米・中に踊らされる日本。複数のシンクタンクが見抜いたAIIBの真実=高島康司 | 日本のお姉さん

米・中に踊らされる日本。複数のシンクタンクが見抜いたAIIBの真実=高島康司

米・中に踊らされる日本。複数のシンクタンクが見抜いたAIIBの真実=高島康司
2015年11月19日 ニュース

今回は中国の主導する「AIIB(アジアインフラ投資銀行)」に関して、日本ではまったく報道されていない内容を書く。「米中は対立関係になく、そもそもAIIB設立を中国に持ちかけたのは米国である」というシンクタンクの分析だ。

これが真実だとすれば、中国の南シナ海への進出が問題となる中で、日本の安倍政権の現状認識は根本から間違っていることになる。(未来を見る! 『ヤスの備忘録』連動メルマガ・高島康司)

「米中に対立関係なし。AIIB設立を持ちかけたのは米国」最新分析

従来、AIIBはどのように受け止められていたか

中国が中央アジアを鉄道網で結び、貿易のための海路を整備する「一帯一路」とともに、そのための資金確保のための「AIIB(アジアインフラ投資銀行)」の設立を発表したことは記憶に新しい。

当初は「AIIB」には参加しないようにとのアメリカからの圧力があったにもかかわらず、イギリスをはじめ57カ国が参加を表明して世界を驚かせた。欧米にかわる、中国主導の本格的な経済秩序の構築が始まったと考えられた。

一方日本は、中国からの参加要請にもかかわらずアメリカとともに参加を辞退した。この方針の妥当性を巡って国内で大きな議論にもなっていた。

アメリカは世銀を通じて中国を監視すると見られていたが

他方、これに対して一時は強い不快感を表明していたアメリカだったが、「世界銀行」が「AIIB」と積極的に協力することを表明した。中国主導の経済秩序にアメリカは参加はしないものの、「AIIB」が中国の国益を最優先して暴走しないように監視役を買って出たのではないかとも言われていた。

このような状況だったが、中国が「AIIB」の参加を締め切った6月末からは、「AIIB」に関しても、また中国がこれを設立する背景になった「一帯一路」構想についてもほとんど報道されることはなくなった。

直近の報道では、10月22日にアメリカが主導する「世界銀行」のジム・ヨン・キム総裁が次のように発言し、「AIIB」と「世界銀行」との協力関係がさらに強化されていることを明らかにしたくらいだ。

「AIIBと世界銀行、アジア開発銀行などは互いに競い合う関係ではない。AIIB発足の重要な要因は既存の多国間開発機関がアジア諸国のインフラ整備の需要を満たせていないからだ。現在、AIIBと世界銀行やアジア開発銀行との協力は非常に順調である。AIIBはこれらの金融機関が現在行っている自身の改革が進むよう期待している」

次第に明らかになりつつある「AIIB」の真実

このような状況なので、一時はあれほど騒がれた「AIIB」だったが、いまはあまり注目していない読者も多いに違いない。筆者もそうであった。

しかしながら、CIA系シンクタンク『ストラトフォー』の有料レポート、またトロント大学のシンクタンク『グローバルリサーチ』や、ロシアの政府系シンクタンク『ストラテジックリサーチ研究所』など多くの研究機関が配信する記事から、「AIIB」や「一帯一路」構想の真実と実態が、いまになって次第に明らかになってきたのである。
「AIIB」の設立を持ちかけたのはアメリカ

これらの複数のレポートや記事が暗示しているのは、実は「AIIB」も「一帯一路」構想も中国に持ちかけたのはアメリカのオバマ政権であったという事実だ。

オバマ政権は、「AIIB」のような国際機関を立ち上げ、これを運営するためのノウハウの提供を中国に約束し、「AIIB」を設立するように迫ったというのが実態だとしている。

さらにオバマ政権は、アメリカは表向きには参加しないものの、ロンドンのシティを通して設立に必要な資金を中国に提供し、「AIIB」の設立に資金面から現実的に関わったとしている。

