反対できない「民主主義」はゴミと同じだ――私はそう思う
反対できない「民主主義」はゴミと同じだ――私はそう思う
中共という「狂気と無知」
━━━━━━━━━━━━
平井 修一
日本に亡命した風刺マンガ家・辣椒(ラージャオ、王立銘)氏の「香港の選挙改革とニセの民主主義」(ニューズウィーク6/22)から。
「普通選挙」実現をめぐる香港行政長官選挙の制度改革法案は6月18日、香港議会で実に劇的に否決された。中国共産党がコントロールする「建制派」は、法が定める投票者数に足りないことで流会に持ち込もうとしたが、思いがけず彼らは数学が苦手だったらしい。
33人が議場を離れたが一部に連絡を忘れ、議場に残った同派議員を加えることで流会は回避された。
共産党の陰謀は実現せず、その失敗ぶりは相当みっともなかった。
正常な国家では、1つの法案が通過しなければ失敗した方は内容を検討し直し、再び社会を説得する準備をするものだ。
だが共産党当局の態度はとても奇妙だった。
共産党系メディアはまさに怒り狂ったという形容がぴったりの様子で、みっともない言葉を使いながら反対派の「独断専行」を指弾した。
彼らを「永遠の罪人」とののしり、反対派が香港の民主主義の発展を阻害した全責任を負う、とまで非難した。
この手の文化大革命方式の激しい言葉の背後にあるロジックは荒唐無稽だ。
もともと共産党が言う民主主義とは賛成しかできず反対できない、そして中央政府に完全に服従する「民主主義」。反対派の議員は民主主義を阻害する敵にされてしまった。
私はここ数年、共産党系のネットメディアが行ってきたニセの世論調査のことを思い出した。
彼らは西側国家の世論調査のやり方を学びたいが、一方で自信もない。多くの調査が「反対」の選択肢を設置したが、結果は往々にして彼らの望むものにならないので、すぐに閉鎖を余儀なくされる。
そして、彼らの世論調査の選択肢はかなり笑えるものになった。選べるのは「非常に賛成」「とても賛成」「賛成」だけで、反対する権利が剥奪されたのだ。
http://www.newsweekjapan.jp/rebelpepper/2015/06/post-6.php
(↑)この漫画に描いた賛成しかできない3つの投票箱は、日本の駅で見かける分別ゴミ箱にそっくりだ。賛成しかできず、反対できない「民主主義」はゴミと同じだ――私はそう思う>(以上)
好きなことを言え、好きなことを書く。叩かれることも覚悟の上だし、逆に嫌な言論を叩く自由もある。
殴ったり殴られたりしながらの切磋琢磨で、全体として物事が良い方向へ行けばよし。
悪い方向へ行ったら再び三度ケンケンゴウゴウ、カンカンガクガク。
それでも決着がつかなければ選挙だ。万機公論に決すべし。
まことに自由民主主義は手間暇がかかるが、今のところはこれ以上のやり方がないのだから甘受するしかない。
独裁政治の対極にある「至高の政治システム」だ、今のところは。
渡辺由佳里氏(アメリカ在住コラムニスト、翻訳家)の論考「アメリカのブックフェアで見た中国の『押し売り』プロパガンダ 中国政府ご推薦の作家と作品だけを出展した広大なブースには閑古鳥が」(ニューズウィーク7/1)から。
<ブックエキスポ・アメリカ(BEA、以下エキスポ)は、毎年5月にニューヨークで開催されるアメリカ最大のブックフェアである。
どちらかというと出版社が書店や図書館の関係者に新刊をPRするお祭りの傾向が強い。
以前はメディアとしての参加者は紙媒体の雑誌の記者やカメラマンに限られていたが、ネットの口コミの影響力が明らかになり、近年は人気ブロガーや大規模なブッククラブ(読書会)の主催者も歓迎するようになっている。
エキスポでは、毎年海外の国をひとつ「guest of honor(主賓)」として大きく紹介する。今年の主賓は中国だった。
