チュウゴクでは歯切れが悪いケリー米国務長官 | 日本のお姉さん

チュウゴクでは歯切れが悪いケリー米国務長官

2015.5.19 09:18更新
中国の南沙埋め立て、ケリー米国務長官が習主席に「懸念」 自制を要求
【ワシントン=加納宏幸】米国務省のラスキー報道部長は18日の記者会見で、ケリー国務長官が17日に北京で行った中国の習近平国家主席との会談で、中国による南シナ海での岩礁の埋め立てに「懸念」を伝え、東南アジア諸国との緊張を緩和するため自制を求めたことを確認した。
ケリー氏は習氏に、南シナ海の紛争を平和的に解決することや、国際法を尊重することの必要性も強調した。ラスキー氏は「米国はいかなる一方的な領有権決定に反対する。当事者は外交的に国連海洋法条約を含む国際法に従って解決する必要がある」と述べた。
会談ではこのほか、朝鮮半島の非核化に向けて、北朝鮮に対する圧力を維持することの重要性を確認した。また、気候変動、イラン核協議、アフガニスタン支援などの課題で米中両国が協力する必要があるとの認識で一致した。
「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成27年(2015)5月19日(火曜日)
通算第4544号
中国の対米札束攻勢は過去十年で810億ドル
子会社のハイテク部門買収や資源企業を主力に買収
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なるほど、ケリーの歯切れが悪かった筈である。
ケリー国務長官は、先日北京を訪問し、習近平と会見したが、中国側から『新しい大国関係』を大声で繰り返された。ケリーは南シナ海問題を一応は話題にしたものの、それ以上のつっこみはなく、九月の米中首脳会談に持ち越された。
過去十年間で中国が米国に投じたカネが810億ドルにのぼったことがAEI(アメリカン・エンタプライズ・インスティチュート)の報告で判明した。
このうちの150億ドルが資源エネルギー関係の鉱区買収や企業買収に当てられ、ほかに目立つのはレノボのIBMパソコン部門買収が典型的だ。ともかく軍事ハイテクにつながる先端技術をもつ大企業の子会社や、軍事大手の子会社の部門売却などを中国が買収したことが判明している。
◆書評 ◇しょひょう ▼ブックレビュー
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インドもインドネシアも、日本の軍事作戦に支えられ、
次々と独立を達成し、深く日本に感謝した事実経過を知ろう
加瀬英明『大東亜戦争で日本はいかに世界を変えたか』
(ベスト新書、KKベストセラーズ)
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アジアの覚醒と解放、アジア諸国を武力で侵略し、植民地として、横暴な搾取を繰り返した、人種差別政策を実行した欧米列強に正面から挑戦した日本は、破れこそしたが多くのアジア諸国から感謝された。
ところが肝心の日本が自虐史観の罠に嵌り、そのことを自覚しないまま、アジアとりわけ中国と韓国に謝罪し続けてきた。その背後に、じつは米国があった。米国は知られて貰っては困る自らの犯罪が明るみに出ないためにも、中国・韓国の反日策動に同調し、日本を貶め続けることを黙認している。
都合の悪い諸事実とは、いまさら言うまでもないが、フライングタイガー、フランクリンルーズベルトの狂信的個性、廣島・長崎ばかりか東京大空襲など殺戮の数々。真相の隠蔽。。。。。。
「シェンノートは、蒋介石政権に戦闘機と、アメリカ陸軍航空隊の現役パイロットを、義勇兵として、偽装して派兵する案を、ルーズベルト政権に提出した。大統領はこの案をただちに承認した。これは、重大な国際法違反だった」(39p)。
こればかりではない。日系アメリカ人を拘束して砂漠の掘っ立て小屋に収容した。ドイツ人にそんなことはしなかった。明らかな米国の「憲法違反」で、人種差別だった。
捕虜となった日本兵を機関銃で殺戮したり、人道上の犯罪をアメリカ兵はくるったように各地で展開した。
こうした不都合が事実が山のようにあるが、戦後日本はこれらのことで米国に抗議したりはしなかった。まさか、捕虜を虐待するなどと、日本の伝統的武士道からは考えられないことだった。
結局、ルーズベルトの罠にはまった日本は対米開戦に誘導され、各地で日本兵は武士道精神を発揮して闘い、アメリカ兵を畏怖させた。
しかしアジア諸国は独立し、日本にふかく感謝した。こうした経過を加瀬氏は淡々と、乾いた文体で、歴史家の目をもって叙している。
◆書評 ◇しょひょう ▼ブックレビュー
大国の興亡を経済学的見地から解剖してみると
ローマ、明、オスマントルコ、英国、スペインそして日本の衰退原因は
グレン・ハバード、ティム・ケイン著、久保恵美子訳
『なぜ大国は衰退するのか』(日本経済新聞出版社)
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ローマはなぜ滅びたか、カルタゴは?
