また韓国にやられた、世界遺産登録問題 | 日本のお姉さん

また韓国にやられた、世界遺産登録問題

また韓国にやられた、世界遺産登録問題
ロシア政治経済ジャーナル No.1230
2015/7/9
めでたい世界文化遺産登録。
韓国は、「日本政府が強制労働の存在を認めた!」と大宣伝しています。
詳細は、【本文】で!↓
★また韓国にやられた、世界遺産登録問題
全世界のRPE読者の皆さま、こんにちは!
北野です。
皆さまご存知のように、日本の「世界文化遺産」が増えました。
(=「明治日本の産業革命遺産」(福岡県など8県計23施設))
もちろん「うれしいこと」ですが・・・。
しかし、これも皆さんご存知のように、「喜び」を軽く凌駕する「嫌な」事実が出てきています。
夕刊フジ7月7日
<日本政府が推薦した「明治日本の産業革命遺産」(福岡県など8県計23施設)は5日、世界文化遺産への登録が決まったが、韓国への不信感が募る結果となった。6月の日韓外相会談で日韓両国の推薦遺産登録に合意しておきながら、土壇場になって「強制労働」という表現をゴリ押してきたのだ。日本人の反韓感情はさらに高まりそうだ。>
もう少し詳しく見てみましょう
<「遺産群の果たした世界的な役割が広く世界に知られる契機になることを期待する」
岸田文雄外相は5日夜、外務省内で記者団にこう語ったが、とても手放しで喜べるような話ではない。
韓国が推薦した「百済の歴史地区」については、4日の世界遺産委員会の審査で、日本も全面支持して登録が決まった。
だが、韓国は「明治日本の産業革命遺産」への意見陳述で、徴用工の歴史に言及する際、「強制労働」という表現を使おうとした。
このため、日本が反発したのだ。>(同上)
ええ?
韓国の人たちは、「強制労働させられていたでのすか?????」
事実はこちら。
<戦時下での労働力不足を補う「徴用」は、米国や英国でも行われており、当然、給与も支払われていた。
「強制労働」という事実は確認されていない。
ところが、韓国側は「軍艦島」の通称で知られる端島炭坑(長崎市)を、ナチス・ドイツによるアウシュビッツ強制収容所と比較して、他国にアピールした。>(同上)
軍艦島の炭鉱労働者の状況は、「アウシュビッツ強制収容所並だ!」と韓国は主張したのですね。
<日本は最終的に5日の委員会発言で、徴用工について「forced to work(働かされた)」という表現を使用した。
譲歩だった。
岸田氏は「『強制労働』を意味するものでない」と説明し、財産請求権の問題は完全に解決済みとする従来の日本政府の立場に変わりがないと強調。
外務省筋も、委員会での日本側の発言を裁判で使わないという確約を韓国政府に何度も確認したというが、とても信用できない。>
嗚呼、また韓国にしてやられました・・・。
これから韓国はどう動くのでしょうか?
「日本は、強制労働を認めた!!!」と全世界でプロパガンダします。
すると日本は、「認めてない!」と反論します。
韓国は、「日本政府は一度認めたことを覆す、信用できない国だ!!!」と大騒ぎします。
結果、「日本は、河野談話で慰安婦の強制連行を認めたのに、後で否定する信用できない国」
「右翼」「軍国主義の国」というレッテルをはられることになるのです。
なんというか、日本はあまりにも「ナイーブ」すぎますね。
何回同じ手にひっかかれば学習するのでしょうか?
「確約」をとったといっていますが、「口頭」ではなく「書面」でやるべきでした。
(とはいえ、こういう「ナイーブ」さは日本人の国民性でしょう。私も例外ではありません。)
▼中韓は「戦略どおり」動いている
もう1000回ぐらい書きましたが、全日本国民に伝わるまで書きつづけようと思います。
12年9月に、日本政府が、尖閣を国有化した。
12年11月、中国代表団はモスクワで、「対日戦略の全貌」を語りました。
詳細はこちら。
http://jp.sputniknews.com/japanese.ruvr.ru/2012_11_15/94728921/
ポイントは、
・中国、ロシア、韓国で【反日統一共同戦線】をつくろう!
・日本に、北方4島、竹島、【沖縄】の領有権がないことを認めさせよう!
・【アメリカ】も「反日統一共同戦線」に入れよう!
私は、この戦略を知ったとき、「嗚呼、戦争はもうはじまっているのだ」と思いました。
そして、以後3年間、ずっとそういう意識で暮らしています。
というのは、戦争は「戦闘から」はじまるのではないのです。
「情報戦」からはじまるのです。
全世界に「私の国は正義です」「私の敵国は悪魔のような国です」と信じさせる。
中国は、1937年に日中戦争がはじまる前、もっといえば1933年に日本が国際連盟を脱退する前までに、
「情報戦」で日本を孤立させることに成功していました。
「田中メモリアル」いう「日本の世界征服計画書」(偽書)を全世界にばら撒き、信じさせることに成功していた。
日本は、「情報戦=戦争」と考えないので、弁明に終始していた。
その結果、1937年に日中戦争がはじまったとき、日本は、アメリカ、イギリス、ソ連から支援を受ける中国と戦うハメになった。
こんなもん勝てるはずありません。
▼危機を乗り切った安倍総理
で、2012年11月の「反日統一共同戦線」戦略は、その後どうなったの?