主賓と言ってもguestというよりcustomerだ。中国は、展示場のジャビッツセンターで2万5000平方フィートの巨大なスペースを購入した。
エキスポ使用料は、100平方フィートあたり平均5000ドルなので、単純に計算すると中国のブース代は125万ドル、つまり1億5千万円になる。
そのうえ、150の出版社の社員、作家50人、政府の担当者など相当な人数を中国から連れてきており、1泊350~500ドルのホテル代も考えると気が遠くなるほ
どの出費だ。
中国の出版市場は、アメリカに次いで世界で2番目に大きい。
だから、アメリカの出版社は中国の市場には常に注意を払っている。
エキスポ主催側も、気前の良い「主賓」のために中国をテーマにしたイベントを多く企画した。
中国の出版社がどんな売り込みをするのか興味を抱いていたが、会場に着いて首をひねった。
どうやらイチオシのお薦め本は習近平国家主席による中国政府の政治哲学本らしい。
エキスポ会場のあちこちで習近平の巨大な顔に遭遇してぎょっとする。
しかし、日本なら村上春樹や吉本ばななに匹敵するようなアメリカで有名な中国人作家の写真や作品はまったく見当たらない。
それもそのはず。出展しているのは中国政府が厳選し、後押しした作家と作品だけだったのだ。
エキスポと時期を合わせて、作家の郭小櫓、哈金、ジョナサン・フランゼンといったメンバーがニューヨーク市立図書館の前で抗議集会をした。
これを企画した国際ペンクラブ・アメリカセンターは、中国政府のプロパガンダに手を貸した形になっているエキスポを非難し、中国政府が言論の自由を保証し、投獄中のノーベル平和賞受賞者の作家、劉暁波を解放するよう訴えた。
非難の的になっているエキスポでの中国展示の「イチオシ本」の宣伝シンポジウムを覗きに行ったところ、いるのは中国から来たと思われるメディアと関係者だけだ。
エキスポでは、人気作家のサイン会には何時間も前から並ばないといけないし、並んでも手に入らないこともある。
それなのに、中国ブースの作家のサイン会には客がいない。
偶然通りかかった人が本を取り上げて中を見るが、「無料です」と言われても「けっこうです」と断っている。
第二次世界大戦でいかに日本が非道だったのかを延々と綴ったようなプロパガンダ本はタダでも読みたくないのだ。
中国が買い取った広大なブースは開催期間を通じて客は集まらず、ガラガラだった。
エキスポの客たちは、中国の押し売り作戦には厳しかった。
あれだけの費用を費やした結果は、こんな冷たい肩透かしだ。
中国がアメリカに本を売りたいのであれば、投獄中の作家をプッシュしたほうがずっと効果的だ。
世界はそういう作家の作品を読みたいのだから。
そもそも、国家が展開するプロモーションは、「わが国のイメージはこうでありたい」、「売るとしたら、それに合うものだけ」という自己満足の押し売りになりがちだ。
そして、客を無視した押し売りは、湯水のように金を注ぎ込んでも絶対にうまく行かない。
日本政府も、エキスポでの中国展示から学ぶことは少なくないと思った>
(以上)
中共は人民を恐怖とエサで手なずけて思考停止の小4レベルにしているから、上が右と言えば右を向く。
人民は無知ゆえに、左に向いたり、伏せる手もあることを知らない。
そもそも上を批判するような言論はご法度で、皆クチパク。
だから国内でしか通用しないやり方を国外に持ち出して、総スカンを食うのだ。
「2000年前から俺の領土領海だ」「俺のやり方は正しい、とやかく文句をつけて俺の邪魔をするな」
狂気と無知。無礼と貪欲。威嚇と懐柔。虚言と脅迫。無理と無法。虚勢と追従。捏造と無恥。傲慢と邪推。殺人と拷問。
中共は悪の総合デパートだ。
正義、寛容、慈悲なんてひとかけらもない。
所詮は共匪。追剥の類だ。
出自の賎しさはいかんともしがたい。
尊敬されない国が覇権を立てることはできない。
中共の没落を世界は待っている。期待に応えたらどうか。
中共ができる唯一の貢献だ。(2015/7/2)
