ハン ガリーにしてみれば降って湧いた災難のようで身に覚えのない誹謗中傷を 浴びているに等しい。
私の「身辺雑記」(259)
━━━━━━━━━━━
平井 修一
■9月9日(水)、朝は室温22度、今季最低、びしょびしょの雨、台風が来ているとか、昨日に続いて散歩不可。
洗濯物がパリッとしないので昨日は乾燥機を2回まわした。珍しいことだ。(この乾燥機は長女が生まれた1981年の東芝製。当時は日本製だから30年以上たっても元気。電気屋曰く、中国製は10年で故障する。東芝、頑張ってくれ!)
残暑がないままに秋の彼岸を迎えるのだろうか。米の収穫が終わった後でよかったが、猛暑の後にいきなり秋という感じ。珍しい。いきなり冬の中共経済・・・訃報はまだか。
今朝の産経の曽野綾子氏の太宰の私信についての論考「作家の本質はあくまでも作品」は良かった。「私信を公開することも、土足で他人の心に踏み込むような無礼な行為だ」とばっさり。
荷風について山本夏彦翁曰く「美しければすべて良し」。日記「断腸亭日乗」は死後に出版されることを意識して書かれているが、それ以前の不都合な日記は荷風が焼却したようだ。
荷風は下書きのような原稿を盗まれ、それが古書店市場で取引されているのを知ってショックを受けている。作品がすべて、それ以外では論評してくれるな、ということだろう。
私生活を半ば売り物したような太宰ではあるけれど、まったく公表を想定しなかった(いささか卑屈な)手紙を死後67年後に“暴かれる”のは、小生のような凡夫でも厭なものだ。公開した人はどのような思いだったのだろう。
公表したものと実態、事実は異なることが珍しくない。東芝は赤字を隠して黒字決算にした。「売上は当期に計上、費用は来期に計上して黒字にしよう」なんて経営者の初歩的常套手段だが、税務署は税金をたっぷり納め
てくれれば「優良企業」だから数字はさほどチェックしない。税金を納めない赤字企業は重箱の隅をつつくようにチェックするのと大違いだ。
(税務調査を受けると企業は納税することになるのだが、経営者はこれを「お土産」と称している。「まあ見解の相違だけれどね、お土産は1000万円で済んだから、ま、いいか」なんて言う)
だから東芝の真実は表に出なかったのだが、中共と同様で、真実の数字、実態が不明だと、まともな経営ができなくなる。給料のうち、可処分所得がいくらなのか、預貯金はいかほどあるのか、ローン返済はいくらなのか、それを分からずに買いまくったら破綻するのと同じだ。
東芝は土俵から転落寸前、俵に親指だけで残って、どうにか「真実」にたどりついたようだ。前途多難だけれど頑張って再生し、正しく納税してくれ。乾燥機が30年以上も元気なのだから、君ならできる!
■9月10日(木)、朝は室温25度、微雨、どうにかハーフ散歩。
難民問題でEUは分解寸前、EUそのものが難民となって漂流しそうだ。ブログ「Argus Akita」9/9「ハンガリーが批判にさらされている?」から。
<ラトビアのリガのホテルでヒマつぶしにTVニュースを付けっぱなしにして各国のニュースをザッピングしていると、どれを見ても暴徒化する難民を追い返すハンガリーの警察と、制止を振り切って逃げていく難民達の映像が何度も繰り返される。
催涙ガスも使っているが、もともと銃弾やロケット砲の飛び交う中で生活していた難民たちには効果など無いだろう。
ハンガリーはもっと『人道的』に扱えといった論調もあるが、だんだんと欧州全体の空気が変わって来ているように感じる。
ただ、ローマ法王が日曜日『欧州の全ての教区、共同体、修道院、教会で1家族を受け入れるよう』求めたこともあり、各国も経済的な問題で割り切れない葛藤がありそうだ。
メルケルのwelcomeメッセージに始まった民族大移動の加速化だが、ハンガリーにしてみれば降って湧いた災難のようで身に覚えのない誹謗中傷を浴びているに等しい。
ハンガリーはそれ(難民受け入れのシェンゲン協定による手続き)を忠実に行おうとしているが、難民の数が多すぎて処理が追いつかないようだ。
どうせドイツに向かうのだからドイツやオーストリアはハンガリーに入国審査の人員派遣や資材供給等をすべきだという指摘もあるが、ドイツやオーストリアはその気はあまり無さそうだ。
結局、ハンガリーはセルビアとの国境に有刺鉄線のフェンスを敷いたが全く効果が無さそうだ。