歴史学でつきない議論である。本書はボール・ケネディが提議した『大国の興亡』を基礎的材料としながら、軍事力より経済力の観点から、過去の大国の滅亡を解析し、主として米国の衰退の未来予測を展開している。
そう、脱線だが、評者(宮崎)は嘗てポール・ケネディに反論して『大国の興亡を論ず』という本を書いたことを思い出した。
閑話休題。本書の日本訳の題名は一種異なった趣きを持つが原題は『BALANCE』(均衡)である。
「軍事的敗北は大国の衰退をもっともよく示すものだが、前兆と原因を混同してきた歴史観は間違っている」と最初に著者らの立場表明があり、「また、日常の通貨や債務証券、生産性指標などが国の将来を決めるという考えからからも距離をおくべき」で、大事なことは軍事力と経済力の組み合わせによる分析が必要だという。
ソ連は国防費の増大に耐えられなくなって潰えた。
しかしアメリカや日本が潰れる危険性は、その原因が国防力の増加ではなく、『エンタイトルメント』費用、すなわち「社会保障、メディケア、保健医療(メディケイド)、所得保険」の急拡大である、とする。
日本はこれに失業保険、介護保険、生活保護などが加わり財政を圧迫し続けている。欧米先進国が共通して陥没した財政危機とは、民主制度のパラドックスだ、という明国の滅亡も、こうした文脈から論じられる。
あの世界航海をコロンブスのはるか以前に成し遂げていたのは鄭和の大艦隊だった。世界最大の軍事力を誇示しながら、明国は世界各地に貿易拡大の道筋を付けた。にも関わらず皇帝の死去と、新皇帝の方針転換によって鎖国に転じ、明国はやがて歴史から退場した。
これは「財政上の必要性からでもなかった。それは、過度に中央集権化した政府の内部における権力闘争の結果だった」(171p)
そして、
「宦官と官吏による内戦に近い状況は何十年と続いた。朝貢貿易は崩壊し、比類無き明の艦隊は港で朽ち果てた。一方、海岸地域の町の住民はその後の数十年にわたって対外貿易から利益を得たが、明の宮廷はその繁栄ぶりを不快で脅威をもたらすものとみなした。官吏は近視眼的で経済的知識のない官僚の常套手段をとり、潜在的なライバルの力をそぐことにした。もはや仁の政治どころではなくなった」
軍事力や海の支配、地政学的観点が主流の斯界にあった、こうした別の視座からの切り込みは異色である。
それにしても明がなぜ衰退したのか。
「官邸ではライバル関係にある各集団が皇帝の関心を引こうと争いあっていた」。
漢の場合、「皇帝への影響力をめぐって、名門一族、軍当局者、官吏である学者・官僚集団、官邸の宦官という四つの主要な戴一勢力が争っていた」
なるほど似ている。
いま習近平の関心を引こうと、太子党、軍、官僚組織(国有企業、国有銀行を含む官員)、そして官邸の宦官(中央弁王室、党組織)が権力闘争の最中であるように。
著者はこう言う。
「中国の王朝を中国そのものと混同してはならない。中国という大国、すなわちその文化と制度は、国を統一する王朝が替わっても生き残り、発展さえした」のである。
しかし「どの王朝も経済的不均衡によって軍事的に弱体化した」(159p)。
まさに所得格差、ジニ係数の天文学的破壊力によって、史上空前の不均衡状態にある中国は、国家の財政が個人によって蝕まれつつあり、王朝の崩壊が近いことを物語っているのではないのか。
(読者の声1)すこし気になるのですが、安倍首相は日曜日に熊野古道へいきましたね。隣に和歌山地盤の二階代議士がぴったりと寄り添うて案内役。不思議ですねぇ。二階代議士は三千人を率いて北京へ行く親中派のチャンピオン。なぜ?
(HH生、大阪)
(宮崎正弘のコメント)二階代議士はしたたかな、しかも政治的行動力がある政治家です。
総務会長で派閥のボスでもあり、中国への姿勢はことなっても、早々と秋の総裁選で安倍首相支持を打ち上げている。安部さんは、その答礼という意味もあるでしょう。
安倍首相が日中関係打開のために二階さんに接近したのではなく、対中強硬姿勢を崩さない安部さんに二階側が接近しているとみたほうが理にかないます。
ところで熊野古道、三島由紀夫に『三熊野詣』という傑作短編があり、那智の滝もでてきますが、あまりに風景描写が美しいので、この文庫本片手に熊野をあるいた記憶が蘇りました。
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