「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 | 日本のお姉さん

「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」

「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成27年(2015)9月4日(金曜日)
通算第4646号 <前日発行>

団派はコーナーに追いやられたのか? それとも
李源潮(国家副主席)が「金正恩は友人ではないか」と発言していた
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習近平は北朝鮮の金正恩が大嫌いなようで「われわれはこの地域の安定を望んでいるが、いまの政権の安定を臨んでいるのではない」と発言した。引き替えに韓国に熱烈に近づき、軍事パレードでもプーチンにつぐ重要な席を朴権惠大統領に用意した。北朝鮮にとって、これほど不愉快な措置はないだろう。

習近平の団派への敵意が最近は剥き出しになってきた様相である。
本来なら経済を担当する国務院。その総理である李克強首相から、殆どの経済実験を取り上げ、自らが「小組」を三つも四つもつくって主任を兼ねた。つまり経済実権を団派から取り上げたのだ(ということは上海株暴落、人民元切り下げ、景気不況の責任も李克強がとる必要が無くなって怪我の功名なのだが)。

ついで胡錦涛の懐刀だった令計画を失脚させ、芋づる式に周辺にいた団派人脈幹部を拘束、取り調べ、逮捕した。
李源潮の女婿が香港で展開している怪しげなファンドの存在も外国メディアにリークして、暴いてもみせた。

反撃するかのように、王洋(副首相)は「米中戦略対話」に乗り込んで「われわれは米国の決めるルールに従う。米国は世界の指導者である」と明言し、習近平路線と鮮やかに対立した。

そして李源潮が「北朝鮮の金正恩は欧州留学経験もあり国際的な視野をもって判断できる政治家。中国の友人である」と発言していた。これは韓国の『朝鮮日報』(9月2日)が伝えたが、2013年7月に李が訪朝したおりの発言だったという。

現在の習政権でトップセブンのうち、習の信頼できる政治家は、王岐山ただひとり、李首相は団派の領袖、団派ナンバーツーの李源潮は政治局で実力トップ、国家副主席。ナンバースリーが王洋副主席で政治局の重鎮である。

のこる四人、張徳江、劉雲山、愈正声、張高麗は上海派で、江沢民のごり押しで政治局常務委員にはいってきた面々だから、表面上はともかく、習近平からは遠ざけされている。換言すれば、トップセブンは形式上であり、四人は「上海派残党」として軽く見られている所為か影が薄い。

習の中枢を囲むのは王岐山への信頼と『軍事アドバイサー』が劉源と劉亜州、そして外交が王炉寧、経済ブレーンが劉?、首席補佐官が栗戦書という陣容である。
この人事にもっと留意するべきであろう。

軍は、江沢民派の徐才厚、郭伯雄の失脚により、団派の天下となりかけたが、副主任の許基亮と氾長龍を手なずけ、太子党でもある張又峡を引きづりこみ、団派代表の房芳輝を軍事委員会に孤立させる戦術を行使しているかにみえる。

軍事パレードで習近平は軍権をまがりなりにも掌握したことを内外に見せつけた。そのうえで想定外のことが起きた。欠席が噂された江沢民と胡錦涛が雛壇に現れて、関係者を驚かせた。


(読者の声1)貴誌前号中国の「世界一の外貨準備高」、じつは空っぽなのだという貴論ですが、このメルマガの読者以外は、きっとびっくりする情報でしょうね。購読させていただけることを感謝いたします。
さて、東京オリンピックのエンブレムが白紙撤回されました。
模倣、登用かどうかはともかく、オリジナリティも温かみも感じられない図案が使われなくなったことは喜ばしいと思っています。オリンピック組織委員会の不備や、今後の後始末を考えると、また税金の無駄遣いか…という気持ちもありますが。
それはともかく、佐野氏の、この問題当初の会見を改めて見直して、オリジナリティを感じない理由がわかりました。
●TOKYOの「T」に注目した。
●Tという字の欧文書体である、ディビット、ボトニをモチーフにした。以後は技術展開で、要は使いやすいアルファベットのTを使ったというだけで、あとはプロならうまくできますよ、といっているにすぎないのです。


この点も問題なのですが、気になるのは、この人の意識に「日本」が全くないことです。

例えば、オリンピック招致で美大生が作ったエンブレムは、桜を全体に使い、大きな円を描いて、日の丸を連想させます。

他の方が、自分ならこうする、というエンブレム案もいろいろ見ましたが、ほぼすべてに、桜、扇、日の丸など、「日本で行うオリンピックであること」を表す表現が含まれています。

なぜ当然の要素である、「日本」が佐野氏のエンブレムになかったのか。

単に、Tを使えばいくらでも似たサンプルがあるから、ということだけならまだしも佐野氏は韓国にこびているとか、在日、とかいう噂があるのが、ちょっと気になります。

オリンピック組織委員会も、もう少し真面目に考えていただきたいものです。
日本で行うオリンピックなのですから。
(NS生 千葉)


(宮崎正弘のコメント)そういえば、そうですね。貴重なご指摘でした。有り難う御座います。
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北京の抗日軍事パレードで中国の「反日」はより醜悪になった
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5日、歴史戦第二弾、日露戦争勝利! 愛国者はあつまろう!
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「ポーツマス条約110周年 日露戦争の意義を考える国民の集い」
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――九月三日、北京で抗日戦争勝利(?)の軍事パレード
ファシズムの軍国主義国家(中国)が「反ファシズム」とは笑止千万
――中国、韓国の「反日」、出鱈目な歴史観。日本は座したままで良いのでしょうか?

とき 9月5日(土曜日)午後2時(一時半開場)
ところ 千代田区永田町「星陵会館」 二階大ホール
http://www.seiryokai.org/kaikan/map.html
資料代 千円
どなたでも「予約なし」でご参加いただけます。

<プログラム>
開会の辞 加瀬英明、来賓挨拶 西村真悟
「日露戦争の歴史的意義を問う」 前防衛大学授 平間洋一
「満蒙とは何だったのか」 近現代史家 宮脇淳子
ほかに藤岡信勝、馬渕睦夫、福井雄三、水島総の各氏ら。
主催 「ポーツマス条約110周年 国民の集い」実行委員会
どなたでも「予約なし」でご参加いただけます。
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