日本の「実質的脅威」は、「中国1国のみ」ということになる。 | 日本のお姉さん

日本の「実質的脅威」は、「中国1国のみ」ということになる。

日本の「実質的脅威」は、「中国1国のみ」ということになる。
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ロシア政治経済ジャーナル No.1151
2015/2/4
北野です。
湯川さん、後藤さん殺害で最悪の結末になった「イスラム国」問題。日本は今後の立ち位置をどうするべきなのでしょうか?
全日本国民が知っているように、「イスラム国」による人質事件は、湯川さん、後藤さんが殺害されるという最悪の事態になってしまいました。
私がしばらくメルマガを出せなかったのは多忙だったからですが、「イスラム国について書くのにメルマガという媒体では厳しい」と
考えていたことも理由の一つです。そのくらいこの問題は複雑なのです。
まず、基本的なところから。
皆さん、以下の事実ご存知ですか?
1、イスラム国は、つい最近まで、「反アサド派」として知られていた
2、欧米は、「アサドは悪」「反アサドは絶対善」とプロガンダしていた
3、よって、欧米は、「アサドと戦うイスラム国」を支援していた
4、つまり、イスラム国がイラク・シリアにまたがる広大な領土を支配で
きるほど強力になったのは、「欧米が支援したから」である
どうですか、これ?
「イスラム国」は、つい最近までアサドと戦う欧米の「味方」だった。
そして、「イスラム国」が強いのは、支援した欧米のせいなのです。
もう一つ、非常に重要なポイントがあります。
5、イスラム国は、もともとアルカイダ系だった。(今は断絶宣言しているが)
これどうですか?
アルカイダといえば、「9.11の犯人」ということになっています。
アメリカ国民にとって「最大の敵」であるアルカイダ系の「イスラム国」。
それを、アメリカ政府は、「アサドと戦う絶対善だ!」と主張し支援しつづけていたのです。
ここまで読まれて、新規読者の皆さんの心は、「陰謀論者め!」「とんでも系め!」とイライラしていることでしょう。
しかし、私は証拠のないことは、いっさい語りません。
「陰謀論者め!」と憤った方は、こちらをかならずご一読ください。
去年9月末の記事ですが、イスラム国の正体に関する証拠をあげています。
http://diamond.jp/articles/-/59721/
(●イスラム国がロシアを救う )
もう一つ。
「日本はこれからどうするの?」という問題。
正直いうと、日本からはるか遠くに離れた「イスラム国」は日本の脅威ではありませんでした。
もちろん、シリアやイラク、特に「イスラム国」が支配している地域にいけば、捕まるでしょう。
原油価格下落でイスラム国も財政難ですから、「身代金」だって要求するでしょう。
しかし、日本人が「そこ」に行かなければ(行かせなければ)、危険なことはほとんどなかったのです。
だからといって、「イスラム国のことは、対立するキリスト教諸国の欧米に勝手にやらせておけばいい!」となるのでしょうか?
上記のような欧米の「欺瞞」を知れば、普通の日本人は、「関わらないほうがいい」と考えるでしょう。
しかし、私は、そう思いません。
なぜ?
ここが非常に複雑なのです。
メルマガだけでは説明が長くなりすぎて、とても難しい。
そんなわけで、「ダイヤモンド・オンライン」に記事を書くことにしました。
非常に重要ですので、是非ご一読ください。
読みはじめると、まず題名から「イスラム国」がでてきません。
そして本文も「イスラム国」に関係のない話がほとんどです。
しかし、
「イスラム国事件後の日本の立ち位置について知らせたい」いうのが記事を書いた動機です。
是非最後までご一読ください。
【転載ここから▼】
●戦後70年の今年、中国が仕掛けてくる“罠”
「イスラム国」による人質殺害事件が日本全体を揺るがせている。
立て続けの悲報を受けて「日本は欧米と一緒になって、イスラム国と戦うべきではない」と主張する人たちもいるが、この複雑な問題をどう考えるべきだろうか?
