☆【日台関係】対中戦略から見た李登輝氏訪日の重要性
黄文雄の歴史から読み解くアジアの未来
2015年7月24日号(第47号)
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☆【日台関係】対中戦略から見た李登輝氏訪日の重要性
◎李登輝元総統 安保法案を評価 国会内で講演
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150722-00000083-mai-pol
李登輝元総統が来日中です。
来日翌日の22日、さっそく国会内で講演し、各国メディアの注目を浴びています。
講演のテーマは「台湾のパラダイムの変遷」で、90歳を超えた今なお李登輝節は健在です。
この講演は岸信夫衆院議員らの招聘で行われ、下村文部科学省など国会議員約300人が出席しました。
https://www.youtube.com/watch?v=W-JF9mS-HDo&feature=youtu.be
講演内容もさることながら、講演後の非公開の質疑応答についても日本では詳しく報道されています。
特に安保法案成立について、日本では未だに賛否両論が対立しているなか、「日本が主体的に安全保障に意識を持つことがアジア全体の平和につながる」と李登輝氏は支持を表明しました。
もちろん安保法案に賛成を表明しているのは李登輝氏だけではありません。
アメリカはもちろん、ASEAN諸国もインドやオーストラリア、インドも賛成しています。
反対しているのは中国と韓国だけです。
私も、7月17日に台湾のメディアから安保法案の衆院通過について、インタビューを受けましたので、アジアのみならず、世界の平和と安定について計り知れない貢献となると話しました。
圧倒的多数の台湾民衆が、この安保法案を支持しています。
日本の国会でのつまらない討論とは異なり、台湾、フィリピン、ベトナムなどの東南アジア、南アジアの人々は、いちいち説明しなくても、その意義はすぐにわかります。
国内では、反対意見や反対デモのほうを大きく報道されているところに、日本のマスコミや世論を牛耳っている反日日本人の影を強く感じます。
さらにそれに媚中派が加わって、安倍下しのムードをつくろうというのが伝わってきます。
そんななか、安倍政権は本当に健闘していると思います。
台湾も総統選挙を来年1月に控えて馬英九の影響力もかなりダウンしているため、李登輝氏の発言はより重みを持って注目されることでしょう。
それにしても、2001年に引退してから早14年が過ぎ、90歳を超えた今なおこれほど発言力のあることの偉大さを改めて感じます。
新聞などでは報じられていませんが、李登輝元総統の衆議院での講演は、約300人の衆参議員のみならず、日台関係者も多く集まっていました。
本来は200人しか入れない会場に400人以上が集まり、立錐の余地もありませんでした。
質疑応答の中で、李登輝元総統は、あと5年、台湾のために尽くしたいと打ち明けました。
92歳の高齢とは思えない元気な姿でした。
あと5年といえば東京オリンピックの年ですが、この不屈の闘魂と力強い姿をまだまだ我々に見せてくれることでしょう。
これこそ率先垂範ではないでしょうか。
台湾社会は近年、馬英九総統の媚中政策への反発やひまわり学生運動などを経て成熟しつつあります。
そのあり方は、やはり日本社会と似ている面が多々あると思います。
台湾では馬英九の影響力が落ちてきているため、媚中のために日本の関東近県5県の食品をシャットアウトしていた台湾も、福島県以外の食品の禁輸措置は解除する方向で話が進んでいます。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150722-00000553-san-cn
このように、これからは中国のいいなりにならず、台湾は台湾独自の決断をするのです。
それこそが、台湾社会がより成熟し豊かになるために不可欠な条件です。
李登輝氏も常々そう語ってきました。そうして形成されつつある台湾社会は、必然的に日本社会と酷似することになるのです。
例えば、台湾における衛生意識は、常に日本がお手本です。
台北からちょっと田舎に行くと民宿がたくさんありますが、それらの民宿は小さいながらもじつに清潔でおもてなし精神にあふれています。
外国を知らない日本人が訪れても、何の違和感もないだろうと思えるほどです。
今回の訪日で、李登輝氏は安倍総理とも会談しました。
現職の総理が台湾の元総理と会談することは異例ですが、これまでの歴代政権が中国の顔色を伺って会談しなかったことのほうが異例なのであって、ようやく正常な状態になったと言っていいでしょう。
中国に対しても、事実上、「もう中国に遠慮はしない」と宣言したのに近い効果があると思います。
http://www.tv-tokyo.co.jp/mv/mplus/news/post_94197
日本と台湾の政界の交流がさらに進むこと、そして、親台派が日本のマスコミを操っている反日日本人たちを追い出し、中立的な立場で日本の世論を導く道が開けることを願います。
21世紀の世界の対立軸は、20世紀のような東西冷戦や南北格差の問題などではなく、「13億の中郷の夢」と「70億の人類の夢」の衝突になると予想されます。
安保法案についても、反日勢力と13億の夢が同床異夢ならぬ「異床同夢」のファンタジーが見られます。
7月23日には、中国軍は台湾総督府制圧を想定したかのような市街戦の演習を行いました。
