今年もSSが妨害を画策 海が真っ赤に染まる「グリンド」とは | 日本のお姉さん

今年もSSが妨害を画策 海が真っ赤に染まる「グリンド」とは

今年もSSが妨害を画策 海が真っ赤に染まる「グリンド」とは
2015.07.18

和歌山県太地町と同様に、デンマークの自治領フェロー諸島にもクジラ類を湾に追い込む漁法があり、毎年夏になるとシー・シェパード(SS)が妨害活動を行う。SSが標的にする追い込み漁「グリンド」とは。
《フェロー諸島》
フェロー諸島はノルウェーとアイスランド、英スコットランドの中間に位置し、人口は5万人足らず。1948年以降、デンマークの自治領となっている。同諸島の住民はバイキングの子孫といわれている。ちなみに追い込み漁は、このフェロー諸島と和歌山県太地町のほか、オセアニアのソロモン諸島でも行われている。〔AFP通信より〕
北大西洋上に位置するフェロー諸島
フェロー諸島の伝統的「追い込み漁」とは
1000年前に移住した古代スカンジナビア人が始めたとされる
フェロー諸島の捕鯨は1000年以上前にこの地に移住した古代スカンジナビア人が始めたもので、集落や地域で組織的に行うクジラ漁の歴史は少なくとも16世紀までさかのぼる。
シー・シェパード、フェロー諸島の鯨漁阻止へ出航〔2015年6月24日 AFP〕
体長3~6メートルのクジラを小型船の船隊で湾に追い込む
フェロー諸島で毎年行われるクジラ漁は地元では「グリンド(Grindadrap=グリンダドラップ)」と呼ばれ、体長3~6メートルのクジラ(ゴンドウクジラなど)を小型船の船隊で湾やフィヨルドに追い込む。
シー・シェパード、フェロー諸島の鯨漁阻止へ出航〔2015年6月24日 AFP〕

クジラは首を切断されるため、海面は血で赤く染まる
クジラが湾などに追い込まれると、人々がナイフを持って水に入り、その首を切り脊髄を切断する。2005年からフェロー諸島を研究する米サウス大学の地理学者のラッセル・フィールディング氏は、グリンドでは「たくさんの血が流れる。初めて漁を見たときはつらかった」と話す一方、実際にどのくらいの時間で死に至るかについてはいまだに議論があるが、この方法で、クジラは素早く死ぬことができると言う。
Faroe Island Whaling, a 1,000-Year Tradition, Comes Under Renewed Fire〔2014年9月 NATIONAL GEOGRAPHIC(英語)〕

漁は通常5月~10月、子供を含め村じゅうが参加
漁は通常、クジラやイルカが餌を求めてこの海域にやって来る5月から10月まで続く。子供も含め、村をあげて参加する。
北欧伝統の「クジラ追い込み漁」が始まった〔2015年6月26日 Newsweek日本版〕
獲れた肉と脂身は販売せず、地域住民に分配される
グリンドによって仕留められたクジラやイルカの肉と脂身は販売されることなく、地域住民に等しく分配される。
デンマークのフェロー諸島で伝統のクジラ漁、肉は住民に分配〔2012年6月6日 ロイター〕
28歳の住民「我々の生き方を守るのは大切なこと」
グリンドに参加する28歳の若者は2014年、「ナショナルジオグラフィック」の取材に対し、「我々の生き方を守るのは大切なことだ」と答えている。多くの地元住民は、このクジラ漁は食べ物の重要な供給源であり、プライドの源泉でもあると反捕鯨活動家らに対し反発している。
北欧伝統の「クジラ追い込み漁」が始まった〔2015年6月26日 Newsweek日本版〕
フェロー諸島のクジラ漁を紹介する映像
《「脊髄切断」は太地町も採用》
和歌山県によると、太地町のイルカ追い込み漁は、以前は銛を用いて捕獲していたが、2008年12月以降はイルカが苦痛を感じる時間を短くするために、フェロー諸島と同様に脊髄を切断して屠殺している。これにより、屠殺時間は以前の30分の1(10秒前後)に短縮されたという。
イルカ漁等に対する和歌山県の見解(項目追記)〔和歌山県〕
SSの妨害船、今年もフェロー諸島へ(6月24日)
SS「批准国のデンマークが、フェロー諸島の野蛮な漁を認めている」
シー・シェパード(SS)は6月24日、ドイツからフェロー諸島に船を派遣したと発表。声明では、妨害船を使ってゴンドウクジラの追い込み漁を阻止すると述べ、「デンマークはクジラ類の虐殺を法的に禁止しているベルン条約を批准しているにもかかわらず、フェロー諸島が野蛮なクジラ漁を続けることを認めている」と主張。
シー・シェパード、フェロー諸島の鯨漁阻止へ出航〔2015年6月24日 AFP〕
同諸島の伝統的クジラ追い込み漁を毎年妨害。2014年は14人が逮捕
SSはこれまでも毎年、フェロー諸島で伝統の追い込み漁が始まる6月ごろに活動家を派遣。2014年は約500人が活動に参加し、イルカ捕獲の邪魔をするなどの違法行為で14人が逮捕されている。
SS、北欧で妨害活動を活発化 デンマークに漁妨害船3隻 ノルウェー輸送船も妨害
【2014年の妨害活動には著名人らも参加】
フェロー諸島の鯨漁を断固阻止へ、世界の著名人が集結〔2014年8月4日 AFP〕
《シー・シェパード(SS)》
過激な活動で知られる反捕鯨団体で、捕鯨やイルカ漁に対して過激妨害を行う。1977年に設立され、2000年代に入り、日本の捕鯨やイルカ漁を標的にして、テレビ番組に取り上げられることで急成長を果たした。創始者のポール・ワトソン容疑者は日本とコスタリカの要請により国際手配されている。
SS、2015年は過去最多数の妨害船を派遣
フェロー諸島の漁を妨害するため、船3隻を派遣
SSは2015年、オランダ船籍の妨害船など2隻を周辺海域に派遣し、今後、もう1隻派遣する予定。島内にも数十人の活動家が滞在しているとみられ、警察当局とのにらみ合いが続いている。
SS、北欧で妨害活動を活発化 デンマークに漁妨害船3隻 ノルウェー輸送船も妨害
「何人かは拘束されるだろうが恐れない」と自治政府の罰則強化にも屈さない構え
フェロー諸島自治政府は追い込み漁(グリンド)に関する法律で悪質な妨害に対する罰則を強化。罰金2万5千デンマーククローネ(約45万円)や最高で2年の禁錮刑を科すが、現地のSSメンバーは米誌に「何人かは拘束されるだろうが恐れない」と話し、対決姿勢を強めている。
SS、北欧で妨害活動を活発化 デンマークに漁妨害船3隻 ノルウェー輸送船も妨害
背景に、北欧での反捕鯨「強化」宣言
SSは2015年春、北欧での反捕鯨キャンペーン強化を宣言した。創設者で国際指名手配されているポール・ワトソン容疑者が14年夏からフランスに滞在しており、欧州で組織固めを進めていることが背景にある。
SS、北欧で妨害活動を活発化 デンマークに漁妨害船3隻 ノルウェー輸送船も妨害
9月から太地町にも? 日本の警察や海保が警戒
SSは9月からイルカの追い込み漁を行う和歌山県太地町にも、活動家を派遣するとみられる。日本の警察や海上保安庁は、北欧における関係国の対策などについて情報を集めている。
SS、北欧で妨害活動を活発化 デンマークに漁妨害船3隻 ノルウェー輸送船も妨害
http://www.iza.ne.jp/topics/world/world-7503-m.html

