ライム病って恐ろしい
A・ラヴィーン、ライム病で5か月闘病 「死ぬかと思った」
AFP=時事 4月2日(木)11時37分配信
モナコ・モンテカルロの音楽賞に登場したカナダのロック歌手アヴリル・ラヴィーンさん(2007年11月4日撮影)。【翻訳編集】 AFPBB News
【AFP=時事】カナダのロック歌手、アヴリル・ラヴィーン(Avril Lavigne)さん(30)が、ライム病のため5か月間寝たきりの状態が続き、「死ぬかもしれない」と思った時もあったと打ち明けた。
ラヴィーンさんは、長期にわたって公の場に姿を見せていなかったため、体調についての臆測が飛び交っていた。
ラヴィーンさんは、先月31日に米芸能誌ピープル(People)が掲載したインタビューで、ソーシャルメディア上を飛び交っていた自身の病気についてのうわさを事実と認め、病状は良くなってきていると明らかにした。
昨年、主にダニを媒介して感染するライム病と診断され、その後5か月間寝たきりの状態で過ごしたといい、「息ができないと感じた。話すことも、動くこともできなかった」「死ぬかもしれないと思った」「立っているのもやっとだったから、まる1週間、シャワーを浴びられない時もあった」などと回想した。
カナダ・オンタリオ(Ontario)州に住む母親や、ロックバンド「ニッケルバック(Nickelback)」のボーカルで夫のチャド・クルーガー(Chad Kroeger)さんの看病を受け、病状は「80%」回復したと
いう。【翻訳編集】 AFPBB News
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150402-00000012-jij_afp-ent
アヴリル・ラヴィーン、ライム病で療養
BARKS 4月2日(木)7時40分配信
2014年末Twitterでファンからの質問に「体調が良くない」と答え、心配されていたアヴリル・ラヴィーンが、ダニから感染するライム病と診断され、この数か月間療養中だったことを明かした。
◆アヴリル・ラヴィーン画像
アヴリルは春ごろ、何度かダニに刺されたといい、それ以来だるさや目まいを感じていたそうだ。しばらく原因がわからなかったが、10月に誕生日旅行でラスベガスを訪れた後、ライム病だと診断されたという。
彼女は、5ヶ月ほど寝たきりの状態で、「息ができない、話せない、動けないって感じで、死んじゃうんじゃないかと思った」「立つこともできず、一週間、シャワーを浴びられないときも何度かあった」と、『People』誌のインタビューでその辛さを語った。
彼女の夫、ニッケルバックのチャド・クルーガーや母親が看病してくれたが、ファンからのお見舞いの言葉も大きな励みになったという。Twitterで具合が良くないことを明かしてから、彼女のもとにはたくさんのメッセージが届いたそうだ。「みんなが送ってくれたお見舞いの言葉や映像には本当に感動した」と感謝している。
幸いなことに、すでに8割がた良くなったという。この経験により「これは警鐘だった。これからはずっと人生を楽しみたい」との思いを強くしたそうだ。
アヴリルは4月、スペシャル・オリンピックス 2015を支援し、クルーガーと制作したニュー・シングル「Fly」をリリースする。
Ako Suzuki
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150402-00000245-bark-musi
ライム病びょう
Lyme disease
どんな感染症か
ライム病はスピロヘータの一種であるボレリアの感染に起因する細菌感染症で、全身性の多様な症状を示します。
病原体を保菌しているマダニに刺されることによって感染します。ヒトからヒトへの感染、動物からの直接感染はありません。病原体を媒介するマダニは、日本の本州中部以北に分布するシュルツェマダニのほか、米国ではスカプラリスマダニ、ヨーロッパではリシヌスマダニなどが知られています。世界ではライム病ボレリアとして5種類が知られていますが、日本ではボレリア・ガリニが主な病原体となっています。
