天津倉庫爆発 「ホテル代もらえば他の賠償なくなる」と受け取り拒む住民 政府信用できず
必死で働いた金で買った家が一瞬で壊れてしまって、かわいそう。
死んでしまった消防士もかわいそう。日本企業もひどい被害を受けているのに、ちゃんと賠償してくれるのか?
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天津倉庫爆発 「ホテル代もらえば他の賠償なくなる」と受け取り拒む住民 政府信用できず
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2015.8.19 08:00
少なくとも114人が死亡、57人が行方不明となった、中国天津市で起きた大規模爆発から19日で1週間。中国当局は18日、爆発があった倉庫を所有する企業の幹部ら10人と現場の経済開発区の幹部ら2人を拘束したほか、規律違反の疑いで政府の産業安全部門の閣僚級責任者への取り調べを開始した。危険物倉庫の建設許可などをめぐり、大規模汚職事件に発展する可能性が浮上してきた。現場では家族や家を失った住民らの政府に対する不満が高まり、抗議活動が拡大している。(天津 矢板明夫)
18日午前、犠牲者を追悼する式典が現場付近で行われ、郭声●(=王へんに昆)公安相や犠牲者の家族らが参加し、黙とうをささげた。しかし、式典の会場周辺には、爆発で自宅が全半壊した市民ら数百人が集まり、政府に家の買い取りの賠償を求めた。
対策本部は家の修繕費用、ホテル代などとして1世帯当たり6000元(約12万円)を支払うことを申し出たが、「もらえば他の賠償がなくなる」との噂が広がり、大半の市民が受け取りを拒否した。ある30代男性は「情報を封鎖して責任逃れを続ける政府を信用できない」と話した。
現場付近は依然、有毒物質が散乱し、軍の化学戦専門部隊らによる捜索、危険物排除作業は難航している。関係者によれば、周辺3キロの立ち入り制限措置の解除のめどが全く立っていない。
共産党の規律部門は18日午後、ホームページで、重大な規律違反容疑で党中央委員でもある国家安全生産監督管理総局の楊棟梁局長(閣僚級)への調査を発表した。楊氏は2012年までに天津市副市長を10年以上務めた地元の名士。危険物専用倉庫の建設許可などをめぐり、収賄疑惑などがあったとの情報が地元関係者の間で流れている。
また、地元メディアは18日、爆発が起きた倉庫を所有する企業「瑞海国際物流公司」の于学偉会長ら10人が拘束されたと伝えた。
しかし、中国人記者の間では、この企業の本当の後ろ盾は地元出身の李瑞環・元政治局常務委員で、その親族も経営に関与しているとささやかれている。事実とすれば、楊氏への調査は突破口にすぎず、捜査の手は元最高指導部メンバーに及ぶ可能性もある。中央政局の勢力バランスにも影響する恐れがあるだけに、習近平指導部は早期の事態収拾を図る構えとみられる。
爆発で機能停止に陥っていた天津港は18日、一部の業務を再開したが、税関の建物は爆風で大破し、多くの資料が紛失したため、本格的な業務は行えないという。関係者は、天津港の完全復旧には少なくとも数カ月かかるとみている。
日本企業への影響も広がっている。ほとんどの工場は17日に夏休み明けしたが、生産や販売は回復していない。市内に2つの工場を持つトヨタ自動車は19日まで操業停止を決めた。
また、現場から約2キロ離れた「イオンモール天津TEDA」では、爆風でガラスが割れるなどの被害が生じた。緊急物資として飲料水や食料などを被災者に提供し、救援活動に協力したが、現在、店周辺が立ち入り制限地域となっているため、営業再開のめどは立っていないという。
中国メディアの環球網によれば、天津市内には約800の日本企業があり、被害を受けた企業が今回の爆発をきっかけに中国からの撤退に踏み切る可能性もあると指摘した。
http://www.iza.ne.jp/kiji/world/news/150819/wor15081908000003-n1.html
汚染物質の到達、業績悪化… 天津爆発事故で日本側が抱く懸念
2015.08.18
爆発によって放出されている大気汚染物質が日本に到達する恐れや、現地に拠点を置く日系企業の業績悪化が懸念されるなど、天津の倉庫爆発事故は、日本にも多くの影響を与えそうだ。
《天津倉庫爆発事故》
中国天津市で化学物質の倉庫が爆発し、多くの犠牲者が出た事故。8月12日深夜に発生した。爆発が起きた倉庫やコンテナ集積場には、火薬の原料となる化学物質や、水や酸などと反応すると有毒で引火しやすい青酸ガスを出す青酸ナトリウムが700トン以上保管されていたとされる。
爆発による汚染物質が日本に到達する?
