知らない世代の入信増 - 教団名を隠した大学サークルやヨガ教室で巧みに勧誘しているという。
オウム元信者、高橋克也容疑者を追起訴 都庁爆弾事件に関与
産経新聞 7月30日(月)15時30分配信
平成7年5月にオウム真理教幹部らが東京都庁で郵便物を爆発させた事件で、東京地検は30日、殺人未遂と爆発物取扱罰則違反の罪で、教団元信者、高橋克也容疑者(54)=地下鉄サリン事件の殺人罪などで起訴=を追起訴した。
平成6年12月~7年1月に、3人を殺傷したVX事件でも逮捕状が出ており、警視庁は近く殺人容疑などで再逮捕する方針。
起訴状によると、高橋被告は7年5月に教団元幹部らと共謀、東京都知事宛てに爆発物を郵送した上、都庁内で爆発させ、知事秘書だった内海正彰さん=当時(61)=に重傷を負わせたとしている。
また、東京地検は同日、教団元幹部の菊地直子容疑者(40)を匿ったとして、犯人蔵匿罪で起訴された高橋寛人被告(41)が無免許で車を運転していたとして、道交法違反の罪で追起訴した。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120730-00000585-san-soci
知らない世代の入信増 終わりのない「オウム」
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2012/07/18 08:57更新
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【from Editor】
在京の新聞、通信社の社会部長が師走に集まり、1年の10大ニュースを選ぶ会合が毎年開かれる。まだ7月で気が早いが、オウム真理教特別手配犯の平田信被告、菊地直子、高橋克也両容疑者の3人が、地下鉄サリン事件から約17年もの歳月を経て逮捕されたニュースは確実に上位に入るだろう。
各社の社会部で紙面作りの責任者の「デスク」や取材を指揮する「キャップ」は、何らかの形でオウムの取材にかかわった年代だ。思い入れは強い。各社の紙面からは、意気込みが伝わってきた。本紙も3人の逮捕のたびに緊急連載を始めるなど逃亡の闇に迫った。
一方で「オウムって何?」という指摘もいただいた。10代、20代の読者には、どんな団体か、よくわからないという。高橋容疑者が長年潜伏した川崎市で取材にあたった20代の部員に聞いてみたところ、殺人を正当化した「ポア」の教義で凶悪犯罪を繰り返した教団についての記憶は薄かった。
こうしたオウムを知らない世代の入信が増えている。公安調査庁によると、昨年の新規信者は213人と前年より倍増した。教団名を隠した大学サークルやヨガ教室で巧みに勧誘しているという。
「この春、ハタチそこそこの若者が目立った」。東京都足立区入谷にある教団後継のアレフの施設と向き合う地元住民の対策協議会の会合で、年配の女性が教えてくれた。「就職も厳しいから、何かに頼って入信するのかも」と男性住民もうなずいていた。この会合に顔を出した後、アレフの埼玉県蓮田市への拠点計画が発覚した。
事件を知らない世代の入信、施設を抱える地域の不安、サリンの後遺症に苦しむ被害者…。部員には、「3人の逮捕でもオウムは終わらない」を念頭に、取材や紙面作りを頼んできた。
《「格差社会」「若者の貧困」…。(中略)閉塞(へいそく)感が漂っていることも、オウムにつけ入る隙を与えている》。連載を執筆した記者はこう警鐘を鳴らしていた。
「原発事故で、放射能が怖い気持ちにつけ込む『似非(えせ)科学』のようなものまで出てきている。当時以上の危うさを感じる。同じ轍(てつ)を踏んではならない」。ジャーナリストの江川紹子さんからはこんな談話をいただいた。なぜ、若者が教団に惹(ひ)かれるのか、社会全体でもっとカルト宗教対策を考える必要がある。
手配犯逮捕で刑事事件としては区切りを迎えたが、教団犯罪の記憶を風化させないための取材に終わりはない。(社会部長 斎藤浩)http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/other/577286/
元オウム信者、改造銃所持容疑で逮捕
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2012/07/27 19:32更新
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モデルガンを改造した拳銃や実弾を所持したとして、大阪府警捜査4課は27日、銃刀法違反(加重所持)容疑などで、大阪市東淀川区東中島の無職、秦野信一容疑者(62)を逮捕、送検したと発表した。府警などによると、秦野容疑者はオウム真理教の元信者で、平成6年に教団元幹部の井上嘉浩死刑囚(42)に改造銃を譲り渡したとして、銃刀法違反罪などで有罪判決を受けている。
秦野容疑者は、拳銃や実弾について「自分で作った」と供述。自宅から、改造用とみられるモデルガン約10丁や工具などが見つかった。府警は、秦野容疑者が、ほかにも改造銃を製造し、何者かに譲渡していた可能性もあるとみて調べている。
府警によると、秦野容疑者は、5年にオウム真理教に入信。当時もモデルガンの改造を手がけており、改造銃を教団側に渡していたという。現在は、教団との関わりは確認されていない。
逮捕、送検容疑は今年5~6月、改造した回転式拳銃1丁と実弾9発などを自宅で所持したとしている。
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/event/crime/579595/
「オウムと知りばかばかしく」都庁郵便物爆発事件で左手の指失った内海さん
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2012/07/10 01:51更新
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「事件のことは十数年前に気持ちの整理をつけた。ああ、そうですか、という感じだ」。東京都庁郵便物爆発事件で、左手の指を全て失った内海正彰さんは、高橋克也容疑者の再逮捕を冷静に受け止めた。
事件当時、内海さんは、都民の苦情の電話を受けながら、何げなく小包を開けた。書籍の中身をくり抜いて仕掛けられた爆弾が入っているとは思いもしなかった。カセットのようなものが見えたと思った瞬間、パンッという音とともに爆発が起きた。病院に運ばれたが、「出血は少ないし、死なない」と、頭は驚くほど冷静だった。当時、都庁に多くの苦情があった世界都市博覧会中止をめぐるテロではないかと心配した。
入院中、教団による捜査攪乱が目的と知り「急にかかわるのがばからしく感じた」。けがのショックも大きかったが、「たまたまそういう職場で働いていただけ」と割り切り、前を向いて生きることを心がけた。
平成22年7月まで都職員を勤め上げ退職。現在は都が出資する民間企業で役員を務める。「自分には過去の話だが、事件で大切な人々を失った方々のために、高橋容疑者は本当のことを話すべきだ」
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/event/crime/575193/