真面目で温和でもネットで過激化に
3人目の容疑者逃走中=実行犯、祈る人に危害加えず―チュニジア襲撃事件
時事通信社 2015/3/22 21:40
【チュニス時事】チュニジアで18日に起きた日本人3人を含む外国人観光客ら20人以上が死亡した博物館襲撃事件で、カイドセブシ大統領は22日、現場で射殺された2人以外に容疑者1人が「逃走している」と述べた。「第3の実行犯」の存在については、現場に居合わせたチュニジア人女性も大統領の発言以前に「目撃した」と証言しており、治安当局は情報収集を進めている。
大統領は、フランスのテレビ局に対し、「実行犯は3人いた。1人は逃走しているが、そう遠くには行ってないだろう」と語った。
チュニジア当局は21日、館内の防犯カメラの映像を公開した。そこには犯人とみられる2人が館内にいた人物の脇を危害を加えずに通り過ぎる場面も映されている。この人物が第3の実行犯の可能性もある。
一方、実行犯はイスラム教の祈りのしぐさをした人には危害を加えず、イスラム教徒ではない外国人を次々と狙い銃撃が繰り広げられていたことが21日、館内にいた観光客の話で分かった。脱出を試みていた女性は、人々に銃撃を加える犯人に出くわしたが「自分がイスラム教徒であることを伝え、祈りのしぐさをしたところ危害を加えられず、外に逃げられた」と証言した。
[時事通信社]
http://news.merumo.ne.jp/article/genre/2646381
銃撃犯は「温和な性格、ネットで過激化か」
読売新聞 3月23日(月)10時0分配信
銃撃犯は「温和な性格、ネットで過激化か」
チュニス郊外で、ラアビディ容疑者がネットを通じて過激派の影響を受けた可能性を語る、いとこのウェリッドさん(21日、本間圭一撮影)
【チュニス=本間圭一】チュニジアのバルドー博物館で18日に起こった銃撃テロ事件で射殺された銃撃犯2人のうち、ヤシン・ラアビディ容疑者は、温和で気さくな性格で知られ、友人や親族は「犯行が信じられない」と口をそろえた。
モスク(イスラム教礼拝所)やインターネットで、「イスラム国」などイスラム過激派の思想に触れたのではないかとの見方が出ている。
「サッカーが好きないい男だったのに」。チュニス郊外のオムラン地区。21日、ラアビディ容疑者の自宅近くで商店を営む男性は、友人の凶行が信じられない様子だった。
親族らによると、ラアビディ容疑者は、中流家庭で育ち、大学ではフランス語を学んだ。米国人のガールフレンドがいたという。
ラアビディ容疑者の別の友人によると、2年前からモスクに通い始め、礼拝を欠かさないようになった。酒やたばこをやめ、ひげを伸ばし始めた。モスクで、共犯のハテム・ハシナウィ容疑者と知り合い、過激思想に染まった可能性がある。
一方で、ラアビディ容疑者のいとこ、ウェリッド・ラアビディさんは「あいつを洗脳したのは、インターネットのネットワークだろう」と話す。仏紙パリジャンも、ラアビディ容疑者らの隣人の話から「ネットで過激化」の可能性に触れており、今年1月以降、フランスやデンマークで起こった銃撃テロのように、ネットなどを通じて過激思想に感化されていった若者の姿と重なる。
ラアビディ容疑者は昨年、周囲に「リビアで仕事ができた」と言って出国した。地元メディアは、同容疑者が既に、イスラム過激派組織「アンサール・シャリーア」と関わり、隣国リビア東部デルナで戦闘訓練を受けていたと伝えた。
ラアビディ容疑者が通っていたインターネットカフェの店主は「彼は事件の4日前にバイクと新しい服を買っていた」と話す。犯行の準備だった可能性もある。ラアビディ容疑者は事件当日、配達の仕事に行くと言って自宅を出た後、博物館に向かった。
ちゃんとした家の子でも、教育や環境に関係なく、過激派になる。
真面目にモスクに通ってヒゲをはやしはじめ、リビアに行って訓練をしだしたら過激派になったかもしれないと思わないと。