http://medical.yahoo.co.jp/katei/251022000/?disid=251022000
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2002年第11週号(2002年3月11日~3月17日)掲載
◆ ライム病
ライム病(Lyme disease またはLyme borreliosis)は、野鼠や小鳥などを保菌動物とし、野生の マダニ(マダニ属マダニ)によって媒介される人獣共通の細菌(スピロ
ヘータ)による感染症である。19世紀後半より欧州で報告されていた、マダニ刺咬後に見られる原因不明の神経症状(Garin‐Bujadoux 症候群、Bannwarth 症候群、Hellerstrom 病など)、1970 年代
以降、アメリカ北西部を中心に流行が続いている、マダニ刺咬後に見られる関節炎、および遊走性皮膚紅斑、良性リンパ球腫、慢性萎縮性肢端皮膚炎、髄膜炎、心筋炎などが、現在ではライム病の一症状であることが明らかになっている。
疫 学
欧米では現在でも年間数万人のライム病患者が発生し、さらにその報告数も年々増加していることから、社会的にも重大な問題となっている。
本邦では、1986年に初のライム病患者が報告されて以来、現在までに数百人の患者が、主に 本州中部以北(特に北海道および長野県)で見い出されている。欧米の現状と
比較して本邦でのライム病患者報告数は少ないが、本邦においても野鼠やマダニの病原体保有率は欧米並みであることから、潜在的にライム病が蔓延している可能性が高いと推測されている。感染症法施行後 の報告数としては、
1999年4~12月に14 例、2000年1~12月に12例となっている。
病原体
ライム病をおこす病原体であるボレリアは数種類が確認されている。北米では主にボレリア・ブルグドルフェリ(Borrelia burgdorferi )、欧州ではB. burgdorferi に加えて、ボレリア・
ガリニ(B. garinii )、ボレリア・アフゼリ(B. afzelii )が主な病原体となっているが、本邦ではB. garinii 、B. afzelii が主な病原体となっていると考えられている。
図1. イクソデス・マダニ
(左から幼虫、飽血幼虫、若虫、飽血若虫、成虫メス、飽血成虫メス)
(旭川医科大学 宮本健司、中尾稔両博士提供)
ライム病ボレリアは、野山に生息するマダニ(イクソデス・マダニ、図1)に咬着されることによって媒介、伝播される。北米においては主にスカプラリス・マダニ(Ixodes scapuralis )、欧州においては主にリシ
ナス・マダニ(I. ricinus )がライム病ボレリアを伝播するとされている。本邦においては、シュルツェ・マダニ(I. persulcatus )の刺咬後にライム病を発症するケースがほとんど
で、これらマダ ニは本州中部以北の山間部に棲息し、北 海道では平地でもよく見られる(一般家庭 内のダニで感染することはないとされている)。
臨床症状 (表1a, b)
感染初期(stage I)マダニ刺咬部を中心とする限局性の特徴的な遊走性紅斑を呈することが多い。随伴症状として、筋肉痛、関節痛、頭痛、発熱、悪寒、倦怠感などのインフルエンザ様症状を伴うこともある。紅斑の出現期間は数日から数週間といわれ、形状は環状紅斑または均一性紅斑がほとんどである。
播種期(stage II )体内循環を介して病原体が全身性に拡散する。これにともない、皮膚症状、神経症状、心疾患、眼症状、関節炎、筋肉炎など多彩な症状が見られる。
慢性期(stage III)感染から数カ月ないし数年を要する。播種期の症状に加えて、重度の皮膚症状、関節炎などを示すといわれる。本邦では、慢性期に移行したとみられる症例は現在のところ報告されていない。症状としては、慢性萎縮性肢端皮膚炎、慢性関節炎、慢性脳脊髄炎などがあげられる。
表1-a. ライム病の臨床症状
早期症状(stage I, stage II )
