ネパール大地震、被害は拡大の一途
ネパール大地震、被害は拡大の一途
TBS News-i 2015/4/27 05:47
ネパールで25日に発生した大地震で、死者の数は、あわせて2500人を超え、被害は拡大の一途をたどっています。首都カトマンズでは街のシンボルだった塔が倒れ、市民の不安が広がっています
現地時間26日午後のカトマンズ空港。インドやパキスタン、アメリカなどから救援物資を積んだ軍用機が到着しました。地震の発生から丸1日、カトマンズの中心部では、至る所で建物が崩れるなど、大きな被害が出ています。 「カトマ
ンズの街のシンボル・ダラハラ塔の前です。今、たくさんの警察官が集まってきました。また1人、新たに下敷きになった人が見つかったもようです」(記者) 80年ほど前に建てられた市内有数の観光地・ダラハラ塔は地震によって一気に倒壊し、ロイター通信によりますと、およそ50人が死亡したとの情報もあります。 「私の母、弟、父がここで死にました。他の所を全部捜したが、いなかったのです」 倒れた塔の近くにいたタクシードライバーのシャム・スンダル・マオリアさん(24)。マオリアさんは今回の地震で、仕事で250キロ走らせてきた新車を失いました。 「これが私の車です。政府から何の支援も来ていません。きのうから食事もとっていないのです」(シャム・スンダル・マオリアさん) 現地の天気予報では、今後数日間にわたり雨が降ると予想されていて、被害の拡大が懸念される中、懸命の救助活動が続いています。(27日04:46)
<ネパール地震>中印が積極支援…「地域の盟主」アピール
毎日新聞 4月26日(日)22時22分配信
ネパールの地震救援任務への出発を前にニューデリーの空港で気勢を上げるインド軍兵士=2015年4月26日、AP
【カトマンズ金子淳、北京・工藤哲】ネパール大地震で、中国とインドが発生直後から救援隊を派遣するなど積極的な救助支援活動に乗り出している。被災者の中に自国民が含まれていることも理由だが、両国ともに「地域の盟主」として、存在感を示す狙いがありそうだ。
【ネパール地震 死者2500人超す】雪崩で日本人男性も
インド民放NDTVなどによると、インド政府は25日夜から26日早朝にかけて、ネパールの被災者500人以上を空軍機でニューデリーに運んだ。また、26日には航空機10機をカトマンズに飛ばし、陸軍の医療チームやインフラ復旧の工兵部隊、救助隊、飲料水や食料などを空輸する。
インドのモディ首相は26日のラジオ演説で、「インド国民12億5000万人はネパールの同胞だ。この危機の中で、我々はあなた方と共にいる」と、ネパール国民に呼びかけた。モディ首相はその上で、緊急を要する救出活動や、今後長期間にわたる支援活動を含め「できることはすべて行う」と宣言した。
インドの隣国ネパールは、歴史的にインドの影響が強い国だった。しかし、近年は中国がダムや道路などのインフラ整備を積極的に行い、相対的にインドの力が落ちていた。
中国はネパールだけでなくパキスタンやバングラデシュ、スリランカなどインド洋諸国で港湾を含むインフラ開発を進めており、インド側では「中国軍が使用できるインフラ拠点を整備し、インド包囲網を築こうとしている」との懸念を呼んできた。今回の地震を受け、インドは影響力挽回へ向けた好機と捉えている可能性がある。
一方、中国の習近平国家主席や李克強首相は25日夜、医療隊員や地震の専門家ら62人と6匹の捜索犬などで組織される国際救援隊の派遣を決めた。また、中国中央テレビによると、発電機など2000万元(約3億8000万円)相当の支援物資を送る。
中国政府の国際救援隊派遣は、東日本大震災(2011年)以来初の国外での大規模活動となる。ネパールは中国が主導するアジアインフラ投資銀行(AIIB)の加盟国で、中国は救援や復旧で大規模支援を打ち出すことで、ネパールでの存在感を高める狙いもある。26日には王毅外相が財政省や商務省、国家観光局、国家地震局の担当者を集めて緊急対策会議を開いた。
ネパールに駐在する中国資本の企業関係者は2100人余り。さらに春の旅行シーズンのため多くの中国人旅行者がネパールにいる。会議では「事態は深刻」と報告され、ネパール国内の中国人を迅速に帰国させ、テント、発電機、医療施設などの提供を急ぐことを確認した。また、支援物資を迅速に運ぶため、チベット自治区とネパールを結ぶ道路の復旧を急ぐ方針を決めた。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150426-00000051-mai-int
<ネパール地震>日米欧も救助隊派遣へ
毎日新聞 4月26日(日)22時45分配信
ネパールの大地震では、日本の国際緊急援助隊が26日に出発した他、米国やドイツなど各国も救助隊派遣を表明。国連などの国際機関や国際NGO(非政府組織)も救援活動を始め、国際的な支援活動が本格化してきた。
日本の救助チームは警察庁や消防庁などの約70人。26日午後に成田空港を出発し、バンコク経由でネパールの首都カトマンズへ向かう。外務省はさらに、2500万円相当のテントや毛布など緊急援助物資を供与すると発表した。
米国のケリー国務長官は、100万ドル(約1億1900万円)の緊急支援とともに、緊急支援チームと被災者の捜索・救出チームの派遣を準備していると表明した。AP通信などによると、ドイツは52人、フランスは11人の救助隊を派遣する。英国やロシア、イスラエル、パキスタンも派遣を決めた。
ビショップ豪外相も現地で活動する豪州のNGOや国連機関に500万豪ドル(約4億6000万円)の支援を行うと表明。韓国も100万ドル、台湾も30万ドル(約3600万円)の支援を発表した。
また、国際NGO「国境なき医師団」は26日朝、ネパールに隣接するインド・ビハール州から医療支援の4チームを派遣。別のNGO「ハンディキャップ・インターナショナル」も、現地にいたスタッフ47人による病院などへの支援を始めた。日本赤十字社の医師ら5人も同日カトマンズへ向かった。日本のNGO「ピースウィンズ・ジャパン」も救助犬2頭と6人の派遣を決めた。
ネパール出身の兵士「グルカ兵」を雇用するなど歴史的関係が深い英国では、キャメロン首相がツイッターで「ショッキングなニュースだ。英国はできる限りの支援を行う」と表明した。生き埋めになった人の救出を専門とする英国のNGOも、現地入りの準備を進めている。
一方、国連の潘基文(バン・キムン)事務総長は25日、「国際的な捜索・救助活動を調整してネパール政府を支援しており、大規模な救援活動を始める準備をしている」という声明を発表した。
東南アジア諸国連合(ASEAN)10カ国の外相は26日、マレーシアでの外相会議で犠牲者に哀悼の意を表するとともに、支援の用意があると表明。フランシスコ・ローマ法王も、バチカンのサンピエトロ広場で祈りをささげ、国際社会に支援を呼びかけた。イタリアのANSA通信によると、イタリア北部ミラノで5月1日に開幕する国際博覧会(ミラノ万博)でも募金活動が行われる。【まとめ・隅俊之】
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150426-00000054-mai-int&pos=1