争いの絶えなかった欧州でウェストファリア条約で国民国家を形成し互いの干渉を抑え、今度はさらにボーダーレス化によって欧州統一を理想にしたが、今そのボーダーを各国が再度固め始めたのは実に皮肉な成り行きだ。
ギリシャ問題のような通貨ユーロ圏の危機以上に『人権』といった道徳的問題で欧州の亀裂は確実に深まっている。
戦禍を逃れた政治難民なのか、あるいは単に荒廃した母国(中東地域の人間は国民国家という概念はほとんど無いだろうが)を見捨て『より良い暮らし』を求める経済難民なのかの線引きは難しいだろうが、これをしないままにメディアの映し出す『いたいけな難民の幼子達』を見て人道、人権といったものを優先する感情論が先行すると、ドイツはローマ帝国と同じ運命になる。
日本もそれが出来なかったから在日棄民を抱え何十年も苦しんでいる。
既にEUはアメリカに難民引き受けを打診していて、アメリカも3万人程度受け入れるようだが、難民にISが混じっていてもわからない現在、アメリカが受け入れるには相当のハードルを設けるに違いない。
日本は遠い国の出来事と考えているだろうが、少なくとも難民支援のための資金提供はガッツリ要求されそうな予感がする。
まずは、V4(ヴィシェグラード4か国、ポーランド、チェコ、スロバキア、ハンガリー)あたりにテントや医薬品提供でも申し入れたらどうなのだろう。もう欧州は夜は冷える日もあるため、難民達、特に子供達には厳しいはずだ。
それにしても、メルケルは調子いいことを言って後で手のひらを反したら、命を狙われそうな気がする>(以上)
「運命は努力次第」というのは概ね誤解か妄言か嘘である。
人は両親を選べないし、生まれる場所も選べない。
我々が文盲の女と低学歴の男を親としてシリアやイラクに生まれていたら、今頃はエクソダスで欧州を目指す難民になっていたかもしれない。この世は理不尽だ。
「気の毒だし、人道上も排除はできない」と難民を無制限に受け入れたら、国家が崩壊しかねない。長い歴史の中で多くの困難を乗り越え乗り越えて今の国家があり、次代により良い国家を引き渡すのが国民の義務だが、残念ながら難民は多くの問題を引き起こす。
厄介なのは「解決策がない」ことだ。
肥沃な広い土地があれば入植させることができるが、そんなものはない。
いずこの国も金欠病で、難民を長期にわたって養うことはできない。仕事を与えたくても不景気だから仕事がない。ナイナイづくしだ。
本来なら故国が安定していればいいのだが、イスラム教は宗派が違うだけでも激しく敵対する。宗派が異なれば敵であり、敵を殺すためには自分が死んでもいいという原理主義者もいる。
三つ巴、四つ巴の争いをすることもあり、政教一致の国も多いから、他派は圧迫され、政治はまったく安定しない。
こういう国からの難民を、自由・民主・人権・法治を土台とする近代国家が受け入れることはできても、難民が溶け込むことはない。
難民はゲットーを作り、治安は悪化し、やがて先住民は逃げ出さざるを得ないことになる。
先住民が“難民”になってしまうのだ。
難民・移民を受け入れてそこそこ成功したのは、もともとから難民・移民の国だった米国くらいだ。
その米国でもアフリカなどから強制連行されてきた黒人は家畜扱いであり、米国独立後も南北戦争後も差別され、1960年頃までアパルトヘイトは続き、今でも人種対立事件は後を絶たない。
黒人に似て難民・移民は貧困→低学歴→高失業率→犯罪→収監の不幸なコースをたどることが珍しくない。
ウィンウィンの受け入れ方法が見つかっていないから、本来は難民は故国へ送り返すべきなのだが、それもできない。
EUの苦悩は永遠に続くだろう。
宮家邦彦氏の論考「止まらぬ中東から欧州への難民 欧州委は難民割当問題を協議」(Japan In-depth9/8)から。
<今週はトルコ海岸で亡くなった三歳男子のショッキングな画像が欧州諸国を変えた。それまで冷淡だった英国すら難民受け入れに前向きな姿勢を示し始めた。しかし、それで中東から欧州への難民・不法移民の流れが止まることはない。
今年これまでに約27万人の亡命希望者が海から欧州に渡ったという。
長い目で見れば、これは中東から欧州への「歴史的なしっぺ返し」なのだろう。
更に、見方を変えれば、欧州の衰退の一環とも言えるかもしれない。
夏休み明けの欧州は難民受け入れの割当制を導入するかで割れている。9日には欧州委員会が16万人の割り当て問題を議論する。しかし、UNHCR(国連)によれば、シリア国内で600万人余りが避難民となり、400万人余りが難民登録をしているという。