いまではアメリカ政府のこうした直接的な支援ではなく、「世界銀行」が窓口となり「AIIB」を資金面からバックアップしているという。

中国とアメリカは対立関係にはまったくない

日本では、政府をはじめ国民も、「AIIB」や「一帯一路」構想、そして南シナ海の進出など、中国が主導している活動をアメリカは押さえ込み、中国をアメリカ主導の既存の国際秩序の枠組みに埋め込むことを目標にしていると強く信じられている。

この方針に積極的に協力し、日本、アメリカ、オーストラリア、インドなどの同盟国が連帯し中国を封じ込める「安全保障のダイアモンド構想」を機軸にしているのが現在の安倍政権だ。

これはまさに、アメリカと中国が覇権を巡って鋭く対立しているとする見方である。

このような対立の図式が深く信じられている日本では、「AIIB」や「一帯一路」構想がむしろアメリカからの提案にしたがって出てきたものであるという事実は、おそらく安倍政権の外交政策を揺さぶるくらいの衝撃となるに違いない。南シナ海における米中の対立の状況を見ると、これは信じられないとの拒否反応を抱く人もいるのではないだろうか?

しかし、こうした複数の専門的な研究所やシンクタンクの記事やレポートが明確に述べていることは、アメリカと中国は敵対関係にあるどころか、いち早くアメリカは中国との覇権を分け合う決定をしており、政治的・経済的覇権の棲み分けによる協力関係の形成を水面下で加速させているという事実だ。

協調関係を公にできないアメリカ

またこうした記事では、中国との覇権を分け合う決定をし、すでに中国とは協調関係にあることをアメリカは公にすることは到底できないとしている。

その理由は、中国との深刻な対立を抱える同盟国が存在するからだ。中国との対立は、日本、フィリピン、マレーシアなどのアジアの同盟国がアメリカとの関係を強化するための前提条件として機能している。

そのようなとき、もしアメリカがアジアにおける中国の一部覇権を容認するような姿勢を明確にしてしまうと、こうした同盟国はアメリカから離反し、それがアメリカの国益を損ねる可能性が出てくる。

したがってアメリカはいまのところ、「中国の一部覇権容認」を公にすることはできないというわけだ。

Next: 日本の手前、中国との“対立関係”を演出しているアメリカ
日本の手前、中国との“対立関係”を演出しているアメリカ

アメリカのこの原則がもっともよく当てはまる国は日本だとされている。

特に現在の安倍政権は、中国を仮想敵国と想定し、中国脅威論を煽ることで国内のナショナリズムを鼓舞している。この愛国主義的な雰囲気をうまく利用して支持率を上げ、憲法改正で可能になる戦前型の国家体制を実現させようとしているのがいまの安倍政権だ。

この方向性を追求するためには、アメリカとの同盟関係を強化して中国を封じ込めるという対立図式は不可欠になる。

これは、アメリカにとっても間違いなく好都合な図式だ。安倍政権が中国との対立を喧伝し、アメリカとの同盟関係を強化する方向にあるとき、安倍政権はアメリカの希望のほとんどを丸呑みし、実現してくれる。

明らかに主権国家の権限に制限を加えるTPPの加盟や、ジャパンハンドラーのジョセフ・ナイとリチャード・アーミテージが2012年の報告書で要求していた「秘密保護法」や「集団的自衛権」の可決は、中国脅威論が存在し、アメリカとの同盟関係の強化が図られていたからこそ可能になった。

これらの処置を通して、日本の自衛隊は後方支援部隊としてアメリカ軍に組み込まれ、世界の紛争地域への展開が可能な体制が構築されている。予算削減のため展開できる兵力の縮小を余儀無くされているアメリカにとって、これは大変なメリットである。

したがってもし、アメリカが中国の覇権容認を公にしてしまうと、中国の脅威に対抗するためにアメリカとの同盟関係に依存するという図式は成り立たなくなり、日本はアメリカから自立した独自の外交政策を追求せざるを得なくなる。おそらく日本は、中国とのバランスを取るためにロシアとの関係強化を模索する可能性が高い。