南シナ海、東シナ海での横暴ぶりといい、これが中国の「13億の夢」の現実なのです。台湾国防部の報道官は、「台湾住民や国際社会が受け入れられることではない」と批判しましたが、「70億の人類の夢」とは相容れないことは明らかです。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150723-00000081-jij-cn
李登輝氏は同日、外国特派員教会で記者会見し、「中国がますます領土拡張の野望をむき出しにしている」として、改めて日本の集団的自衛権行使について、「当たり前のこと」と主張しました。
http://www.sankei.com/world/news/150723/wor1507230042-n1.html
いずれにせよ、13億の夢も、反日平和の夢も、はかない夢となることでしょう。
21世紀に入ってから、東欧もEUも、イスラムもBRICSも大きく変わりました。
唯一、変わらないのは反日勢力のみです。
ことに政争のみに夢中になるので、外の変化を見る目が曇っています。
そんな彼らに扇動されるようでは、情けない限りです。
日本人はもっと世の中の移り変わりに目を向けなければいけません。
戦後70年の安倍談話について、中国、韓国は「謝罪」を入れるよう要求しています。
中国の北京週報などは、村山元首相のインタビューを掲載して、暗に「謝罪」を強要しています。
村山氏が「日本は謝罪すべき」と言うことはわかりきっていることですから、それを利用したわけです。
http://japanese.beijingreview.com.cn/yzds/txt/2015-07/22/content_697070.htm
もちろん、日本国内でも「謝罪を入れろ」という要求は少なくありません。
先日も、日本の学者たちが281人が安倍談話に謝罪を盛り込むべきだという声明を出しました。
http://japanese.joins.com/article/531/201531.html
しかし、日本人がもっと考えなくてはならないのは、村山談話や河野談話の歴史観がこれからも日本の指導原理として続くことがいいのかどうかということです。
すでに河野談話の虚構性については、国会でも指摘されています。
70年談話を出すのはやめるべきだという声も少くありません。
そうすれば、80年談話や100年談話を出す必要もなくなるからです。
そのたびごとに、反省や謝罪を云々することもなくなるでしょう。
21世紀の世界にどう対応すべきかが重要ですが、これからの新しいパラダイムへの洞察がなければ、対応できません。
過去にこだわらないのが日本の伝統です。大化の改新も明治維新もその「パラダイム変更」の歴史的好例です。
つねに前向きなのが、むしろ日本の伝統精神なのです。
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戦後70年、中国・韓国の歴史戦に対する日本の反撃は?
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◎李登輝元総統 安保法案を評価 国会内で講演
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150722-00000083-mai-pol
李登輝元総統が来日中です。
来日翌日の22日、さっそく国会内で講演し、各国メディアの注目を浴びています。
講演のテーマは「台湾のパラダイムの変遷」で、90歳を超えた今なお李登輝節は健在です。
この講演は岸信夫衆院議員らの招聘で行われ、下村文部科学省など国会議員約300人が出席しました。
https://www.youtube.com/watch?v=W-JF9mS-HDo&feature=youtu.be
講演内容もさることながら、講演後の非公開の質疑応答についても日本では詳しく報道されています。
特に安保法案成立について、日本では未だに賛否両論が対立しているなか、「日本が主体的に安全保障に意識を持つことがアジア全体の平和につながる」と李登輝氏は支持を表明しました。
もちろん安保法案に賛成を表明しているのは李登輝氏だけではありません。
アメリカはもちろん、ASEAN諸国もインドやオーストラリア、インドも賛成しています。
反対しているのは中国と韓国だけです。
私も、7月17日に台湾のメディアから安保法案の衆院通過について、インタビューを受けましたので、アジアのみならず、世界の平和と安定について計り知れない貢献となると話しました。
圧倒的多数の台湾民衆が、この安保法案を支持しています。
日本の国会でのつまらない討論とは異なり、台湾、フィリピン、ベトナムなどの東南アジア、南アジアの人々は、いちいち説明しなくても、その意義はすぐにわかります。
国内では、反対意見や反対デモのほうを大きく報道されているところに、日本のマスコミや世論を牛耳っている反日日本人の影を強く感じます。
さらにそれに媚中派が加わって、安倍下しのムードをつくろうというのが伝わってきます。
そんななか、安倍政権は本当に健闘していると思います。
台湾も総統選挙を来年1月に控えて馬英九の影響力もかなりダウンしているため、李登輝氏の発言はより重みを持って注目されることでしょう。
それにしても、2001年に引退してから早14年が過ぎ、90歳を超えた今なおこれほど発言力のあることの偉大さを改めて感じます。
新聞などでは報じられていませんが、李登輝元総統の衆議院での講演は、約300人の衆参議員のみならず、日台関係者も多く集まっていました。
