パリ同時テロの首謀者とされるベルギー国籍、アブデルハミド・アバウド容疑者の死亡を確認
首謀格容疑者死亡・パリ同時テロ=仏首相「生物兵器警戒を」―非常事態3カ月延長へ
時事通信 11月20日(金)0時8分配信
ツイート
シェアする
【パリ、ブリュッセル時事】フランス検察当局は19日、パリ同時テロの首謀者とされるベルギー国籍、アブデルハミド・アバウド容疑者の死亡を確認した。
18日に行われたパリ郊外サンドニの容疑者拘束作戦で確保した遺体を鑑定した結果、指紋などが一致した。
同時テロで飲食店襲撃に関わった仏国籍のサラ・アブデスラム容疑者はなお逃走中とみられ、監視カメラの映像からもう一人の容疑者の存在も浮上。
潜伏中のメンバーが別のテロを画策している可能性もあり、当局は身柄の確保を目指している。
カズヌーブ内相は、アバウド容疑者が「(13日に起きた)同時テロで重要な役割を果たした」と強調。
その上で「今春以降に仏当局が阻止した6件のテロ計画のうち4件に同容疑者が関与したとみられる」と述べた。
また、内相は「欧州以外の国の情報機関から16日に初めてアバウド容疑者のギリシャ滞在に関する情報がもたらされた」と語り、欧州各国が同容疑者に関する情報を十分に把握できていなかったと認めた。
一方、仏議会は19日、パリ同時テロ後に出された非常事態宣言を3カ月間延長する法案の審議に入った。
バルス首相は「あらゆるリスクに備えるべきだ。生物、化学兵器を使ったテロが起きる可能性もある」と述べ、治安維持に関する政府の権限を強化すべきだと訴えた。法案はすでに下院を通過、上院の採決を経て、20日にも成立する見通し。
オランド大統領はテロ翌日の14日から全土を対象に非常事態宣言を発令した。
住民の移動制限や家宅捜索などに関する政府の権限は大幅に強化された。
現行法では最長12日間で、延長には議会の承認が必要となる。
生物兵器対策をめぐり、政府は軍が保有する解毒剤などを救急隊や国公立病院に配備する方向で準備に着手。このほか、非番の警官に一定の条件下で武器の携行を認め、休暇中にテロに遭遇した際に対処できるようにする制度改正を19日中にも行う。
バルス首相は議会演説で、過激化した若者を更生させる教育施設の設置や、航空機の乗客リストを欧州内で共同管理してテロリストの移動を監視する仕組みの導入を検討していると説明した。
AFP通信によると、オランド大統領は19日、オバマ米大統領と電話で会談した。
仏大統領府は、両首脳が「シリアでの軍事作戦に関する連携や、内戦終結に向けた交渉の進捗(しんちょく)状況」などについて意見交換したとしている。
また、ベルギー検察当局は19日、ブリュッセル西部モレンベークなど9カ所で家宅捜索し、9人を逮捕した。
捜査関係者は捜索の対象について、パリの競技場で自爆したビラル・アドフィ容疑者(20)の親族や友人といった「極めて近い人物」だと説明している。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20151120-00000000-jij-eurp&pos=2