★中国は、なぜ日本に【すりより】はじめた?どうする、日本
★中国は、なぜ日本に【すりより】はじめた?どうする、日本
全世界のRPE読者の皆さま、こんにちは!
北野です。
2010年9月の尖閣中国漁船衝突事件。
2012年9月の尖閣国有化。
これで、「戦後最悪」になってしまった日中関係。
ところが、中国側が、日本に「すりよって」きました。
夕刊フジ5月25日。
↓
<「朋(とも)あり遠方より来る、また楽しからずや。
3000人余りの日本各界の方々が遠路はるばるいらっしゃり、友好交流大会を開催する運びになった。われわれが大変喜びとするところだ」
習氏は23日夜、北京の人民大会堂で開かれた交流式典に突然姿を見せ、孔子の言葉を引用しながら笑顔であいさつした。
会場では二階氏とも面会し、安倍首相の親書を受け取り、「戦略的互恵関係を進めていけば、日中関係はいい結果になると期待している。安倍首相によろしく伝えてほしい」と語った。>
これ、「中国はようやくわかってくれた!これで日中友好は進む!」と考えるのはナイーブすぎます。
個人で考えてみてください。
昨日まで、社内でも社外でもあなたの悪口をいいまくっていた男。
彼が、突如豹変し、にっこり微笑んですりよってきたら?
普通は、「なんか裏があるんじゃないか?」と疑うでしょう?
そして、疑ってみるべきなのです。
▼大国の言動は「戦略」にそっている
皆さん、人生に「戦略」ありますか?
「戦略」はなくても、少なくとも「目標」はありますか?
その「目標」を達成する「目的」ははっきりしていますか?
ひょっとしたら、あなたには、「目標」も「目的」も「計画」もないかもしれません。
しかし、あなたの「会社」には「目標」があるでしょう?
その目標を達成するための「計画」もあるでしょう?
なかったら、そうとうヤバいですね。
国家だって同じです。
自分の国を「こうしたい」という目標があって、計画をたて、それにむかって前進していく。
(日本は、しばしば「行き当たりばったり」なので、他国の行動が理解できない。)
では、中国の目標ってなに?
まずは、日本に勝って「アジアの覇権国」になることでしょう。
こちらをごらんください。
↓
<習近平主席:太平洋には米中両大国を受け入れる十分な空間Bloomberg 5月18日(月)10時54分配信
*
*
(ブルームバーグ):中国の習近平国家主席は17日、ケリー米
国務長官に対し、米中双方は両国の関係に影響しない形で意見の相
違を管理する必要があると述べた。
米国は中国による南シナ海への進出について自制を促している。
国営新華社通信などによれば、習国家主席は人民大会堂でケリー国務長官と会談し、両国の関係は「全体的に安定している」と評価。
「両国の新たな関係は初期の成果を得ている」と述べた。
さらに、「広い太平洋は中国と米国の両国を受け入れる十分な空間がある」とも語った。>
↑これって、「中国は太平洋の東半分を支配する。アメリカは西半分を支配するってことでどう?」といっているように感じますね?
歴史をみれば、
・スペインとポルトガルの覇権争い
・スペインとオランダの覇権争い
・オランダとイギリスの覇権争い
・イギリスとフランスの覇権争い
・イギリスとドイツの覇権争い
・アメリカとソ連の覇権争い
など、ナンバー1とナンバー2は常に覇権争いをしてきました。
だから、中国だけが例外になって、「覇権争いをしない」と考えるのは、「平和ボケ」なのです。
まず、「アジアの覇権」を奪い、そしてアメリカを蹴落として「世界の覇権を狙う」
ということでしょう。
アメリカのリベラル派は、「いや、中国はアメリカがつくった世界秩序の中で台頭したいだけ。アメリカの脅威にはならない」といっていた。
しかし、「AIIB」を見て、中国は明らかに、「アメリカとは別の世界秩序をつくろう
としている」ことに気がついた。
それで、アメリカのリベラルも、慌ててるのです。
▼中国、最重要戦略は、「日米分断」
では、どうやって、アジアの覇権、ついで世界の覇権を得るのか?