そのうち半数以上がレバノン、ヨルダン、イラク、エジプトに流れ、トルコにも約190万人が、北アフリカに約2.4万人がいるという。
ドイツでは今年、過去最多の80万人が難民申請すると予測されているが、申請者の約4割は「不法移民」だという>(以上)
欧州は植民地支配のツケを70年後に支払い始めざるを得なくなった、ということか。
永遠に払い続けるのか。
EUのお花畑的な理想で国境はザルになったが、その代償はあまりにも大きい。
現実離れの自己陶酔的なリベラルという“善人もどき”が亡国の危機を招いている。
「戦争法案ハンターイ」と叫ぶ憎悪丸出しの和式リベラルは絶滅危惧種だが、同情満載の洋式リベラルは多数派だろうから危険極まりない。
笛の音に魅かれて崖に向かっており、やがて墜落し、その反動から排外主義が起こり、再び3度ガラガラポン・・・
英国はまだまともな現実主義者がいそうだから真っ先にEUを離脱するだろう。
これを皮切りに“難民生きてEU死す”という事態もあり得る。
日本は他山の石とすべし。国境を開放したら終わり、ということだ。
ネットで国勢調査に回答。初めてだから疲れた。アンケート欄があったので「外国籍別の生活保護受給率を公表してくれ」と書いておいた。
■9月11日(金)、朝は室温23.5度、晴、ハーフ散歩。彼岸花が20本ほど咲いていた。台風一過・・・
2歳女児と4歳男児のお腹が不調で、ここ2泊3日は集団的子育てだったが、今朝機嫌よく帰っていった。天気が悪いのに嘔吐で寝具まで洗濯することになるから膨大な洗濯物になる。疲労困憊。
2001年の9.11テロから14年。原理主義者の“ジハード”は続く。
<【ジャカルタ時事9/10】過激派組織「イスラム国」がインターネット上に公開した英字機関誌「ダビク」の中で、インドネシアやマレーシアなどの日本公館を攻撃するよう呼び掛けたことが10日、分かった。
ダビクはイラクやシリアでの戦闘に参加できない支持者に対し、攻撃の対象として、インドネシア、マレーシア、ボスニア・ヘルツェゴビナにある日本公館のほか、アルバニアにいるサウジアラビア外交官なども例として挙げた。
ダビクはこれまでも、日本人人質殺害に関連して、日本はイラクやアフガニスタンの戦争以来「十字軍に参加している」と非難していた>(以上)
日本イラク医療支援ネットワーク(JIM-NET)とかNGOピース・オブ・ベルズなどの組織がイラク国民を支援しているようだが、医療支援やハンドベル演奏で治安が回復するのかどうか。JIM-NETのサイトから。
<「日本は戦争をしない非武力の国」。世界中に広く知られているのに、いきなり破り捨てられそうな、このイメージ。けれど、イラクで子たちへの医療支援活動などを10年以上も続けている日本人たちが語ります。
このイメージこそが私たちの命を守り、このイメージこそが私たちの働きを支え助け、武装兵など百害ばかり。そんな実体験のお話をとおして、非武力の値打ちを、輝きを、大いに学びましょう>(以上)
ISは「戦争をしない非武力の国」の人の首を斬ったり、公館襲撃を唆していることを彼ら“脳ナイお花畑人”はどう説明するのだろうか。難民キャンプで活動しているようだが、イラク軍などの「百害」武装兵に守られて活動をしているのではないか。
彼らは9/18には「安保法制の参議院審議も終盤に入り、いつ強行採決されてもおかしくない緊迫した状況の中、“本気で止める!”廃案に向けての集会」を催すそうだが、衆院で審議している時なら意味があるものの、今頃土壇場になってから「廃案」を叫んでもかなり間抜けというかピンボケだ。理性ではなく感情で動いている。
ま、「イラク三バカ」の百害的予備軍は結構いるのだろう。
せいぜいISに誘拐されて首を斬られないようにするんだな。
九条の 安眠枕 はずされて ヘイト叫ぶも 犬の遠吠え(修一)
(2015/8/16)
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平井 修一
■9月9日(水)、朝は室温22度、今季最低、びしょびしょの雨、台風が来ているとか、昨日に続いて散歩不可。
洗濯物がパリッとしないので昨日は乾燥機を2回まわした。珍しいことだ。(この乾燥機は長女が生まれた1981年の東芝製。当時は日本製だから30年以上たっても元気。電気屋曰く、中国製は10年で故障する。東芝、頑張ってくれ!)