現場の倉庫には7種類程度の化学物質が保管されていた
捜狐網など中国ネットメディアによると、爆発が起きた倉庫やコンテナ集積場には、黒色火薬の原料となる硝酸カリウムや、水をかけると高い熱を発する水酸化ナトリウムなど、7種類程度の化学物質が保管されていた。
中国・天津倉庫爆発 現場に大量の化学物質、消火・救難作業が難航
猛毒のシアン化ナトリウム700トンも
天津市当局は8月17日、爆発した倉庫に猛毒のシアン化ナトリウム700トンが保管されていたことを確認。中国紙、新京報によると、この物質の倉庫への保管許可量は24トンのみで、30倍近くを上回る量が保管されていたことになる。
天津倉庫爆発 猛毒シアン化ナトリウムを許可の30倍保管か…
有毒物質が現場周辺に流出。半径3キロ以内からの緊急避難命令
爆発により現場周辺に猛毒のシアン化ナトリウムが流出。当局は、救援作業に当たる部隊などに対し、爆発現場の半径3キロ以内から緊急避難するよう命じた。
中国・天津倉庫爆発 青酸ガス出す猛毒の化学物質流出…半径3キロに緊急避難命令
PM2・5などの大気汚染物質として日本に到達する可能性も
山形大と東北大の研究チームが米航空宇宙局(NASA)の人工衛星が撮影した画像を解析したところ、天津市の爆発で、有害物質を含む汚染物質の放出が8月16日時点も続いている様子が判明。チームは、物質が日本に微小粒子状物質(PM2・5)などの大気汚染物質として風に運ばれ到達する可能性もあるとする。
天津倉庫爆発 汚染物質、日本到達の可能性も 研究チームが画像分析
爆発事故現場付近から拡散する汚染物質の衛星画像
8月12日の衛星画像(上)では天津市付近の上空に汚染物質はほとんど確認できないが、13日(中)には天津付近の港湾から渤海湾に向かって汚染物質(画面中央の黄色部分)が噴き出している様子がわかる。その後、汚染物質は朝鮮半島付近まで広がり、低気圧から伸びる前線に押される形で渤海湾から日本海方面に移動。16日(下)には再び濃くなり、煙が引き続き放出されていることがうかがえる。
天津倉庫爆発 汚染物質、日本到達の可能性も 研究チームが画像分析
【関連記事】
【産経抄】1977年に起きた青酸コーラ事件 シアン化ナトリウムの恐怖
《有毒な青酸ガス出す「シアン化ナトリウム」》
シアン化ナトリウムは水や酸などと反応すると、有毒で引火しやすい青酸ガスを出す。口に入れたりガスを吸い込んだりすると、呼吸困難やめまいを引き起こし、数秒で死亡することもある。
中国・天津倉庫爆発 青酸ガス出す猛毒の化学物質流出…半径3キロに緊急避難命令
長期化すれば日系企業の業績に影響も?