限局性 遊走性紅斑
インフルエンザ様症状(倦怠感、頭痛、発熱など)
拡散性(播種性) 神経症状(脊髄神経根炎、髄膜炎、顔面神経麻痺)
循環器症状(刺激伝導系障害性不整脈、心筋炎)
皮膚症状(二次性紅斑、良性リンパ球腫)
眼症状(虹彩炎、角膜炎)
関節炎、筋肉炎など
晩期症状(stage III) 慢性萎縮性肢端皮膚炎
慢性関節炎
表1-b. ライム病の鑑別診断
病期 臨床症状 鑑別診断
早期(限局性)
遊走性紅斑 体部白癬、銭形湿疹、環状肉芽腫、蜂巣炎、刺虫症
神経症状 ベル様麻痺、中枢神経系腫瘍
心臓炎 ウイルス性心筋炎、急性リウマチ熱、心内膜炎
早期(拡散性)
髄膜炎 ウイルス性髄膜炎、髄膜周囲炎、髄膜脳炎、その他の無菌性髄膜炎
晩期
関節炎 化膿性関節炎、急性リウマチ熱、幼年性リウマチ様関節炎、Henoch-Schonlein
紫斑病、コラーゲン血管病、出血傾向、悪性滲出、外傷性滲出、血友病
病原診断
ライム病の診断には、欧米では、流行地での媒介マダニとの接触機会などの疫学的背景、遊走性紅斑やその他ライム病に合致する臨床症状、さらに米国疾病管理予防センター(CDC)が示した血清学的診断基準(表2)、などから総合的に判断することが推奨されている。
〈病原体の検出〉病原体ボレリアの分離培養にはBSK‐II 培地が用いられており、紅斑部からの皮膚生検で分離が可能である。欧米では脳炎患者の髄液からも稀に分離されているが、血液からの分離は難しいとされている。
〈血清診断〉本邦では輸入例、国内例ともにみられるため、それぞれに適した血清診断用抗原を選択する必要があり、北米からの輸入例が疑われる場合には、血清診断はコマーシャルラボ経由で米国の臨床検査ラボにて行う。欧州からの輸入例および国内例では、感染症研究所・細菌部で検査が可能である。
第1ステップ Enzyme immunoassay(EIA)あるいはImmunofluorescent assay (IFA)により試験する。
EIA あるいはIFA で陽性、擬陽性であった検体ではWestern immunoblot(WB)を行い、以下の場合最終的に抗体陽性とする。
第2ステップ 1)WB で主要表層抗原C (OspC)、ボレリア膜タンパク質A (BmpA)、鞭毛抗原のうち少なくとも2つ以上に対してIgM 抗体価が上昇していること。
2)WB で18kDa 抗原、OspC 、28kDa 抗原、30kDa 抗原、BmpA 、鞭毛抗原、45kDa 抗原、58kDa 抗原、66kDa 抗原、93kDa 抗原のうち、少なくとも5つ以上に対してIgG 抗体
価が上昇していること。
http://idsc.nih.go.jp/idwr/kansen/k02_g1/k02_11/k02_11.html
ライム病の症状は?
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ライム病の症状は早期(I、II期)、後期(III期)に大別されます。初期はマダニに刺されてから10日~14日後に、刺された部位の赤い斑点あるいは丘疹(紅斑性丘疹)で始まり、周辺に紅斑が拡大します(遊走性紅斑と呼ばれます)(資料3、4)。疲れ易さ、発熱、筋肉痛、頚部痛などの症状を伴ったり、関節痛、リンパ節腫脹もみられることがあり、約4週間続きます。放置すると前述の紅斑が多発性にみられたり(二次性遊走性紅斑)、循環器症状として不整脈(A-V block)や心膜炎などが稀にみられます。また顔面神経麻痺、
神経根炎、髄膜炎など神経の症状もきたします。さらに放置すると数カ月から数年にわたり、慢性の皮膚症状(慢性萎縮性肢端皮膚炎)、慢性の髄膜炎、視神経委縮、大関節の腫脹と疼痛を伴った慢性関節炎がみられます。これらの症状が順番に出現せずに、いきなり顔面神経麻痺(資料5)が発症することもあります。ライム病はマダニに刺されたという自覚はほとんどの患者さんで持っています。
https://www.dermatol.or.jp/qa/qa19/q06.html