▼イスラム国は日本の脅威か?日本の抱える問題をおさらいしよう
「イスラム国」が日本に衝撃を与えている。
全国民が知っているように、イスラム国は、日本人男性2人を拉致し、日本政府に2億ドルの身代金を要求。
それがかなえられないと知ると、湯川遥菜さんを殺害。
さらにヨルダンに拘留中の女性死刑囚との交換を要求したあげく、とうとう後藤健二さんまで殺害した。
身代金要求と殺害予告は、安倍総理が1月17日、カイロで「イスラム国と闘う各国への支援」を約束した後に起こり、ビデオ声明で犯人もそのことを強調している。
これを理由に、安倍総理を非難する人たちがいる。
「総理の演説と、支援が今回の悲劇の原因だ」というのだ。
さらに、「欧米と一緒になってイスラム国と戦うべきではない」と主張する人たちもいる。
今回は、この複雑な問題、「日本の立ち位置」について考えてみよう。
実をいうと、イスラム国は日本の大きな脅威ではない。
犯人は声明の中で、「お前(=日本)は、「イスラム国」から8500キロ以上も離れたところにいる」と指摘した。
実際そうなのだ。
欧米では、しばしばイスラム過激派によるテロが起こっている。
しかし、日本ではこれまでのところ起こっていない。
また日本は、イスラム教諸国と友好を保ってきたし、キリスト教・ユダヤ教・イスラム教の宗教対立とも無縁でいた。
しかし、安倍総理がイスラム国への空爆を繰り返す欧米支持を明確にすることで、「日本が危険になる」というのは、ある面、そのとおりだ。
つまり、今後の日本の動き方次第では、「脅威でなかったものを、脅威にしてしまう」危険性がある。
ところが、「欧米と距離を置いて勝手に戦わせておけばいい」と単純にならないのが、大人の世界のつらさである。
日本には、「他の脅威」があり、その脅威に対抗するために欧米の力が必要なのだから。
では、「日本の脅威」とは、なにか?日本は現在、3国と「領土問題」を抱えている。
つまり、中国との「尖閣問題」、ロシアとの「北方領土問題」、韓国との「竹島問題」である。
(日本政府は、「日中間には領土問題は存在しない」という立場だが。)
この3つは、どれも「領土問題」だが、「本質」は異なっている。
なぜか?
ロシアは、北方領土を「実効支配」している。
韓国は、竹島を「実効支配」している。
つまり、この2国は、現状に「満足している」ので、向こうから戦争をしかけてくる可能性は極めて低い。
しかし、中国は、尖閣諸島を実効支配していない。
だから、尖閣を奪うために日本と戦争する可能性が高いのだ。
もう1国、北朝鮮は、確かに日本の脅威である。
だが、極貧国・北朝鮮の脅威は、中国のそれと比べると、比較にならないほど小さい。
「米国」はどうだろうか?
日本ではここ数年、「日本の不幸の原因は、すべて米国」といった本が、次々とベストセラーになっている。
米国が日本を搾取する構造は、確かにある。
しかし、「米国は少なくとも日本の領土を奪おうとしていない」ことも指摘しておく必要があるだろう。
(そして、日本の軍事同盟国である。)
こうして見ると、日本の「実質的脅威」は、「中国1国のみ」ということになる。
要するに、日本の安保外交の最重要課題は、「中国問題をどうするか?」だけなのである。
【転載ここまで▲】
ここから、また北野です。
「なんか全然関係ない話してるよな~」と思われたことでしょう?
しかし、結局、「日本はイスラム国問題をどうすべきなのか?」という話に収束していきますから、是非つづきもご一読ください。
こちらから、【完全無料】でご一読いただけます。
http://diamond.jp/articles/-/66110
「役にたった!」と心から思われた方だけ、「いいね!」を押していただけるとうれしいです。
北野幸伯 ▼
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北野 幸伯
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★Aさまからのメール
北野様、いつも素晴らしいメルマガ、ありがとうございます。
ところで北野様は、ジャーナリストの水間政憲様が尖閣の領有権に関して大スクープをされていたのをご存知でしょうか。
日本の国土地理院に相当すると思われる「中華人民共和国国家測絵総局」が、1969年までは尖閣を日本領とする地図を製作していたことを明らかにしました。
国連が尖閣周辺に膨大な石油が眠っていることを報告したのが1969年の5月のことでしたから、中共が尖閣の領有権に関する主張を変えたのはまさにこの後であることが明白になったといえます。
チャンネル桜においてそのことを語っている動画もぜひご覧下さい。
https://www.youtube.com/watch?v=sFzoNsfsbJA
インターネットだけ転載フリーということですが、以下から画像をダウンロードできます。
https://t.co/xi2OHe7f4K
北野様にぜひ拡散して頂きたく、よろしくお願いいたします。
↓●編集後記へ
★編集後記
湯川さんと後藤さんは、本当にお気の毒でした。
実をいうと、こういうできごとは、「誰の身にも起こりえること」です。
もちろん、日本国内にいてイスラム国に誘拐される可能性はほとんどないでしょうが。
昔からの読者さんはご存知ですが、私は2010年、ロシアの民族主義者に襲われ、死にかけました。
それまで私は、「自分は運がいいから、何も起こらない」と確信していた。
ところが、この事件で考えが変わりました。
ちなみに、私が襲われた数日後、驚くべき事件が起こりました。
あるロシア人記者が、道を歩いていると、他の男性が肩にあたった。
そのロシア人記者は、「きをつけろ」と注意しました。
で、どうなったか。
肩にぶつかった男性は、ナイフを取り出すと、ロシア人記者を一つきで殺してしまったのです!
私は、このニュースをテレビでみて、「生きてるだけでラッキー」と思いました。
そう、形はいろいろありますが、「誰の身にも起こりえること」なのです。
湯川さん、後藤さんのご冥福をお祈り申し上げます。
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北野幸伯
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