天津港の貿易額は上海港などに次ぐ規模
天津港は中国の主要港の一つで、貿易額は上海港などに次ぐ規模。自動車や鋼材、石油化学製品などを輸出入する一大基地になっている。
天津港の機能ストップ 日本企業、貿易停滞の恐れ大規模爆発、経済に影響
天津港の完全復旧について関係者は少なくとも数カ月かかるとみる
爆発で機能停止に陥っていた天津港は8月18日、一部の業務を再開したが、税関の建物は爆風で大破し、多くの資料が紛失したため、本格的な業務は行えないという。関係者は、天津港の完全復旧には少なくとも数カ月かかるとみている。
天津爆発1週間 企業幹部ら12人拘束、閣僚級取り調べ
天津市内には約800の日本企業があるとされる
中国メディアの環球網によれば、天津市内には約800の日本企業があり、被害を受けた企業が今回の爆発をきっかけに中国からの撤退に踏み切る可能性もあると指摘した。
【トヨタ自動車】2工場を停止。天津は中国におけるトヨタの主力拠点
トヨタ自動車は、中国内の主力拠点である現地自動車大手との合弁会社「天津一汽トヨタ自動車」の工場について、8月17~19日の操業停止を決定。現場周辺で避難勧告が出ているためで、「20日以降の対応も決まっていない」という。操業停止で部品が供給できないことから、天津市内の別の工場も操業を停止する。
天津爆発で日系企業の影響長期化か トヨタは2工場停止、イオンやマツダも休業
【マツダ】現場から約8キロ離れた販売店は自主休業
マツダは現場から約8キロ離れた販売店について8月14日に営業を再開したものの、現場近くの立ち入り禁止措置などに配慮し、15日から18日まで再び自主休業することを決めた。
天津爆発で日系企業の影響長期化か トヨタは2工場停止、イオンやマツダも休業
【富士重工業】輸出車の荷揚げ拠点のひとつ、天津港が使えず
爆発で保管場所にあった百数十台が損傷を受けた富士重工業は、天津港が中国に輸出する車の荷揚げ拠点の1つで、長期にわたり港が使えない場合の対応を検討中という。
天津爆発で日系企業の影響長期化か トヨタは2工場停止、イオンやマツダも休業
【イオン】営業再開のめどたたず
現場から約2キロ離れた「イオンモール天津TEDA」では、爆風でガラスが割れるなどの被害が生じた。緊急物資として飲料水や食料などを被災者に提供し、救援活動に協力したが、現在、店周辺が立ち入り制限地域となっているため、営業再開のめどは立っていないという。
天津爆発1週間 企業幹部ら12人拘束、閣僚級取り調べ
営業を停止したイオンのショッピングモール=8月13日(共同)
大規模爆発事故で焼け焦げた大量の車と上がる黒煙=8月14日、中国天津市(共同)
現場では…捜索活動が難航中
死者は114人、行方不明者は57人(8月18日現在)
8月18日現在、少なくとも114人が死亡、57人が行方不明。17日現在の情報では、行方不明者のなかには消火や救援に向かった消防隊員85人が含まれ、700人以上が入院中、うち60人規模が重体とされる。
天津爆発1週間 企業幹部ら12人拘束、閣僚級取り調べ
約2000人態勢による捜索活動が続けられている
中国人民解放軍の化学戦専門部隊や武装警察部隊など約2000人態勢による現場での捜索活動は続けられているが、小規模な発火が続いており活動は難航している。(8月17日現在)
天津倉庫爆発 李首相が現場入り 「遅すぎる」との声も 死者114人、不明70人
消防隊の放水が爆発を招いたとの見方もあるが、火災が起きた原因はいまだ不明
当初、爆発が起きた原因について、救援活動に参加している中国軍関係者は、保管されていた金属ナトリウムに消防隊が放水したことで化学反応による熱が発生したとの見方を示した。ただ、最初の火災が起きた原因は明らかでない。
中国・天津爆発 倉庫会社の幹部ら10人拘束 爆発の主因、金属ナトリウムへの放水濃厚
現場倉庫は法令で危険物の集積が認められない位置にあった