残暑がないままに秋の彼岸を迎えるのだろうか。米の収穫が終わった後でよかったが、猛暑の後にいきなり秋という感じ。珍しい。いきなり冬の中共経済・・・訃報はまだか。
今朝の産経の曽野綾子氏の太宰の私信についての論考「作家の本質はあくまでも作品」は良かった。「私信を公開することも、土足で他人の心に踏み込むような無礼な行為だ」とばっさり。
荷風について山本夏彦翁曰く「美しければすべて良し」。日記「断腸亭日乗」は死後に出版されることを意識して書かれているが、それ以前の不都合な日記は荷風が焼却したようだ。
荷風は下書きのような原稿を盗まれ、それが古書店市場で取引されているのを知ってショックを受けている。作品がすべて、それ以外では論評してくれるな、ということだろう。
私生活を半ば売り物したような太宰ではあるけれど、まったく公表を想定しなかった(いささか卑屈な)手紙を死後67年後に“暴かれる”のは、小生のような凡夫でも厭なものだ。公開した人はどのような思いだったのだろう。
公表したものと実態、事実は異なることが珍しくない。東芝は赤字を隠して黒字決算にした。「売上は当期に計上、費用は来期に計上して黒字にしよう」なんて経営者の初歩的常套手段だが、税務署は税金をたっぷり納め
てくれれば「優良企業」だから数字はさほどチェックしない。税金を納めない赤字企業は重箱の隅をつつくようにチェックするのと大違いだ。
(税務調査を受けると企業は納税することになるのだが、経営者はこれを「お土産」と称している。「まあ見解の相違だけれどね、お土産は1000万円で済んだから、ま、いいか」なんて言う)
だから東芝の真実は表に出なかったのだが、中共と同様で、真実の数字、実態が不明だと、まともな経営ができなくなる。給料のうち、可処分所得がいくらなのか、預貯金はいかほどあるのか、ローン返済はいくらなのか、それを分からずに買いまくったら破綻するのと同じだ。
東芝は土俵から転落寸前、俵に親指だけで残って、どうにか「真実」にたどりついたようだ。前途多難だけれど頑張って再生し、正しく納税してくれ。乾燥機が30年以上も元気なのだから、君ならできる!
■9月10日(木)、朝は室温25度、微雨、どうにかハーフ散歩。
難民問題でEUは分解寸前、EUそのものが難民となって漂流しそうだ。ブログ「Argus Akita」9/9「ハンガリーが批判にさらされている?」から。
<ラトビアのリガのホテルでヒマつぶしにTVニュースを付けっぱなしにして各国のニュースをザッピングしていると、どれを見ても暴徒化する難民を追い返すハンガリーの警察と、制止を振り切って逃げていく難民達の映像が何度も繰り返される。
催涙ガスも使っているが、もともと銃弾やロケット砲の飛び交う中で生活していた難民たちには効果など無いだろう。
ハンガリーはもっと『人道的』に扱えといった論調もあるが、だんだんと欧州全体の空気が変わって来ているように感じる。
ただ、ローマ法王が日曜日『欧州の全ての教区、共同体、修道院、教会で1家族を受け入れるよう』求めたこともあり、各国も経済的な問題で割り切れない葛藤がありそうだ。
メルケルのwelcomeメッセージに始まった民族大移動の加速化だが、ハンガリーにしてみれば降って湧いた災難のようで身に覚えのない誹謗中傷を浴びているに等しい。
ハンガリーはそれ(難民受け入れのシェンゲン協定による手続き)を忠実に行おうとしているが、難民の数が多すぎて処理が追いつかないようだ。
どうせドイツに向かうのだからドイツやオーストリアはハンガリーに入国審査の人員派遣や資材供給等をすべきだという指摘もあるが、ドイツやオーストリアはその気はあまり無さそうだ。
結局、ハンガリーはセルビアとの国境に有刺鉄線のフェンスを敷いたが全く効果が無さそうだ。
争いの絶えなかった欧州でウェストファリア条約で国民国家を形成し互いの干渉を抑え、今度はさらにボーダーレス化によって欧州統一を理想にしたが、今そのボーダーを各国が再度固め始めたのは実に皮肉な成り行きだ。