ロシアは、プーチンが日本との関係を改善したいので、「統一戦線」に加わっていません。
一方、韓国は、嬉々として中国の戦略に乗りました。
アメリカ、カナダ、オーストラリア等々で、相次いで「慰安婦像建立計画」が出てきた。
そして、アメリカでは、かなりの成功をおさめました。
13年12月26日、安倍総理がバイデン副大統領の警告を無視して靖国を参拝した。
すると、全世界で「安倍バッシング」「日本バッシング」が起こった。
特にアメリカの怒りはすさまじく、「安倍を懲罰しよう」などと、大新聞がオバマさんに要求する事態になっていた。
日本は、全世界で孤立し、大変危険的な状況にありました。
しかし、プーチンの「クリミア併合」で、安倍総理は救われます。
アメリカは、「対ロシア制裁」で日本の協力が必要だからです。
2015年3月、今度は「AIIB事件」が起こった
イギリス、ドイツ、フランス、オーストラリア、イスラエル、韓国などが続々とアメリカを捨て、中国主導「AIIB」への参加を決めた。
唯一日本だけは、「AIIB」に入らなかった。
そして、安倍総理の「希望の同盟演説」(4月29日)。
これで、日米関係は、「これまでにないほど強固」(オバマ筆)になったのです。
しかし・・・。
▼また中韓にのせられた日本政府
日米関係が良好になると、中韓は【作戦】を変えてきました。
ここ注意が必要です。
【戦略】は変わっていないのです。
「戦略」を達成するための【作戦】が変わった。
具体的にいうと、中韓が日本に接近しはじめた。
5月22~24日、二階さんが3000人を率いて訪中した。
すると習近平が現れ、「朋あり遠方より来る。また楽しからずや」といって微笑んだ。
これで、日本は喜びました。
善良で、戦いを好まない、「和」の民日本人は、「ようやく日中関係が改善する」と。
私は、とても悲しみました。
なぜか?
この時期、アメリカは、南シナ海埋め立て問題で、中国と激しく対立していた。
「米中戦争の可能性」を報じるメディアも出てきていた。
そんな時期に、「希望の同盟国」日本は何やっていたか?
3000人も中国に送り込んで、せっせと「関係改善」をしていた。
これ、オバマさんからみたらどう思いますか?
「安倍はやっぱり信用できないやつだ。
希望の同盟演説は、米中を戦わせ、日本だけ漁夫の利を得るための『詭弁だ』!」
となるでしょう?
もちろん、日本側にはそんな「狡猾さ」はありません。
ただ「中国と仲良くしたかっただけ」なのでしょう。
しかし、アメリカはそうとりません。
当たり前です。
3000人訪中団と習近平スマイルは、もちろん中国の戦略にやられたのです。
習近平は、「希望の同盟演説」で強固になった日米関係を、数分間のスピーチで破壊することに成功したのです。
今回の「世界登録遺産問題」も戦略どおりです。
日本政府は、韓国が歩み寄ってきたら、「何か裏があるのではないか?」と気がつくべきでした。
韓国はこれで、「韓国人女性20万人強制連行」につぐ、「反日プロパガンダネタ」を手に入れることに成功しました。
中国も韓国も、相変わらず「反日統一共同戦線」戦略でやっていることを決して忘れないようにしましょう。
▼では、どうする?
嗚呼、せっかくよくなってきた流れが、また反転しそうになっています。
私からの提案は以下です。
1、「反日統一共同戦線」の記事を全閣僚、議員、官僚に配り、「毎日読んでください」と指導する
2、アメリカに一貫したラブコールを送りつづける
3、「独裁的」といわれる手法は避けつつ、民主的手つづきをきっちりふんだうえで「安保関連法」を成立させる
4、(アメリカにハシゴを外されないよう)中国を挑発しない。しかし、アメリカが不信するほど接近しない
(3000人訪中団は、あきらかにやりすぎ。)
5、韓国政府とは、原則かかわらない。二国間協議は行わない。会うときは、「アメリカと一緒に」会う。
6、しかし、「強制労働」の真実については、遅くなる前に、バンバン真実を発信しつづける
こんな感じでしょうか。
「希望の同盟」演説の直後、メルマガで、「今は1930年代と同じで移り変わりが激しいので、要注意です」と書きました。
しかし、こんなにはやく風向きが変わるとは・・・・。
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北野 幸伯
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●面白かったら、拡散お願いいたします。>
★編集後記
世界遺産登録。
本来なら喜ぶべきなのでしょうが、どうも
そんな気分になれないですね。
RPEジャーナル
北野幸伯
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