倉庫は、法令で危険物の集積が認められない住宅地から1キロ未満の位置にあり、運営する「瑞海国際物流公司」が認可をどのように得たのかなどが疑問視されている。倉庫建設の許認可をめぐり贈収賄などの不正があった可能性も取り沙汰され、「経営者は天津市の指導者の親族」との情報がネットで出回ったがすぐに削除された。
中国・天津倉庫爆発 「国営通信以外の原稿は使ってはならぬ」 党宣伝部が通達 情報不足 いらだつ市民
当局は企業幹部ら12人の身柄を拘束している
中国当局は8月18日、倉庫を所有する「瑞海国際物流公司」の幹部ら10人と現場の経済開発区の幹部ら2人を拘束したほか、規律違反の疑いで政府の産業安全部門の閣僚級責任者への取り調べを開始した。危険物倉庫の建設許可などをめぐり、大規模汚職事件に発展する可能性が浮上してきた。
天津爆発1週間 企業幹部ら12人拘束、閣僚級取り調べ
中国天津市の爆発現場で、がれきから立ちのぼる煙。犠牲者は増え続けている=8月15日(ロイター)
市民の怒りは日に日に増している
爆発発生から4日目に初めて共産党幹部が現地入り
中国の李克強首相は8月16日午後、陣頭指揮を執るため爆発現場に到着し、消防隊員らを激励したほか、病院で負傷した市民らを見舞った。爆発発生から4日目にして初めて、共産党の最高指導部メンバーが現地入りした形で、市民からは「遅すぎた」との不満も。
天津倉庫爆発 李首相が現場入り 「遅すぎる」との声も 死者114人、不明70人
情報不足で、市民の不信や不満は募るばかり
担当者は連日、記者会見を開いているが、大気や水の汚染状況や市民への注意事項などに関する説明はほとんどなく、当局のずさんな発表は、インターネット上などで批判の的になっている。
100人を超える死者が出たにもかかわらず、政府要人だけでなく、天津市の主要幹部もほとんど姿をみせない。
天津倉庫爆発 「人災だ」「指揮官に殺されたようなものだ」
約6千世帯が被害に遭い、ほとんどが政府に家の買い取りを要求
今回の爆発では約6千世帯が被害に遭い、そのほとんどが政府に家の買い取りを求めている。対策本部の前で、「私の家を返せ」といった横断幕を掲げて抗議する人々は毎日増え続けているという。
「爆発は完全な人災だ」と怒りをあらわにする男性
現場から約1キロ離れたマンション10階の一室で「爆発当時、寝室にいたから助かった」と話した30代の男性がこの部屋を買ったのは2年前。「夫婦で一生懸命働いてローンで買った。いったいだれが危険物を保管する倉庫の建設を許可したのか。今回の爆発は完全な人災だ」と怒りをあらわにした。
「弟は指揮官に殺された」と目を潤ませる消防士の姉
ある消防士の姉だという女性は、「弟はまだ19歳。指揮官に殺されたようなものだ」と目を潤ませた。倉庫に化学物質が保管されていることを知らぬまま水を注ぎ、化学物質と反応して爆発に至ったことが事実とすれば、消防士に現場の保管物質など、十分な情報を供給しなかったために惨事が起きたことになるため。
天津倉庫爆発 「人災だ」「指揮官に殺されたようなものだ」
中国・天津市の港湾部で発生した大規模な爆発で噴き上がる炎=8月13日(CFP提供・ゲッティ=共同)
中国天津市で起きた大規模爆発の事故現場。中国メディアによると、爆発地点には衝撃で直径100メートル規模の巨大な穴ができ、内部に水がたまっている(中央上)=8月15日(共同)
天津の大規模爆発の現場には大きな穴が開き、白い煙が上がる(ロイター)
8月15日、中国天津の大規模爆発事故現場周辺で救援作業を行う人民解放軍兵士(新華社=共同)
中国天津市で起きた大規模爆発の現場=8月15日(AP=共同)
大規模爆発の現場で、作業する救助隊員=8月17日、中国天津市(新華社=共同)
大規模爆発が起きた中国天津市で、犠牲となった消防士を弔う中国の李克強首相=8月16日(新華社=共同)
大規模爆発が起きた中国天津市で、損害賠償などを求めて抗議する被害者ら=8月17日(ロイター)
http://www.iza.ne.jp/topics/world/world-7803-m.html
死んでしまった消防士もかわいそう。日本企業もひどい被害を受けているのに、ちゃんと賠償してくれるのか?
