いじめは、いじめる子に想像力(そうぞうりょく)を持ってもらうことでしか止まらない。 | 日本のお姉さん

いじめは、いじめる子に想像力(そうぞうりょく)を持ってもらうことでしか止まらない。

いじめゲームをしている君へ 春風ちゃんの言葉 3年経った今も、ネットで拡散続く
withnews 6月7日(日)9時0分配信
「いじめゲームをしている君へ」を発信した時の春名風花さん=2012年
タレントで現在中学生の春名風花さんが小学6年生の時、朝日新聞に寄せた「いじめている君へ」(2012年8月17日掲載)。9歳でツイッターを始め、社会にもの申したとたん「子どものくせに」「死ね」といった大量の書き込みに傷ついてきた春名さんは、いじめている君へ「想像してください」と呼びかけました。春名さんのメッセージは、今もネット上で拡散しています。
【画像】愛用のガラケーを前に語る小学6年生の春風さん「ぼくは、ふつうの女の子です」
《いじめている君へ》君、想像したことある?
ぼくは小学6年生です。タレントだけど、ふつうの女の子です。
今から書く言葉は君には届かないかもしれない。だって、いじめてる子は、自分がいじめっ子だなんて思っていないから。
いじめがばれた時、いじめっ子が口をそろえて「じぶんはいじめてない」って言うのは、大人が言う保身(ほしん)のためだけじゃなく、その子の正直な気持ちじゃないかなと思います。
ただ遊んでいるだけなんだよね。自分より弱いおもちゃで。相手を人間だと思ってたら、いじめなんてできないよね。感情のおもむくままに、醜悪(しゅうあく)なゲームで遊んでいるんだもんね。
ぼくもツイッターでよく死ねとか消えろとかブスとかウザいとか言われます。顔が見えないから体は傷つかないけど、匿名(とくめい)なぶん、言葉のナイフは鋭(するど)いです。
ぼくだけでなく、時には家族を傷つけられることもある。涙が出ないくらい苦しくて、死にたくなる日もあります。
けれどぼくは、ぼくがいくら泣こうが、本当に自殺しようが、その人たちが何も感じないことを知っている。いじめられた子が苦しんで、泣いて、死んでも、いじめた子は変わらず明日も笑ってご飯を食べる。いじめは、いじめた人には「どうでもいいこと」なんです。
いじめを止めるのは、残念ながらいじめられた子の死ではありません。その子が死んでも、また他の子でいじめは続く。いじめは、いじめる子に想像力(そうぞうりょく)を持ってもらうことでしか止まらない。
いじめゲームをしている君へ。
あのね。キモい死ねと連日ネットで言われるぼくが生まれた日、パパとママはうれしくて、命にかえても守りたいと思って、ぼくがかわいくて、すごく泣いたらしいですよ。この子に出会うために生きてきたんだって思えるくらい幸せだったんだって。それは、ぼくが生意気(なまいき)になった今でも変わらないそうですよ。
想像してください。君があざ笑った子がはじめて立った日、はじめて歩いた日、はじめて笑った日、うれしくて泣いたり笑ったりした人たちの姿を。君がキモいウザいと思った人を、世界中の誰(だれ)よりも、じぶんの命にかえても、愛している人たちのことを。
そして、その人たちと同じように笑ったり泣いたりして君を育ててきた、君のお父さんやお母さんが、今の君を見てどう思うのか。
それは、君のちっぽけな優越感(ゆうえつかん)と引き換(か)えに失ってもいいものなのか。いま一度、考えてみてください。(はるな・ふうか=タレント)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150606-00000002-withnews-soci&pos=2
2015年05月31日
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いじめられている君へ さかなクン「水槽の魚と似ている」に共感の輪
学校でも職場でも、魚の世界でもあるいじめ。朝日新聞で連載された「いじめられている君へ」「いじめている君へ」「いじめを見ている君へ」で反響の大きかったメッセージを紹介します。
東京海洋大客員助教授のさかなクンから寄せられた「いじめられている君へ」(2006年12月2日掲載)。自身の体験から語られたメッセージは今も毎日のようにシェアされ続けています。
さかなクン
《いじめられている君へ》「広い海へ出てみよう」
中1のとき、吹奏楽部で一緒だった友人に、だれも口をきかなくなったときがありました。
いばっていた先輩(せんぱい)が3年になったとたん、無視されたこともありました。突然のことで、わけはわかりませんでした。
でも、さかなの世界と似ていました。たとえばメジナは海の中で仲良く群れて泳いでいます。
せまい水槽(すいそう)に一緒に入れたら、1匹を仲間はずれにして攻撃(こうげき)し始めたのです。