これは、ロシアの進出を本格的な脅威として認識しているアメリカにとってはあってはならないことだ。

このような状況のため、アメリカは特に日本の手前、中国との敵対関係を演出せざるを得ない状況にある。

緊張感のまったくない南シナ海の状況

アメリカが中国と実際には敵対していないことは、いま大きな問題になっている南シナ海の状況を見るとよく分かる。

周知のように、10月27日、アメリカはイージス艦の「ラッセン」を派遣し、中国が領有権を主張している人工島の12カイリ内を航行させた。日本ではこれは、アメリカが中国の領有権の主張をくじき、公海における自由航行権の違反は許されないことを中国にはっきりと主張した明白な行動だと報道されている。

だがアメリカによる「ラッセン」の派遣は、中国による人工島の施設建設が完成が近づいてから実施された遅きに失した行動であり、なおかつベトナムとマレーシアが領有権を主張する島々の12カイリをも通過して、こうした国々にも注意を促すというかなり穏健なものであった。

もしアメリカが、南シナ海における中国の海洋進出を本気で阻止するのであれば、攻撃力のない「イージス艦」ではなく、攻撃能力のある空母部隊を派遣していたことであろう。少なくとも多くのシンクタンク系の記事はそのように指摘している。

しかし実際にはアメリカは、中国と対立関係になる意志がまったくないことを示す事実のほうが多い。11月7日には、アメリカと中国の海軍は、米フロリダ州沖の大西洋で合同演習を実施している。この演習には、アメリカを友好訪問した中国海軍のサイル駆逐艦や補給艦などが参加した。アメリカ海軍では、ミサイル駆逐艦や巡洋艦が参加している。合同演習の目的は、海上での通信、編隊航行、救難などの訓練の実施であった。

さらに、中国軍部は、各国の国防相や軍高官を招いた多国間の安全保障対話「香山フォーラム」を北京で行っている。中国の常万全国防相は、このフォーラムに参加するベトナムやフィリピンなど東南アジア諸国連合(ASEAN)の国防相らと非公式会談を開き、2016年に南シナ海で衝突回避の訓練と海難救助の合同演習を提案した。

アメリカ、イギリス、ドイツ、日本など14カ国の政府関係者ら計約500人が参加している。アメリカも参加していることから、このフォーラムはアメリカ政府の容認で開催されていることは間違いない。

これは明らかに中国情勢を巡る緊張が緩和されていることを表している。さらにこの動きには、オーストラリアも関与している。オーストラリア政府は、オーストラリア海軍のフリゲート艦2隻を中国広東省湛江の基地に派遣し、中国海軍との合同演習に参加させている。

Next: 「AIIB」設立の見返りとしての南シナ海。安倍政権は嵌められたのか?
「AIIB」設立の見返りとしての南シナ海

このように見ると、アメリカと中国をはじめ多くの関係国は、緊張緩和に向けた動きを加速させ、むしろ中国との協調関係の形成に向かっているようだ。中国との対立と緊張が高まる方向ではない。

ところで、欧米でも報じられない事実の報道で定評のあるのがロシアのシンクタンクである。特にロシアの政府系シンクタンク『ロシア戦略研究所』のような機関からは、驚くような内容の情報が手に入る。今回、そのような政府系シンクタンクの記事として、南シナ海の動きと「AIIB」の設立が実はリンクしていることを示唆したものが複数ある。

これらの記事によると、オバマ政権は中国に「AIIB」の設立を提案し、中国がそれを引き受ける見返りとして、南シナ海における中国の行動の自由を保証した可能性が高いというのだ。

これはアメリカが、南シナ海におけるシーレーンを中国のコントロール下におくことを容認したということだ。

もちろん、日本のようなアメリカの同盟国が中国脅威論を採用し、中国と緊張関係にあることがアメリカの国益になる状況が存在する限り、オバマ政権がこの事実を公表することは絶対にない。