中共という「狂気と無知」
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平井 修一
日本に亡命した風刺マンガ家・辣椒(ラージャオ、王立銘)氏の「香港の選挙改革とニセの民主主義」(ニューズウィーク6/22)から。
「普通選挙」実現をめぐる香港行政長官選挙の制度改革法案は6月18日、香港議会で実に劇的に否決された。中国共産党がコントロールする「建制派」は、法が定める投票者数に足りないことで流会に持ち込もうとしたが、思いがけず彼らは数学が苦手だったらしい。
33人が議場を離れたが一部に連絡を忘れ、議場に残った同派議員を加えることで流会は回避された。
共産党の陰謀は実現せず、その失敗ぶりは相当みっともなかった。
正常な国家では、1つの法案が通過しなければ失敗した方は内容を検討し直し、再び社会を説得する準備をするものだ。
だが共産党当局の態度はとても奇妙だった。
共産党系メディアはまさに怒り狂ったという形容がぴったりの様子で、みっともない言葉を使いながら反対派の「独断専行」を指弾した。
彼らを「永遠の罪人」とののしり、反対派が香港の民主主義の発展を阻害した全責任を負う、とまで非難した。
この手の文化大革命方式の激しい言葉の背後にあるロジックは荒唐無稽だ。
もともと共産党が言う民主主義とは賛成しかできず反対できない、そして中央政府に完全に服従する「民主主義」。反対派の議員は民主主義を阻害する敵にされてしまった。
私はここ数年、共産党系のネットメディアが行ってきたニセの世論調査のことを思い出した。
彼らは西側国家の世論調査のやり方を学びたいが、一方で自信もない。多くの調査が「反対」の選択肢を設置したが、結果は往々にして彼らの望むものにならないので、すぐに閉鎖を余儀なくされる。
そして、彼らの世論調査の選択肢はかなり笑えるものになった。選べるのは「非常に賛成」「とても賛成」「賛成」だけで、反対する権利が剥奪されたのだ。
http://www.newsweekjapan.jp/rebelpepper/2015/06/post-6.php
(↑)この漫画に描いた賛成しかできない3つの投票箱は、日本の駅で見かける分別ゴミ箱にそっくりだ。賛成しかできず、反対できない「民主主義」はゴミと同じだ――私はそう思う>(以上)
好きなことを言え、好きなことを書く。叩かれることも覚悟の上だし、逆に嫌な言論を叩く自由もある。
殴ったり殴られたりしながらの切磋琢磨で、全体として物事が良い方向へ行けばよし。
悪い方向へ行ったら再び三度ケンケンゴウゴウ、カンカンガクガク。
それでも決着がつかなければ選挙だ。万機公論に決すべし。
まことに自由民主主義は手間暇がかかるが、今のところはこれ以上のやり方がないのだから甘受するしかない。
独裁政治の対極にある「至高の政治システム」だ、今のところは。
渡辺由佳里氏(アメリカ在住コラムニスト、翻訳家)の論考「アメリカのブックフェアで見た中国の『押し売り』プロパガンダ 中国政府ご推薦の作家と作品だけを出展した広大なブースには閑古鳥が」(ニューズウィーク7/1)から。
<ブックエキスポ・アメリカ(BEA、以下エキスポ)は、毎年5月にニューヨークで開催されるアメリカ最大のブックフェアである。
どちらかというと出版社が書店や図書館の関係者に新刊をPRするお祭りの傾向が強い。
以前はメディアとしての参加者は紙媒体の雑誌の記者やカメラマンに限られていたが、ネットの口コミの影響力が明らかになり、近年は人気ブロガーや大規模なブッククラブ(読書会)の主催者も歓迎するようになっている。
エキスポでは、毎年海外の国をひとつ「guest of honor(主賓)」として大きく紹介する。今年の主賓は中国だった。
主賓と言ってもguestというよりcustomerだ。中国は、展示場のジャビッツセンターで2万5000平方フィートの巨大なスペースを購入した。