けがしてかわいそうで、そのさかなを別の水槽に入れました。
すると残ったメジナは別の1匹をいじめ始めました。
助け出しても、また次のいじめられっ子が出てきます。
いじめっ子を水槽から出しても新たないじめっ子があらわれます。
広い海の中ならこんなことはないのに、小さな世界に閉じこめると、なぜかいじめが始まるのです。
同じ場所にすみ、同じエサを食べる、同じ種類同士です。
中学時代のいじめも、小さな部活動でおきました。ぼくは、いじめる子たちに「なんで?」ときけませんでした。
でも仲間はずれにされた子と、よくさかなつりに行きました。
学校から離れて、海岸で一緒に糸をたれているだけで、その子はほっとした表情になっていました。
話をきいてあげたり、励ましたりできなかったけれど、だれかが隣にいるだけで安心できたのかもしれません。
ぼくは変わりものですが、大自然のなか、さかなに夢中になっていたらいやなことも忘れます。
大切な友だちができる時期、小さなカゴの中でだれかをいじめたり、悩んでいたりしても楽しい思い出は残りません。
外には楽しいことがたくさんあるのにもったいないですよ。
広い空の下、広い海へ出てみましょう。(さかなくん=東京海洋大客員助教授)
特集「いじめと君」 朝日新聞デジタル
いじめられている君へ さかなクン
注目記事
http://withnews.jp/article/f0150531000qq000000000000000G0010401qq000012045A
2015年03月06日
90334
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「死なずに逃げろ」 いじめられてる君に告ぐ 劇作家・鴻上尚史
劇作家の鴻上尚史さん。メッセージがいまもネットで拡散し続ける
川崎市の中1男子(13)が殺され、同じグループだった18歳の少年ら3人が殺人容疑で逮捕されました。いまだに子どもたちの間で暴力やいじめがなくならない一方、スマートフォンの普及などで大人が問題に気づきにくくなっています。
いじめられている子どもたちは、どう身を守ればいいのか--。そのヒントになりそうなメッセージがネットで拡散しています。
メッセージは、劇作家の鴻上尚史さんが2006年に新聞紙上に書いたもの。10年近く前の文章ですが、ツイッターなどで再び拡散し、「学校でいじめられてるならぜひ読んで欲しい」「これで私も救われた」といった声が相次いでいます。
以下が、鴻上さんのメッセージです。
劇作家の鴻上尚史さん=2004年7月撮影
出典: 朝日新聞
鴻上さんのメッセージ
あなたが今、いじめられているのなら、今日、学校に行かなくていいのです。
あなたに、まず、してほしいのは、学校から逃げることです。逃げて、逃げて、とことん逃げ続けることです。学校に行かない自分をせめる必要はありません。大人だって、会社がいやになったら、会社から逃げているのです。
次にあなたにしてほしいのは、絶対に死なないことです。
そのために、自分がどんなにひどくいじめられているか、周りにアピールしましょう。思い切って、「遺書」を書き、台所のテーブルにおいて、外出しましょう。学校に行かず、1日ブラブラして、大人に心配をかけましょう。そして、死にきれなかったと家にもどるのです。
それでも、あなたの親があなたを無視するのなら、学校あてに送りましょう。あなたをいじめている人の名前と、あなたの名前を書いて送るのです。
はずかしがることはありません。その学校から、ちゃんと逃げるために、「遺書」を送るのです。
死んでも、安らぎはありません。死んでも、いじめたやつらは、絶対に反省しません。
あなたは、「遺書」を書くことで、死なないで逃げるのです。
だいじょうぶ。この世の中は、あなたが思うより、ずっと広いのです。
あなたが安心して生活できる場所が、ぜったいにあります。それは、小さな村か南の島かもしれませんが、きっとあります。
僕は、南の島でなんとか生きのびた小学生を何人も見てきました。
どうか、勇気を持って逃げてください。
最近の鴻上尚史さん=2014年12月撮影
出典: 朝日新聞
※2006年11月17日 朝日新聞「いじめられてる君へ」から再掲
<鴻上尚史(こうかみ・しょうじ)> 1958年、愛媛県生まれ。県立新居浜西高校卒。早大法学部在学中の81年に「第三舞台」を旗揚げし、小劇場ブームをリード。岸田国士戯曲賞など受賞。プロデュースユニット「KOKAMI@network」「虚構の劇団」などを中心に幅広く活動している。
http://withnews.jp/article/f0150306000qq000000000000000G0010401qq000011595A?ref=kijiunder