ブレインテクノロジーは急速に発展を遂げている。
2014.10.7 TUE
「テレパシー」を科学的に実現することに成功:ハーヴァード大研究者たち
研究者のグループが、5,000マイルの距離を隔てた場所にある脳に交信を行わせることに成功した。
TEXT BY ANNA LISA BONFRANCESCHI
TRANSLATION BY TAKESHI OTOSHI
WIRED NEWS (ITALIA)
テレパシーに対する科学的なアプローチは、いまに始まったものではない。WIREDではこれまでも、米軍によるテレパシーの研究やワシントン大学の研究者による実験結果を紹介している。image from Shutterstock
テレパシーと呼ばれるものは、いままで幻想だった。実際のところ、それは現在も変わらない。
しかし、『Plos One』で発表されたある実験によると、インターネットを経由して情報を伝達することによって、2つの人間の脳に直接、それも遠距離(5,000マイル)で交信を行わせることが可能だと言う。科学者たちは初めて、この種の脳と脳の通信を、非侵襲的な方法で、話したり書いたりする必要なしに実現することに成功している。
関連記事:「超能力」は性的対象だと特に発揮される:研究結果
ハーヴァード大学医学校の神経学教授、ベス・イスラエル・ディーコネス医療センターのベレンソン・アレン非侵襲脳刺激センター所長、アルヴァロ・パスカル?レオーネが説明しているように、研究者たちの出発点となったアイデアは、インターネットのようなすでに存在する伝達路を利用して、人間の脳に直接交信を行わせるというものだ。
具体的に説明しよう。研究者たちは、インドとフランスにいる研究の参加者たちの脳の間で、メッセージを伝達することに成功した。神経科学者たちの準備した実験は、ニューラル・インターフェースを用いて行われる実験の、ひとつの変種だと考えることができる。
ニューラル・インターフェースでは、脳の電気活動はコンピューターによって読み取られ、例えば義手のような機械的なユニットに命令を与えるのに利用される(思考で操作することができるロボットアームのように)。しかしこの場合は、出発点となる脳で記録された電気信号は、遠距離にあるもうひとつの脳に命令を出す(実際には、ある考えを伝達する)のに利用される。
研究に参加した4人の被験者の1人が、メッセージを送信するために、ニューラル・インターフェースに接続される。一方、他の3人の被験者たちは、同じメッセージ(読み取らなければならないいくつかの単純な挨拶だ)を受信するために、別のインターフェースと接続する。
研究者たちが行ったのは、次のようなことだ。彼らは2つの言葉(「Hola」と「Ciao」)を選び、これらを2進コードに変換した。送信者はこれを神経インパルスに変換した。つまり、例えば「1」であれば手を動かし、「0」であれば足を動かした。その間に脳活動の記録が行われ、言葉に対応する一種の神経コードがつくり出された。
こうして、コードは遠くに送信され、受信者となった被験者たちの大脳皮質にTMS(経頭蓋磁気刺激法)を与えるために利用された。受信者側では、刺激に応じて脳のなかに引き起こされる信号を読み取ることによって、発信された2進コードを取り出した(つまり、メッセージを解読した)。
研究者たちがコメントしているように、この計画の成功は、声や文字のメッセージに頼らずに新しい伝達経路を思い描くことが可能であること、そして将来には、例えば、脳梗塞の患者とコミュニケーションを取るために利用することができるかもしれないことを示している。
http://wired.jp/2014/10/07/do-you-have-telepathy/
ついにテレパシーが実現か?脳波を利用し、8,000km先の脳へ向けてメッセージの送信に成功(国際共同研究)
2014年09月02日
脳波を感知する装置を利用して何かを操作する実験は、ヘリコプターの操縦からゲームキャラの操作まで、様々な分野で成果を挙げている。そこからまた更に進歩したようだ。
インドにいる人が心に思い描いたものを、フランスにいる受信者へEメールを送信することに成功したという。思わずテレパシーを想像してしまう話だが、その信号を飛ばした距離はなんと8000kmに及ぶ。
