しており、シリアを巡る対立が撃墜に発展した可能性がある。>
(毎日新聞 11月25日)
これは、ロシアが「ウクライナ東部の親ロシア派」(=ロシア系住民)を守るのと同じ理屈ですね。
ありえる話です。
そして、「唯一の理由」ではなく、「複数の理由」が存在することは日常茶飯事なのです。
●PS2
北野が「世界情勢分析する方法」を完全暴露しています。
これを読むと、あなた自身で、日本と世界の未来を予測できるようになります。
政治家、経営者、起業家、ビジネスマン必読。
↓
【3刷決定!】
●アマゾン、「国際政治情勢部門」「外交・国際関係部門」
「社会一般部門」
「トリプル1位!」
●日本人の知らない「クレムリン・メソッド」
~ 世界を動かす11の原理 (集英社インターナショナル)
北野 幸伯
(詳細は→ http://hec.su/hHN )
●面白かったら、拡散お願いいたします。>
○メールマガジン「ロシア政治経済ジャーナル」
発行者 北野 幸伯
◎ロシア政治経済ジャーナルのバックナンバーはこちら
⇒ http://archives.mag2.com/0000012950/index.html
2015/11/25
トルコの戦闘機が、ロシアの戦闘爆撃機を撃墜しました。
なぜ???
詳細は、【本文】で!↓
★トルコがロシア軍機を撃墜した理由
全世界のRPE読者の皆さま、こんにちは!
北野です。
皆さんご存知のことと思いますが24日、トルコの戦闘機が、ロシアの戦闘爆撃機を撃墜しました。
トルコ側は、「ロシア機が、トルコの領空にいたので撃墜した」としています。
一方ロシアは、「ロシア機は、シリアにいた」としています。
どっちが本当なのか、わかりません。
トルコの主張が事実なら、事は単純です。
では、当事国でないアメリカはなんといっているのでしょうか?
CNN.co.jp 11月25日には、こうあります。
↓
<米当局者がCNNに語ったところによると、ロシア軍機がトルコ領空に入っていた時間は30秒以下だった。
トルコ側は5分間で10回に及ぶ警告を発したと主張するが、ロシア軍機がこの間ずっとトルコ領空内を飛んでいたとは言明していない。>
これが本当だとすると、「撃墜」するのは、いかにも過激です。
昨日の今日ですので、わからないことも多い。
しかし、今回はこの事件について考えてみましょう。
毎回「考えてみましょう」と書きますが、今回は、まさに「考えてみましょう」ですね。
▼シリア情勢のこれまで
現在の状況を考えるためには、必ず過去にさかのぼる必要があります。
事件は、「トルコ」で起こったのか、「シリア」で起こったのかわかりません。
しかし、ロシア機がシリアの「イスラム国」(IS)、あるいは「反アサド派」を攻撃するために飛んでいたことは間違いありません。
だから、「シリア情勢」を復習しておく必要があります。
細かく話すと長くなりますので、簡単に。
2010年、中東、北アフリカで、「アラブの春」と呼ばれる革命運動が起こりました。
いくつかの国で革命が起こり、独裁者たちが次々と失脚した。
2011年、独裁者アサドが支配するシリアでも革命運動が活発になります。
そして、内戦が勃発した。
アサドを支援したのは、主にロシアとイランでした。
ロシアは、シリアに「海軍基地」がある。
イランはシーア派の国。
シリアは、60%ぐらいはスンニ派。
しかし、アサド大統領は、シーア派の一派アラウィー派に属している。
一方、アサドは、「反欧米」。
それで、欧米は、「反アサド派」を支援しました。(今もしている。)
具体的には、アメリカ、イギリス、ドイツ、フランス、イタリア。
さらに、シーア派と対立する、スンニ派諸国も、「反アサド派」を支援しました。(今もしている。)
