どうなる日本の水族館!?
日本動物園水族館協会、世界動物園水族館協会に残留するか投票
フジテレビ系(FNN) 5月20日(水)1時56分配信
水族館の人気者のイルカが、危機に直面している。
水族館の入手先で行われている伝統漁法に、国際的な非難が向けられている。
飼育員によって、健康管理されているイルカ。
水族館でのイルカの飼育は、ショーなどを楽しめるだけでなく、その生態を知ることで、野生のイルカの保護や治療にも役立つという。
しかし今、このイルカが、水族館からいなくなるかもしれない事態が起きている。
和歌山・太地町(たいじちょう)で行われている伝統漁法・イルカの追い込み漁。
現在、日本の水族館にいるイルカの大半は、ここで捕獲されているが、世界動物園水族館協会「WAZA」が、これに待ったをかけた。
WAZAは4月、追い込み漁が、倫理規定に違反しているとして、日本動物園水族館協会「JAZA」の会員資格を停止し、さらに1カ月以内に改善しなければ、除名処分にすると通告した。
和歌山県の仁坂吉伸知事は「相手が政府じゃないので、すごく難しい局面になったなと思う。いじめみたいな気がします。世界中のいじめだなというふうに思うんですね」と述べた。
深刻な影響が出るのは、水族館だけでなく、動物園も。
もし、WAZAから除名されれば、水族館にイルカは残るが、海外の動物園との交渉の場が少なくなり、希少動物の借り入れができなくなるおそれがある。
こうした中、日本動物園水族館協会は、19日、WAZAに残留するかどうかを決める投票を行った。
いったい、なぜ世界が和歌山の漁法に注目するのか。
その理由は、2009年に公開され、アカデミー賞長編ドキュメンタリー映画賞などを受賞した「ザ・コーヴ」。
追い込み漁をしている太地町などに潜入し、日本のイルカ漁を批判する内容。
その内容について、東海大学海洋学部の山田吉彦教授は「イルカたちが、多くの血を流しながら処理されていくという映像が映し出されています。現在では、デンマークのやり方に倣い、イルカも苦しまずに、多くの血も流さない処理の仕方、この現状が世界には伝わっていない」と語った。
さらに、日本を非難する国際世論の背後に、あの団体の存在を指摘する。
山田教授は「シー・シェパードのような暴力的な環境保護団体の理屈・理論だけが、国際社会で通用してしまった。そして、日本が孤立しているというのが現状だと思う。(日本の)正当性を、国際社会にちゃんと話す時間を求めるべきなんだと思う」と語った。
残留か、それとも脱退か。
20日、投票結果が出る。
http://headlines.yahoo.co.jp/videonews/fnn?a=20150520-00000787-fnn-soci