本来は200人しか入れない会場に400人以上が集まり、立錐の余地もありませんでした。
質疑応答の中で、李登輝元総統は、あと5年、台湾のために尽くしたいと打ち明けました。
92歳の高齢とは思えない元気な姿でした。
あと5年といえば東京オリンピックの年ですが、この不屈の闘魂と力強い姿をまだまだ我々に見せてくれることでしょう。
これこそ率先垂範ではないでしょうか。
台湾社会は近年、馬英九総統の媚中政策への反発やひまわり学生運動などを経て成熟しつつあります。
そのあり方は、やはり日本社会と似ている面が多々あると思います。
台湾では馬英九の影響力が落ちてきているため、媚中のために日本の関東近県5県の食品をシャットアウトしていた台湾も、福島県以外の食品の禁輸措置は解除する方向で話が進んでいます。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150722-00000553-san-cn
このように、これからは中国のいいなりにならず、台湾は台湾独自の決断をするのです。
それこそが、台湾社会がより成熟し豊かになるために不可欠な条件です。
李登輝氏も常々そう語ってきました。そうして形成されつつある台湾社会は、必然的に日本社会と酷似することになるのです。
例えば、台湾における衛生意識は、常に日本がお手本です。
台北からちょっと田舎に行くと民宿がたくさんありますが、それらの民宿は小さいながらもじつに清潔でおもてなし精神にあふれています。
外国を知らない日本人が訪れても、何の違和感もないだろうと思えるほどです。
今回の訪日で、李登輝氏は安倍総理とも会談しました。
現職の総理が台湾の元総理と会談することは異例ですが、これまでの歴代政権が中国の顔色を伺って会談しなかったことのほうが異例なのであって、ようやく正常な状態になったと言っていいでしょう。
中国に対しても、事実上、「もう中国に遠慮はしない」と宣言したのに近い効果があると思います。
http://www.tv-tokyo.co.jp/mv/mplus/news/post_94197
日本と台湾の政界の交流がさらに進むこと、そして、親台派が日本のマスコミを操っている反日日本人たちを追い出し、中立的な立場で日本の世論を導く道が開けることを願います。
21世紀の世界の対立軸は、20世紀のような東西冷戦や南北格差の問題などではなく、「13億の中郷の夢」と「70億の人類の夢」の衝突になると予想されます。
安保法案についても、反日勢力と13億の夢が同床異夢ならぬ「異床同夢」のファンタジーが見られます。
7月23日には、中国軍は台湾総督府制圧を想定したかのような市街戦の演習を行いました。
南シナ海、東シナ海での横暴ぶりといい、これが中国の「13億の夢」の現実なのです。台湾国防部の報道官は、「台湾住民や国際社会が受け入れられることではない」と批判しましたが、「70億の人類の夢」とは相容れないことは明らかです。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150723-00000081-jij-cn
李登輝氏は同日、外国特派員教会で記者会見し、「中国がますます領土拡張の野望をむき出しにしている」として、改めて日本の集団的自衛権行使について、「当たり前のこと」と主張しました。
http://www.sankei.com/world/news/150723/wor1507230042-n1.html
いずれにせよ、13億の夢も、反日平和の夢も、はかない夢となることでしょう。
21世紀に入ってから、東欧もEUも、イスラムもBRICSも大きく変わりました。
唯一、変わらないのは反日勢力のみです。
ことに政争のみに夢中になるので、外の変化を見る目が曇っています。
そんな彼らに扇動されるようでは、情けない限りです。
日本人はもっと世の中の移り変わりに目を向けなければいけません。
戦後70年の安倍談話について、中国、韓国は「謝罪」を入れるよう要求しています。
中国の北京週報などは、村山元首相のインタビューを掲載して、暗に「謝罪」を強要しています。
村山氏が「日本は謝罪すべき」と言うことはわかりきっていることですから、それを利用したわけです。
http://japanese.beijingreview.com.cn/yzds/txt/2015-07/22/content_697070.htm
もちろん、日本国内でも「謝罪を入れろ」という要求は少なくありません。
先日も、日本の学者たちが281人が安倍談話に謝罪を盛り込むべきだという声明を出しました。
http://japanese.joins.com/article/531/201531.html
しかし、日本人がもっと考えなくてはならないのは、村山談話や河野談話の歴史観がこれからも日本の指導原理として続くことがいいのかどうかということです。
すでに河野談話の虚構性については、国会でも指摘されています。
70年談話を出すのはやめるべきだという声も少くありません。
そうすれば、80年談話や100年談話を出す必要もなくなるからです。
そのたびごとに、反省や謝罪を云々することもなくなるでしょう。
21世紀の世界にどう対応すべきかが重要ですが、これからの新しいパラダイムへの洞察がなければ、対応できません。
過去にこだわらないのが日本の伝統です。大化の改新も明治維新もその「パラダイム変更」の歴史的好例です。
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