具体的には、今回、ロシア機を撃墜した
トルコ。
~~~~~~~
そして、サウジアラビア、ヨルダン、エジプト、アラブ首長国連邦、カタール。
さて、「イスラム国」。
以前にも触れましたが、もともと「アルカイダ系」。
2004~06年時点で、「イラクのアルカイダ」と名のっていました。
シリアで内戦が起こった頃は、「イラクのイスラム国」と名のっていた。
それが2013年4月には、「イラクとシャームのイスラム国」になった。
さらに、2014年6月には、「イスラム国」(IS)になった。
ISは、シリア内戦がはじまると、ちゃっかり「反アサド派」に入りました。
なぜ「ちゃっかり」かというと、ISは、「9.11」を起こし「アメリカ最大の敵」とされる「アルカイダ系」です。
それが、アメリカのいう、「『独裁者アサド』と戦う『善の民主主義勢力』」の中に入っていた。
まさに「ちゃっかり」ですね。
こうして、欧米 対 ロシア、スンニ派 対 シーア派 の代理
戦争と化したシリア内戦。
2013年8月~9月に大きな転機が訪れます。
オバマは2013年8月、「アサド軍が化学兵器を使ったので、攻撃する!」と宣言した。
ところが翌9月、オバマは、「やっぱ攻撃するのやめた!」と戦争を「ドタキャン」。
世界を仰天させました。
さらに、アメリカは、イランに接近しはじめた。
(そして2015年7月、「核開発問題」で歴史的合意に至る。)
激怒したのは、共に「反アサド」を支援していた「スンニ派諸国」です。
アメリカとサウジアラビアの関係は、非常に悪化しました。
そして、トルコもまた、アメリカの変節に激怒したのです。
ここまでを、まとめてみましょう。
1、ロシア軍機を撃墜したトルコは、「反アサド派」を支援していた(いる)
2、当然、アサドを支援するロシアを快く思っていない
3、トルコは、アサド攻撃をドタキャンしたアメリカに憤っていた
▼「IS」を支援するトルコ
さて、アメリカの変節で、「反アサド派」に属していたISは独自の動きを強めていきます。
シリアとイラクにまたがる広大な土地を、「アッと」いう間に支配することに成功した。
そのスタート資金と武器をどこから得たかについて、著名なアラブ人ジャーナリスト・アトワーン氏の著書
●「イスラーム国」
(詳細は→ http://tinyurl.com/ocukr5r )
には、こんな記述があります。
<サウディアラビアとカタールが革命勢力に資金、武器支援を行った。
『ニューヨーク・タイムス』は、二○一二年一月、カタールが武器を貨物機に載せてトルコに運び、革命勢力に供与していたと報じた。
サウディアラビアも軍用機でミサイルや迫撃砲、機関銃、自動小銃をヨルダン、トルコに運び、シリア国内に送り込んでいた。
非公式の情報に基づけば、サウディアラビアは五○億USドル(約六一五○億円)を、武器支援などのシリア反体制派支援に費やしたという。>(203~204p)
この記述によると、金と武器を出したのはサウジアラビアとカタール。
しかし、今回ロシア軍機を撃墜した「トルコ経由」で「反アサド派」に渡されていた。
「反アサド派」に属していた「IS」は、この一部をゲットし、独立の「初期資金」にしたのでしょう。
ISは14年6月10日、イラク第2の都市モスルを陥落させます。
ここには大油田があり、ISは重要な「資金源」を得ることに成功しました。
同年6月29日、ISのリーダー、アブー・バクル・アル=バグダーディーは「カリフ宣言」を行いました。
つまり彼は「全イスラム教徒の最高指導者である」と宣言したのです。
では、ISの現在の資金や武器は、どうなっているのでしょうか?