アメリカは中国の同意を得た上で、南シナ海における見かけ上の緊張関係を演出することだろう。

現実性のない構想~安倍政権は嵌められたのか

さて、もしこのような状況が事実だとするなら、日本の安倍政権の現状認識は根本から間違っていることになる。

何度も書いたように、安倍政権の基本的な外交政策になっているのは、仮想敵国である中国の脅威論、ならびにこの脅威に対処するために、中国を日本とアメリカ、オーストラリア、インドなどの同盟国で封じ込める「安全保障のダイアモンド」構想である。

だが、もしアメリカが中国の一部覇権を容認し、南シナ海の南沙諸島の管理権を中国に本当に委ねたとしたのなら、この構想はまったく現実性のないものになることは間違いない。反対に、こうした新しい情勢に適応するためには、中国脅威論とそれに基づく中国封じ込め構想をいち早く破棄し、中国との協調関係の構築へとシフトすることが迫られるはずだ。

中国との合同演習を実施しているアメリカやオーストラリア、そして南沙諸島の中国の進出に対して抑制的に対応したASEAN諸国などを見ると、すでにこの新しい現実を受け入れているかのような印象を抱かせる。

だが、安倍政権下の日本は、このような現実的な対応をすることはできないと見た方がよい。なぜなら安倍政権は、中国の脅威を最大限に煽ることで国内のナショナリズムを鼓舞し、それを支持の基盤にしている政権だからだ。

このナショナリズムの高まりを利用して憲法を改正し、戦後の平和国家の枠組みを破棄して戦前型の天皇制国家を復権させることが安倍政権の最終的な狙いである。

そのような安倍政権なので、新しい状況に適応するために、中国脅威論を引っ込めることはまずできないはずだ。それは、政権の支持を固め、戦前型国家の復興という目標を実現するためのツールであるナショナリズムを実質的に放棄することになる。

ということは、情勢がどのように変化しようとも、安倍政権は中国脅威論を強く主張し、そうしたイメージを国内で広く喧伝し続けるはずだ。

Next: 幻想
幻想に閉じこもる安倍政権と日本国民。最も危険なのは――

もし安倍政権がこうしたイメージを自ら信じ込み、これに基づき政策の判断を行うようになると、大変に危険な状態になる。これは戦前と同じようなメンタリティーではないだろうか?

1941年12月、アメリカのGDPが日本の20倍であるにもかかわらず、日本は真珠湾攻撃を行った。これは、アメリカに大きな一撃を与えるとアメリカが戦意をなくすので、きっと有利な終戦の講和に持ち込めるはずだという、何の根拠もない希望的な観測に基づいていたことはよく知られている。

実際はこのまったく反対であった。真珠湾攻撃は、「日本をたたきつぶす!」というアメリカ国民の強い戦意を刺激した結果になった。

これは、とてつもない判断ミスである。このようなミスが犯された原因は、判断が客観的な現状認識ではなく、希望的な観測といういわば自らが作り出した幻想に基づいていたことにある。

自分が信じ込みたい都合のよい現実を最優先し、これには合わない客観的な事実をあえて無視するというメンタリティーだ。

いま憲法改正や秘密保護法など安倍政権の戦前回帰的な方向性が問題にされているが、実はもっとも危険なのは、都合のよい現実に閉じこもり、客観的な事実を無視するというメンタリティーではないだろうか。

そして安倍政権は、彼らにとって都合のよい現実認識を国民が共有するようにマスメディアに介入し、事実とは異なった報道をするように誘導している。

これは大変に危険な方向だ。将来、とてつもないミスを犯す危険性があると言わねばならない。これがどういうことなのか、次回にはさらに突っ込んで書くことにする。

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『未来を見る! 『ヤスの備忘録』連動メルマガ』(2015年11月13日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による