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天津倉庫爆発 「ホテル代もらえば他の賠償なくなる」と受け取り拒む住民 政府信用できず
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2015.8.19 08:00
少なくとも114人が死亡、57人が行方不明となった、中国天津市で起きた大規模爆発から19日で1週間。中国当局は18日、爆発があった倉庫を所有する企業の幹部ら10人と現場の経済開発区の幹部ら2人を拘束したほか、規律違反の疑いで政府の産業安全部門の閣僚級責任者への取り調べを開始した。危険物倉庫の建設許可などをめぐり、大規模汚職事件に発展する可能性が浮上してきた。現場では家族や家を失った住民らの政府に対する不満が高まり、抗議活動が拡大している。(天津 矢板明夫)
18日午前、犠牲者を追悼する式典が現場付近で行われ、郭声●(=王へんに昆)公安相や犠牲者の家族らが参加し、黙とうをささげた。しかし、式典の会場周辺には、爆発で自宅が全半壊した市民ら数百人が集まり、政府に家の買い取りの賠償を求めた。
対策本部は家の修繕費用、ホテル代などとして1世帯当たり6000元(約12万円)を支払うことを申し出たが、「もらえば他の賠償がなくなる」との噂が広がり、大半の市民が受け取りを拒否した。ある30代男性は「情報を封鎖して責任逃れを続ける政府を信用できない」と話した。
現場付近は依然、有毒物質が散乱し、軍の化学戦専門部隊らによる捜索、危険物排除作業は難航している。関係者によれば、周辺3キロの立ち入り制限措置の解除のめどが全く立っていない。
共産党の規律部門は18日午後、ホームページで、重大な規律違反容疑で党中央委員でもある国家安全生産監督管理総局の楊棟梁局長(閣僚級)への調査を発表した。楊氏は2012年までに天津市副市長を10年以上務めた地元の名士。危険物専用倉庫の建設許可などをめぐり、収賄疑惑などがあったとの情報が地元関係者の間で流れている。
また、地元メディアは18日、爆発が起きた倉庫を所有する企業「瑞海国際物流公司」の于学偉会長ら10人が拘束されたと伝えた。
しかし、中国人記者の間では、この企業の本当の後ろ盾は地元出身の李瑞環・元政治局常務委員で、その親族も経営に関与しているとささやかれている。事実とすれば、楊氏への調査は突破口にすぎず、捜査の手は元最高指導部メンバーに及ぶ可能性もある。中央政局の勢力バランスにも影響する恐れがあるだけに、習近平指導部は早期の事態収拾を図る構えとみられる。
爆発で機能停止に陥っていた天津港は18日、一部の業務を再開したが、税関の建物は爆風で大破し、多くの資料が紛失したため、本格的な業務は行えないという。関係者は、天津港の完全復旧には少なくとも数カ月かかるとみている。
日本企業への影響も広がっている。ほとんどの工場は17日に夏休み明けしたが、生産や販売は回復していない。市内に2つの工場を持つトヨタ自動車は19日まで操業停止を決めた。
また、現場から約2キロ離れた「イオンモール天津TEDA」では、爆風でガラスが割れるなどの被害が生じた。緊急物資として飲料水や食料などを被災者に提供し、救援活動に協力したが、現在、店周辺が立ち入り制限地域となっているため、営業再開のめどは立っていないという。
中国メディアの環球網によれば、天津市内には約800の日本企業があり、被害を受けた企業が今回の爆発をきっかけに中国からの撤退に踏み切る可能性もあると指摘した。
http://www.iza.ne.jp/kiji/world/news/150819/wor15081908000003-n1.html
汚染物質の到達、業績悪化… 天津爆発事故で日本側が抱く懸念
2015.08.18
爆発によって放出されている大気汚染物質が日本に到達する恐れや、現地に拠点を置く日系企業の業績悪化が懸念されるなど、天津の倉庫爆発事故は、日本にも多くの影響を与えそうだ。
《天津倉庫爆発事故》
中国天津市で化学物質の倉庫が爆発し、多くの犠牲者が出た事故。8月12日深夜に発生した。爆発が起きた倉庫やコンテナ集積場には、火薬の原料となる化学物質や、水や酸などと反応すると有毒で引火しやすい青酸ガスを出す青酸ナトリウムが700トン以上保管されていたとされる。
爆発による汚染物質が日本に到達する?