前述の本「イスラーム国」によると、資金源は以下の通り。
・イラク中央銀行から、5億ドルを強奪した。
・石油販売で、1日200万ドルの収入を得ている。
・支配地域の住民約1000万人から税金を徴収している。
この「石油販売で、1日200万ドルの収入を得ている」。
「誰が買ってるの??????」
という疑問が出ますね。
「買い手」がいなければ、商売はなりたちません。
今回ロシア軍機を撃墜した「トルコ」がISの石油を買っている。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
プーチンはいいます。
朝日新聞デジタル11月25日。
↓
<さらにプーチン氏は、ISの資金源とされる石油の密売を念頭に「我々は(シリアの)占領されている地域から、膨大な石油と石油製品がトルコ領に運ばれている事実を長期間つかんでいる」と指摘。
トルコのISに対する甘い姿勢が、欧州などでのテロを許す一因となっているとの見方を示した。>
プーチンは、「トルコがISから石油を買っていることでISは潤っている。
結局その金が、パリ同時多発テロに使われたのだ」といっている。
トルコが、IS産石油を買っている。
これは、そのとおりでしょう。
イスラム国の支配領域は、めまぐるしく変化しています。
が、西には、アサドがいる。
東には、アサドを支援するイラン。
南には、イラク政府。
しかし、北はトルコの国境に接しています。
つまり、ISが石油を輸出(密売)しようと思えば、トルコから出していると考えられる。
「なぜ買うのか?」といえば、経済的利益よりも「政治的」動機でしょう。
要するに、「IS」が「アサドと戦っている」ので支援する意味で石油を買っている。
▼IS支援で追いつめられていたトルコ
そういえば、最近トルコ・アンタルヤで行われたG20で、プーチンはこんな爆弾発言をしています。
<ISに資金提供「G20含め40カ国」 プーチン大統領
アンタルヤ=駒木明義
朝日新聞デジタル2015年11月17日12時51分
ロシアのプーチン大統領は16日、テロ問題が中心議題となった主要20カ国・地域(G20)首脳会議後の記者会見で、過激派組織「イスラム国」(IS)に資金提供している国がG20の加盟国を含めて40カ国に上るという見方を示した。>
記事は、こう続きます。
<プーチン氏は、ISによる原油の販売について、ロシアの偵察衛星が撮影した画像をG20の会議の場で示した上で、どのような規模で行われているかを説明したという。>(同上)
「偵察衛星が撮影した画像」とは、ISが支配していう油田からトルコにむかってタンクローリー群が移動している画像でしょうか。
「IS石油購入」は、今回の「ロシア軍機撃墜」と結びつくのでしょうか?
考えられる可能性は二つです。
1、トルコは、石油密輸入ルートを失いつつある
11月13日の「パリ同時テロ」後、ロシアは、ISの油田と、輸送車の爆撃をはじめました。
また、1年間IS油田を放置していたアメリカも爆撃を開始しました。
つまり、ISは最大の資金源を失いつつあるのです。
トルコから見ると、「安い石油」が買えなくなってきた。
しかし、「1日200万ドル分の安い石油が買えなくなること」でロシアとケンカするとは考えにくいです。
2、トルコは、「ISの資金源」であることが全世界に知られることを恐れる?
ISは、「公開処刑」の映像動画を配信するなど、その「残虐性」で嫌悪されています。
そして、「パリ同時多発テロ」によって、まさに「全世界の敵」になりました。
しかし、常識のある人なら、考えます。
「いったいISの活動資金は、どこから出ているのだ???」と。
プーチンは、G20で、「俺は知ってるんだぜ!」と証拠をあげて示した。
もし、
1、トルコがISから石油を買っている
2、ISはその金を活動資金にし、全世界でテロをしている
3、フランスで「同時多発テロ」が起こったのは
「トルコのせいだ!!!!!!!!!」
このことが全世界に知れわたれば、トルコは「全人類の敵」になってしまいます。
▼トルコは、「欧米支配層」の「スケープゴート」にされることを恐れた??
「トルコがISの石油を買っている」
このことは、おそらく欧米の支配層も知っていることでしょう。
というのは、人工衛星からみれば、IS油田からタンクローリーがどこにむかっていくのか一目瞭然だからです。
しかし、「黙認」「容認」していた。
なぜ?