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踊らされていると分かっていてワザと踊っているのか
何にも知らずに踊っているのか。その辺の差は大きいと思うけど
奴隷は、自ら解放されたいと願わねば一生、奴隷のままですからね。
アメリカもチュウゴクも汚いことは平気でする信用してはならない相手だと思う。
ヤスの情報もどこまで本当なのか。いろんな意見のひとつとして読んでおこうと思う。
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アメリカが貧乏なのは間違いない。↓
アメリカは、ドルを捨てたがっているのだと思う。
すでに、アメリカは、ドルではない別の単位のお金を使っていると本で読んだことがある。
こっそり、別の単位のお金を印刷して流通させて、ドルの崩壊に備えようとしているのかなとぼんやり考えた。日本やチュウゴクを利用して多額の金を巻き上げてなんとか破滅しないようにしていこうと考えているのだと思う。わたしだって、アメリカが貧乏になるのは、困る。日本はアメリカ様一国に日本という国の安全をお任せしちゃっているのだから、アメリカが倒れては困る。なんとか、ずっと強いアメリカでいてほしいが、アメリカが弱くなるのも日本にとってはいいことなのかもしれない。独立のチャンス!そのためにも、日本は自分の国を自分で守るという気概を外国に示していかねばならない。特にチュウゴクに対して、はっきり島ひとつも渡さないと言う強い強い意志を示さねば、チュウゴクはギャンブラーだから、勝てると思ったら、何でもしかけてくるさ。勝てると思わしたら負けだ。

一応、2015年11月現在、ドルは崩壊していませんが、日本人が思っているほどアメリカは
金持ちでは無いと思うよ。チュウゴクなんかは、自分の国が本当はいくら収入があるのかすら分かっていないのではないか。以前ほど、アフリカや南アメリカにお金をバラまいていないような気がする。

チュウゴクは、福祉や環境にお金を全く使わずに、外国にバラまいて仲間作りに励んでいるが、本当は、考えも無しに自国の民に還元するべき分をバラまいているだけなのだ。
チュウゴクは、まともな国作りをさぼっているんだ。空気も水も土も汚れ放題だ。
チュウゴクは、地球に優しく無い悪質な国だ。日本も福島原発の後始末がうまくいっているように思えないから、チュウゴクと似たようなもんだ。本当は、福島の件は、地球のみんなが手を貸して一緒に解決しないといけないほど重大な問題なのに、なんで日本だけでやっているんだ?

間違いなく100年後の海は、魚や海の巨獣も住めなくなっている。魚も汚染されて食べてはいけないレベルになっているでしょう。
昨日は、くるくる寿司に行って、まぐろを食べてきた。
まぐろを味わえるという幸せを噛みしめながら、美味しくいただいた。
100年後の人類には、寿司は無いと思う。あっても、人工の寿司もどきだ。

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ドル基軸体制がついに崩壊!?「ニューワールドオーダーと新世界通貨」9~10月導入説の真相を追え
2015年8月20日 ビジネス・ライフ

元石油メジャー重役で牧師のリンゼー・ウィリアムス氏が、「新世界秩序の樹立と世界通貨の導入が間近に迫っている」との衝撃的な警告を発表しました。ネットで拡散するドル基軸通貨体制崩壊のウワサの真相は?『ヤスの備忘録』連動メルマガの高島康司氏が検証します!(構成:マネボ超科学経済班)

リンゼー・ウィリアムスの新たな警告

中国経済の減速懸念などが背景となり、世界的に株価が下がっている。これと連動しているのかもしれないが、少し前の7月、グローバルエリートの計画をリークしているとされるリンゼー・ウィリアムスは、配信しているニュースレターに警告を掲載した。

以下が全文の要約的な翻訳だが、リンゼー・ウィリアムスが警告をまとめるように依頼したジェームス・ハーキンという人物が書き手である。
(出典:WARNING! Emergency Bulletin from Chaplin Lindsey Williams!)

警告!リンゼー・ウィリアムスの緊急ニュース! ジェームス・ハーキン

9月にニューワールドオーダーが導入される!
10月に世界通貨が導入される!
いま世界的な金融危機の瀬戸際にいる!
すぐに行動せよ!

