給料のほとんどがベビーシッター代に消えていくといった方もいます。 | 日本のお姉さん

給料のほとんどがベビーシッター代に消えていくといった方もいます。

外資系は「子育て」に向いている、は本当か
子どもがいるいないは、個人の事情!?
ずんずん :外資系のOL
2015年04月25日
世界一つらいけど、世界一笑える外資系 - 東洋経済オンライン」をはてなブックマークに追加
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こんにちは! ずんずんです。
この連載もめでたく10回目を迎えまして、もうそろそろ
書く話題ないかなって……。
ちょっとドキドキしていますが、引き続き頑張らせていただきます!
お茶くみ、やったことあるの?
さてはて、話題に困るのは会社のランチタイムだって同じです。同じメンバーが、毎日、顔を合わせていたら話題がだんだん尽きてきますよね。先日、シンガポール人の同僚たちとお昼を食べていたら、
「日本のドラマでよく会社で女子社員がお茶をくんでるシーンってあるよね。ずんずんは、やったことあるの?」
と尋ねられました。
瞬間風速的に日系企業に勤めたことがある私は、何気なく「あるよ」と答えました。
すると、なんということでしょう。
その場にいた全員が爆笑したのです。笑われた私はさっぱりわからず、理由を聞いてみると、同僚のひとりが
「いや、ドラマで見たとおりだったから。日本社会は男性社会だから、女性がそういう役割を求められるんだよね」
と教えてくれました。
なんということでしょう。ランチタイムにカジュアルに、日本の男女雇用問題について1行にまとめられてしまいました。お茶をくんで笑われるなんて石田三成もびっくりです。
ドラマの影響にかかわらず、海外の日系企業では、男女の間で仕事の割り振りや評価の仕方に差があり、女性にとって働きにくいと思われているようです。
→次ページでは、外資系は?
では、外資系企業はどうでしょうか?
女性の働き方、そして女性のメインイベントのひとつである「出産・子育て」において、外資系企業と日系企業ではどう違うのでしょうか?
今日は、外資系は「子育て」に向いているか? その実態に迫ってみたいと思います☆
自分の居場所は、自分で確保!
外資系企業では、総合職や一般職といった分け方は存在せず、賃金の評価も男女間で差はありません。
あくまで仕事内容で評価されていくことになります。
すると、何が起こるでしょうか? なんせ実力主義の外資系です。
特に外資系金融のフロントオフィスや、外資系企業のセールスやマーケティングといったおカネを稼ぐけど人手が足りない部門は、女性も男性に劣らずめちゃくちゃ働くことになります。
毎日午前様、土日も潰して働いて、時として美容院に行く時間もなく……。
何がそこまで彼女たちを夢中にさせるのでしょうか。
しかし、結婚・妊娠した際にこういった部署にいることは、女性にとって得であると言うことはできません。
まず、妊娠した際にこのような激務をこなすのは体力的に難しいこと、そして、一度産休に入ってしまうと、元の部署に戻るのが難しいことがその理由として挙げられます。
外資系企業では予算に応じて、部署の人数があらかじめ決まっています。一度、誰かが産休に入ってしまうと、その産休の人の代わりとなる人が採用されるわけで、この時点で産休に入った人の席が、リアルになくなるわけです。
帰る席がなくなってしまうため、産休に入った人は復帰近くになると、
「どこか開いてるポジションはないか」
と自ら人事と面接し、リクルーティングをかけることになります。
ここが、産休後も同じ部署に戻ってこれることが保証されている日系企業との大きな違いではないでしょうか。
→次ページ仕事の鬼、「女武者タイプワーキングマザー」
もちろん、運がいい場合は元の部署に戻ることができます。以前、外資系投資銀行に勤めていたとき、仲良くしてくださったバンカーのお姉さまが、産休に入ったーと思ったら、産後3カ月で復帰したのを見たことがあります。
おやおや? 育休は1年のはずなのに?
と思って聞いてみると、彼女はこわばった笑顔で、
「いや、帰って来いって言われたから」
とおっしゃっていました。
こ……この人、仕事の鬼やー!!!!!(汗)
と思ったものの、もしもここで断ったらもう同じ部署に戻れないかも、という恐怖が彼女を早期の復帰に追い立てたのかもしれません。
こういった「女武者タイプワーキングマザー」は希有なケースかもしれません。
給料のほとんどがベビーシッター代に?
これとは別に激務部門にいたほうが、産休明けに比較的仕事が楽な管理部門に移れる場合もあります。
こういった方々はもともとが優秀なため、そのままするっと部長クラスまで出世したりします。
管理職になれば、仕事の采配も自分できるようになるので、仕事と子育てのバランス、つまりはワーク・ライフ・バランスならぬ
ワーク・マザー・バランス
が取りやすくなる……と言いたいところですが、やはり世の中そううまくいきません。
残業があるときは、ベビーシッターを雇ったり、お子さんが風邪をひいた場合は自宅のPCを会社のネットワークにつなげて、自宅で仕事などしています。
中には、給料のほとんどがベビーシッター代に消えていくといった方もいます。
これだと何のために働いているか、わからなくなってしまいますよね。
→次ページ子どもの有無は、個人の事情!?
前述の女武者さんに、私は、
「本当にいつも、子育てと仕事を両立されていてすごいです」
と言ったことがあります。
まだ独身で(今も独身ですが)子どももいない私が、そんなことを言うのは失礼だったかもしれません。
すると、女武者さんはこともなげにこう言いました。
「子どもがいるいないは、家庭の事情にすぎないから」
彼女は続けました。
「誰だって小さなお子さんがいたり、介護が必要な親御さんがいたり、受験で多感な中学生なお子さんがいたり、シングルマザーだったり家庭の事情はさまざま。
その事情を会社に持ってくることは、自分の能力に対して仕事を与えてくれたチームと会社にとって失礼だから、今は子どもが小さくて大変だけれども、今できることをやっている」
それを聞いた私は、彼女の気合いの入りっぷりに腰が抜けました。現代ニッポンで女が働くということはこういうことなのか……!?と考えさせられるきっかけでもありました。
平日一緒にいてあげられない代わりに、週末は目いっぱい子どもと遊んでるよ!
と笑顔で言う彼女に安心もするのでした。
外資系のワーク・マザー・バランス
日系企業に比べ、外資系企業は女性が働きやすい雰囲気があります。
その代わりにそこにあるのは激しい競争であり、キャリアを続けるための相当な胆力が必要とされます。
ワーク・マザー・バランスに普遍的なものはなく、本人のキャリア志向と自分の望む家族のあり方から、つねに考えていかなければいけないものなのかもしれません。
ちなみに、女武者さんはその後、お子さんが風邪をひいたりすると、
「旦那さんに朝5時から高速飛ばしてもらって、病児保育できる栃木の病院までお子さんを預ける」
などといった数々の伝説を作り上げていきました……。仕事に対する熱意もすごいですが、旦那さんの協力態勢もすごい……。
といったところで今日は失礼します☆