これも、トルコが石油を買う理由と同じですね。
ISが「アサドと戦っている」からです。
アメリカと有志連合は、2014年8月から、IS空爆を実施しています。
ところが、1年やってISは弱まるどころか、ますます支配領域を拡大していった。
9月末、ロシアがIS空爆をはじめました。
すると、1か月半やっただけで、ISは弱体化。
アサド軍は、突如元気になり失地をバンバン奪回しています。
全世界は、ロシアのせいで、「アメリカマジメに空爆してんの?」と疑念をもつようになった。
そして、11月13日「パリ同時多発テロ」が起こった。
これで、欧米も、IS空爆をもっとマジメにやる必要がでてきた。
その証拠がこれ。
↓
<米軍、シリアでISの石油輸送車238台以上を空爆と
BBCニュース 11月24日
米国防総省は23日、シリア北東部で過激派勢力「イスラム国」(IS)が持つ石油輸送車238台以上を空爆で破壊したと発表した。
発表によると、米軍機のパイロットたちは、アルハサカとダイル・アッザウルの近くの精製拠点で石油を積み込もうと待機して駐車していたタンクローリーを発見した。
民間人の運転手たちを追い払うために警告の砲撃を繰り返した後、輸送車の破壊を開始したという。>
アメリカは、空爆開始後1年以上放置していた「石油インフラ」への攻撃をついに開始した。
これは、欧米が、「ロシア軍の空爆」と「パリ同時多発テロ」によって、
「本気でIS退治に乗り出した」ことを示しています。
これは、ISから石油を買って支援しているトルコにとって極めてまずい事態です。
ロシアが、「ISの資金源はトルコだ!」と宣伝しはじれば、いままで「黙認」「容認」だった欧米が、
「ええ???そうだったの?
知らなかった!
トルコ許すまじ!!!」
と、トルコをスケープゴートにする可能性が出てくる。
▼「欧米ロ」同盟構想をぶち壊したトルコの「ロシア軍機撃墜」
さらに、事件当日起こったことに注目する必要があります。
ロシア軍機が撃墜された11月24日、フランスのオランド大統領はアメリカにいました。
訪米、当初の目的はなんだったのか?
オランド大統領は、「同時多発テロ」を受けて、「ロシアと協力してISを叩きつぶす」という路線に変わっています。
↓
<仏米ロ、シリア北部のIS空爆軍事的連携を強化へ
フランス、米国の空軍は17日、過激派組織「イスラム国」(IS)が首都と称するシリア北部ラッカを空爆した。
パリの同時多発テロ後、仏空軍による空爆は2度目。
これとは別に、ロシア空軍もラッカを空爆した。
仏ロ関係はウクライナ紛争で冷え込んだが、オランド仏大統領は16日の演説で、対ISで従来の米国に加えて
ロシアとの軍事的連携も強化すると述べた。>
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
(朝日新聞デジタル11月18日(水)2時0分配信)
オランドが訪米した理由は、「フランス、アメリカ、ロシア」で「反IS大同盟」をつくり「共闘しよう!」という話をするためだっ
た。
ところが、「ロシア軍機撃墜事件」が起こり、実際の会談はどうなったか?
↓
<ロシア軍機撃墜>米仏、対立回避を求める
毎日新聞 11月25日(水)11時57分配信
【ワシントン和田浩明】オバマ米大統領とフランスのオランド大統領は24日、ホワイトハウスで会談した。
その後、共同記者会見し、トルコ軍機がシリアとの国境付近でロシア軍機を撃墜したことについて、ロシアとトルコが対立を回避すべきだとの認識を示した。
また両首脳は、撃墜はシリア内戦を早期終結させる必要性を改めて示したと指摘。
さらに、ロシアが支援するアサド政権から、国民各派を代表する挙国一致政府への移行を目指す国際的取り組みの加速を訴えた。>
↑
「ロシア軍機撃墜」が起こったので、その話ばかりになった。
「フランス、アメリカ、ロシアで共にISと戦いましょう!」という話は、消えてしまったのです。
↓
<ロシア軍機撃墜>フランス、仲介外交に痛手
毎日新聞 11月25日(水)1時41分配信
【パリ賀有勇】トルコ軍機によるロシア軍機撃墜は、フランスのオランド大統領にとって頭の痛い材料となりそうだ。
パリ同時多発テロを受けてIS包囲網を作ろうと首脳外交を本格化させたばかりだからだ。
オランド氏は24日にワシントンでオバマ米大統領と会談し、26日にはモスクワでプーチン露大統領と会談。
シリアのアサド政権の処遇で対立する米露を対IS攻撃で連携させようとしていたが、実現は難しくなりそうだ。>
▼計算された事件
さて、11月24日、トルコは、ロシア軍機を撃墜しました。
次に何をしたかというと、「NATOでこの問題を協議しましょう!」となった。
なぜ「NATO」なのでしょうか?