リンゼー・ウィリアムス牧師は、メーリングリストの登録者のためのニュースレターをまとめるように私に依頼してきた。ウィリアムス牧師はこの情報が非常に重要であるとして、次のように言っています。

「これは私が配信するニュースレターのなかでもっとも重要なものです。これで、グローバルエリートがやりたかったことがすべて実現します。地球上のあらゆる人々が影響を受けることでしょう。彼らは計画を特定の期間に実行するでしょう。この時期が正式に決まったのです」

■ニューワールドオーダーは9月に適用されます!

ローマ法王のフランシスコ1世は、9月25日に国連で「回勅」を行うと発表しました。「回勅」とはローマ法王が世界各地の司教に送るレターのことです。すべてのカトリック教徒は、これに従うことが要求されます。世界には12億人のカトリックがいます。

これはウィリアムス牧師によると、世界の指導者が集まる9月25日の「国連持続可能な開発会議」で2015年以降のアジェンダが署名される前に、ローマ法王が12億人のカトリックが従う義務のある「回勅」を行うというのです。

ウィリアムス牧師の6月のニュースレターでは、フランシスコ1世のアメリカ訪問と、バチカンの国連や「持続可能な開発会議」とのかかわりについて説明されていました。ウィリアムス師はこれを、「2015年、9月15日までに絶対にやっておかなければならないこと」という新しいDVDで解説していました。

■新しい世界通貨は10月に導入されます!

2015年10月20日、IMFは新しい世界通貨の導入を発表します。IMFは世界でもっとも強力で秘密に満ちた組織です。メンバーの188カ国の財政状況を監視しています。また、世界的な金融ルールを設定するとともに、破綻した国の救済も行っています。

2015年10月20日、IMFはドルに代わる新しい基軸通貨を宣言します。これにより何十億のドルが世界から文字どおり一日で消えます。

もっとも著名な経済系ニュースレターの著者は、このように言っています。「これから始まることは、これに関連する投資を持っているかどうかにかかわらず、だれにとっても大きな脅威となるはずです。どこで休暇を過ごすのか、どこの学校で子供を教育するのかなどというような、私達の普通の生活を一変させることになるはずです。いま私達は世界的な金融崩壊の瀬戸際にいるのです」

ウィリアムス牧師は、危機的ないまの世界の状況がよく分かる記事をシェアしてくれました。彼は私に次のように言いました。「日を追うごとに一層危険になっている。人々が災いにどれほど近いところにいるのか分かっていたらよいのに。これは人間の歴史でもかつて起こったことのないくらいのことだ」。ウィリアムス師は過去40年間、これを警告してきたのです。

■ユーロ圏の金融ハルマゲドン

ギリシャ、イタリア、ポルトガル、スペインで合計120兆ドルのデリバティブがあります。これは毎日積み上がっています。

世界を悪夢に陥れるBIS規制

最近発表になった米銀行の第一四半期の決算報告では、もっと恐ろしい事態が明らかになっています。最上位5行のデリバティブ残高は247兆ドルに達しています。これは全世界のGDPの3.5倍に相当します。そして、世界の銀行すべてのデリバティブ残高は合計すると600兆ドルにもなります。

しかし、これは実際の残高の半分にも満たない額です。数年前、BIS規制は「償還期限の価値」に変更になりました。この規制変更によって実際のデリバティブ残高は半分になってしまいました。変更前の基準を適用すると、残高の総額は1京5000兆ドルにもなるはずです。デリバティブの取引が破綻すると、名目価値が全部失われるのです。この1京5000兆ドルのデリバティブの崩壊は今後数年以内にやってくるはずです。そして、金融システム全体を崩壊へと押しやります。

でも、この崩壊の過程が終わる前には、金融システムを救済する最後の手段として、世界中の中央銀行はなん京ドルにも上る通貨を印刷するはずです。ウィリアムス師のウォールストリートの友人は次のように言っています。「なんとまー、これはウィリアムス師は何年も警告してきたことですね。これこそ、ギリシャのような小さな出来事が金融システム崩壊の引き金になる理由です」

■シティグループは希少金属デリバティブを心配する

シティグループの希少金属に関連したデリバティブの保有は、過去4年間で39億ドルから530億ドルに膨れ上がっています。ウィリアムス牧師は次のように言っています。「いま私達は、あまりに急速に出来事が起こっている世界に生きています。彼らはなにか大きなことを計画しています」

このニュースレターをまとめている最中にも、世界中であらゆることが起こっています。中国は大株主に6ヶ月間株の販売を禁止し、このため中国の株式市場の54%が凍結された状態です。ニューヨーク証券取引所はテクニカルなエラーのため、すべての取引ができなくなりました。マイクロソフトは7800人のリストラを実施しました。オーストリアドルは記録的に下落しています。毎日、金融崩壊を示唆するなんらかの出来事があります。いますぐ行動してください!

