ダーラン氏も横田基地に、今度はトップとして赴任するのを心待ちにしているという。
日本が好きな人に来てもらった方がいいに決まってる。
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在日米軍トップに就任。 ダーラン氏と自衛隊の強い絆
週刊文春 6月7日(日)13時1分配信
南シナ海での中国による埋め立てがキナ臭さを増す中、日米同盟の強い絆となる人物が来日する。在日米軍(陸、海、空、海兵隊)のトップたる司令官に5日に就任するジョン・ダーラン中将(米空軍)だ。
ダーラン氏は戦闘機パイロット出身で、飛行時間は4000時間を超える。韓国、欧州などでの米軍基地勤務や中東アフガンでの統合作戦指揮を経験し、空軍司令部と米議会の連絡官もこなした。
彼の原点は青森県の三沢基地(日米共同運用)だった。当時の基地司令だった航空自衛隊元空将で、軍事評論家の佐藤守氏が懐かしむ。
「私は1989年3月に三沢基地司令に着任したのですが、ダーラン氏は88~92年、F16のパイロットとして、日米訓練で日本のF1戦闘機とよく模擬空戦などをやっていた気鋭の大尉でしたよ」
当時の佐藤氏の部下で同じく若手F1パイロットであった空自の菅野聡一佐(航空支援集団司令部・府中基地)もダーラン氏の印象をこう語る。
「お互いに飛行隊の最若手で、米空軍でスネコー(Snack&Coffee)と呼ばれる、職場のお菓子やコーヒーを準備する係でした。一緒に日米バーベキュー大会の計画を立てたこともあります。気さくで、ユーモアにあふれた人でした。奥さんは基地内の学校で教鞭を取る知的な方でしたが、帰国の際には別れを惜しんで涙を流すなど、日本的な面もありました」
そんなダーラン氏を92年1月にアクシデントが襲った。日本から米本土へ訓練に向かう途中、日本本土から約1300キロの地点で墜落。緊急脱出したものの、太平洋の真ん中で4時間漂流したのだ。
すぐさま岩国基地にある海上自衛隊の救難飛行艇(US-1)が出動し、1人用の救命ボートから出される微弱なビーコン(信号)を頼りに奇跡的に救出した。凍てつく寒さの中、高波に揉まれ、低体温症で意識を失いつつあった彼は、海自隊員に命を救われたのだ。すぐさま横田基地に搬送され、「まさに九死に一生を得たわけで、自衛隊と深い縁で結ばれています。今回の抜擢の理由もそこにあるのでしょう」(前出・佐藤氏)。
ダーラン氏も横田基地に、今度はトップとして赴任するのを心待ちにしているという。「親日派」の活躍に期待したい。
<週刊文春2015年6月11日号『THIS WEEK 国際』より>
世良 光弘(ジャーナリスト)
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20150607-00005151-sbunshun-int