エキスポ使用料は、100平方フィートあたり平均5000ドルなので、単純に計算すると中国のブース代は125万ドル、つまり1億5千万円になる。
そのうえ、150の出版社の社員、作家50人、政府の担当者など相当な人数を中国から連れてきており、1泊350~500ドルのホテル代も考えると気が遠くなるほ
どの出費だ。
中国の出版市場は、アメリカに次いで世界で2番目に大きい。
だから、アメリカの出版社は中国の市場には常に注意を払っている。
エキスポ主催側も、気前の良い「主賓」のために中国をテーマにしたイベントを多く企画した。
中国の出版社がどんな売り込みをするのか興味を抱いていたが、会場に着いて首をひねった。
どうやらイチオシのお薦め本は習近平国家主席による中国政府の政治哲学本らしい。
エキスポ会場のあちこちで習近平の巨大な顔に遭遇してぎょっとする。
しかし、日本なら村上春樹や吉本ばななに匹敵するようなアメリカで有名な中国人作家の写真や作品はまったく見当たらない。
それもそのはず。出展しているのは中国政府が厳選し、後押しした作家と作品だけだったのだ。
エキスポと時期を合わせて、作家の郭小櫓、哈金、ジョナサン・フランゼンといったメンバーがニューヨーク市立図書館の前で抗議集会をした。
これを企画した国際ペンクラブ・アメリカセンターは、中国政府のプロパガンダに手を貸した形になっているエキスポを非難し、中国政府が言論の自由を保証し、投獄中のノーベル平和賞受賞者の作家、劉暁波を解放するよう訴えた。
非難の的になっているエキスポでの中国展示の「イチオシ本」の宣伝シンポジウムを覗きに行ったところ、いるのは中国から来たと思われるメディアと関係者だけだ。
エキスポでは、人気作家のサイン会には何時間も前から並ばないといけないし、並んでも手に入らないこともある。
それなのに、中国ブースの作家のサイン会には客がいない。
偶然通りかかった人が本を取り上げて中を見るが、「無料です」と言われても「けっこうです」と断っている。
第二次世界大戦でいかに日本が非道だったのかを延々と綴ったようなプロパガンダ本はタダでも読みたくないのだ。
中国が買い取った広大なブースは開催期間を通じて客は集まらず、ガラガラだった。
エキスポの客たちは、中国の押し売り作戦には厳しかった。
あれだけの費用を費やした結果は、こんな冷たい肩透かしだ。
中国がアメリカに本を売りたいのであれば、投獄中の作家をプッシュしたほうがずっと効果的だ。
世界はそういう作家の作品を読みたいのだから。
そもそも、国家が展開するプロモーションは、「わが国のイメージはこうでありたい」、「売るとしたら、それに合うものだけ」という自己満足の押し売りになりがちだ。
そして、客を無視した押し売りは、湯水のように金を注ぎ込んでも絶対にうまく行かない。
日本政府も、エキスポでの中国展示から学ぶことは少なくないと思った>
(以上)
中共は人民を恐怖とエサで手なずけて思考停止の小4レベルにしているから、上が右と言えば右を向く。
人民は無知ゆえに、左に向いたり、伏せる手もあることを知らない。
そもそも上を批判するような言論はご法度で、皆クチパク。
だから国内でしか通用しないやり方を国外に持ち出して、総スカンを食うのだ。
「2000年前から俺の領土領海だ」「俺のやり方は正しい、とやかく文句をつけて俺の邪魔をするな」
狂気と無知。無礼と貪欲。威嚇と懐柔。虚言と脅迫。無理と無法。虚勢と追従。捏造と無恥。傲慢と邪推。殺人と拷問。
中共は悪の総合デパートだ。
正義、寛容、慈悲なんてひとかけらもない。
所詮は共匪。追剥の類だ。
出自の賎しさはいかんともしがたい。
尊敬されない国が覇権を立てることはできない。
中共の没落を世界は待っている。期待に応えたらどうか。
中共ができる唯一の貢献だ。(2015/7/2)