ニューワールドオーダーと新基軸通貨がこれから導入されるという爆弾は、行動をおこし、準備するためのよい機会になるはずです。ウィリアムス師は過去38年間、人々のためにグローバルエリートの計画をリークしてきた人です。ウィリアムス牧師のDVDを見ると、いまなにが起こっているのかよく分かるはずです。手遅れになる前に、9月から12月の変動に備えて準備しなければなりません。ウィリアムス牧師の最新DVD『2015年、9月15日までに絶対にやっておかなければならないこと』をすぐに見てください。

以上である。残念ながら、よくまとまっているとは言えない警告だ。書き手はデリバティブの残高の大きさを強調したいようだが、次の金融危機の原因がなにになるのか具体的に書いていない。

また、9月25日にニューワールドオーダーが宣言され、10月にはIMFが新基軸通貨を発表するとしているが、これはなにを根拠にした情報なのかも明らかにしていない。その意味では決してクオリティーの高い警告ではない。

Next: それでも9~10月に何かが起こる――米エリートは国外脱出済み!?
「国連持続可能な開発会議」と法王の「回勅」

今回の警告の中でニューワールドオーダーの宣言があるとされた「国連持続可能な開発会議」は、実際に9月25日に開かれることになっている。この会議にはバチカンも参加する。この席上ローマ法王は、「回勅」を与えてニューワールドオーダーの樹立を宣言するというのがこの警告の内容だ。

しかし、法王の「回勅」が9月25日に国連で行われるというのは事実ではない。すでに法王は6月18日に「回勅」を行っている。


ローマ・カトリック教会のフランシスコ(Francis)法王は18日、「異常な」気候変動により地球が破壊されるのを阻止するための迅速な行動を世界各国に呼び掛け、問題を生み出した責任とそれを解決する責任を第一に負うのは富裕国だとする「回勅」を出した。
出典:ローマ法王、迅速な温暖化対策を呼び掛け 全世界に向け「回勅」 – AFPBB News

この席上、地球温暖化による破壊をくい止めるため、「スーパー国連」のようなあらゆる国家の上位に位置し、国家の行動を規制できる組織を作るべきだと提案している。この提案を、先の警告はニューワールドオーダーの宣言と勘違いしたのだろう。

アレックス・ジョーンズの6月の警告

このように見ると、この警告はよくある誤解と思い込みに基づく勘違いでしかないように見える。この警告はネットで広く拡散している。だがこれは、リンゼー・ウィリアムスによるグローバルエリートのリークに基づいた警告というよりも、ウィリアムスの一ファンが書いたものだろう。

だからといって、9月ないしは10月になにか起こるという警告は無視してはならないだろう。第334回の記事に紹介したアレックス・ジョーンズの警告には次のようにある。

「非常によく知られた2人の大金持ちからの警告電話がありました。彼らは『君は10月までにアメリカを去ったほうがよい』と言うのです。(中略)彼らは、高度なレベルの人脈に内部でつながっている人々は、すでに大挙してアメリカを脱出していると言うのです」

アレックス・ジョーンズは陰謀論系のジャーナリストだが、詳細な事実の検証で定評のある人物だ。決して思い込みだけのジャーナリストではない。過去の多くの警告が現実になっている。

そのように考えると、先のリンゼー・ウィリアムスの警告も注意したほうがよいのかもしれない。

『未来を見る! 『ヤスの備忘録』連動メルマガ』(2015年8月14日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による

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