現場の倉庫には7種類程度の化学物質が保管されていた
捜狐網など中国ネットメディアによると、爆発が起きた倉庫やコンテナ集積場には、黒色火薬の原料となる硝酸カリウムや、水をかけると高い熱を発する水酸化ナトリウムなど、7種類程度の化学物質が保管されていた。
中国・天津倉庫爆発 現場に大量の化学物質、消火・救難作業が難航
猛毒のシアン化ナトリウム700トンも
天津市当局は8月17日、爆発した倉庫に猛毒のシアン化ナトリウム700トンが保管されていたことを確認。中国紙、新京報によると、この物質の倉庫への保管許可量は24トンのみで、30倍近くを上回る量が保管されていたことになる。
天津倉庫爆発 猛毒シアン化ナトリウムを許可の30倍保管か…
有毒物質が現場周辺に流出。半径3キロ以内からの緊急避難命令
爆発により現場周辺に猛毒のシアン化ナトリウムが流出。当局は、救援作業に当たる部隊などに対し、爆発現場の半径3キロ以内から緊急避難するよう命じた。
中国・天津倉庫爆発 青酸ガス出す猛毒の化学物質流出…半径3キロに緊急避難命令
PM2・5などの大気汚染物質として日本に到達する可能性も
山形大と東北大の研究チームが米航空宇宙局(NASA)の人工衛星が撮影した画像を解析したところ、天津市の爆発で、有害物質を含む汚染物質の放出が8月16日時点も続いている様子が判明。チームは、物質が日本に微小粒子状物質(PM2・5)などの大気汚染物質として風に運ばれ到達する可能性もあるとする。
天津倉庫爆発 汚染物質、日本到達の可能性も 研究チームが画像分析
爆発事故現場付近から拡散する汚染物質の衛星画像
8月12日の衛星画像(上)では天津市付近の上空に汚染物質はほとんど確認できないが、13日(中)には天津付近の港湾から渤海湾に向かって汚染物質(画面中央の黄色部分)が噴き出している様子がわかる。その後、汚染物質は朝鮮半島付近まで広がり、低気圧から伸びる前線に押される形で渤海湾から日本海方面に移動。16日(下)には再び濃くなり、煙が引き続き放出されていることがうかがえる。
天津倉庫爆発 汚染物質、日本到達の可能性も 研究チームが画像分析
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シアン化ナトリウムは水や酸などと反応すると、有毒で引火しやすい青酸ガスを出す。口に入れたりガスを吸い込んだりすると、呼吸困難やめまいを引き起こし、数秒で死亡することもある。
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天津港の貿易額は上海港などに次ぐ規模
天津港は中国の主要港の一つで、貿易額は上海港などに次ぐ規模。自動車や鋼材、石油化学製品などを輸出入する一大基地になっている。
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爆発で機能停止に陥っていた天津港は8月18日、一部の業務を再開したが、税関の建物は爆風で大破し、多くの資料が紛失したため、本格的な業務は行えないという。関係者は、天津港の完全復旧には少なくとも数カ月かかるとみている。
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中国メディアの環球網によれば、天津市内には約800の日本企業があり、被害を受けた企業が今回の爆発をきっかけに中国からの撤退に踏み切る可能性もあると指摘した。
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トヨタ自動車は、中国内の主力拠点である現地自動車大手との合弁会社「天津一汽トヨタ自動車」の工場について、8月17~19日の操業停止を決定。現場周辺で避難勧告が出ているためで、「20日以降の対応も決まっていない」という。操業停止で部品が供給できないことから、天津市内の別の工場も操業を停止する。
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爆発で保管場所にあった百数十台が損傷を受けた富士重工業は、天津港が中国に輸出する車の荷揚げ拠点の1つで、長期にわたり港が使えない場合の対応を検討中という。
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現場から約2キロ離れた「イオンモール天津TEDA」では、爆風でガラスが割れるなどの被害が生じた。緊急物資として飲料水や食料などを被災者に提供し、救援活動に協力したが、現在、店周辺が立ち入り制限地域となっているため、営業再開のめどは立っていないという。
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現場では…捜索活動が難航中
死者は114人、行方不明者は57人(8月18日現在)
8月18日現在、少なくとも114人が死亡、57人が行方不明。17日現在の情報では、行方不明者のなかには消火や救援に向かった消防隊員85人が含まれ、700人以上が入院中、うち60人規模が重体とされる。
