ブッチョウズラで安部首相と握手した時も5人のブレーンの指示通りやったってか? | 日本のお姉さん

ブッチョウズラで安部首相と握手した時も5人のブレーンの指示通りやったってか?

「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成27年(2015)10月1日(木曜日)
通算第4669号 <前日発行>

習近平の権力中枢は五人のブレーンとニューヨークタイムズ
王岐山、王炉寧、劉?、栗戦書、そして劉源
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まったく小誌の予測と同じ分析がニューヨークタイムズに出た。同紙中国語版9月28日に習近平政権の「核心権力圏中的重要人物」として、以下の五人が並んだ。

反腐敗キャンペーンの中軸は「戦友」とも言える王岐山(政治局常務委員。序列六位)。太子党でもあり、頼もしい兄貴分。しかも王岐山には子どもがいない。中国では政治家に子どもがいないと汚職をしないというおまじないがある。

外交安全保障でもっとも信頼するのが王?寧(「中国のキッシンジャー」といわれ、全ての外遊に同行し、演説草稿を書く)。
首席秘書官役の栗戦書は、陝西省に下放されていたときからの友人であり、この栗と王は次期政治局常務委員会入りが確実視されている。

経済ブレーンは劉?。ハーバード大学で修士。経済理論かでもあり、習近平の掲載諮問委員会をリードしている。

軍事問題のアドバイサーというより軍師役は、劉少奇の息子、太子党でもあり、文革で辛酸をなめた兄貴分、劉源である。

この五人が習近平ブレーンのなかでも、飛び抜けて影響力があるとなれば、ほかのトップセブンのうち残りの五人は、李克強を含めて「干されている」ことを意味するのではないのか。
実際に北京で九月三日に行われた軍事パレードで、李首相は「司会役」と小僧扱いされた。

軍事委員会の十名をさしおいて劉源が国防政策の中枢に関与しているということは、許基亮、氾長龍らの副主任はふたりとも団派出身ゆえに満腔の信頼が無いという意味でもあり、太子党の張又峡が、これから頭角をあらわす可能性がある。

◆書評 ◇しょひょう

いま教育現場で何が求められ、いかなる道徳教育が効果的か
偉人を通じての日本のすばらしさを伝えるには外国との対比が学生の感動をよぶ


服部剛『教室の感動を実況中継 先生、日本ってすごいね』(高木書房)
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いま、教育現場の一部で、熱烈な愛国教師により独特なカリキュラムの実践が行われている。
就中、道徳をあたらしいかたちで染みこませる教育方法である。上から目線で説く、カタクルシイ道徳教育では、いまの世代の反撥を招きかねず、また左翼教師等のねちっこい妨害が繰り広げられる。
あれほど偏向があきらかなのに「新しい歴史教科書をつくる会」の教科書採択がまだ少ないのは、中味の問題ではなく、教育現場の既存勢力との政治闘争に直面するため、教育委員会が対立回避、つまり「逃げる」からだ。
本書を編集執筆したのは、じっさいに現場で子供達に教鞭をとっている人である。
孔子や教育像などからは入らず、無名の偉人達の伝記を紹介しつつ、その成し遂げた偉業をそれとなく伝達するという形をとりながら、画像や簡単なテストを繰り返し、やがては日本のすばらしさを気づかせる。
婉曲な方法ではあるが、わかりやすく生徒達はすぐさま感動の感想をかくので、効果があがるという。

たとえば、エルトゥールル号、海の武士道、八田與一、ペリリュー、芝五郎、上杉鷹山など、最近の保守系メディアはよく取り上げる題材も本書では実践例として並んでいるが、異色な紹介が『空の武士道』と坂東捕虜収容所の松江豊寿の物語である。
後者は『バルトの楽園』(渡辺謙主演)で映画にもなったし、中村彰彦が小説化し、直木賞を獲得したので人口に膾炙した物語とはいえ、著者の教え方はこうだ。
最初に衝撃的な写真をみせる。グアンタナモで米軍が捕虜に行った虐待シーンである。

つぎに設問があり「戦争に負けると、捕虜はこういう虐待をうけるのだろうか」として、資料の提示がある。
第一次大戦で敗北したドイツは4700名が山東省で日本の捕虜となり、うち千名が徳島県鳴門市の坂東捕虜収容所に送られた。
所長の松江豊寿は、寛大にも、虐待など一切行わず、日本食が口に合わないドイツ兵にハムやソウセージなどを造らせ、パン焼きを勧め、楽団結成も許した。この「前代未聞の厚遇ぶり」は評判となって、最後には日本で最初の第九交響曲が演奏されたという逸話がある。
ここでふたつ、みっつ初歩的な設問が追加され、それもテレビ番組のパズルのように、生徒達の関心が強まる。松江豊寿は会津藩の生き残り、斗南藩に流され飢えと闘う辛酸をなめた。したがって武士道とは寛大であり、あまりに寛大な措置に対して疑念を抱く所員らにかく訓示した。
「かれらは敵国の捕虜である。しかし犯罪者ではない。かれらも祖国のために闘ったのだ」
それゆえに敵国兵士を最後まで人間として扱った。
生徒らはこの話に感動する。対比が鮮やかで、設問も工夫されており、日本および日本人のすばらしさを前面にださないでそれとなく諭すのだ。

