ゴツゴツしい月の裏側 | 日本のお姉さん

ゴツゴツしい月の裏側

地球から見える月はいつも同じ面。裏側も見たい人は?
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2015年09月15日 10時41分 更新
美しい月の裏側は“別世界” 衛星「かぐや」が明かした月の裏の顔
月の裏側へまわってみると、地球から見える姿とは違う“別世界”があることをご存じですか? 月周回衛星「かぐや」の調査で分かった、月の裏側の姿をご紹介します。
[日本気象協会 tenki.jp(http://www.tenki.jp/)]

大気が澄み渡り、月の高度もほどよい9月は、月の鑑賞にふさわしい時期です。そのスピリチュアルさから、月の神アルテミス、かぐや姫、魔術とのかかわり、餅をつくうさぎなど、おとぎ話、伝承、伝説、神話として語り継がけれてきた月は、まさしく神秘のシンボル。

ところが月の裏側へまわってみると、全く違う姿が存在することをご存じですか?
月周回衛星「かぐや」により、初めて確認された月の全体像。地球からは見ることができないがゆえに、長らく謎に包まれていた月の「裏側」とは?

地球から約38万kmの距離にある月。大きさの比較は月を1とすれば、地球は月の3.699倍に

地球から見える月はいつも同じ面

月の軌跡

地球にいる私たちがいつも見ているのは、あくまで月の表面。これまで月の裏側を見ることはできなかったのです。その理由は……

月自身は「表」と表現される面を常に地球に向けながら1回転し(自転)し、さらに地球の周りを1周する(公転)。
月の自転の日数は27.32日で、公転の日数も27.32日。つまり、地球を1周する間に、月も1回転する。

上記のように、月と地球は引力の力で互いに影響を及ぼし合う関係にあり、常に同じ向きでいるため、地球から見える月はいつも同じ面(表面)になり、月の裏面を地球から見ることはできなかったのです。

日本の月探査機「かぐや」がすべての月面地域データを取得

月のクレーター

月の裏側がどうなっているか――それは人類にとって、長い間の謎とされてきました。



1959年、旧ソ連の月探査機「ルナ3号」が、初めて月の裏面の写真撮影に成功。そして、1961年~72年に実施されたアポロ計画以来、最大規模の月探査を行ったのが、2007年9月に打ち上げられた月周回衛星「かぐや」です。

月周回衛星「かぐや」の大きな成果の1つは、これまで探査が行われていなかった地域も含め、すべての地域をカバーする月面地形データが、観測装置の1つであるレーザ高度計(LALT)によって取得されたことにあります。

このデータを国立天文台が解析し、国土地理院が月の地形図を作成。JAXA、国立天文台、国土地理院の3機関が、月の地形図をついに公開したのです。このデータをもとに赤色立体地図の手法を用いて作成された月の地形図は、私たちも手軽にブラウザ上で見ることができます。

最も目を引くのが、月の地形図により明らかになった月の裏側の姿です。海と呼ばれる部分はほとんどなく、クレーター跡でボコボコとなった月の裏の姿は、表面とはまったく異なる一種不気味な印象すら受けます。さらに見た目だけではなく、「かぐや」の探査結果によって月の裏面の重力場も明らかになり、表面と裏面では地下構造や形成の歴史が異なっていることも判明したのです。

月のクレーターに名付けられた日本人名

月の影の模様は何に見えますか?

月には多くの「海」と「クレーター」がありますが、影のように見える海には「中央の入り江」「熱の入り江」から「晴れの海」「静かの海」「危機の海」「豊の海」「雲の海」「雲の海」「雨の海」「氷の海」――とそれぞれ神秘的な名前がつけられています。

例えば、うさぎの頭部は「豊の海」、体は「静かの海」、腰の部分は「晴れの海」と呼ばれる部分に該当しますが、日本人にとってうさぎが餅つきをしているように見える月の影も、国によってその見え方は多種多彩。国や地域によっては「大きなはさみのカニ」「本を読むおばあさん」「薪をかつぐ男」「ほえるライオン」「バケツを運ぶ少女」――と実に様々です。

さらに人名がつけられた数多いクレーターの中には、日本人名のクレーターも存在します。

表面 アサダ(Asada)、ナオノブ(Naonobu)、ヨシ(Yoshi)
裏面 ヤマモト (Yamamoto)、ナガオカ (Nagaoka)、ヒラヤマ (Hirayama)、キムラ(KIMURA)、ニシナ(NISHINA)、ハタナカ (Hatanaka)、ムラカミ (Murakami)

