では1300万人の「黒戸」はどうなるのか? | 日本のお姉さん

では1300万人の「黒戸」はどうなるのか?

では1300万人の「黒戸」はどうなるのか?
「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成27年(2015)11月10日(火曜日)
通算第4721号

「一人っ子政策」を止めることになった中国だが。。。
では1300万人の「黒戸」はどうなるのか?
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黒戸というのは、文字通り戸籍のない人間。存在しないゆえに法律上、いかなる権利も受けられない。
学校へ行けないばかりか、汽車にも飛行機にも乗れない。中国では鉄道キップを買うときにIDカードが必要だからである。

一人っ子政策の時代、二人目の子供を希望するとすれば、法外な罰金(都市部では700万円という相場もあった)、を支払えば二人目までは許された。
その罰金がこれからは要らなくなる。
農村ではとくに女性の黒戸が多いのも労働をさせるには男子が望まれ、男性が生まれるまでの赤ちゃんは戸籍の申請を役所にしなかった。もちろん、学校へ行けないから文字も書けない。

過去数年、一人っ子政策は幾分緩んできており、一人っ子同士の夫婦は二人まで許可された。少数民族は二人、あるいは極少数民族では三人まで、OKだった。このため、わざわざ漢族から満族へ民族戸籍も変えてしまうノウハウもあった。

問題は三つある。
第一は、これまで三十五年間の一人っ子政策で、実際に支払った罰金(年間80億ドルと推定される)は、いったい何処へ消えたのか?

第二は、ならば、これまでに生まれた「黒戸」の人々、およそ1300万人と推定されるが、これからの身分はどうなるのか、という大問題がひかえている。

すでに各地では戸籍復活の裁判も行われているが、原告の黒戸の人がIDカードがないため、裁判所にはいれないという皮肉な光景もみられる。

第三はさらに皮肉な現実である。
ふたりまで子供をうめることになったのに、現代中国の若者はこどもを造ろうとしない。そればかりか、結婚もしないという若者が激増しており、これは日本と変わらない社会問題となっているのである。

結婚しない理由はもっと自分の人生を勝手に行きたい、こどもは煩わしいとするものが多く、現代の若者の見勝手な人生観を伺わせるに十分である。

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(読者の声1)ミャンマーの選挙結果についてコメントをお願いします。日本のメディアによれば、スーチー陣営の大勝と予測されていますが、そうなった場合、世界的影響はどうなるのか、心配です。
(JJセブン)

(宮?正弘のコメント)スーチー独裁への懸念がまず現れるでしょう。
公認候補は野党の実力派政治家ではなく、彼女の取り巻きが公認され、すでに選挙前から独裁色がでています。
そのうえ、選挙前に「大統領より上の存在になる」などと僭越至極な暴言を吐いており、これも行く末がきになりますね。
対中政策について言えば、選挙前にスーチー有利とみた北京は、彼女を中国に招待しており、なんらかの工作があったようです。
ま、日本にも「山が動く」ってブームも起きたし、民主党が政権をとったら、日本はドン底の三年間を送らなければならなかったように、ミャンマー政治は停滞、低迷の時期を迎えるかも知れません。
あるいは親日を期待されて朴権恵が、救いようのない政治を展開してきたように。
左翼マスコミの期待はいつものように裏切られるでしょうね。

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