この実験はスペインのバルセロナ大学、アクシラム・ロボティクス社、ハーバード大学医学大学院、スターラボ社の共同プロジェクトであり、新たに開発した、脳内の神経発火による電気的活動を記録する脳波計測ヘッドセットを利用したものだ。
この種の装置においては、様々な思考と関連する脳内の電流を検出し、これがコンピュータ・インターフェースに入力された後に、その信号を分析し、なんらかのアクションを起こすという仕組みになっている。今回の実験においては、そのコンピュータ・インターフェースを脳に置き換え、バイナリデータに変換された信号を受信させたのだ。
最初のテストでは、インドのティルヴァナンタプラムにいるボランティアの送信者から、フランスのストラスブールにいる受信者に、「やあ」や「じゃあね」という挨拶を送信させた。
そしてフランス側にあるコンピュータが受信したメッセージを翻訳し、電気的な刺激を引き起こして受信者の心にメッセージを流し込む。すると視界の隅に光が点灯するかのようにメッセージが表示されたのだという。この光は連続的に表示され、これを読み解くことで受信者はメッセージの情報を受け取るとことができる。
2度目の実験はスペイン-フランス間で実施された。ここでは合計エラー率はわずか15パーセント(コード化過程 5パーセント、解読過程 11パーセント)という結果を残した。
今回の実験は、脳同士でメッセージの直接送信に成功した史上初めての試みだ。そう遠くない未来では人間の脳同士の直接交信が可能となり、コンピュータと脳、さらには脳と脳同士によるコミュニケーションを日常的に行っているだろう、と研究者は語る。
ブレインテクノロジーは急速に発展を遂げている。5月にはドイツで、7人のパイロットによる思考を使った精密飛行に成功。さらに6月にも、オレゴン大学でほぼリアルタイムで記憶をモニターし、人の考えを覗き込むことに成功している。
via:dailymail・原文翻訳:hiroching
http://karapaia.livedoor.biz/archives/52171961.html
「テレパシー」を科学的に実現することに成功:ハーヴァード大研究者たち
研究者のグループが、5,000マイルの距離を隔てた場所にある脳に交信を行わせることに成功した。
TEXT BY ANNA LISA BONFRANCESCHI
TRANSLATION BY TAKESHI OTOSHI
WIRED NEWS (ITALIA)
テレパシーに対する科学的なアプローチは、いまに始まったものではない。WIREDではこれまでも、米軍によるテレパシーの研究やワシントン大学の研究者による実験結果を紹介している。image from Shutterstock
テレパシーと呼ばれるものは、いままで幻想だった。実際のところ、それは現在も変わらない。
しかし、『Plos One』で発表されたある実験によると、インターネットを経由して情報を伝達することによって、2つの人間の脳に直接、それも遠距離(5,000マイル)で交信を行わせることが可能だと言う。科学者たちは初めて、この種の脳と脳の通信を、非侵襲的な方法で、話したり書いたりする必要なしに実現することに成功している。
関連記事:「超能力」は性的対象だと特に発揮される:研究結果
ハーヴァード大学医学校の神経学教授、ベス・イスラエル・ディーコネス医療センターのベレンソン・アレン非侵襲脳刺激センター所長、アルヴァロ・パスカル?レオーネが説明しているように、研究者たちの出発点となったアイデアは、インターネットのようなすでに存在する伝達路を利用して、人間の脳に直接交信を行わせるというものだ。
具体的に説明しよう。研究者たちは、インドとフランスにいる研究の参加者たちの脳の間で、メッセージを伝達することに成功した。神経科学者たちの準備した実験は、ニューラル・インターフェースを用いて行われる実験の、ひとつの変種だと考えることができる。
ニューラル・インターフェースでは、脳の電気活動はコンピューターによって読み取られ、例えば義手のような機械的なユニットに命令を与えるのに利用される(思考で操作することができるロボットアームのように)。しかしこの場合は、出発点となる脳で記録された電気信号は、遠距離にあるもうひとつの脳に命令を出す(実際には、ある考えを伝達する)のに利用される。
