「殺される」ネムツォフ氏の婚約者、ロシア脱出 暗殺容疑掛けられ一時軟禁 | 日本のお姉さん

「殺される」ネムツォフ氏の婚約者、ロシア脱出 暗殺容疑掛けられ一時軟禁

「殺される」ネムツォフ氏の婚約者、ロシア脱出 暗殺容疑掛けられ一時軟禁
SankeiBiz 2015/3/4 12:01
ロシアの野党指導者、ボリス・ネムツォフ元第1副首相=写真、死亡当時(55)=が暗殺された事件で、現場に一緒にいたウクライナ人女性が2日夜、ロシアでの軟禁状態を解かれ、ウクライナの首都キエフに帰国した。ロシア当局は当初、女性の暗殺への関与を示唆。女性はロシアの独立系テレビ局に目撃情報を語るとともに、周囲には、ロシア側に暗殺容疑を掛けられ、殺されると恐怖を感じたことを明らかにした。
◆「犯人見ていない」
フランス通信(AFP)などによると、女性はウクライナ人モデルのアンナ・ドリツカヤさん(23)。ネムツォフ氏とは3年前に知り合い、まもなく結婚する予定だったという。
2人は2月27日夜に赤の広場にある高級レストラン「ボスコ・カフェ」で一緒に食事をした後、ネムツォフ氏のアパートを目指し歩いているところを背後から銃撃された。28日午前零時前のことで、ネムツォフ氏は背中を4発撃たれて死亡したが、アンナさんは無傷だった。
アンナさんは帰国前、ロシアの独立系テレビ局の取材に応じ「犯人はどこから来たか知らないが、(われわれの)背後にいた」「私は犯人を見ていない。振り返り、あちこち見回すと、明るい色の車が見えた」などと証言。車はそのまま走り去ったが、車種やナンバーは確認できなかったと説明した。
事件解決につながるような目撃情報はほとんど持ち合わせていないアンナさん。それでもロシアが3日以上も彼女を軟禁状態に置き、帰国を許さなかったのはなぜなのか。アンナさんは同じテレビ局の取材に「私に暗殺の容疑が掛かることが怖い。なぜならロシア政府は今回の暗殺事件とウクライナ問題とを関連付けたいから。彼らは何でも望みどおりにでっち上げることができる」と語った。
◆報道官が関与示唆
AFPによると、キエフにいる母親には「第2のナディア・サフチェンコになるのを恐れている」と、生命の危険を語ったという。ウクライナ軍の女性パイロットであるサフチェンコさん(33)はロシア人ジャーナリストを殺害したとしてウクライナ東部で拘束され、ウクライナ側の釈放要求を無視してロシア国内で訴追された。
アンナさんの場合も事件直後にはドミトリー・ペスコフ露大統領報道官(47)が「一緒にいたウクライナ女性の(事件での)役割が明らかになることを待つ」と、彼女の事件への関与を示唆。ウクライナ外務省のスポークスマンはツイッターで「在モスクワのウクライナ外交官が、(当局に拘束されていないのに出国を拒否されている)彼女の帰国に際し、あらゆる手立てを尽くした」と、アンナさんの解放が一筋縄ではいかなかったことを明かした。
ただ、ロシア側がアンナさんを解放したことで、当局が彼女を「犯人」とみていないことだけははっきりした。3日にはネムツォフ氏の葬儀がモスクワで営まれており、それまでの間、ネムツォフ氏がウクライナ側と通じているとの印象を与え、政権への反発を弱めることには成功したという解釈も成り立つ。
◆監視カメラ操作か
それでも事件の謎はなお残る。AP通信は、ロシアのビジネス紙コメルサントを引用し、街の監視カメラがネムツォフ氏が殺害された場面の録画に失敗したとするロシア内務省の匿名情報を報道。一方で「当時、全てのカメラは正常だった」とするモスクワ市の情報技術部門の相反するコメントも掲載した。
そうであるならば両当局より強い権限を持つ組織が何らかの形で監視カメラの情報を操作した可能性も否定できない。帰国したキエフの空港では担当弁護士が「彼女には休息が必要だ」と語るばかりで、アンナさんが報道陣の前に姿を見せることはなかった。(SANKEI EXPRESS)

誰が殺した?
ロシアは大きいだけのギャングたちの国。イスラム国と変わらん。