以下は脱線。坂東捕虜収容所からでたドイツ兵の一部は日本にのこり、やがてユーハイムやバームクーヘンを日本につたえた。ところが今の坂東捕虜収容所跡は「第九発祥の地」記念館となって、松江豊寿の偉業はなにほども展示されず、観光地化している。坂東は四国八十八カ所巡礼の一番札の聖地でもあるのだが。。。。。
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(読者の声1)宮崎さんの読みの通り、中国経済の崩壊(中国の崩壊ではなく)の本格化の段階。改めて適格な分析・先読みに敬服する者です。「他人の不幸は蜜の味」的な受け止めかたをしている方も多いと思います。
ある面、自業自得的な結末ともおもいますが、現実の世界経済は文字通り相互依存性で成り立っているので「対岸の火事」を高みの見物と言う訳にはいかないでしょう。
大なり小なり火の粉を浴びる。
その依存性の程度・波及効果が地域、国によりだいぶ違うことも確か。アメリカ、欧州、アジア、その他そして日本へどのように反映されてくるものか、重層・複眼的宮崎流の俯瞰図をご教示頂ければ有難く存じます。またフォロー・ザ・マネーの視点からすると、全体に不況となれば、行き所が見つからない(?)カネの流れは果たしてどの方向に流れると思われますか?
ヘッジファンドがまたひと暴れしそうにも見えますが。
(木内信胤信徒の一人)


(宮崎正弘のコメント)ジョージ・ソロスが英国ポンド、ドイツ・マルクに空売り投機をしかけ、空前の利益を手にしたように、もし上海株式が外国投資家が自由に取引できていれば、ファンド筋は空売りを展開して、今頃、2000ポイントを割り込んでいたでしょうね。
次のターゲットはIMFが中国人民元をSDRに参入させる算段ですが、前提条件となるのが、為替の完全変動相場制への移行です。
もし、人民元がそうなると、ヘッジファンドは猛烈に元安を仕掛けるでしょうから、いまより深刻な、ひょっとして空前絶後の通貨暴落となり、それが共産党独裁崩壊への序曲となる可能性があります。
固定相場をつづければSDRに入れないから中国の威信は回復できず、入れば人民元暴落、どちらに転んでも先行きの中国の明るい展望はありません。
人民元はいずれにしても、一人民元=12円前後が適性であり、現在の18円はまだまだ高いレンジにあります。
ただし、関係方面に訊くと「爆買い」の勢いはとまりつつあるようです。また質屋などに偽造金塊(タングステンに金メッキ)が大量に持ち込まれているようです。

(読者の声2)来る11月10日、武道館です。
「いまこそ憲法改正を 武道館一万人集会」。憲法改正をもとめる国民集会が、武道館を貸し切って開催されることが決まりました。
基調報告は櫻井よしこ氏、各党、各界代表が登壇します。

と き 11月10日 午後2時(1230より受け付け開始)
ところ 武道館
入場無料 入場ゲートが異なりますので、下記を参照して下さい。
詳しくは https://kenpou1000.org
「美しい日本の憲法をつくる国民の会」
共同代表 桜井よしこ 田久保忠衛 三好達
宮崎正弘の新刊案内 http://miyazaki.xii.jp/saisinkan/index.html
宮崎正弘のロングセラー
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『アジアインフラ投資銀行の凄惨な末路』(PHP研究所、999円)
『日本が在日米軍を買収し、第七艦隊を吸収・合併する日』(ビジネス社)
『中国、韓国は自滅し、アジアの時代がやってくる!』(海竜社、1080円)
『中国大破綻 ついに失われる20年に突入する』(PHP研究所、1404円)
『日本と世界を動かす悪の「孫子」』(ビジネス社。1188円)
『吉田松陰が復活する』(並木書房、定価1620円)
『中国・韓国を“本気で”見捨て始めた世界』(徳間書店 1080円)
『台湾烈々 世界一の親日国家がヤバイ』(ビジネス社、1188円)
『「中国の時代」は終わった』(海竜社、定価1080円)
『中国共産党、三年以内に崩壊する!?』(海竜社、1080円)
『中国バブル崩壊が始まった』(海竜社、1080円)
『中国 大嘘つき国家の犯罪』(文芸社文庫、713円)
<宮崎正弘の対談シリーズ>
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宮崎正弘 v 渡邊哲也『激動する世界経済!』(ワック、994円)
宮崎正弘 v 室谷克実『日本に惨敗し ついに終わる中国と韓国』(徳間書店)
宮崎正弘 v 小川榮太郎『保守の原点』(海竜社。1620円)
宮崎正弘 v 室谷克実『仲良く自滅する中国と韓国』(徳間書店)
宮崎正弘 v 川口マーン惠美『なぜ中国人とドイツ人は馬が合うのか?』(ワック)
宮崎正弘 v 石平『2015年 中国の真実』(ワック、シリーズ第五弾)
(石平さんとの第7弾は、十月下旬発売予定です。ご期待下さい)

宮崎正弘 v 大竹慎一『中国崩壊で日本はこうなる』(1512円。徳間書店)
宮崎正弘 v 西部遭『日米安保五十年』(海竜社)
宮崎正弘 v 黄文雄『世界が知らない中国人の野蛮』(徳間書店)
宮崎正弘 v 佐藤優『猛毒国家に囲まれた日本』(海竜社)
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