研究に参加した4人の被験者の1人が、メッセージを送信するために、ニューラル・インターフェースに接続される。一方、他の3人の被験者たちは、同じメッセージ(読み取らなければならないいくつかの単純な挨拶だ)を受信するために、別のインターフェースと接続する。
研究者たちが行ったのは、次のようなことだ。彼らは2つの言葉(「Hola」と「Ciao」)を選び、これらを2進コードに変換した。送信者はこれを神経インパルスに変換した。つまり、例えば「1」であれば手を動かし、「0」であれば足を動かした。その間に脳活動の記録が行われ、言葉に対応する一種の神経コードがつくり出された。
こうして、コードは遠くに送信され、受信者となった被験者たちの大脳皮質にTMS(経頭蓋磁気刺激法)を与えるために利用された。受信者側では、刺激に応じて脳のなかに引き起こされる信号を読み取ることによって、発信された2進コードを取り出した(つまり、メッセージを解読した)。
研究者たちがコメントしているように、この計画の成功は、声や文字のメッセージに頼らずに新しい伝達経路を思い描くことが可能であること、そして将来には、例えば、脳梗塞の患者とコミュニケーションを取るために利用することができるかもしれないことを示している。
http://wired.jp/2014/10/07/do-you-have-telepathy/
ついにテレパシーが実現か?脳波を利用し、8,000km先の脳へ向けてメッセージの送信に成功(国際共同研究)
2014年09月02日
脳波を感知する装置を利用して何かを操作する実験は、ヘリコプターの操縦からゲームキャラの操作まで、様々な分野で成果を挙げている。そこからまた更に進歩したようだ。
インドにいる人が心に思い描いたものを、フランスにいる受信者へEメールを送信することに成功したという。思わずテレパシーを想像してしまう話だが、その信号を飛ばした距離はなんと8000kmに及ぶ。
この実験はスペインのバルセロナ大学、アクシラム・ロボティクス社、ハーバード大学医学大学院、スターラボ社の共同プロジェクトであり、新たに開発した、脳内の神経発火による電気的活動を記録する脳波計測ヘッドセットを利用したものだ。
この種の装置においては、様々な思考と関連する脳内の電流を検出し、これがコンピュータ・インターフェースに入力された後に、その信号を分析し、なんらかのアクションを起こすという仕組みになっている。今回の実験においては、そのコンピュータ・インターフェースを脳に置き換え、バイナリデータに変換された信号を受信させたのだ。
最初のテストでは、インドのティルヴァナンタプラムにいるボランティアの送信者から、フランスのストラスブールにいる受信者に、「やあ」や「じゃあね」という挨拶を送信させた。
そしてフランス側にあるコンピュータが受信したメッセージを翻訳し、電気的な刺激を引き起こして受信者の心にメッセージを流し込む。すると視界の隅に光が点灯するかのようにメッセージが表示されたのだという。この光は連続的に表示され、これを読み解くことで受信者はメッセージの情報を受け取るとことができる。
2度目の実験はスペイン-フランス間で実施された。ここでは合計エラー率はわずか15パーセント(コード化過程 5パーセント、解読過程 11パーセント)という結果を残した。
今回の実験は、脳同士でメッセージの直接送信に成功した史上初めての試みだ。そう遠くない未来では人間の脳同士の直接交信が可能となり、コンピュータと脳、さらには脳と脳同士によるコミュニケーションを日常的に行っているだろう、と研究者は語る。
ブレインテクノロジーは急速に発展を遂げている。5月にはドイツで、7人のパイロットによる思考を使った精密飛行に成功。さらに6月にも、オレゴン大学でほぼリアルタイムで記憶をモニターし、人の考えを覗き込むことに成功している。
via:dailymail・原文翻訳:hiroching
http://karapaia.livedoor.biz/archives/52171961.html