天津爆発1週間 企業幹部ら12人拘束、閣僚級取り調べ
約2000人態勢による捜索活動が続けられている
中国人民解放軍の化学戦専門部隊や武装警察部隊など約2000人態勢による現場での捜索活動は続けられているが、小規模な発火が続いており活動は難航している。(8月17日現在)
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消防隊の放水が爆発を招いたとの見方もあるが、火災が起きた原因はいまだ不明
当初、爆発が起きた原因について、救援活動に参加している中国軍関係者は、保管されていた金属ナトリウムに消防隊が放水したことで化学反応による熱が発生したとの見方を示した。ただ、最初の火災が起きた原因は明らかでない。
中国・天津爆発 倉庫会社の幹部ら10人拘束 爆発の主因、金属ナトリウムへの放水濃厚
現場倉庫は法令で危険物の集積が認められない位置にあった
倉庫は、法令で危険物の集積が認められない住宅地から1キロ未満の位置にあり、運営する「瑞海国際物流公司」が認可をどのように得たのかなどが疑問視されている。倉庫建設の許認可をめぐり贈収賄などの不正があった可能性も取り沙汰され、「経営者は天津市の指導者の親族」との情報がネットで出回ったがすぐに削除された。
中国・天津倉庫爆発 「国営通信以外の原稿は使ってはならぬ」 党宣伝部が通達 情報不足 いらだつ市民
当局は企業幹部ら12人の身柄を拘束している
中国当局は8月18日、倉庫を所有する「瑞海国際物流公司」の幹部ら10人と現場の経済開発区の幹部ら2人を拘束したほか、規律違反の疑いで政府の産業安全部門の閣僚級責任者への取り調べを開始した。危険物倉庫の建設許可などをめぐり、大規模汚職事件に発展する可能性が浮上してきた。
天津爆発1週間 企業幹部ら12人拘束、閣僚級取り調べ
中国天津市の爆発現場で、がれきから立ちのぼる煙。犠牲者は増え続けている=8月15日(ロイター)
市民の怒りは日に日に増している
爆発発生から4日目に初めて共産党幹部が現地入り
中国の李克強首相は8月16日午後、陣頭指揮を執るため爆発現場に到着し、消防隊員らを激励したほか、病院で負傷した市民らを見舞った。爆発発生から4日目にして初めて、共産党の最高指導部メンバーが現地入りした形で、市民からは「遅すぎた」との不満も。
天津倉庫爆発 李首相が現場入り 「遅すぎる」との声も 死者114人、不明70人
情報不足で、市民の不信や不満は募るばかり
担当者は連日、記者会見を開いているが、大気や水の汚染状況や市民への注意事項などに関する説明はほとんどなく、当局のずさんな発表は、インターネット上などで批判の的になっている。
100人を超える死者が出たにもかかわらず、政府要人だけでなく、天津市の主要幹部もほとんど姿をみせない。
天津倉庫爆発 「人災だ」「指揮官に殺されたようなものだ」
約6千世帯が被害に遭い、ほとんどが政府に家の買い取りを要求
今回の爆発では約6千世帯が被害に遭い、そのほとんどが政府に家の買い取りを求めている。対策本部の前で、「私の家を返せ」といった横断幕を掲げて抗議する人々は毎日増え続けているという。
「爆発は完全な人災だ」と怒りをあらわにする男性
現場から約1キロ離れたマンション10階の一室で「爆発当時、寝室にいたから助かった」と話した30代の男性がこの部屋を買ったのは2年前。「夫婦で一生懸命働いてローンで買った。いったいだれが危険物を保管する倉庫の建設を許可したのか。今回の爆発は完全な人災だ」と怒りをあらわにした。
「弟は指揮官に殺された」と目を潤ませる消防士の姉
ある消防士の姉だという女性は、「弟はまだ19歳。指揮官に殺されたようなものだ」と目を潤ませた。倉庫に化学物質が保管されていることを知らぬまま水を注ぎ、化学物質と反応して爆発に至ったことが事実とすれば、消防士に現場の保管物質など、十分な情報を供給しなかったために惨事が起きたことになるため。
天津倉庫爆発 「人災だ」「指揮官に殺されたようなものだ」
中国・天津市の港湾部で発生した大規模な爆発で噴き上がる炎=8月13日(CFP提供・ゲッティ=共同)
中国天津市で起きた大規模爆発の事故現場。中国メディアによると、爆発地点には衝撃で直径100メートル規模の巨大な穴ができ、内部に水がたまっている(中央上)=8月15日(共同)
天津の大規模爆発の現場には大きな穴が開き、白い煙が上がる(ロイター)
8月15日、中国天津の大規模爆発事故現場周辺で救援作業を行う人民解放軍兵士(新華社=共同)
中国天津市で起きた大規模爆発の現場=8月15日(AP=共同)
大規模爆発の現場で、作業する救助隊員=8月17日、中国天津市(新華社=共同)
大規模爆発が起きた中国天津市で、犠牲となった消防士を弔う中国の李克強首相=8月16日(新華社=共同)
大規模爆発が起きた中国天津市で、損害賠償などを求めて抗議する被害者ら=8月17日(ロイター)
http://www.iza.ne.jp/topics/world/world-7803-m.html