“隠れ捕鯨大国”韓国の仰天実態 「混獲」で日本の4倍超…SSなぜ矛先向けぬ?
12Next

2015.7.6 21:20
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 国際反捕鯨団体シー・シェパード(SS)による日本の調査捕鯨妨害が問題化して久しいが、SSがほとんどヤリ玉に挙げていない“捕鯨大国”がある。お隣の韓国だ。何と、日本の調査捕鯨による捕獲頭数の4倍以上のクジラが“漁獲”されているという。同国メディアの衝撃報道とは-。

 「網にたまたまクジラが入ってきてしまった、という論理だが、とても『たまたま』で納得できる数じゃないよねぇ…」

 韓国事情に詳しいジャーナリストの室谷克実氏は、こうあきれる。

 室谷氏の解説は後述するとして、衝撃のデータは、ハンギョレ(日本語電子版)が6月29日に報じた。他の魚類を捕るための網にかかって死んだクジラを獲ることを「混獲(こんかく)」と呼ぶ。同紙によると、韓国の混獲は2014年は1849頭、13年は1997頭、12年は2751頭に及ぶというのだ。ちなみに、日本の年間混獲頭数(13年、水産庁集計)はわずか116頭。調査捕鯨にしても、年475頭(13年度、同)だ。

 高知県の定置網漁関係者は「誤って網にかかったクジラは、まず逃すことを試み、それがかなわず死んでしまった場合にのみ引き揚げる。こうしたケースは、県内で年に数回から十数回程度しか起こり得ない」と話す。
前出のハンギョレは「【現地ルポ】混獲を口実に続けられる捕鯨」との見出しが掲げられ、釜山に近い韓国南東部・蔚山(ウルサン)が、混獲で“復興”をとげた様子がリポートされている。

 かつて捕鯨基地として栄えた蔚山市の長生浦港は一時、「3、4店の鯨肉屋だけが、捕鯨の村の命脈をかろうじて保つ」状態に陥ったが、現在は「専門店が20店を超え、他のメニューと一緒に鯨肉を売る食堂まで含めば70店」というほどの活況を呈しているという。

 記事は、混獲が実際は不法捕獲である可能性も示唆し、「網にかかったクジラを死ぬまで放っておいてから申告すれば大金を得ることができる現実がある」との専門家の談話を紹介している。

 前出の室谷氏は「韓国での混獲は『捕鯨』とみて間違いないのではないか。韓国では、日本の調査捕鯨を非難するデモも起きているが、自国の公然たる『捕鯨』には目をつぶっている。実に、かの国らしい話だ」と解説する。

 それにしても、韓国の混獲にSSが矛先を向けないのはなぜなのか。

 「SSは相手を見ているという説がある。日本の漁船に妨害をしても、せいぜい放水を受ける程度だが、韓国は武力で反撃してこないという保証はない」(室谷氏)

 韓国も韓国なら、SSもSSだ。
http://www.iza.ne.jp/kiji/world/news/150706/wor15070621200032-n1.html