ギリシャ問題のような通貨ユーロ圏の危機以上に『人権』といった道徳的問題で欧州の亀裂は確実に深まっている。
戦禍を逃れた政治難民なのか、あるいは単に荒廃した母国(中東地域の人間は国民国家という概念はほとんど無いだろうが)を見捨て『より良い暮らし』を求める経済難民なのかの線引きは難しいだろうが、これをしないままにメディアの映し出す『いたいけな難民の幼子達』を見て人道、人権といったものを優先する感情論が先行すると、ドイツはローマ帝国と同じ運命になる。
日本もそれが出来なかったから在日棄民を抱え何十年も苦しんでいる。
既にEUはアメリカに難民引き受けを打診していて、アメリカも3万人程度受け入れるようだが、難民にISが混じっていてもわからない現在、アメリカが受け入れるには相当のハードルを設けるに違いない。
日本は遠い国の出来事と考えているだろうが、少なくとも難民支援のための資金提供はガッツリ要求されそうな予感がする。
まずは、V4(ヴィシェグラード4か国、ポーランド、チェコ、スロバキア、ハンガリー)あたりにテントや医薬品提供でも申し入れたらどうなのだろう。もう欧州は夜は冷える日もあるため、難民達、特に子供達には厳しいはずだ。
それにしても、メルケルは調子いいことを言って後で手のひらを反したら、命を狙われそうな気がする>(以上)
「運命は努力次第」というのは概ね誤解か妄言か嘘である。
人は両親を選べないし、生まれる場所も選べない。
我々が文盲の女と低学歴の男を親としてシリアやイラクに生まれていたら、今頃はエクソダスで欧州を目指す難民になっていたかもしれない。この世は理不尽だ。
「気の毒だし、人道上も排除はできない」と難民を無制限に受け入れたら、国家が崩壊しかねない。長い歴史の中で多くの困難を乗り越え乗り越えて今の国家があり、次代により良い国家を引き渡すのが国民の義務だが、残念ながら難民は多くの問題を引き起こす。
厄介なのは「解決策がない」ことだ。
肥沃な広い土地があれば入植させることができるが、そんなものはない。
いずこの国も金欠病で、難民を長期にわたって養うことはできない。仕事を与えたくても不景気だから仕事がない。ナイナイづくしだ。
本来なら故国が安定していればいいのだが、イスラム教は宗派が違うだけでも激しく敵対する。宗派が異なれば敵であり、敵を殺すためには自分が死んでもいいという原理主義者もいる。
三つ巴、四つ巴の争いをすることもあり、政教一致の国も多いから、他派は圧迫され、政治はまったく安定しない。
こういう国からの難民を、自由・民主・人権・法治を土台とする近代国家が受け入れることはできても、難民が溶け込むことはない。
難民はゲットーを作り、治安は悪化し、やがて先住民は逃げ出さざるを得ないことになる。
先住民が“難民”になってしまうのだ。
難民・移民を受け入れてそこそこ成功したのは、もともとから難民・移民の国だった米国くらいだ。
その米国でもアフリカなどから強制連行されてきた黒人は家畜扱いであり、米国独立後も南北戦争後も差別され、1960年頃までアパルトヘイトは続き、今でも人種対立事件は後を絶たない。
黒人に似て難民・移民は貧困→低学歴→高失業率→犯罪→収監の不幸なコースをたどることが珍しくない。
ウィンウィンの受け入れ方法が見つかっていないから、本来は難民は故国へ送り返すべきなのだが、それもできない。
EUの苦悩は永遠に続くだろう。
宮家邦彦氏の論考「止まらぬ中東から欧州への難民 欧州委は難民割当問題を協議」(Japan In-depth9/8)から。
<今週はトルコ海岸で亡くなった三歳男子のショッキングな画像が欧州諸国を変えた。それまで冷淡だった英国すら難民受け入れに前向きな姿勢を示し始めた。しかし、それで中東から欧州への難民・不法移民の流れが止まることはない。
今年これまでに約27万人の亡命希望者が海から欧州に渡ったという。
長い目で見れば、これは中東から欧州への「歴史的なしっぺ返し」なのだろう。
更に、見方を変えれば、欧州の衰退の一環とも言えるかもしれない。