このほか、1986年のチャレンジャー爆破事故で殉死した日系アメリカ人の宇宙飛行士、エリソン・オニヅカ(Ellison Shoji Onizuka)の名がついたクレーターもあります。

天体観測は月に始まり、月に終わる

「天体観測は月に始まり、月に終わる」と言われますが、「かぐや」が取得した情報の解析によって、「月の表面はどのような鉱物組成なのか」「月の内部はどのような構造になっているのか」という月探査本来のミッションはもちろん、下記のような科学的アプローチも今後可能になると期待されています。

「月と地球はもともと1つの星であった」という説の裏づけを導き出せる
「原始地球に原始惑星が衝突した際に生じた破片から月が生まれたのではないか」という、月と地球の起源にさかのぼることができる
空気や水が地球の表面を削ってしまったことで地球形成時の情報が現地球には残されていないため、月を解明することによって、約40億年前の地球の状況を類推できる
月と地球だけでなく、太陽系の成り立ちへの科学的アプローチにつながる

月の観測によって天体の謎が解明されることは、とても夢のある話ですし、「40億年前の地球」に思いを馳せるだけでも、なんだかワクワクしませんか? そんな思いを胸に、ぜひ今夜は秋の空を彩る静
謐(せいひつ)な月を仰いでみては。私たちが日々直面する困難や悩みも、悠久(ゆうきゅう)の時の中ではとてもちっぽけなものなんだよと、月がエールを送ってくれるかもしれません。

http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1509/15/news071.html

家具屋による月の地図
ew! 赤色立体地図 (2013年12月18日、鳥瞰図が追加されました)
ここに掲載する図(赤色立体地図)は、国土地理院の地図表現の研究の一環として、アジア航測の千葉達朗氏に依頼し、 同氏が開発した赤色立体地図の手法を用いて作成していただいた
ものです。 なお、これらの図の元データは、宇宙航空研究開発機構の月周回衛星「かぐや」のレーザ高度計の観測データを、国立天文台が処理・解析したものです。
赤色立体地図については、アジア航測のサイトをご覧ください。
(a) 自由に回転させることができる月球儀のような全球の赤色立体地図
Windows (Windows 7 以降が必要)では Firefox をご使用ください。ハードウェア等環境によっては動作しない場合があります。
色立体地図について、ここに掲載されている地図の元データを取得したセンサー(「かぐや」のLALT)のプロジェクトのリーダーであった 国立天文台の荒木博志博士から、以下のコメントをい
ただいております。
月クレーターの重複や海の溶岩の積層の複雑さが手に取るようにわかります。 地形の判読性は従来の図法より明らかに優れているようです。 ここ数年で「かぐや」「LRO(NASAが打ち上げた月探査
衛星)」などの月探査により、月全面にわたって水平分解能10m以下の地形データが得られました。 こうした高分解能データを赤色立体図法で 表示すれば、新地形の探索や地
形の上下関係の確認が体系的に進み、ひいては月地形の形成史に大きなインパクトを与えるかもしれません。
1.はじめに
宇宙航空研究開発機構(JAXA)の月周回衛星「かぐや(SELENE)」 に搭載されたレーザ高度計(LALT)は、 月の全球をカバーする高さのデータを取得しました。 国立天文台は、
このデータを解析し、計測点の座標と高さのデータを作成しました。 国土地理院は、このデータを使い、月の地形図等を作成しました。
2.月の地形図
2週間分のデータを使用して作成した月の地形図です。A3判に合わせてレイアウトされています。データ量が大きいのでご注意ください。 このファイルと、5MB以上の大容量ファイルは、表中でグ
レーの文字で表示されています。 グレーのリンクをクリックすると、警告が表示されますが、OKボタンを押せば、表示あるいはダウンロードが可能です。 また、本ページの末尾の「ダウンロード可能な
地形図の一覧」からもダウンロードできます。 なお、800dpiのファイルは、大判に引き伸ばす場合以外は、不要です。
3.既存データとの比較
参考のため、既存データ(ULCN 2005)から同様の方法で作成した地形図との比較も掲載します。 かぐやのレーザ高度計が、詳細な地形をとらえていることがわかります。


