東シナ海の日中中間線に中国は18基の海洋リグ-これは軍事施設である | 日本のお姉さん

東シナ海の日中中間線に中国は18基の海洋リグ-これは軍事施設である

「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成27年(2015)7月24日(金曜日)弐
通算第4614号
東シナ海の日中中間線に中国は18基の海洋リグ
日本はなぜ立ちすくむのか、これは軍事施設である
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中国が勝手に東シナ海の日中中間線に海洋リグを建ててガスを採掘しているが、まるで他人事のように日本政府はかたちだけの抗議をし、話し合いを呼びかけてきた。中国はストロー方式で海底では日本領海からの資源を盗掘している可能性がある。
「新しく12基が建設されて降り、合計18基となっていた」といまごろになって日本政府は公表し、中国に正式に抗議したが、中国は「問題を起こすな。対立を煽るのは日本側に責任がある」云々といつものように何の根拠もない、論理的には成り立たない論法で反撃した。
泥棒が逃げるときに「泥棒っ-」と叫んで恰も泥棒を追いかける格好で逃げ切る。これぞ中国特有のお家芸だ。
さて日本は中間線に海洋リグを建設しなければならないのだが、なぜおびえているのか、誰におびえているのか。邪魔をしているのは日本の官庁である。尖閣に日本人が上陸しようとすると、これを妨害するのも日本の官僚、つまり背後にあるのは外務省と関連官庁である。
▲カナダか仏蘭西か、海洋リグ専門企業を買収し、開発を敢行せよ
解決法がひとつある。海洋リグ、掘削技術に優れているのはカナダ、ついで英国など北欧企業だ。中国はカナダの関連会社を2社買収し、その技術を用いて、南シナ海で海洋リグを建設し、掘削作業をしている。現場にはカナダ人技術者も混じっている。
日本の民間企業は、開発作業をしても、軍事的な安全を得られないとしてどこも名乗りでない。国策のエネルギー会社も何かにおびえ、開発計画をつくっても誰も乗り出そうとは言わない。
小誌は2014年5月24日号で下記のように指摘している。
(引用開始)「カナダへの投資は中国が堂々の第一位で全体の28%、第二位が米国で19%、日本の丸紅なども投資しているが、まるで目立たない。2008年10月、シノペックはカナダ企業「タンガニカ石油」を20億ドルで買収し、完全子会社とした。
2009年8月、 ペトロチャイナは「アシアナバスカサンズ」社と組んでアルバータ石油を19億ドルで買収を試みた。
2009年6月、シノペックはアダックスペトロ社を82億ドルで買収し、100%子会社とした。
2011年10月、シノペックはディライト資源を23億ドルで買収し、100%子会社とした。
2012年7月、中国海洋石油はネクセンを153億ドルで買収した。これは過去最大級の買収である。ネクソンはカルガリーに本拠を置く石油とガス会社で、買収額のほかに同社の借財28億ドルも立て替えた。
このほか、巨大案件は枚挙にいとまがないほどで、そのあまりに迅速且つ強引で巨額を投じる動きにカナダは国家安全保障にからめて買収を拒否する動きも議会に見せたが、保守党政権は、そうして外国資本排斥には動かない。
カナダ政府に代わって反対に動いた伏兵は、カナダ・インディアンという先住民族である。反対理由は「自然環境保護」である。かれらがエコロジストらと組んで環境保護運動を展開し、中国の破壊的開発に反対している。日本の水資源、森林資源そして自衛隊ならびに米軍基地の周辺をなぞの中国資本が買い占めているが、カナダ人の安全保障感覚からすれば、中国は遠い、という距離感から来る安心感なのだろうか」
(引用止め)
それならば日本はカナダあたりの技術会社を買収するか、大株主となって出資し、合同で開発プロジェクトを組めばよいでなないか。
中国が建設した海洋リグはガス掘削というより明らかな軍事施設であり、ヘリポートも目立つが、レーダー基地としてもつかえ、また潜水艦探知も可能になる。
沖縄に発着する戦闘機はすべて精密に補足されるし、近海に遊弋する潜水艦も無力化する。