これ、簡単で、まず日本を叩き潰す。
日米を分断し、日本が米国債を買わなくなれば、アメリカをつぶすことも容易
になるでしょう。
それで、2012年11月、中国はモスクワで、ロシアと韓国に「反日統一戦線構築」
を提案した。
毎回書いていますが、その骨子は、
1、中国、ロシア、韓国で、【反日統一戦線】をつくろう!
2、日本には、北方4島、竹島、そして【沖縄】の領有権もない
(つまり、沖縄は【中国領】である)
3、【アメリカ】を反日統一戦線に引き込もう
(●中国、驚愕の対日戦略、全貌はこちら。
↓
http://diamond.jp/articles/-/66110 )
どれもすごいですが、特に3番目は重要です。
この戦略に沿って、中国は、全世界、特にアメリカで大々的に「反日プロパガンダ」を展開してきた。
安倍総理訪米前に、アメリカ政府から、「議会演説では中韓にきっちり謝罪しろ!」と圧力がかかるほど、プロパガンダは浸透していた。
ところが、3月に(日本以外の親米国が全部アメリカを裏切った)「AIIB事件」が起こった。
これで、アメリカは、「わが国最大の脅威は、ロシアではなく中国である」と理解した。
そこに安倍総理がやってきて、「希望の同盟」演説をし、日米関係は非常に良好になった。
これで、「反日プロパガンダ」による「日米分断工作」はいったん挫折したのです。
▼しかし、「戦略」は不変
いままで、アメリカに日本の悪口をいいつづけることで、日米分断をはかってきた。
それがうまくいかなかったらどうするか?
別の方法を考えればいい。
たとえば、
日中関係を改善する。
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
するとどうなります?
実を言うと、結果は同じ「日米分断」になるのです。
たとえば、鳩山ー小沢政権のとき、日中関係はとてもよかった。
それで、日米関係はどうなりました?
そう、「戦後最悪」になった。
「日本の悪口を、アメリカにいいつづける」
「日本との関係をよくする」
この二つは全然違うように見えますが、「戦略」からみると、「まったく同じこと」
なのです。
何が違うかというと、戦略を達成するための【作戦】が違う。
▼では、日本はどうするべきか?
日中関係については最近、アメリカに利用されないよう、
「中国を挑発するな」という記事を書きました。
↓
そしたら、今度は中国がすりよってきた。
日本はどうすればいいのでしょうか?
これは簡単で、アメリカに、「中国がこんなこといってきましたが、どうしたらいいでしょうか?」ときけばいいのです。
「やはり、北野は『従米主義者だ!!!』」
こんな意見も出ることでしょう。
しかし、私たちの目標は、あくまで「アメリカを中心とする中国包囲網の形成」でしょう?
日本としては、アメリカに利用されて、「日本 対 中国」の対立構造になりたくない
そのためには、「いつもアメリカが主人公」でいてもらったほうがいいのです。
これは日本が主体的に、「アメリカを主人公にする」のですから、まったく「従米」ではありません。
▼日米関係をさらに「盤石」にするために
それに、日米関係は、AIIB事件と安倍総理の米議会演説でよくなったとはいえ、「強固」「盤石」というには、ほど遠い状況です。
日本は、わずか2年半前まで「反米親中」民主党が政権にあった。
そして、安倍総理も、4月末まで、「右翼」「軍国主義者」「歴史修正主義者」と思われていた。
もし日本が、アメリカを味方につけて中国に圧勝しようとすれば、
「日米関係をさらに強化する」言動をとっていく必要があります。
そのために必要なのは、「一貫性」です。
台湾は、一年365日、しかも何十年も「日本が好きです!」といいつづけている。
つまり「一貫性」がある。
だから、日本人は台湾がすきです。
しかし、中国は、「反日統一戦線をつくろう!」といったり、「仲良くしよう」といったり、全然一貫性がない。
だから、信用できない。
日本も、少なくとも中国が沖縄侵略をあきらめるまでは、一貫して「アメリカが好きです」といいつづけなければなりません。
安倍総理も、毎日オバマさんに電話して、「報連相」するぐらいでちょうどいいのです。
●PS
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