4.余色立体図
余色立体図は、余色立体めがねををかけて見ると立体的に見える図です。 余色立体めがねのついては、本ページの末尾の「参考ページ」をご覧ください。地図投影法は、平射図法です。
5.8ヶ月分のデータを使用した地形図(印刷用原稿)
印刷図の原稿のディジタルデータです。 A0判に合わせてレイアウトされていますが、印刷の都合上、A0判より縦横とも1cm長くなっています。 閲覧には、GIFまたはPDFをご利用ください。 印刷用の
YMCKのデータを作成する際には、下記EPS(RGB)ファイルをご使用ください。 データ量が大きいのでご注意ください。 地図の縮尺表記(1:12,500,000等)は、A0判(正確にはA0判+縦
横1cm)で出力されることを前提としたものです。 縮小して出力する際には、このとおりになりませんのでご注意ください。
A0判地形図原稿 (PDF, 37MB)
A0判地形図原稿 (ZIP圧縮されたEPS, 372MB)
A0判地形図原稿 (図中の文字がないもの, PDF, 37MB)
A0判地形図原稿 (図中の文字がないもの, ZIP圧縮されたEPS, 375MB)
A0判地形図原稿 (解像度を低下したGIF, 4.9MB)
6.月が回転する動画
データ量が大きいのでご注意ください。
赤道周り (小) (animation GIF, 0.5MB)
赤道周り (中) (animation GIF, 2.6MB)
赤道周り (大) (animation GIF, 11MB)
赤道周り(特大) (animation GIF, 57MB)
7.月のうさぎについて
月にうさぎがいて、餅をついているという伝説があります。実際に月の写真を見ても、わかりずらいのですが、耳の部分は、比較的はっきりしています。 それ以外の部分は、いろいろと解釈があるよう
です。 下の左の図は月の写真(県立ぐんま天文台提供)、真ん中の図は満月の月が出るころの見え方(左の写真を回転しています)、右が餅をつくうさぎとしての解釈です。 なお、現在のような形の杵が使用さ
れるようになったのは江戸時代以降で、 それ以前は一本の長い棒状の杵(縦杵;なんと「兎杵」という別名もあるようです)が使用されていたようです。
8.ダウンロード可能な地図等の一覧
ダウンロードするためには、まず、下記のリンクをクリックしてファイルの一覧を表示します。 次に、ダウンロードするファイルを右クリックし、「対象をファイルに保
存」(Internet Explorer)、 「名前をつけてリンク先を保存」(FireFox)等を選択してください。
「2.月の地形図」に掲載した地図
ファイル名中の「Stereo」は平射図法、「Mercator」はメルカトル図法、「Hammer」はハンメル図法、、「BL」は正距円筒図法、 「aw」は通常の配色(淡い色)、「rl」は陰影付き(通常
の配色)、「rb」は濃い色、「En」は英語版(通常の配色)、 400等の数字は解像度(dpi)、
「.gif」はGIF形式の画像、「.png」はPNG形式の画像、「.tif.zip」はTIFF形式の画像をZIP形式で圧縮したファイル示します。「3.既存データとの比較ULCN 2005 のデータで作成した地形図」に掲載した地図ファイル名の命名規則は、上と同じ。「4.余色立体図」に掲載した地図ファイル名中の「Near」は表側、「Far」は裏側、「North」は北極、「South」は南極、「East」は東、「West」は西から見た図であることを示します。 400等の数字は解像度(dpi)、「.png」はPNG形式の画像、「.tif.zip」はTIFF形式の画像をZIP形式で圧縮したファイル示します。「5.8ヶ月分のデータを使用した地形図(印刷用原稿)」に掲載した地図「6.月が回転する動画」に掲載したデータ「赤色立体地図」に掲載した地図等(回転する月球儀)「赤色立体地図」に掲載した地図等(静止画)「赤色立体地図」に掲載した地図等(鳥瞰図)9.参考ページ自然科学研究機構 国立天文台 - RISE月惑星探査検討室 ペーパークラフト(ペーパークラフト月球儀があります)国土交通省 国土地理院 - 地図・空中写真・地理調査宇宙航空研究開発機構(JAXA) - 月周回衛星「かぐや(SELENE)」 レーザ高度計 かぐや 画像ギャラリー記者発表資料(平成20年4月9日)アンケート調査結果U.S. Geological Survey - The Unified Lunar Control Network 2005余色立体めがねの作り方: 中原機械設計事務所、 志賀本昌(ページの下の方);その他、「立体めがね」、「赤青めがね」などで検索してください。http://gisstar.gsi.go.jp/selene/