東シナ海の海洋リグは資源掘削というより、間違いなく軍事施設。日本にとって、たいへんな軍事的脅威なのである。
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樋泉克夫のコラム
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知道中国(1272回)
――「市店雜踏、穢臭衝鼻、覺頭痛??」(岡13)
岡千仞『觀光紀游』(岡千仞 明治二十五年)
――(ある友人が説く)我が国は欧米に学ぶのではない。聖人の道には自ずから富強への方策が説かれているのだ。貴国(にほん)は此(おうどう)ではなく、彼(はどう)を求めた。その姿は、まるで高い木から降りて深山幽谷に分け入っていくようなもの、と。嗚呼、彼の考えはブザマであることか。すでに陸上では輪車(くるま)が疾駆し、海上では輪船(じょうきせん)が航海している。電線は網の目のように張り巡らされ、聲息(じょうほう)が行き交っている。宇内(せかい)の激変はここまできているのだ。だが彼らは、相も変わらず「六經を墨守し、富強の何事を爲すかを知らず、一旦法虜(フランスのほりょ)の滋擾(そうらん)あれば、茫然として手を措(ほどこ)す所を知らず。皆(ことごと)く、此の論、誤る所為り」(8月11日)――
原文の「下喬木。而入幽谷者」を「高い木から降りて深山幽谷に分け入っていくようなもの」と訳してみた。全体を捉える道を自ら捨てて枝葉末節に奔ってしまい己を見失う、と受け取れるのだが、ならば「下喬木。而入幽谷者」は日本ではなく、聖人の道に雁字搦めになって身動きが取れず、目の前で次々に起きている問題に立ち向かおうとしない「中土」にあるはず。いくら宏大とはいえ「中土」は「宇内」の一部にすぎないわけで、その「宇内」が直面している激変に素直に目を向けるべきだ。そうすることが富強への第一歩というものだろう。だが、こんな岡の説得を聞き入れることはなかった。なにせ彼ら「中土」の人は「六經を墨守」することしか知らないのだから。
――友人が持参した上海の新聞が、15日にフランス海軍の5隻の軍艦が台湾を攻撃し、?籠(現在の基隆)の砲台を陥落させた。上海に派遣されたフランス使節は、その事実と共に「和戦は唯に貴國の爲す所たり」と伝えたと報じている。私は識者に逢う毎にフランスの事を説いたが、多くは思い過ごしだと笑い飛ばす。だが考えてみれば台湾は東洋における地政学上の要衝の地だ。ここが一旦フランスの手に落ちたなら、東洋の混乱が始まってしまうのだ(8月13日)――
13日、在上海日本政府公館が発した「中国内陸部に在住する日本人に対し混乱を避けるべく直ちに上海に退避すべし」との命令を受け、岡は「余、獨(ひとり)、此の地に優游(あそ)ぶ可からず」と納得し、上海に戻る。
――(上海の新聞が)「中土」は大砲を鋳造し、最新船舶を購入し、招商・機器の2部局を創設すべく莫大な資金を投ずることとなった。だが?籠における戦闘ではフランス軍の砲声が聞こえるや、守備兵は驚き腰を抜かし一斉に蜘蛛の子を散らすように逃亡してしまった。これでは莫大な資金と多大な人力を投じたところで、大砲を鋳造せず、一兵も訓練しないと同じではないか。我が土地は侵され、我が堡塁は抜かれ、我が国富の源は奪われ、我が赤子(じんみん)は辱められるままだ、と報じている。
イギリス人は「彈丸黒子(ちっぽけ)」な香港を略取したことで、東洋貿易が生み出す莫大な富をゴッソリと奪ってしまった。香港に較べ台湾は大きな島であり、フランスが手中に納めたら、日・中の上に立って双方を扼し、この地域における覇権を握ってしまう。「此れ、東洋局面の一變たるもの」だ(8月14日)――
――(訪れて来た友人との話が)フランスの事に及ぶ。すると財政破綻にも拘わらず大激動に対処する方法を知らないと、彼は憤激するばかり。やはり「中土の人、?文(なかみのないぶんしょう)を構(もてあそ)び、大言(おおぼら)を好む。堅忍(だんこたるこころざし)の人、一(ひとたり)も無し」(8月16日)――
続けて岡は「一洋人の言」を挙げながら、「中人の病」を指摘した。
《QED》