夏休み明けの欧州は難民受け入れの割当制を導入するかで割れている。9日には欧州委員会が16万人の割り当て問題を議論する。しかし、UNHCR(国連)によれば、シリア国内で600万人余りが避難民となり、400万人余りが難民登録をしているという。
そのうち半数以上がレバノン、ヨルダン、イラク、エジプトに流れ、トルコにも約190万人が、北アフリカに約2.4万人がいるという。
ドイツでは今年、過去最多の80万人が難民申請すると予測されているが、申請者の約4割は「不法移民」だという>(以上)
欧州は植民地支配のツケを70年後に支払い始めざるを得なくなった、ということか。
永遠に払い続けるのか。
EUのお花畑的な理想で国境はザルになったが、その代償はあまりにも大きい。
現実離れの自己陶酔的なリベラルという“善人もどき”が亡国の危機を招いている。
「戦争法案ハンターイ」と叫ぶ憎悪丸出しの和式リベラルは絶滅危惧種だが、同情満載の洋式リベラルは多数派だろうから危険極まりない。
笛の音に魅かれて崖に向かっており、やがて墜落し、その反動から排外主義が起こり、再び3度ガラガラポン・・・
英国はまだまともな現実主義者がいそうだから真っ先にEUを離脱するだろう。
これを皮切りに“難民生きてEU死す”という事態もあり得る。
日本は他山の石とすべし。国境を開放したら終わり、ということだ。
ネットで国勢調査に回答。初めてだから疲れた。アンケート欄があったので「外国籍別の生活保護受給率を公表してくれ」と書いておいた。
■9月11日(金)、朝は室温23.5度、晴、ハーフ散歩。彼岸花が20本ほど咲いていた。台風一過・・・
2歳女児と4歳男児のお腹が不調で、ここ2泊3日は集団的子育てだったが、今朝機嫌よく帰っていった。天気が悪いのに嘔吐で寝具まで洗濯することになるから膨大な洗濯物になる。疲労困憊。
2001年の9.11テロから14年。原理主義者の“ジハード”は続く。
<【ジャカルタ時事9/10】過激派組織「イスラム国」がインターネット上に公開した英字機関誌「ダビク」の中で、インドネシアやマレーシアなどの日本公館を攻撃するよう呼び掛けたことが10日、分かった。
ダビクはイラクやシリアでの戦闘に参加できない支持者に対し、攻撃の対象として、インドネシア、マレーシア、ボスニア・ヘルツェゴビナにある日本公館のほか、アルバニアにいるサウジアラビア外交官なども例として挙げた。
ダビクはこれまでも、日本人人質殺害に関連して、日本はイラクやアフガニスタンの戦争以来「十字軍に参加している」と非難していた>(以上)
日本イラク医療支援ネットワーク(JIM-NET)とかNGOピース・オブ・ベルズなどの組織がイラク国民を支援しているようだが、医療支援やハンドベル演奏で治安が回復するのかどうか。JIM-NETのサイトから。
<「日本は戦争をしない非武力の国」。世界中に広く知られているのに、いきなり破り捨てられそうな、このイメージ。けれど、イラクで子たちへの医療支援活動などを10年以上も続けている日本人たちが語ります。
このイメージこそが私たちの命を守り、このイメージこそが私たちの働きを支え助け、武装兵など百害ばかり。そんな実体験のお話をとおして、非武力の値打ちを、輝きを、大いに学びましょう>(以上)
ISは「戦争をしない非武力の国」の人の首を斬ったり、公館襲撃を唆していることを彼ら“脳ナイお花畑人”はどう説明するのだろうか。難民キャンプで活動しているようだが、イラク軍などの「百害」武装兵に守られて活動をしているのではないか。
彼らは9/18には「安保法制の参議院審議も終盤に入り、いつ強行採決されてもおかしくない緊迫した状況の中、“本気で止める!”廃案に向けての集会」を催すそうだが、衆院で審議している時なら意味があるものの、今頃土壇場になってから「廃案」を叫んでもかなり間抜けというかピンボケだ。理性ではなく感情で動いている。
ま、「イラク三バカ」の百害的予備軍は結構いるのだろう。
せいぜいISに誘拐されて首を斬られないようにするんだな。
九条の 安眠枕 はずされて ヘイト叫ぶも 犬の遠吠え(修一)
(2015/8/16)