そう、トルコは「NATO加盟国」なのです。
NATOの規定では、「加盟国一国が攻撃を受けたら、集団的自衛権を行使し、全加盟国が攻撃を受けた国を守る」のです。
つまり、ロシアがトルコを攻撃すれば、
「全NATO」を敵にまわすことになる。
だから、「ロシア軍機を撃墜しても、ロシア側は反撃できないだろう」と計算したのではないでしょうか?
「でも、ロシアはトルコを攻撃してませんよね?
トルコがロシア軍機を撃墜したのですよね?
攻撃したのは、トルコ側であること、トルコも認めているのでは?」
そうなんですが、トルコ側は、「ロシア軍機が領空侵犯したのだ!」という論理。
トルコとロシア、どっちがホントのことをいってるかわかりませんが。
しかし、NATOとしては、「同盟国のトルコがウソをいっている」とはいえないでしょう。
そして、NATOは、「ロシアが悪い」と声明を出しています。
↓
<ロシア軍機撃墜>NATO、露に警告…緊張緩和を要請
毎日新聞 11月25日(水)11時55分配信
【ブリュッセル斎藤義彦】トルコの戦闘機がロシアの戦闘爆撃機を撃墜したことを受け、北大西洋条約機構(NATO)は24日、加盟国トルコの要請で緊急理事会を開き、ロシア軍機がトルコの領空を侵犯したことを確認し「トルコが領土(領空)を保持することを支持する」と、ロシアに警告した。>
▼「ロシア軍機撃墜」の結果は?
これは、事件が起こる前と後の状況を比較すればわかりますね。
・事件前
「パリ同時テロ」が起こったフランスは、アメリカとロシアを和解させ、「反IS大同盟」をつくろうとしていた。
まさに「欧米ロ同盟」がつくられようとしていた。
そうなると、「IS」を支援するトルコは、「世界的悪者」にされる可能性があった。
(もちろん、トルコの敵アサド政権が延命してしまうという理由もあるでしょう。)
・事件後
オランドさんは「欧米ロ同盟」構築のために訪米しましたが、「ロシア軍機撃墜事件」で盛り上がってしまい、目的を果たせませんでした。
NATOは、トルコを守り、ロシアの「領空侵犯」を非難しました。
「欧米ロ同盟」構想は、頓挫し、トルコは国際的孤立を逃れました。
トルコは、「俺はNATO加盟国だぞ!
トルコを攻撃すれば、アメリカも含み全NATOを敵にまわすことになるのだ。
何もできまい!」
と考えたのでしょう。
しかし、報復は「軍事的手段」だけではありません。
昨日のプーチンは、こんな顔をしていました。
↓
http://www.shuraba.com/?p=diary/20061204
トルコは、プーチンの怖さを思い知ることになるでしょう。
●PS1
もう一つ、「ロシアがシリア北部のトルコ系民族を空爆したので報復した」という説があります。
<ロイター通信が米当局者の話として伝えた内容によると、露軍機は撃墜される前、シリアの反体制派でトルコ系のトルクメン人の部隊を爆撃した。
トルコが反体制派のトルクメン人を支援する一方、ロシアはシリアのアサド政権を支持しており、シリアを巡る対立が撃墜に発展した可能性がある。>
(毎日新聞 11月25日)
これは、ロシアが「ウクライナ東部の親ロシア派」(=ロシア系住民)を守るのと同じ理屈ですね。
ありえる話です。
そして、「唯一の理由」ではなく、「複数の理由」が存在することは日常茶飯事なのです。
●PS2
北野が「世界情勢分析する方法」を完全暴露しています。
これを読むと、あなた自身で、日本と世界の未来を予測できるようになります。
政治家、経営者、起業家、ビジネスマン必読。
↓
【3刷決定!】
●アマゾン、「国際政治情勢部門」「外交・国際関係部門」
「社会一般部門」
「トリプル1位!」
●日本人の知らない「クレムリン・メソッド」
~ 世界を動かす11の原理 (集英社インターナショナル)
北野 幸伯
(詳細は→ http://hec.su/hHN )
●面白かったら、拡散お願いいたします。>
○メールマガジン「ロシア政治経済ジャーナル」
発行者 北野 幸伯
◎ロシア政治経済ジャーナルのバックナンバーはこちら
⇒ http://archives.mag2.com/0000012950/index.html