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読者の声 どくしゃのこえ READERS‘ OPINIONS 読者之声
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(読者の声1)けさ(7月24日)の産経一面トップ、安倍首相、李登輝さんと会談。これは快挙、北京は頭に血が上ったでしょうね。
ひさしぶりに快哉を叫びたくなりました。
(UH生、茨城)
(宮崎正弘のコメント)安倍首相は何回か台湾を訪問しており、李登輝閣下とは旧知の間柄ですから、会談するだろうとは予測しておりましたが、さて。次はダライラマ猊下との面談です。その次? 蔡英文さんでしょうか。
さて李登輝閣下は国会議員会館で講演しました。超党派の現職国会議員が210名余あつまり、講演がおわるや全員が立ち上がって、大拍手を送りました。
また小生は今回出席できなかったのですが、歓迎晩餐会には200名があつまり、盛大だった由です。
(読者の声2)数年前でしたか、宮崎さんが『朝日新聞のなくなる日』(ワック)を上梓され、その題名に引かれて購入し、拝読したのですが、朝日批判というより、これは新聞、テレビというメディア革命に関して書かれている内容で、現在のメディアの苦境を預言していたと思います。
河内孝さんの『破綻したビジネスモデル 新聞社』(新潮新書)と並ぶ名著と思いました。
朝日新聞はメディア革命に乗り遅れ、ネット世論を無視し、部数を大幅に落としました。今後も凋落に拍車がかかる一方で、日経がFTを買収するというニュース、やはりメディア各目の先頭を走っているのは日本経済新聞ですかね。
(HI生、さいたま市)
(宮崎正弘のコメント)日本経済新聞がFT(英国ファイナンシャルタイムズ)を買収するというのは驚天動地の出来事。安倍首相が李登輝総統と面談するのは『想定内』の出来事ですが、このニュースはまさしく『想定外』です。
世界で良質なメディアとされるのはFT,WSJ(ウォールストリートジャーナル)、日経、そして「香港の日経」といわれる『明報』や台湾の『自由時報』など。中立的客観的でないとして読者に飽きられ、嘗て百万部を誇った『連合法』も「中国時報」も落日、後者はともに中国系に買収され、北京のプロパガンダ紙に堕落しました。
落ち目の朝日新聞はそのうち毎日新聞と合併するとか(?)。凋落の二社が合併するのも、左翼の退潮を示唆するのでは?
NYT(ニューヨークタイムズ)はメキシコの実業家の出資を仰ぎ、ワシントンポストはアマゾン創業者のジェフ・ペゾスが買収しました。名門ロイターはトムソンが買収しました。しかしいずれのときも、WSJを買収したニュースコープやサウスチャイナモーニングポストをやはり一時的にニュースコープのマードックが買収した(すぐ売却)。あの時に集中したような批判が少なかった。
今度のFT買収でも英国の日本批判は殆どありません。時代の変化をメディア業界の人々が認識しているということでしょう。
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宮崎正弘『アジアインフラ投資銀行の凄惨な末路』(PHP研究所、999円)
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――AIIBはうまく行くはずがない
――共産党が運転する?「このバスには乗らない方が良い」
――中国の在庫一掃処分のはけ口に利用される懼れ大
――英国はじめ独仏が加盟申請したのは打算と思惑がある
――ロシアは本気で参加しているのではない。中国の風下に立つだろうか?
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――日米カナダの不参加は見識である
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宮崎正弘 v 川口マーン惠美『なぜ中国人とドイツ人は馬が合うのか?』(ワック)
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